今はその名を忘れられた独産プログHMバンド…LIVITの最終作。

c0072376_00351945.jpgLIVIT 「Unspoken」'96

独のマイナーなキーボード入り5人組プログHMバンドがドイツのインディ・プログレッシヴ・ロックレーベルWMMSに残した最終作2ndをご紹介。

因みにバンド名は、"Live it"と "Livid"という言葉を組み合わせた造語から来ている。

ドイツの中央北にある都市ブラウンシュヴァイクで1989年に Andreas Scheil(G)と Jurgen Schuler(Ds)を中心に結成され、間もなく Thomas Grove(Vo)、Jurgen Wintermeyer(B)、Thomas Lachemund(Key)が合流し、約2年間LIVE活動を続け腕を磨き、地元のバンドコンテストに優勝し、その流れに乗って92年にデビューアルバム「Just In Time」を自主製作リリース。

デビュー作のサウンドは、80年代ポンプ的なサウンドとFATES WARNINGやQUEENSRYCHE等のテクニカルな新進プログHMサウンド(夢劇場のブレイク前夜…)をMIXさせ(ようとし)たサウンドという字面だけ見ると魅力的なサウンドに成りそうなのだが、MARILLION風の派手なシンセが主導のキャッチーな美旋律が魅力的な楽曲と「Empire」'90 時のQUEENSRYCHE風な叙情的で、より技術的な側面が強く押し出されたシリアスでタイトな楽曲にアルバム収録曲の毛色が遊離してしまい、イマイチ焦点のボヤけた些か古臭い感触(keyのサンプリングが古臭いから?)が音に感じられるアルバムに仕上がってしまう…orz

もし彼等のアルバムデビューが後1年遅れて夢劇場が全世界でブレイクした後だったなら、音域の広いヴォーカリストは表現力豊かで少しシアトリカルな歌唱も披露しつつ、テクニカルで手数の多いシンフォニックなキーボードサウンドはリードにバッキングにと活躍し、印象的でヘヴィなギター・リフや華麗に斬り込むソロパートの数々は実にスリリングで、それらが激しいリズムチェンジを繰り返すボトムと一丸となってコンパクトな楽曲を一層に魅力的で壮大なサウンドへ導いていく、という1stで感じられるプログHM要素だけに焦点を絞りきった完成度の高いアルバムをリリースして、もっと注目されもっと評価されていたんじゃないかなぁ、と今さらながらに思わずにいられません(つд`)



◆◆◆ 閑話休題 ◆◆◆


1995年、LIVITはWMMSと契約を結び、続く2ndでは全世界を席巻する夢劇場症候群の熱にのぼせ雨後の竹の子の如く現れる新プログHMバンド達を横目に、バンドはコンセプトアルバムの製作に取りかかる。

『精神分裂病の重症化によって自殺し、悲劇的に終わった人生』という重々しいテーマ描き出すそのサウンドは、夢劇場ブレイク前から活動していたプライドかギターとキーボードのプレイと音色にポンプ臭さが幾分か残っているものの、総じて夢劇場症候群バンドと同路線のプログHMへサウンドへ焦点が絞り込まれた露骨にヘヴィでダークなサウンドへバンドカラーが様変わりしていた…

シュツットガルト近くのROXANNE Studioで録音されたコンセプトアルバム「Unspoken」は1996年にリリースされた。

夢劇場症候群バンドとの差別化を図るように、バンドはラップやシアトリカルな歌唱も取り入れつつ、ネオ・プログレ風の派手なキーボードサウンドとクラシカルでシンフォニックなシンセサウンドを複雑に組み合わせ、スピーディーでハードエッジなギタープレイと、タイトでテクニカルでヘヴィなリズム隊のプレイが渾然一体となって展開する非常にスリリングで魅力的なサウンドで彩られたアルバムは、明らかに1stを凌ぐ壮大で重厚な楽曲が揃った渾身の一作だったものの、その高い完成度にも関わらず世に溢れる夢劇場フォロワー達のサウンドとの決定的な差別化を計れず終わってしまう。

実際、リリース当時は評論家からは好意的に受け入れられたらしいが、結局バンドはメジャーレーベルと契約も出来ず次第に金銭的に活動が困難になり1999年に解散してしまった。

やはり2ndで選んだテーマが重々しいと言うのもあるし、1stにあったポンプ的な派手さやキャッチーでポップな要素が大幅に減退していたのも明らかで、そういった変節で初期からのファンをも逃してしまったのが致命的だったのかもしれません…

たった2枚のアルバムをインディシーンに残したのみで今となっては殆どその名を知る人の居ない彼等ですが、夢劇場のブレイク前に魅力的な作品をリリースし、もしかしたら新しいプログHMサウンドの流れを生み出していたかもしれぬ優れたバンドの一つだったのは確かですので、興味が湧いたなら是非彼等のアルバムを一度チェックしてみて下さい。



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# by malilion | 2017-05-30 00:29 | 音楽 | Trackback

典型的な90年代初期CYCLOPSカタログ製品の1つ。UK産ポンプWALKING ON ICE。

c0072376_00062232.jpgWALKING ON ICE 「No Margin For Error 」'94

EPILOGUEと一緒に転がり出て来たUKのオブスキュアなキーボード入り5人組ポンプバンドが米CYCLOPSレーベルに残した唯一作をご紹介。

本作前に90年に「Whitehall Warrior」「More Than Heaven」なる2本の4曲入りデモテープ(実物未確認)を残していて、それぞれの収録曲と1st収録曲は重複していない。

残念ながら現在までそのDEMOテープがLP又はCDリリースされたという話は聞かないし、DLリリースされたという話も聞いていない。

サウンドの方はCYCLOPSレーベルの典型的なバンド群と同じく、軽めのシンセを中心に淡い叙情感漂う楽曲が展開するポンプ&ネオプログレ・サウンドで、Steve Mansfield (Vo)の少し怪しさを漂わす歌メロとコーラスを前面に押しだすサウンドは総じて耳障り良いものの特に強烈な個性を放っているわけではなく、Jez Newton(Key)の操るキーボードのシンセサウンドやプレイに幾ばくかMARILLIONっぽさが感じられる程度だろうか。

このバンドがその他のCYCLOPSレーベル・バンドと違う点と言えば、Justin Saban(G)がギターだけでなくマンドリンやティンホイッスル、そしてオーストラリア大陸の先住民アボリジニの金管楽器であるディジュリドゥ(!)も奏でる為か土着的サウンド(ドラムスのChris Pulestonがタブラも奏でる)がちょくちょく顔を出す点と、レゲエ的なリズムアプローチやGENTLE GIANT風の複雑なコーラスワーク(声が良くない…)をチラっと聞かせたりする点だろう。

派手なリズムチェンジや緊張感は皆無で、総じてポンプ系というよりキーボード入り80年代インディHR的な野暮ったいサウンドに近いとも言え、これで Steve Mansfieldがもう少し歌が巧いか、中途半端なシアトリカル風熱唱を止めるか、さらにマンドリンやディジュリドゥ、タブラのプレイ割合を増やしてバナキュラー度を上げていたならば、バンドとして唯一無二の個性を確立出来たかもしれない。

1996年にバンドが解散した後、Andy Faulkner(B)は2000年からUK産ネオプログレ・バンドJUMP(6枚目のアルバムから)にベーシストとして加入し、2005年の10thまで在籍した以外、他のメンツの動向は不明だ。

間違いなく好事家向けアイテムではあるが、マイナーポンプ系も押さえて置きたいマニアックな方ならチェックしてもいいかもしれない。


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# by malilion | 2017-05-29 00:01 | 音楽 | Trackback

フランスのミニMARILLION? ELEPHANT & CASTLEのデビュー作。

c0072376_00150152.jpgELEPHANT & CASTLE 「The Green One」'91

EURHYBIAと一緒に転がりでてきてたフランスのオブスキュアなポンプバンドがマイナーレーベルUGUMに唯一残した自主製作盤をご紹介。

R.P.P. Hennequin(Key)、Don Marques(B)、Avedis(Ds)、Edouard Poujaud(G、GuitarSynthesizer)、そして Steinberger(Vo、Synthesizer)の5人組で、専任キーボーディストがいるにも関わらずシンセを奏でるメンツも2人もいる構成で、これだけ見るとさぞアルバムは分厚い音の壁が築かれている事だろうと思うが、実際は隙間の多いスカスカ気味なサウンドでアルバム録音にはシンセメンツのプレイは殆ど活かされていない。

サウンドの方向性は、柔和なシンセを中心に起伏の激しいリズムチェンジを交えて朗らかに歌い上げる歌メロを中心に据えた80年代中期~90年代初期によく居たGENESIS傍系ポンプバンドの典型的サウンドと言えるだろう。

まぁ、素っ頓狂な声を張り上げる芝居が掛かった Steinbergerのヴォーカルをちょっと聞くだけで、すぐにこのバンドがMACHIAVEL、IQ、ABEL GANZ、そしてMARILLION(と言うかGENESISか)の多大な影響を受けている事が分かるんですけどね(汗

FISHほど灰汁の強くないシアトリカル歌唱を冒頭から全力で朗らかに繰り広げ熱く歌い上げる Steinbergerのヴォーカルの存在感がやたら大きく、余りテクニカルでもなく、ロック的なテンションもパワーも感じられない所謂フォロワー的サウンドをグイグイひっぱっていく所を面白いと思えるかどうかで本作の評価は変わるように思う。

ポンプ系には珍しくアルバムのトータルタイムは約30分ほどとアッサリ目でインストゥルメンタル・パッセージも余り無いが、そんな中でも R.P.P. Hennequinが多種多様なシンセサウンドで果敢に楽曲を盛り上げる所や Edouard Poujaudが少ないながらもハードなリフやメロディアスでコンパクトなソロで楽曲に切り込む所はスリリングな聞き所だ。

90年代フランス・プログレインディーシーンは未だに深い謎に包まれているが、このバンドも御多分に漏れずアルバムデビュー前の活動が一切不明(DEMOテープ等の有無も)で、さらにこのアルバムをリリースした後あっさりとバンドは解散してしまい、R.P.P. Hennequinがその後DIES IRAEなるプログレッシヴ・ジャズバンドを結成した事以外に他のメンツのその後の動向等は一切伝わっていない。

UGUMレーベル自体がマイナーだし既に消失している事から同レーベルからリリースされたバンド群の作品の多くは、一部を除いてグレ系が好きなリスナーでさえ忘却の彼方にあるだろうが、そんな中でも面白いインディ・バンドが人知れず多数存在しているので、興味がある方はちょっと廃盤を探ってみると面白い作品と出会えるかもしれませんよ?




