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今頃購入、PRAYING MANTISの新作デス


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いにしえのNWOBHMムーヴメント時から活動する古参UK・哀愁の叙情派ツイン・リードギター・HRバンドの約6年ぶりとなる待望の新作を今頃(汗)購入したので、ご紹介。

まぁ、彼等は“マンティス節”の度合いがどれくらいか、という点しか不安がない良作をリリースしてくれると硬く信じているので、慌てて購入する事もあるまいと後回しにしまくってたらこんな事になってしまいました(スマヌ

もはやバンド恒例となったメンバー・チェンジが再び勃発し、新メンバーにヴォーカリストとドラマーを迎えている。
新フロントマンはCOOPER’INCやPARRISなるバンドで活動し、AYRIONのアルバムへも参加経験のある John“JayCee”Cuijpersと、ドラマーはCHINA WHITEやTERRA NOVAにも在籍していた Hans in't Zandtで、2人ともオランダ人との事。

そして、この新作ですが、トレードマークのカマキリがジャケに復活したのを見て、ファンは胸を撫で下ろした事でしょう。
アルバム・インフォにあるように原点回帰を狙っての懐古的なジャケデザだとしたなら、内容の方もある程度は予想がつくってもんです。

前作「Sanctuary」'09 が一時的な解散状態からのカヴァー・バンドのメンツを迎えての再結成作というイレギュラーな事情もあったし、ダークで退廃的なアルバムジャケからして“いつものMANTIS”でない事はファンならすぐに察した事だろうが、それでも活動再開してくれた事を感謝したはずだ。
なのに、その後まさかの再び長い沈黙が訪れるとは完全に予想外でした…
11年に30周年記念の企画盤「Metalmorphosis」をリリースしているとは言え、次のオリジナル・アルバムが届けられるのに約6年も待たされるとはね…orz

で、待たされたその新作ですが、バンド初期への「原点回帰サウンド」への期待という点に限って言えば、正直満たされなかったと言うのが本音かな?(つд`)

基本的に前作と同一方向性のヴォーカル・ライン重視の甘口メロハー・サウンドが基本スタンスで、華麗なる復活作にして名盤の誉れ高い新フロントマン Colin Peelを迎えてリリースされた「A Cry For The New World」'93 時のようなド派手なツイン・リードが炸裂する“マンティス節”と疾走するHRテイストが少な目なのが少々残念ではあります。

ただ、前作で新フロントマンとして迎えられた Mike Freelandが、これまでのフロントマン達が持ち込まなかった“甘い声質の憂いのある歌声による甘口AORテイスト”という新要素はこの新作でも依然活かされており、叙情的メロディと哀愁漂うドラマチックでスリリングな楽曲展開という旧来の“マンティス節”が、より洗練されモダンになった2010年代に相応しいメロハー・サウンドとして、この新作は完成度が増しているとも捉える事が出来るので、あながちこの方向性が間違っているとも言えません。

まぁ、Troy兄弟も歳を取って落ち着いた結果、AOR風要素が多いサウンドを好むようになった、とも取れるかもしれませんけど(汗
個人的には、彼等のサウンドにAOR要素が多くなるのは好ましくないと思うんですが、モダン度が増した今のバンドサウンドを悪く思えないし、寧ろ「Sanctuary」の方向性をより推し進めるべきだったとも思えるのがなんとも…

この新作においては、如何にもAORシンガーって風貌(汗)だった Mike Freelandに変わって、見たまんまワイルドなHRシンガーという風貌の John“JayCee”Cuijpersの歌声が、前任者の大人の渋みも漂わせる甘口ヴォーカル(Colin Peelに近い)とハッキリ違う、パワフルな野太い中域メインで高音もよく伸びる王道HMヴォーカル・スタイルで、前作でモダン度の増した甘口メロハー・サウンドを80年代風味なHRサウンドへ一気にレイドバックさせる最大の要因になっているのが、また面白いというか複雑と言うか…な、印象ですね。

バンドの土台が今風のモダンサウンドに既に変わってしまったのに、上っ面だけ初期80年代風HRサウンドにした、みたいな微妙な違和感を感じると言えば伝わりますでしょうか? ウーン…

モダン度が増した事でトレードマークの“マンティス節”が弱まって、こぢんまりしたメロディアスHRサウンドに聞こえてしまっているのと言うのも、旧来からのファンにとっては痛し痒しと言う所でしょうね…

とは言え、Troy兄弟が初期サウンドを捨てた訳じゃないのが分かったと言うのもこの新作の大きな意味でしょうし、変わらず活動を続けてくれているという事だけでもファンにとっては有り難い事なんですよ。ええ。

モダンさと旧来の“マンティス節”のさらなるマッチングと完成度向上を祈って、次なる新作を待ちましょう。
今度は、そんなに待たせないでね…(つд`)
by malilion | 2016-10-27 00:44 | 音楽 | Trackback
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