CROTALO 「Nel Cuore Del Mondo」'97 忘却の海に埋もれていたキーボード入り4人組イタリア産プログ・メタルバンドの唯一作をご紹介。 ジャケがちょっと怖いのと、バンド名が「ガラガラ蛇」という事で、ダークでヘヴィなメタルかと思ったら、意外や意外、爽やか系のシンフォ&プログメタル・バンドでありました。 元々はスラッシュ系を出発点にしているバンドらしいのですが、ドラムスがヴォーカルを兼任するキーボード入り4人組という少々変則な構成で、出してる音はオペラチックにハイトーンまで良く伸びる声で歌い上げるヴォーカルを中心に据えた、少しユーロプログレ風なHRバンドといった音を出しております。 ギタリストが明らかに夢劇場の影響を大きく受けていて、モロなフレーズや展開、そしてエッジの立ったギター・サウンドを聞かせる訳ですが、キーボーディストもそのギタリストに引っ張られる形でか少々夢劇場っぽいフレーズを刻むものの、基本的には古典的プログレ・ティストなプレイが中心で、リズム隊はHM要素皆無の少し古めなHR風プレイを中心にゆったり繰り広げている為か、全体に古風なバンドサウンドに新しめなギターサウンドだけが乗っかっている、というようなギャップを生み出して面白い音を形作っている。 イタリア語で歌われているものの、歌メロ自体はイタ公グレ系にありがちな濃厚さやクドさは無く、意外にあっさり目で所謂英米バンド風に聞こえて、そこも面白い点だと言えよう。 スラッシュ系ベースのバンドにしてはリズム隊が大人しく思えるものの、ドラムスがヴォーカルを兼任する事を考慮し、LIVEを想定して激しいプレイは抑え目にしたのかもしれません。 全体的に夢劇場フォロワー風なサウンドなものの、チグハグなギャップもあって単純なフォロワーに聞こえない所は独自性と言えるでしょう。 ただ、難点も多く、特にユニゾンで一丸となってバックのプレイがハイテンションになるものの、抑え目なヴォーカルが乗っかるとスーッっとテンションが下がってしまう箇所が見受けられて、プログレメタル系でなかったらこのヴォーカル、下手ではないにも関わらずバンド最大のウィークポイントとして思い切り目立っていた事でしょうね。 ギタープレイやヴォーカルはかなりエモーショナルでなかなかのレベルで、もし次作があったらならどんな進化を遂げていたのか、聞いて見たかったバンドではあります。
by malilion
| 2016-10-17 20:27
| 音楽
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