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# by malilion | 2017-05-28 00:10 | 音楽 | Trackback

完成度高いのに無名なのはシンフォ度低めだから?やっぱCYCLOPSレーベル物だから?

c0072376_00261511.jpgEPILOGUE 「Hide」'94

WINGS OF STEELと同じくドラムスがヴォーカリストも兼任するキーボード入り4人組UK産ポンプ・バンドをご紹介。

本作は彼等にとって2ndアルバムで、この前にデビュー作であるカセットオンリー作「Just Killing Time」(実物未確認)を92年に発表している。

残念ながら現在までそのアルバムがLP又はCDリリースされたという話は聞かないし、DLリリースされたという話も聞いていない…orz

イングランドのストーク・オン・トレントをベースに活動していた彼等のサウンドはと言うと、同時代のバンドPENDRAGON、IQ、ILUVATAR、GALAHAD、そして特に大きく初期MARILLIONの影響を感じさせるもののテクニカルなインタープレイは少なく、キラキラしたブライトなシンセサウンドが印象的でキャッチーでポップな歌メロがメインに据えられ英国バンドらしい叙情感あるメロディアスな楽曲がコンパクト(殆ど5分台の曲)に展開していく、90年代中期ネオプログレ&ポンプ系で多く見受けられたポップロック寄りな軽めのポンプサウンドと言える。

ドラムスを兼ねる Shaun Lowe(Ds&Vo)の少しハスキーながら甘い声質でよく伸びる歌声はポップなサウンドによくマッチするだけでなく、ハードなサウンドになると若干濁り声になってガナったりとHR的なアプローチやパワフルさも十分兼ね添えている点は見事だろう。

そしてWINGS OF STEELの紹介でも同じ事を述べたが、兼任故かやはりリズムが単調になりがちだったり、これは録音環境にもよるだろうがボトムのサウンドが総じて軽い為にロック的なパワフルさは希薄なのが残念だ。

ただそんな風にリズムパートの自己主張が薄いのと軽めでコンパクトなバンドサウンドだからこそ、メロディ楽器プレイヤーのリードパートが一際に目立ち、Gareth Evans(G)が弾くMARILLIONの Steve Rothery風ロングトーンの泣きのギターやPINK FLOYD風の煌びやかなリードプレイがじっくり味わえたり、Chris Frost(Key)が奏でるプログレッシヴ風のテクニカルなキーボードプレイやカラフルで魅力的なシンセワークをタップリ楽しめると言うのがなんとも皮肉めいている。

残念ながらバンドは以降音源をリリースしておらず、既に解散してしまっている模様です。

シンフォ度は低めだしテクニカル度も高くはない、ポップさとポンプさを絶妙にブレンドさせたサウンドも特に個性的と言う訳ではありませんが、初期SI MUSICの一連のバンドやJADISに近いブライトで洗練された柔和なメロディを個人的にかなり気に入っていただけに、出来る事なら専任ドラムスを迎え入れて着実に活動を続けて欲しかったバンドではあります。

アルバムラスト曲の後の隠しトラックも実にクラシカルで味わい深いのに、巷の彼等の評価はイマイチなのが悲しい…orz

海外では、LIKE WENDY、SINISTER STREET、GRACE、FINAL CONFFLICT、MARILLION等が好きならお薦め、と紹介されている彼等のサウンドを、軽めなポンプバンドもいけるという方なら是非一度チェックしてみて下さい。



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# by malilion | 2017-05-27 00:19 | 音楽 | Trackback

当時はポンプバンドのポップ化問題はインディ、メジャー問わず世界中に蔓延してたんですよ…

c0072376_01384025.jpgWINGS OF STEEL 「Face The Truth」'95

ポンプ系にしては珍しい専任キーボーディストが居ないオランダ産3ピース・ポンプバンドの最終作をご紹介。

地道にアンダーグランドで長年活動を続けてアルバムデビューを果たすバンドが多いポンプ系には珍しく、彼等の活動期間は非常に短くて、2枚のアルバムと1枚のEP、そしてポンプバンドのコンピアルバム2枚に1曲提供するのみの公式音源しかリリースしていない。

当初からドラムスがヴォーカルを兼任する3ピースバンドとして Peter van de Ven(G&Key)、Roland Kok(B&Key)はオランダの中心部をベースに活動し、最後に Jan van Heumen(Ds&Vo)が加わってバンドラインナップが固まり、92年に「Homesick」で当時ポンプ総本山であったオランダSIレーベルからデビューした。

奇しくも92年というとDREAM THEATERがプログレHM屈指の最高傑作アルバム「Images & Words」をリリースし、以降全世界が夢劇場症候群バンドであふれかえる訳だから彼等のサウンドは当時のリスナーに余計に古臭く聞こえた事でしょうね…(涙

デビュー前はRUSH系のサウンド(DEMOテープのみ存在)だったようだが徐々にポンプ系へ傾倒し、最終作である本作2ndではベースを Roland Kokから Olando Van Swaay(B&Key&Vo)へチェンジし、サウンドも洗練されたAOR&ポップロックへ近づくという、なかなか一筋縄でいかぬサウンドの変化を見せてくれたバンドでした。

そのせいでか海外でも似ているバンドに上げられているサウンドの方向性が遊離していて、NOVEMBER、PTS、RUSH、MARILLION、SPLINTERが好きならお薦め、とか80代前半のようなポップなロックバンドで、POLICEやBAD COMPANY好きにお薦め、なんてレビューまであったりする(汗

そんな訳でこの2ndは初期からのファンにはすこぶる不評なのだが、デビュー作より売れ線に、よりポップでメロディアスに、というのは売り上げ不振に苦しむ(元々、好事家向けニッチ音楽だけど…)当時のポンプ&ネオプログレ界だけでなくロック界全ジャンルも含めて世界共通でよく見る流れなので、このバンドのみを責める事は出来無いでしょう。

ただ、1stの時点で既にポンプ系としては歌メロはかなりポップだし、バンドサウンドのベースはプログレッシヴロック(初期RUSH臭さがそこかしこに!)だが多くの楽曲から既にAORの影響を感じる事が出来るし、本作についてもハードなギターサウンドやリフ、バックのサウンドのグロプレ的なテクニカル要素だったりアレンジやアンサンブルだったりは減っていない、寧ろ増えているくらいなのだが、アコギメインのシンプルで美しい楽曲が増え、さらにヴォーカル・ハーモニーが増えたのと歌メロのキャッチーさが上がった為か“ポップ化”に非常に否定的なグロプレ系ファンに『惰弱になった』と、誤って捉えられてしまっただけのようにも思える。

そもそものバンドサウンドの基本が Peter van de Ven(G&Key)のリフとメロディアスなリードパートで、キーボードはバッキングかごく短時間だけ前面に出てくるだけだし、キーボードがリードパートを奏でる時はオーケストラ・テクスチャーとより派手な動きのあるバンドサウンドの表情と音の厚みを豊かにする活用(地味にセンスがいい!)をされている訳だから、一般的なポンプ系サウンドをこのバンドに求めるのが間違いなのかもしれない。

と、言うかこの2ndの不評は、SIからデビューし、引き続きSIからリリースだったからこその不幸だったようにも今なら思えます…(つд`)

個人的には Jan van Heumenのウェットン系ながらちょいハスキーな甘い声質と、パワフルではないが情熱的に歌い上げるフックあるメロディアスな歌メロはポップさが増したコンパクトな楽曲に実に良くマッチ(Olando Van Swaayとのヴォーカルハーモニーもタップリとフィーチャー!)していて、本作のヒットポテンシャルの高いサウンドを久しぶりに耳にしたが、このまま彼等が堅実に活動を続けてくれていたならばひょっとして今頃メジャーシーンで活躍していたかも…などと思わずにはいられません。

なんて褒めておいて最後に言うのもなんだが、ドラムスがヴォーカルを兼ねている為かリズムパートがどうしても単調だったりパワフルさに欠けて聞こえると言う、A級バンドへ昇格するには大きな障害にして最大の弱点をバンドの構造上デビュー時から抱えていたので活動期間が短かったのもやむなしなのかもしれませんね。

