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生粋のグレ者以外のUSグレ・アルバム AUDIOCRACY


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元YESの Jon Andersonとも交友のあるUSAの音楽一家の出な Tobin James Muellerが立ち上げたプロジェクト作の今の所、唯一作を仕舞い込んでいたプログレHMと一緒にご紹介。

ティーンエイジャーの頃から活動開始したジャズピアニストをメインに、作曲家、脚本家、詩人、カメラマンもこなし、ジャズ、ファンク、ネオクラシカル、プログレ、フュージョン・フォーク、ゲーム音楽、劇場音楽、映画音楽等、多種多数なジャンルのアルバムを多数リリースし多方面で活躍するマルチ・アーティストでありマルチ・ミュージシャンである彼が、プログレ作として製作したのが本作。

基本的に Tobin James Mueller以外、ヴォーカルの Twon(Vo、B、Acoustic G)のみを固定メンバーとして製作されていて、それ以外のパートに多数のゲスト(国境を超えてネットで世界中と音源をやり取りして)を迎えて製作されているので、非常に華やかでバラエティーに富んだシンフォ・プログレサウンドとなっている。

本人が“情熱と感覚の交響曲の嵐”と言う本作をプログレを着想にしたロック・オペラ作として製作したようだが、分厚い合唱パートだけでなくシンフォニックなアレンジがたっぷり施された重厚なサウンドに、しっかりとロックテイスト(Tobin James Muellerがスタジオに籠もるタイプでなく、LIVE好きなのも大きいかも)も含まれているので、この手のマルチ系ミュージシャンがゲストを集めて奏ってみました、なスケールだけデカイお上品で芸術性は高いけれど退屈な一品でない所もポイントが高い。

多分に民族音楽的なテイストや、フュージョン的なテイストも含んでいるので、ガチガチのロック作しか聞かない方には少々奇異に聞こえたり、ピンと来ないパートもあるかもしれないが、静かに耳を傾けていると、長年のキャリアとボーダレスに各ジャンルで活躍してきた実績に裏打ちされた様々な音楽要素がモザイクのように散りばめられているのが分かって、聞いていて飽きない一作と言えるだろう。

個人的には、ユーロティストが強いウェットで美麗なメロディがアルバム全般に満ちていて、USA産的なドライさや大雑把さ、パワー推しのような所が皆無なのも本作を気に入っている点ですね。

ハイテクをハイテンションに、というような方向性をシンフォやプログレに求める向きには向かない一品ではありますが、Jon Andersonのソロ作のように民族音楽要素のあるゆったり蕩々と流れる美麗メロディに身を委ね、心を癒やされたい(にしては、ちょっとロック的過ぎる?)ような方にお薦めの一枚です(*´ω` *)
by malilion | 2016-09-29 01:03 | 音楽 | Trackback
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