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ちょっとだけ原点回帰? イタリアン・パワーメタルARTHEMISが新譜「Blood・Fury・Domination」をリリース!

ちょっとだけ原点回帰? イタリアン・パワーメタルARTHEMISが新譜「Blood・Fury・Domination」をリリース!_c0072376_13002337.jpgARTHEMIS 「Blood・Fury・Domination」'17

4人組イタリアン・パワーメタルバンドの5年ぶり通算8作目がリリースされたので、ちょい遅れてGET!

如何にもイタリアン・インディバンドというクサメロのB級メロスピからタフでマッチョなメロディック・パワーメタルへ路線変更してマイナー臭を払拭すると共に、リーダーの Andrea Martognelli(G)のみ残してバンドメンツを一新して殆ど別バンドへ生まれ変わった新生ARTHEMISの第三弾作が堂々の完成だ。

新生ARTHEMIS第一弾作「Heroes」'10 は、そのパワフルでソリッドな作風にも関わらず国内リリースが見送られ(何故!?)残念だったが、前作に続き本作も無事国内盤がリリースされ何はともあれ一安心だろう。

で、本作の内容だが、再びメンバーの変動がありリズムセクションが丸々チェンジしたが前作と同一路線なままに、よりダイナミックでスピード感二割増しなスラッシュテイストもたっぷりのストロングサウンドにネオクイラ系のテクニカルな早弾ギターが絡むという、如何にも日本人好みなサウンドに一層磨きが掛かっている。

新生三作目と言う事で無駄な気負いのようなものが消えたのか、必要以上にヘヴィネスで強烈なパワーでグイグイ圧しまくるアグレッシヴサウンドに僅かな変化が見え、メロスピ風の荘厳なコーラスが飛び出してきたりと初期のようなメロディアスでキャッチーな哀愁のクサメロ要素(お陰で平坦だった歌メロに大きくメリハリが生まれた!)が本作では再び感じられるのが個人的に嬉しい。

元々イタリアンバンドにしてはドライで叙情感の薄めなサウンドだった彼等だが、現在は世界進出を目指してか意図的にイタリアン要素を捨てているのだろうし、タイトでソリッドな鈍色サウンドのストロングスタイルHMの方が世界的には受けがいいのは当然とは言え、やはり初期の彼等を知っている身からすると本作のような仄かな甘味が感じられるメロディだったりキャッチーでフックある歌メロだったりが有る方が断然国内受けは良いだろうから、この路線を是非続けて欲しいものだ。

初期からメンツ流動が激しくサウンドコンセプトさえ変更してきた彼等だが、やっとここに来てヘヴィ・リフがゴリゴリと刻まれ、メタルコア風なソリッドな怒濤のボトムの上でネオクラに弾き倒すギター・ソロが乱舞し、エモっぽかったりUSメタルっぽかったり初期のメロスピ風なキャッチーな歌メロだったりと幅広い歌唱スタイルで熱唱するという、バンドの王道パターンが確固たるレベルに仕上がってきたようである。

しかし、新生レーベルの第一弾アーティストだからか“売り”だと思って気負っているからなのか、やたらと宣伝文句で Andrea Martognelliをスーパーギタリストとアピールするのはどうなんだ、と…

彼等のサウンドを聞いたことがある方なら理解していると思うが、非常にコンパクトに纏まった楽曲の中でバランス重視なソロだったり印象的なメロディを流暢に奏でるプレイに終始している Andrea Martognelliのギタープレイは勿論下手であるわけはないんですが、所謂ギターヒーロー系なバランス度外視な自己主張の強いテクニカルプレイじゃ全くないんだがなぁ…

ギターヒーロー系なモノを期待して彼等のアルバムに手を伸ばす新規ユーザーにとっては、下手すると“騙した”って事になりかねないので過剰なスーパーギタリスト推しは如何なモノかと思うんですが…(汗

とまれ試行錯誤を繰り返しユーロピアン・メロディアスHM要素を隠し味にスラッシュ臭さえ漂わすアメリカン・パワメタ風なドライなヘヴィ・モダンサウンドを構築した彼等の新作は、ユーロ系王道HM好きにも十分アピールする傑作に仕上がっているのは間違いないので、ご興味ある方は是非チェックしてみて下さい!



by malilion | 2017-06-25 12:55 | 音楽 | Trackback
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