個人的にはこのまま活動を続行し、専任ドラムスを迎えて Jan van Heumenの歌声をメインに据えたポップロックバンド化してくれた方が嬉しかったが、もしかしたらリーダーの Peter van de Venがあくまでポンプ系路線にこだわって、専任キーボーディストを迎え入れて世界中で流行している夢劇場系のインストパート多目なプログHMサウンドへ接近していたかもしれないなぁ、なーんて尽きぬ妄想をしてしまいます…



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# by malilion | 2017-05-26 01:32 | 音楽 | Trackback

プログレ・インディシーンにおいてアメリカは暗黒大陸だけど、ユーロ圏フランス・インディシーンも負けず劣らず暗黒だよね…

c0072376_21100127.jpgEURHYBIA 「Same」'90

ATLANTISと一緒に転がり出てきた90年代初頭に活動していたフランス産Key入り5人組ポンプ・バンドをご紹介。

このバンド、デビュー当時から詳細不明で、分かっている事と言えばギリシア神話の女性像に因んでバンド名が名付けられた事と1990年にフランスのレーベル「UGUM」に唯一作(後にMuseaから再リリースされたが即廃盤)を残すのみで、その後のメンバーの動向など一切不明という謎のバンドだ。

ひょっとしたらデモテープや自主盤シングルが存在しているのかもしれないが、何分フランスのアンダーグラウンドシーンでの事なので今までその存在が確認されてはいない。

ANGE(!)の Francis Deschampsがプロデュースしたこのアルバム、サウンドの方はと言うと、IQ、SAGA、RUSH、PALLAS、初期MARILLION、そしてKANSAS、さら90125YES(これは偶然か…)の影響が色濃く伺え、全体的には同時期のポンプ・ロック群定番な軽めのシンセ中心のメロディアスでファンタジックな世界観が漂う作風(PALLASっぽさが一番強い)で、80年代後期から90年代初頭頃のポンプ、ネオプログレ、シンフォロック好きな方はチェックしても損はないだろう。

Pascal Dattle(G)がテクニカルに奏でるシャープでハードエッジなギターはかなり頑張っているし、如何にもポンプ系という派手なシンセワークを披露する Fabrice Dottel(Key)のキーボードとのアンサンブルは痛快の一言なものの、英詞を歌っているがフランス語訛りやアクセントがある Serge Legall(Vo)がFISHっぽいシアトリカル歌唱を繰り広げているのだがこのヴォーカルがどうにもヘタウマ(ポンプにありがちな問題だ…)で、高らかにシンフォニックに鳴り響くアルバムの完成度の足を引っ張っているのは否めない…('A`)

とは言え、そのボーカルとインストゥルメンタル・パッセージの間で常にバランスのとれたメロディアスな楽曲にはポンプ・バンドが陥り易い助長さは少しも見当たらず、如何にも時代らしいサウンドなものの無駄なくコンパクトに纏め上げられたアルバムは、90年代初頭のシンフォ・インディ作としては出色の出来栄え(褒めすぎ!?)と言ってよいのではないかだろうか?

後は Francis Deschampsの手腕なのだろうが、90年リリース・インディ作とは思えないくらい音が良いアルバムで、今聞いても十分耐えうるサウンドなのは特筆すべき点であるのは間違いない。



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# by malilion | 2017-05-23 21:02 | 音楽 | Trackback

再結成はいつ? US産シンフォ・バンドATLANTIS

c0072376_21553513.jpgATLANTIS 「Same」'97

まだ5月だというのに連日の30度超え猛暑でグデってたら、流氷の涼やかなジャケが目に飛び込んできたのでラックから引っ張り出して聞いておりました…('A`)

カリフォルニア州ロサンゼルス・ベースで活動をしていたUSA産モダン・シンフォ・ロックバンドの自主製作デビュー盤をご紹介。

デビュー時は、キーボーディストの Teknobudd X(別名Jorge Vasquez)とベーシスト Ken Jaquess(この時はVoとGも兼任)、そしてドラムの3人組で、続く2ndでドラムスをチェンジし、さらに専任ヴォーカリストとギタリストを迎えてkey入り5人組バンドになりました。

デビューの後、3年ほどLAで活動を続け自主製作で2ndアルバム「Pray For Rain」も2002年にリリースしたが、その後は各自メンバーが別プロジェクト等に参加するなどして現在までバンドは休止状態のままな模様だ。

海外ではSTYX風のメロディアスなプログ・ポップ要素とDREAM THEATER風のハードでテクニカルな要素がMIXされたバンドと評されているようだが、このデビュー作では軽めなシンセが楽曲の主体になっているのとハードなギターサウンドも聞こえず派手なインタープレイも無い為か、特に80年代後期のUSAプログレハード的な感触が強く聞こえるように思える。

また Ken Jaquessの音域の狭い平坦なヴォーカルはお世辞にも上手いとは言えず、メンバー自身もそれを自覚してかメロディアスなインストパートが主体で、それ故に余計に歌メロのキャッチーさやフックがアルバムに乏しくなり、メンバー曰くモダン・シンフォニックロック作らしいのだが、録音状態と平坦なMIXの悪さも手伝って古典的USプログ・サウンドに近く聞こえ(ぶっちゃけこの時点では退屈なC級ポンプ)るのがちょっと悲しい…

続く2ndでは少なくとも歌えるフロントマンを得てメンツが固まった事で軌道修正がなされ、DREAM THEATERを筆頭にMAGELLAN、CAIRO、SPOCK'S BEARD等の90年代プログHM要素と70年代プログレ要素、特にYES風の複雑なサウンド要素、EL&P風な壮大なサウンド要素、GENESIS風の豪華なオーケストレーション要素等をMIXさせたサウンドへと大幅にバンドサウンドが変貌している……と言ったら褒めすぎか(w

ただ、中心メンバーである Teknobudd Xがこの手のシンフォ系で定番なアナログキーボードにこだわらずシンセや打ち込みを多用した為か所謂プログレ的なキーボード・プレイ要素がかなり弱く、どちらかと言うとモダンなキーボードサウンド主体なHRバンド的でさえあるように聞こえ(だからなのかASIAやGTRっぽく聞こえる時がある)るのを、面白いと感じるかシンフォ系にしては物足りないと感じるかで2ndの評価は分かれるかもしれない。

デビュー作ではキーボードがシンフォ要素の殆どを担っていた訳だが、2ndでは新加入メンツの貢献でクラシックなテクスチャーとメロディアスなトーンを備えたインストゥルメンタルパートの補完が成され、キャッチーな歌メロも加わってヴォーカルパートの起伏が生まれ、さらにベースに専念出来るようになった Ken Jaquessがスクワイア張りな自己主張の強いベースプレイを聴かせたりと、プログHM的な派手で劇的な要素と、EL&Pや夢劇場的なパワフルでテクニカルな要素がチグハグ感なく上手くMIXされたサウンドになったのは、キーボードがプログレ的な派手な主張をせず一歩引いた事で纏まったとも取れるのが面白いと言えば面白いのかも。

まぁ、このバンドのアルバムを聞こうと思われる方がいらっしゃるならば、まずはA級未満な2ndを聞いて自分の好みに合うかチェックするのが間違いないと思います。

そうそう、2ndには“アノ”天才ギタリスト Allan Holdsworth(!)が一曲参加して華麗なソロをプレイしているので、彼のファンはチェックしてもいいかもしれませんね。c0072376_21560588.jpg
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# by malilion | 2017-05-22 21:48 | 音楽 | Trackback

製作者が意図せず生まれた面白い一品、US産プログポップSUSTAINED IN JADE唯一作。


SUSTAINED IN JADE 「Sketching The Perfect View」'02

c0072376_04293137.jpgラック整理してたら面白いアルバムが転がり出てきたので、USAメリーランド州ボルティモアのキーボード入り男女ツイン・ヴォーカル4人組プログ・ポップバンドの唯一作をご紹介。

現在はミュージカルなどで役者としても活躍する Jason Wilson(Vo、B、Key)が“DURAN DURANがプログレを演奏したみたいな”と評されたソロ・プロジェクトバンドEMERALD TIERSを率いていたが、1枚アルバムをリリースした後で製作に参加したメンツとのいざこざが勃発し、結果的にバンド名変更を余儀なくされてしまう。

自信作をリリースしたにも関わらずアクシデントに巻き込まれた彼を再び不幸が襲い、新たに結成したバンドのデビュー・アルバム製作中にフロントマンでもありリーダーでもある Jason Wilsonが病気になり、時間的な問題もあって急遽女性ヴォーカルを迎えてヴォーカルパートの半分を任せる事で完成させた為、本人的には仕上がりに納得がいってない模様なのが本作です。

そんな訳で Jason Wilson的には不満作なのでしょうが、正直な感想を言わせて貰うと Jason Wilsonの少し濁った声質の音域の狭いヴォーカルだけよりも、澄んだ声質の Jennifer Garrett嬢を迎えた事によって美しいフィメールヴォーカルだけの楽曲や男女ツインヴォーカルによる優美なヴォーカルハーモニーがアルバムにはタップリと収録され、結果的には完成度も華やかさも上がった一作になった事は否めない……と、言うか寧ろ男女ツインヴォーカルでなかったらこのアルバム即中古へ売り飛ばしていたと思う(汗

サウンド的には軽めのプログレ・メタルっぽく、シンフォ系と言うよりポンプ系な軽めなシンセが心地よくバッキングで盛り立て、要所要所でハードエッヂなギターが噎び泣きつつ、堅実なリズム隊が土台を築き上げた楽曲の上を、美しいヴォーカルハーモニーでキャッチーに歌い上げる、という歌モノ・サウンドが基本形なので、ハードさやヘヴィさ、そしてシンフォ系やプログレ的なハイテクを求める向き作でないのは確かだろう。

ただ、Jason Wilsonは恐らく意識していなかったのだろうが、そのポップさとハードさの中道路線なサウンドが所謂80年代後期ポンプっぽいサウンドに似て聞こえ、男女ツインヴォーカルの美しいハーモニーやフィメール・ヴォーカル好きなポンプ系ファンに訴求するサウンドとなっているのが面白い。

そこそこハードなフィーリングはあるもののHM程ヘヴィでなく、只のロックンロールと言うには少々テクニカルな事もやっていて、しかもニューウェーブっぽい影響もあるキーボードがかなり頑張っている、そんな各ジャンルからはみ出した異色メロディアスサウンドなのが大変興味深く個人的には気に入っているのですが、その折衷的サウンドが逆に災いしたのか、結果的にどのジャンルのファンにもそっぽ向かれてしまったようですね…

Jason Wilsonが本作を失敗作のように思っている模様なので、もし新たなアルバムが製作されるにしても男女ツインヴォーカルの同一路線は有り得ないというのが少々残念ではあります。



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# by malilion | 2017-05-14 04:19 | 音楽 | Trackback

宇宙飛行士スタシスの冒険第二弾!LONELY ROBOTが2ndをリリース!

c0072376_22010846.jpgLONELY ROBOT 「The Big Dream ~ Special Edition ~」'17

IT BITES、FROST*、ARENA、KINO等での活躍のみならず、グレ系大御所のツアーサポート、レコーディングエンジニアやプロデューサーとしてアルバム製作に関わるなど、'90年代以降のUKプログレッシヴシーンで大活躍する英国マルチ・ミュージシャン John Mitchell(Vo,G,B,Key)によるプロジェクト作の2ndアルバムが2年ぶりにリリースされたのでボートラ3曲追加のデジパック仕様スペシャル・エディションをGET!

前作参加の Nick Beggs(B IONA,LIFESIGNS)の姿は本作には無く、引き続き Craig Blundell(FROST*, PENDRAGON)をドラムに迎えている以外は、ギターを筆頭にベース、チェロ、ケルティック・ハープ、アイリッシュ・ホイッスルまで自身でマルチにプレイし、作詞作曲プロデュースまでも全てを一人で手がける体制がさらに強化されている。

前作は多数のゲストを迎えて製作されていたが、本作はバッキングに Bonita Mckinneyなるフィメール・ヴォーカリストを迎える他はナレーションで Lee Ingleby、それ以外はボーナストラック1曲でTOUCHSTONEの美声女性ヴォーカリスト Kim Seviourが参加しているのみという小編成で製作されているが、前作にも登場した宇宙飛行士の非現実的体験を描いたSF的テーマを持つアルバムを綴るキャッチーかつモダンでメロディアスなサウンドに些かの翳りも無い。

極低温睡眠から目を覚ますと彼は宇宙におらず、代わりに動物の頭を持つ人々がいる森に自分が居る事を知る、と言うような『真夏の夜の夢』風のファンタジックな物語が綴られていく本作は前作同様にコンセプトアルバムではないもののそのテーマは共通しており、それが宇宙飛行士スタシスの冒険なのだそうだ。

本作のサウンドも前作の流れを汲むKINO、IT BITESに通じるハイセンスでシャレオツな歌モノ的メロディック・ロック路線で、相変わらずシンフォニック度は高くない。

壮大でスペィシーな雰囲気を漂わすダークでミステリアスなSEや意味深なナレーションを挟んで“悪夢感”をそこかしこで感じさせつつも、情感豊かな歌メロは相変わらず印象的で、爽やかで耳を惹きつけるキャッチーなメロディーのモダンな楽曲と相まって、実に英国的な湿り気ある叙情感を湛えた調べを優美に紡いでいく様は見事の一言。

プログレ・シーンに身を置くプレイヤーとしては当然なのだが、常にモダンで時代の最先端を意識したサウンドの模索を試みる John MitchellにとってLonely Robotプロジェクトは『ある意味で“休日”のような』と自身が語るように、高度にテクニカルなプレイや革新性など見当たらない非常にリラックスして創られたアルバムではあるが、芸術的野心と抱負の継続的な実現の証であり、進行中の恋愛のように愛着あるプロジェクトなのだそうだ。

John Mitchellと聞いてシンフォ&プログレ系サウンドを求める向きには明らかに向かないものの、キャッチーでファンタジックなゆったり美しいUK産ヴォーカル・アルバムを楽しめる方になら是非お薦めしたい、センチメンタルなメロディが光るコンパクトで完成度の高いアルバムです(*´ω` *)

この宇宙飛行士スタシス・シリーズは三部作を予定しているそうなので、本作に続く三枚目のアルバムが近い将来に届けられるのを待ちたいですね。



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# by malilion | 2017-05-11 21:56 | 音楽 | Trackback

久々のISILDURS BANE新譜はMARILLIONのSteve Hogarthとのコラボ作!('(゚∀゚∩

c0072376_14394203.jpgISILDURS BANE & STEVE HOGARTH 「Colours Not Found In Nature」'17

北欧スウェーデンが誇るプログレ・バンドが14年振りにアルバムをリリース、しかもMARILLIONのフロントマン Steve Hogarth(!)とのコラボ作という話題作を即GET!

ISILDURS BANEは76年結成、84年アルバム・デビューという古株で、当初はGENESIS,YES,GENTLE GIANTやEL&P等のUKプログレ影響下にありつつ非常にパーカッション指向なサウンドだったが、時代を経るにつれ作風は変遷を重ねて Mike Oldfieldっぽいフュージョン風味が増し、近年では他バンドユニットとのコラボ作等を発表するなど、気品ある室内楽とクラシック音楽などの要素も含むコンテンポラリー度の高いサウンドや、フリーフォームなジャズを経て、デジタリーなヴォーカル実験作を発表していた訳だが、待望のこの新作ではフュージョン、ジャズ、クラシック、演劇音楽等を内包した、北欧ならではの柔らかな幻想美を持ちつつダークなテイストも漂わす、幾分(彼らにとって)昔風なサウンドの作品となっている。

現在では二人だけとなったオリジナルメンバーの一人でありリーダーであるキーボーディスト&コンポーザーの Mats Johanssonと Steve Hogarthがコラボレートして作曲された本作は、いつものように複数のキーボーディスト、ギタリストを含むバンドメンツに、ヴァイオリン、ヴィオラ、フルート、クラリネット、トランペット等の管弦楽を交えて紡がれる気品ある楽曲が納められており、緻密で複雑でありながらコンテンポラリー度も高い聴き手のイマジネーションを刺激するサウンドにSteve Hogarthの歌声を全編に渡ってフィーチャーする事によって、叙情派プログレな英国風味と多様な音楽要素を含みつつ北欧シンフォへ昇華させたサウンドを融合させた、老舗バンドならではのセンスが存分に楽しめるファンタジックで美しい一品と言えるだろう('(゚∀゚∩

ここで聞ける Steve Hogarthのロートン主体な歌声はMARILLIONで聞ける歌声より若干の翳りと灰汁を感じさせ、煌びやかで優雅なバンドサウンドに一抹の不安の影を残すような無視出来ぬ違和感となって終始その存在を意識させている。

それがサウンドの方向性や声質は全く違うものの、初期MARILLIONの優美でファンタジックな楽曲の真ん中に決して消えぬ黒い墨のように存在していた(忌々しい)FISHの歪んだ歌声との対比のように思え個人的に面白く感じましたね。

彼等のこれまでの作品では余りヴォ-カルは重視されてこなかった事もあってか、本作の Steve Hogarthの存在感が余りにも大きく、以前の作品と比べて少しバンドサウンドが霞んでいるように思えるのは、ちょっと残念な所でもあります。

典型的なシンフォ作ではありませんし、キャッチーでもないアルバムではありますが、ISILDURS BANEファンは当然買いとして、Steve Hogarthファンは勿論のことMARILLIONファンの方でもSteve Hogarthの新たな一面が垣間見える一作なのは間違いありませんので、是非一度チェックしてみて下さい。


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# by malilion | 2017-05-07 14:33 | 音楽 | Trackback

7年の沈黙を破り、北欧ダーク・シンフォバンドCARPTREEが新譜をリリース!

c0072376_00343547.jpgCARPTREE 「Emerger」'17

北欧スウェーデンでミステリアスなダーク・ファンタジーを紡ぎ続けるシンフォ・デュオの、16年リリースのシングル以来となる(アルバムは7年ぶり)6thがリリースされたのをちょい遅れてGET!

Niclas Flinck(Vo)と Carl Westholm(Key、programming,arrangements&production)の2人を中心に、アルバム毎にゲストを多数招く体制はデビュー以来変わりなく、本作も前作からバックに従えるようになったツイン・フィメールヴォーカルを含むNO FUTURE ORCHESTRA(Dsだけチェンジ)なるバックバンドを再び迎え制作されている。

Carl Westholmが北欧DOOM HMバンドCANDLEMASSや別働プロジェクトJUPITER SOCIETYでも活躍している関係でCANDLEMASS、JUPITER SOCIETY人脈で構成されたNO FUTURE ORCHESTRAの力量が反映したのか、従来のメランコリックで淡いタッチだった北欧ダーク・シンフォサウンドにヘヴィさとダイナミズムのHR的要素が加味され、美しさとパワーを兼ね備えた一段上のレベルへ駆け上がった前作「Nymf」'10の流れを汲む劇的なダーク・シンフォロックを本作でも展開していて聞き応え十分だ。

GENESIS直系のシアトリカルなヴォーカルをはじめ、重くウネるアナログ・シンセによる重厚なキーボード・オーケストレイションを中核としたアナログ楽器やアナログ機材にこだわった創りの、ウェットでダークな叙情感渦巻く北欧シンフォニック・ロックな方向性に変化はなく、加えてこれまで以上に男女混声コーラスが効果的にフィーチャーされた重厚な作風はどこかサントラのようなスケールの大きさと深み、そして仄かにロマンチックさを感じさせる視覚的サウンドに仕上がっている。

初期GENESISをベースに、中~後期のPINK FLOYD風味も合わせつつモダンHR的な攻撃性も兼ね備えた、よりダークでよりヘヴィな、どこか病的な鬱屈したものを感じさせる妖しくウネる冷ややかな寂寞さ漂う演劇的サウンドは例えようもなくドラマチックで美しく、その耽美なミステリアスサウンドは静と動のコントラストが前作以上に鮮やかに描き出されていて、文句なしに彼等の最高傑作と言えるでしょう。

特にテクニカルではないものの、その唯一無二の個性的な北欧ダーク・シンフォサウンドは非常に存在感があり、モノマネばかりなオリジナリティ欠如の古典プログレ焼き直しバンドに飽き飽きしているグロプレ通な方にこそ、是非お薦めしたい一品です。



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# by malilion | 2017-05-06 00:27 | 音楽 | Trackback

実は解散したと思ってました…PRIDE OF LIONSの新譜('(゚∀゚∩

c0072376_10412248.jpgPRIDE OF LIONS 「Fearless」'17

USAメロハーの重鎮 Jim Peterik(Key、G,Vo)と Toby Hitchcock(Vo)の双頭メロハー・プロジェクトが今年初頭にリリースしていた、4年ぶりとなる6th(LIVE含む)を遅ればせながらご紹介。

実は、まんま同一路線のメロハー・プロジェクトである JIM PETERIK & MARC SCHERERのデビューとそのアルバムの出来が余りに素晴らしかったので、PRIDE OF LIONSは解散したと思っておりました(汗

まぁ、今となっては80年代風オールドスタイル路線はJIM PETERIK & MARC SCHERERで、よりモダンで実験的な試みはPRIDE OF LIONSで発表、という風に Jim Peterikの中では二つの似通ったメロハー・プロジェクトを区別するようにしているのでしょう。きっと。

少し遅れて本作を購入した訳ですが、どうも従来のストレートな80年代産業ロックモダン化メロハー路線から徐々に音楽性の幅を広げた作風へ移行している事が巷では受けが宜しくないようですが、個人的にはKANSAS+ELOってな感じのヴァイオリンをフィーチャーした爽快ポップチューンなオープニング曲や、 Jim Peterik作の曲で初めて耳にしたようなゴリゴリヘヴィでスピーディーな楽曲やリードギターをバランス無視で弾き倒す楽曲、そしてプロジェクトのコンセプトを重視したのかツインヴォーカルを偏重した楽曲等が飛び出してきて、個人的には新鮮な驚きを感じさせてくれるこの新譜、とてもいい出来だと思うのですけどね…

上記のような今までのイメージから大きく逸脱する楽曲も納めつつ、総合的には Toby Hitchcockの上から下まで力強く伸びる研ぎ澄まされたハイトーン・ヴォイスをタップリとフィーチャーした、いつものキャッチーでフック満載な美旋律を軸にしたコンパクトでブライト感あるメロハー作にまとめあげられている高品質作なので、AOR寄りのメロハー作は完成度は高いけどどれも似たり寄ったりな人工甘味料っぽい楽曲ばかりで退屈だと思っているような方にこそ、是非このひと味違うヒネリがピリリと効いた新譜を聴いて欲しいものです。

JIM PETERIK & MARC SCHERERとの区別化の為か、初期作で散々収録したから意図してソレ系の楽曲を外したのか、デビュー時より哀愁漂うセンチメンタルなメロディの楽曲が減って、USA産ロックに顕著なドライ・サウンドの楽曲が多いように思えるのが個人的には少々残念ではありますが…

賛否両論ある実験作も含めつつ、停滞中のSURVIVORでは聞く事の叶わないメロハー職人 Jim Peterikの見事な手腕が発揮された極上のメロディアス・ロック作品に仕上がっているのは間違いないので、メロハー・ファンならば迷わずGETしておきましょう!


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# by malilion | 2017-05-05 10:34 | 音楽 | Trackback

初夏にピッタリな爽快サウンド JIM PETERIK & MARC SCHERERのデビュー作を今頃ご紹介。

c0072376_20285128.jpgJIM PETERIK & MARC SCHERER 「Risk Everything」'15

USAメロハーの重鎮 Jim Peterik率いるPRIDE OF LIONSが今年初めに新譜をリリースした訳ですが、そのアルバムに耳を傾けていて本作を購入してたのを思い出し、まだココで未紹介だったので今頃ご紹介をば(汗

2年前の傑作アルバムを何を今さらですが、風清らかな初夏の候にぴったりな爽やでキャッチーなメロディアス・HRサウンドを聞かせてくれる、SURVIVORの中心メンバーであった Jim Peterik(Key、G、Vo)が無名のシンガー Marc Schererと組んだ新プロジェクト、ホントお薦めです('(゚∀゚∩

06年以降、Frankie Sullivan率いるSURVIVORが開店休業状態(R.I.P...Jimi Jamison)な今、モロに後期SURVIVORサウンドを受け継いだと言っても過言ではない、STYXの Dennis De Youngを彷彿させるクリアーな Marc Schererの歌声(5オクターブの音域!)と Jim Peterikの職人芸な絶妙の楽曲アレンジが実に素晴らしい本作は、デビュー作ながらSURVIVORやPRIDE OF LIONSのお株を奪うくらいの完成度を誇っております。

本作にもPRIDE OF LIONSのリードヴォーカリスト Toby Hitchcockがバッキングヴォーカルで参加してその力強い美声を聞かせてくれておりますが、 Marc Schererの艶やかで張りのあるクリアーヴォイスの方が、若干線の細さを感じさせるもののこの手の産業ロック系サウンドにはピッタリの甘い声質で、抜群にアジャストしていると言わざる終えません。

PRIDE OF LIONSは17年発売の新譜で6作目と言う事もあってか、意図的に初期作で聞かせた典型的なメロハー・バンドの作風からはみ出る冒険を試みている分、今さらながら本作の奇をてらわぬドストレートなUSA産業ロック・サウンドの、ブライトでフック満載のキャッチーな80年代サウンドをモダンに進化させたメロハー・サウンドがホント心地よいんですよねぇ~(*´ω` *)

しかし、レコーディングメンバーの殆どがPRIDE OF LIONSのメンバーが起用されているにも関わらず、こちらのプロジェクトのサウンドの方が爽快感が抜群に良いのはどういう事なんでしょうねぇ…(汗

ちょっとPRIDE OF LIONSの先行きが心配になってしまいます…

とまれ Jim Peterikファンのみならずメロハー&産業ロック好きならば確実に押さえておかねばならぬマストアイテムと言えましょう。




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# by malilion | 2017-05-04 20:22 | 音楽 | Trackback

USAメロハー・バンドUNRULY CHILDがアーカイヴBOXセットをリリース!

c0072376_18121105.jpgUNRULY CHILD 「Reigning Frogs - The Box Set Collection」'17

世界の音楽シーンがグランジーの波に呑まれつつあった92年、その造り込まれた煌びやかなUSAメロハー・サウンドでデビューし、80年代王道HR/HMファンに熱い支持を得た彼らが、限定1,000セット(Frontiersリリースなのに…)の6枚組アーカイヴBOXセットをリリースしたので即GET!

2014年にDLオンリーでリリースされたEP「Down The Rabbit Hole」以来、3年ぶりとなる5th「Can't Go Home」を先日リリースしたばかりの彼等が、まさか同じタイミングでアーカイヴ作をリリースするとは完全に予想外でした。

で、そのBOXの内容はと言うと2nd、未発音源集(国内盤未発)、3rd、4th、そしてDL限定EPを収録していて、各アルバムには日本限定ボートラもしっかり収録されている(!)優れものだが、全て既発音源なので旧譜をコンプリートしているような熱心なファンにとっては値段的にも少々手が出しづらいアイテムなのは否めない('A`)

ただ、DLオンリーだったEPのデュプリ盤は本BOXでしか入手出来無いという点と、全アルバム紙ジャケでLP風に紙スリーブにCD(CD表面もLP風)が納められている豪華な装丁という点が気になった方なら手を出しても損はないプレミアムなアイテムだろう。

予想通りとは言え契約の問題等で一番出来のいいデビュー作が未収録な画竜点睛を欠く状態が悔やまれるが、ソレでも『現物』としてEP「Down The Rabbit Hole」を入手出来るチャンスを与えてくれた事は個人的に大変感謝しております。


CD1 - Waiting For The Sun(2nd '99)
01. Heart Run Free
02. Rise Up
03. Why Should I Care
04. Forever
05. Man Inside
06. Do You Ever Think Of Me
07. Still Believe
08. To The Cross
09. Fool Again
10. Live In The Night
11. Waiting For The Sun
12. World Of Difference (Bonus Track)

CD 2 - The Basement Demos(未発音源集 '02)
01. On The Rise
02. Rock Me Down Nasty
03. To Be Your Everything
04. Lay Down Your Arms
05. Is It Over
06. Let's Talk About Love
07. Long Hair Woman
08. Forever
09. Live In The Night
10. Unruly Child
11. Undefeated
12. Down The Road
13. Still Believe
14. The Man Inside
15. Live Without Love
16. True Love

CD 3 - UCIII(3rd '03)
01. Tear Me Down
02. Falling
03. All Around Me
04. Bring Me Home
05. Sleeping Town
06. You See Three
07. Kings Of Tragedy
08. Vertigo
09. Shades Of Love
10. Unruly Child
11. Something
12. Ruby Tuesday (Bonus Track)

CD 4 - Worlds Collide(4th '10)
01. Show Me The Money
02. Insane
03. When We Were Young
04. Tell Another Lie
05. Love Is Blind
06. When Worlds Collide
07. Talk To Me
08. Life Death
09. Read My Mind
10. Neverland
11. Very First Time
12. You Don't Understand
13. Talk To Me (Acoustic Remix Bonus Track)

CD 5 - Down The Rabbit Hole -Side One-(EP '14)
01. This Is Who I Am
02. She Can't See Me
03. Down The Rabbit Hole
04. For All We Know
05. Breaking Hearts
06. Kindred
07. Say I Love You

DVD - The Basement Demos(Studio Session '02)
01. On The Rise (Live Video)
02. When Love Is Gone (Live Video)
03. Wind Me Up (Live Video)
04. Unruly Child Revisited (Interview)
05. Long Hair Woman
06. History Lesson (Interview Incl.Medley:Long Hair Woman,To Be Your Everything,
Is It Over,When Love Is Gone,On The Rise)
07. Forever (Ricky Phillips Studio Session)
08. Buffalo Mics (Ricky Phillips Studio Session)
09. One Note Away (Ricky Phillips Studio Session)
10. Stairway To Drums (Jay Schellen Studio Session)
11. Unruly Child (Tracking - Studio Session)
12. On The Rise 1 (Tracking - Studio Session)
13. Tunnel Of Love (Tracking - Studio Session)
14. Sinking Vocals (The Asylum - Studio Session)

で、デュプリ盤で入手出来たEP「Down The Rabbit Hole」'14を改めて聞いて感じるのは、デビュー作風でも聞けた分厚くキャッチーな80年代中期HM風朗らかコーラスをたっぷりフィーチャーしつつ、再結成してからの時代を鑑みたダークでヘヴィな要素も巧くMIXしたAORにも通じる落ち着いたミッドテンポ中心の楽曲が納められており、1stの頃のような眩い華やかさは無いものの、それでもまずまずの出来映えだったんだな、と。

プロなので成果を求められるのは当然だし、デビュー作が時代のせいで惨敗な売り上げだったせいでか、もうあの1stの煌びやかでキャッチーでメロディアスでフック満載な80年代ブライト・サウンドHMを二度と再現してくれないのが哀しいですね…




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# by malilion | 2017-04-29 17:59 | 音楽 | Trackback

豪州からANUBISが爽やかシンフォ作をリリース!

c0072376_15580569.jpgANUBIS 「The Second Hand」'17

オーストラリアというプログレ&シンフォ系不毛の国からデビューしたkey入りツインG編成でツインVo6人組の、前LIVE作より2年ぶり、スタジオ作としては3年ぶりとなる通算5作目(LIVE含む)をGET!

前作、LIVEとコンセプト作ではないアルバムが続いたが、本作は再び彼等の大好きなコンセプト・アルバム(汗)となっていて、重度の脳傷害で麻痺し、動かぬ自らの体に捕らわれ、企業での成功の無駄を悟り、老いていく、メディアの巨人 James Osbourne Foxの苦悩が描かれた物語となっている。

バランスの概念、消費者へのメディアの影響、偏見とヒステリーが、誰にも利益をもたらさず、人々を分裂させ、政治的な混乱と不安につながると訴える内容で、現在の世界中で巻き起こっている排他的な国民投票、選挙、さらには紛争の結果に影響を及ぼすメディアへの問題提示が、2016年の初めに書かれた歌詞にも関わらず奇しくも今の世界を予見していた、とメンバーは自信ありげだ。

デビュー作こそダークなサントラのような創りだったが、その後のHR寄りなサウンドといい、前LIVE作で再び選任ベーシスト兼ヴォーガリストを迎え入れたり、本作でもバッキングヴォーカリストを多数参加させている点からも、彼等はシンフォ系にしては珍しいくらいLIVEのみならず分厚く爽やかなヴォーカルハーモニーの再現に並々ならぬこだわりを持っているのが分かる。

前スタジオ作ではHR的な圧しの強さが弱まり、如何にもシンフォ系というゆったりセンチメンタルな叙情感と哀愁たっぷりの物悲しくも淡いメロディが同郷のSEBASTIAN HARDIEを思い出させたが、本作はさらにHR風味は薄れてシンフォ系へ傾倒し、1stっぽいSEやナレーションを多用する芝居がかった所謂定番のコンセプト・アルバム・サウンドへ近づいていて、デビュー作以降控え目でフュージョン寄りな音を聞かせていたキーボーディストが再びプログレ・サウンドをこれでもかと聞かせる音の壁を構築して大活躍をしている。

自主作盤と思えぬハイクオリティなサウンドと完成度ながら、HR風な泣きのGと清涼感漂うシンフォニックなKeyの響きに、甘くメロゥでキャッチーな歌メロが乗っかる構成は変わりないものの、前作のユーロ系でもUS系でも北欧系でもない、隠し味的にHR風味もする独特な絶妙のバランス具合がかなり好みだっただけに、一番好みじゃない1stへサウンドが接近したのは予想外だったし、正直いただけない…('A`)

ただキャリアを重ねてきた成果か、爽やかなヴォーカルハーモニーとアコギをバックに切々と甘い歌声を聞かせる楽曲等々、リリカルで透明感あるパートはUS系HRと北欧系シンフォをMIXしてポップでメロディアスにして磨きをかけたような、多種多様な要素が渾然一体となって他で聞く事が出来ぬ彼等だけのサウンドを構築しつつある、その創作意欲の高まりが伝わってきてアルバムを聞いていて実に楽しいです('(゚∀゚∩

ユーロ圏のシンフォのような暑苦しさのないスマートなリリカルさ、北欧系シンフォのような透明感、そしてUSA系シンフォのようなコンパクトさとキャッチーさを保ちつつ、よりスケール感の増したハイブリッド・シンフォサウンドを一度、ご自分の耳でもチェックしてみてはいかがでしょうか?



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# by malilion | 2017-04-27 15:51 | 音楽 | Trackback

独産テクニカル・ミクスチャー・プログHMバンドCRYSTAL BREEDが待望の2ndをリリース!('(゚∀゚∩

c0072376_21334104.jpgCRYSTAL BREED 「Barriers」'17

Uli Jon Roth BAND等で活動する Niklas Turmann(Vo&G)と Corvin Bahn(Vo&Key)を中心にドイツのハノーバーで08年に結成された、ツインVo&キーボード入り独産4人組・プログレ・メタルバンドの待望の2ndが6年ぶりにリリースされたので即GET!

メタルコア系みたいな無愛想でささくれ立ったダーティなイメージのジャケだし、このインターバルでベーシストが Michael Schugardから Nico Deppischへチェンジしているが、音楽性に変化は見られない。

1stで見せたIT BITESやFLOWER KINGS、そしてSPOCK'S BEARD等ばりなテクニカル&タイトなアンサンブルと多彩で分厚いコーラスワークを駆使し、夢劇場風なプログメタル風味も各所でピリリと効かせ、よりポピュラリティの高いキャッチーで疾走感あるフック満載のミクスチャーHMサウンド路線を継承しつつ、新たな試みにも野心的に挑んでいる力作だ。

ミクスチャー系と言うと、下手をすると纏まりのないとっ散らかった散漫な音楽性になりがちだが、ジャージーなハモンドだったり、ハードドライヴィングなギターや、ファンキーなチョッパーベースが暴れまくったり、怒濤の高速ユニゾンを披露したりと、各プレイヤーがテクニカルなプレイを繰り広げても、最終的にキャッチーなメロディアス・サウンドに集約されるヴァラエティ豊かな音楽性がこのバンドの強みだろう。

デビュー作より若干ヘヴィさが増してより骨っぽくシンプルなサウンドに纏まり、シンフォ度とコーラス量が減って合成感があった人工臭も薄れた、ソリッドなヘヴィさとキャッチーな派手さの一見相反する要素を巧みに組み合わせた楽曲の、その絶妙な押し引き加減と怒濤の畳みかけ具合にさらに一段磨きがかかったサウンドは、メジャー・プログ・メタルバンドにも一歩も引けを取っていない堂々の完成度だ。

前作のようなストリングス・カルテットをゲストに招いていないが、それでもヴァイオリンとチェロ奏者はゲストに迎えているので艶やかなストリングの響きも補完しつつ、1stで聞けた繊細さやメランコリックなメロもリリカルなピアノ・ソロやアコギの爪弾きもバッチリ本作でも聞けるものの、よりバランスをヘヴィさに偏らせた本作のサウンドの方が、所謂一般的なプログメタル的サウンドに近いので、シンフォ路線や古典プログレ系好きな方の守備範囲からは大きく外れてしまっているだろうからご注意を。

プログレ系やHM系の情報媒体等で余り注目されにくいサウンドではありますが、その確かなテクニックとポップでキャッチーなミクスチャー系・プログレッシブ・HMサウンドを、是非一度ご自身の耳でチェックして見て下さい!



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# by malilion | 2017-04-18 21:26 | 音楽 | Trackback

復活の狼煙?別れの挨拶? SHOTGUN SYMPHONYがリマスター旧音源アーカイヴ作をリリース!

c0072376_15344127.jpgSHOTGUN SYMPHONY 「The Last Symphony A Retrospective ~Limited Edition~」'17

5人組USA産メロディアスHRバンドが、新曲も一曲含む「Highway To Tomorrow 2010 - Live At Firefest」'11 発表以降、音源リリースの無かったが、やっと音源をリリース(バンドロゴが1st時の!)してくれたので即GET!

世界的時流に逆らってキーボードサウンドを活かしたポップでキャッチーなメロハーサウンドをひっさげ93年にデビューし、ここ日本では歓迎された彼等。

紆余曲折しつつも当初の音楽性を保ち活動を続行したが、やはり世界的な時流には逆らえず惜しくも2002年に解散してしまう。

2010年から再結成して再始動していた彼等が、この度、93年の1st『Shotgun Sumphony』、97年の3rd『On the Line of Fire』、99年の4th『Sea of Desire』をオリジナル・マスターテープからリマスターし、さらに97年の2nd『Forget The Rain』のオープニングトラック「Carousell Of Broken Dreams」をオリジナル・ラインナップ(現在はリユニオンした)でリ・レコーディングした2017年新ヴァージョンも収録した、未発表曲や未発表デモ音源、そしてLIVE音源、アコースティックLIVE音源(頑張ってコーラス再現してる!)等を収録したボーナスディスクを含む4枚組アーカイヴ作を届けてくれた事を、まずは喜びたい。

まぁ、久しぶりの新作が旧作リマスターに蔵出し音源集、しかも全世界500セット限定というのが少々哀しいですけど…(つд`)

というか、こんな風に再発されちゃうと、今度こそ音源総ざらい在庫一掃処分の後、再解散! なーんて流れにならないか心配で…

で、目玉の蔵出し音源ですが、93年時の未発表曲は、まぁボツになったのも納得という可も無く不可も無い出来、と言う楽曲だし、再結成第一弾の新録楽曲選考から漏れたボツ2曲のデモも、同じくボツるのが順当というレベルな出来のメロハー楽曲でした('A`)

純粋な意味での新曲が存在せず、リマスター・アーカイヴ作(微妙に全アルバムじゃないけど…)と捉えると、既に全音源を所有しているファンには手が出し難い好事家向けの一品ではありますが、所謂ヌーメタルでグランジーな味付けをされた2nd曲「Carousell Of Broken Dreams」のマッタリ朗らかヴァージョン(基本的にアレンジや展開は同じ…なんでこの音源を新録?)や、未発表音源や旧作の音が良くなっているポイントに興味がある方ならば購入しても決して後悔する事はないでしょう。

是非ともこのまま活動を続行し、一日も早く音源をリリースしてくれる様にと祈りながら、来たるべき新譜を待ちましょかね……

SHOTGUN SYMPHONY:The Last Symphony

DISC 1: SHOTGUN SYMPHONY
01. Highway to Tomorrow
02. What Happens to Love
03. Way Back Home
04. Turn Around
05. Broken Promises
06. Lost Child
07. She's in Love
08. Running
09. Bitter Sweet Poison
10. Goodbye to the Night

DISC 2: ON THE LINE OF FIRE
01. Generation Clash
02. Tell Me Why
03. On the Line of Fire
04. Hard to Hold Onto
05. Thaw
06. Solitary Zone
07. Into the Vibe
08. What It's Like
09. Salvation
10. This I Know
11. Big Mistake
12. Still The Same.

DISC 3: SEA OF DESIRE
01. Sea of Desire
02. Believe in Me
03. Dancing on Fire
04. S.O.S.
05. Heart of Glass
06. What I Wouldn't Give
07. The Way That You Feel
08. Phases
09. Inside Out
10. Between the Eyes(Eyes of Anger Part II)

DISC 4: THE BONUS TRACKS
01. Carousel Of Broken Dreams(New 2017)
02. Highway To Tomorrow(Live 2010)+
03. Lost Child(Live 2010)#
04. Look Away(Unreleased 1993)#
05. What Happens To Love(Unedited Version 1993)†
06. Running(Song Demo 1992)
07. Turn Around(Live Acoustic 1994)*
08. Broken Promises(Live Acoustic 1994)*
09. Goodbye To The Night(Live Acoustic 1994)*
10. The One(Song Demo 2010)
11. A New Beginning(Song Demo 2010)

#Taken from the “Live from Firefest”
†Taken from the debut CD recording sessions
*Recorded live at the FNAC Paris


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# by malilion | 2017-04-07 15:24 | 音楽 | Trackback

進化系北欧デジタル・シンフォが更に進化して、BROTHER APEが通常バンド作をリリース?!

c0072376_15092956.jpgBROTHER APE 「Karma」'17

真の意味で“プログレス”し続ける、時代の最先端サウンドを模索し続ける北欧スウェディッシュ・モダン・シンフォバンドの、4年ぶりとなる7thアルバム(デジタルEPは含まず)がリリースされたので即GET!

お馴染みのトレードマーク(?)顔色鮮やかな霊長類マンドリルがジャケに描かれたこの新作、2nd以降トリオ編成になってもう随分になるキャリア10年超えの彼等だが、本作でもメンツに変動はなく盤石の体制で製作されている。

一聴して驚かされるのが、これまでまるで“刺身のつま”状態が多かったヴォーカルが普通のバンド作のようにメインに据えられた楽曲形態だという事。

そしてこれまで数作かけて模索してきたデジタリーでアンビエントな打ち込み風フュージョン・サウンドな色が今回は薄く、所謂通常のバンドがだすバンドサウンドな音像がメインのアルバムだと言う事だろうか。

とは言っても、トレードマークの邪悪にウネるベースとソリッドでヘヴィなドラムスは未だパワフルでバンドサウドの中心だし、トリオ編成ながら Stefan Damicolas(G,Lead Vo,Key)と Gunnar Maxen(B,Key,Vo)が操るオーケストラ・ストリングスのプログラミング等、これまで培ってきた打ち込み系サウンドとプレイヤーが奏でる生サウンドのアンサンブルとが濃密に絡み合い、独自カラーとも言える浮遊感がありつつハードエッジなギターをメインに据えた奇妙なモダン・サウンドをドラマチックに展開するのに変わりない。

さらに、北欧プログレ系バンドが出す音にしてはサウンドがドライで一聴して分かるような叙情感や艶やかさに乏しいけれど、その実サウンドの端々や裏ではしっとりとした詩情や物憂げな哀愁が仄かに漂っているのが、彼等のサウンドを一際オリジナリティあるものにしているポイントだろう。

バンドサウンドに再び接近したと言っても、初期のようなKANSAS風味は皆無なのが少々残念だが、トリオ編成と思えぬ隙無く造り込まれたそこはかと仄暗く美しいスタイリッシュなモダン・サウンドは、以前の所謂シンフォさの欠片もないデジタリーサウンドより誇張なしに百倍増しで良く、正直その路線を突き進むなら遠からずフォローするのを止めるだろうと予想していただけに、本作のバンドサウンド寄りになった新機軸サウンドの独自性とクオリティは見事という他なく、期待以上の出来だ。

所で今まで気がつかなかったが、しっとり落ち着いた叙情感あるヴォーカル曲だと、 Stefan Damicolasの歌声とサウンドがちょっとBOOM BOOM SATELLITESっぽく聞こえ、個人的に面白いなぁ、と思いました(*´ω` *)

ただ問題点がない訳でもなく、今作は特に歌メロがイマイチな為か余計にそう強く感じるのかもしれないが、所謂普通のバンドサウンドに接近すればする程、デビュー作から一貫してのヴォーカルパートの貧弱さ(デジタル処理無しだと露骨)は如何ともし難く、その点に関しては未だにB級レベルなのがいただけないけれど…(汗

一般的な北欧グレ&シンフォ系の音からは遠く、ソレ系を求める向きには全くお薦め出来ぬものの、『プログレとは本来こうあるべき!』と現在進行系で音楽ジャンルをボーダーレスに跨いで複雑怪奇に展開するスピーディーなソリッドサウンド、実にハイセンスで小気味よいです。




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# by malilion | 2017-03-31 15:03 | 音楽 | Trackback

一服の清涼剤のような爽やかメロディアスサウンド♪ ALAN REEDが2ndソロをリリース!

c0072376_01082429.jpgALAN REED 「Honey On The Razors Edge」'17

UKポンプ黎明期に活躍し、今なお活動中であるPALLASの2代目フロントマンであった英国人シンガー Alan Reedの5年ぶりとなるソロ第二弾(EP、LIVE含むと4枚目)がリリースされたので即GET!

引き続きソロデビュー作同様に自ら作詞作曲、Vo、G、B、Ds Prog等を担当し、同じく豪華なゲストを多数迎えて製作にあたっているので各プレイヤーのファンも要チェック作だ。

注目のゲスト陣は、現PENDRAGONのドラマー Scott Higham、Clive Nolanと Karl Groomの双頭バンドCASINOや John Wettonと Geoffrey DownessのICONプロジェクトやUSAギタリスト Jeff Greenとの活動で知られるキーボーディスト Mike Stobbie、その Jeff Greenはリードギターで参加し、元GENESISのギタリスト Steve Hackettはハーモニカのみをプレイ、フランチ・プログレバンドLAZULIの Claude LeonettiはLEODE(ギターとシンセとヴァイオリンをMIXしたような音を出すカスタムメイドのエレクトリック・デヴァイス)をプレイし、バッキング女性ヴォーカルにUKプログ・バンドMAGENTAの Christina(Murphy)Booth嬢とスパニッシュ・プログ・バンドHARVEST(イタリアン・プログHMとは別バンド)の Monique van der Kolk嬢、フレンチ・プログレバンドWEEND'O の Laetitia Chaudemanche嬢といった多国籍からなる布陣となっている。

で、新譜の方向性はと言うと、前作は歌モノらしく情感豊かなヴォーカルが耳を惹きつけるトラッド・シンフォとでも言える清涼感あるシンフォニック・サウンドでしたが、この2ndも同路線の爽やかでキャッチーな歌メロとちょっとポンプ風キーボードサウンドが嬉しいコンパクトな楽曲が基本路線で、ゲストヴォーカルを多数迎えている為かヴォーカルハーモニーが分厚い点と全体的にサウンドがかなりシンプルでモダンさが増したのが目新しい変化でしょうか?
代わりに前作にあったトラッド要素やシンフォ要素は薄めになり、その分アコースティカル要素とアジアン・フィーリングな民族音楽的要素が増えている点もすぐ気がつく違いと言えましょう。

また、前作以上に Mike Stobbieのキーボードが大活躍していて、シンセをはじめメロトロン系やオルガン等で多彩なプレイを聞かせ、シンプルながらも英国叙情あるモダン・ポップ・フィーリングな楽曲を弾きすぎる事なくバックから様々に飾り立てている点も見逃せないだろう。

シンプルにアコギを爪弾くのがメインな楽曲が多いながらも、よく造り込まれているウェットな叙情感ある美しい楽曲はモダンで隙がなく、そして Alan Reedの甘く爽やかな声質とポップな歌メロも相まって実に心地よい、期待を上回る充実した高品質作だ。

所謂PALLASのような“ド"シンフォサウンドを求める方にはお薦め出来無いが、美しいメロディとアコースティカルな楽器の響き、そしてモダンでポップながらもウエットで如何にも英国然とした巧い歌声をお求めな方になら、間違いなく満足する事を保障出来る一品です。



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# by malilion | 2017-03-22 01:01 | 音楽 | Trackback

古典プログレ+プログメタル風味×クラシカルフレーバー = CASTが新作リリース!

c0072376_19223284.jpgCAST 「Power And Outcome」'17

メキシコで1978年に結成され未だに活動を続ける、今やメキシカン・プログレの雄のみならず南米グレ界の盟主と言っても過言ではない確固たるキャリアを誇る、Luis Alfonso Vidales(Key)率いるヴァイオリン入り7人組バンドの新作20th(BESTやLIVE含むと24作?)アルバムが2年ぶりにリリースされたので即GET!

以前からスペイン語だったり英語だったりとヴォ-カルアプローチがイマイチ定まらない彼等だが、本作は英語で歌われている。

フルート奏者が抜け、ベーシストがチェンジしてはいるものの、売りである2ndヴォーカリスト Lupita Acuna嬢とヴァイオリンの Roberto Izzo(NET TROLLS、GNU QUARTET)は健在で、Luis Alfonso Vidalesが弾き倒すシンフォニックで派手なキーボードワークと、Roberto Izzoの奏でる艶やかで趣あるヴァイオリンの音色をバックに、高らかに男女ツインヴォーカルが歌い上げる、これまでにも増して優美にして煌びやか、そして重厚にして壮大なスケールを感じさせる仕上がりとなっており実に素晴らしい!

冒頭から11分越えの大作で幕を開けるこの新作、一時期プログレ・メタルへ肉薄するハード・シンフォサウンドを披露して歓喜させてくれた彼等だが、案の定その方向へは進まず(涙)旧来からの定番なまったりシンフォ路線へ軌道修正しつつ、ここ数作で模索しているキーボードとストリングスのアンサンブルを活かしたクラシカルで叙情感ある哀愁のテクニカル・メロディアスサウンドに一段と磨きがかかっており、Luis Alfonso Vidalesの自信の程が窺える、これまでと一味も二味も違う気品さえ感じさせる美しいサウンドだ!('(゚∀゚∩

ややもすると緩いプレイを聴かせがちな Luis Alfonso Vidalesが、本作では古典イタリアン・プログレを彷彿させるようなダイナミックでドラマチックな、時に邪悪な雰囲気を漂わすダークでテクニカルなキーボードプレイで畳みかけ、ヴァイオリンが奏でる美しく繊細なメロディが優雅に薫り立ち、要所要所でスリリングなプログHM風ギター・プレイが楽曲をピリリと引き締める、ハード・シンフォサウンドと旧来の古典プログレサウンドをMIXさせたかのような、如何にもプログレ作らしい複雑な展開の重厚な楽曲に、テクニカルなプレイと美しいメロディがたっぷりと堪能出来る、デビュー以来のサウンド大変革作とも言える「Art」'11 を凌ぐ“勢い”と“熱”を感じさせる久々の傑作アルバムと言えよう。

ただ、せっかくのツインヴォーカルを備えた編成なのに本作のヴォーカルパートは余りにも少なく、殆どインスト作のように思えるバランスの悪さには少々疑問を呈したい。

まぁ、プログレ作のヴォーカルパートなんて70年代当時から添え物程度の扱いじゃないの、って言われればそうなんですけどね…(汗

とまれ、リリカルでメロディアスな70年代風UKプログレ・サウンドを今風にモダン・アップデートし、プログ・メタル要素を加えたクラシカル風味テクニカル・シンフォサウンドが好きな方なら、迷わず買いの一品なのは間違いありません。お薦めですよ!



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# by malilion | 2017-03-19 18:43 | 音楽 | Trackback

爽快キャッチーなAOR&メロハー作! LIONVILLEが新譜をリリース!

c0072376_00375476.jpgLIONVILLE 「A World Of Fools」'17

イタリア人ギタリスト Stefano Lionetti(G,Vo,Key)率いる5人組イタリアン・メロハーバンドの5年ぶり3作目がリリースされたで即GET!

メロハーファンにはお馴染みのFrontiers Recordsへレーベル移籍したのを期にバンドロゴも一新した彼等の新作は、前作以上の高品質メロディアス・ロックで、重厚なコーラスと透明感あるキーボードをフィーチュアしたフック満載の美旋律とキャッチーな爽快サウンド目白押しの力作だ('(゚∀゚∩

元々AORプロジェクトからバンド形態へ移行した彼等だがこのインターバルで再びメンツに変動があった模様で、情感豊かな歌唱と伸びやかでクリーンな爽快コーラスを披露するWork Of Artの Lars Safsund(Vo)と Stefano Lionetti(G,Vo,Key)のみ残留し、本格的なLIVE活動を考慮してか前作までの有名助っ人プレイヤーの名は消え(作詞参加や客演は変わらず有り)残りパート(B,G,Ds)のメンツが一新されている。

さらに前作2作をプロデュースしキーボーディストとしても参加していた Alessandro Del Vecchio(Edge Of Forever,Eden's Curse,Glenn Hughes,Axe)は今回ミックスとマスタリングのみで、楽曲には1曲の参加のみとなり、遂に Stefano Lionettiが本格的にバンドの舵を取り、より理想のサウンドを具体化する事を追求しはじめたようだ。

そのせいもあってか前作までの露骨なTOTO臭さが薄れ、よりバンドサウンドの纏まりと楽曲の完成度、そしてオリジナリティの向上が聞き取れ、2ndまでの問題点を見事に払拭している。

スタート時点から高品質でレベルの高い作品をクリエイトしてきた Stefano Lionettiだが、満を持して放つこの新譜にはAORアルバムに必要な要素が全て揃っているアルバムだと言えるでしょう('(゚∀゚∩

素晴らしいハーモニーとフック、透明感ある美しいヴォーカルと分厚いコーラス、アレンジの練られた磨き抜かれたメロディの楽曲、ウェストコースト風の爽快サウンド要素、そしてややもすると軟弱になりがちな楽曲をエッジあるギターでピリリと引き締めている、本当にメロハー&AORアルバムの教科書のようなちょっと優等生すぎる作品だ。

まぁ、ロックの生っぽさやスピード、迸るパッションやナチュラルなグルーヴのようなものは、この整合性あるサウンドからは余り感じられないので、その手を求める向きにお薦め出来無いが、もう3作目にもなる彼等にソレを求める方はこのバンドに興味ないでしょうしね(w

メロハー・ファンでまさか彼等のアルバムをまだ耳にした事がない方は居ないと思いますが、もし居るなら TOTO、Richard Marx、GIANT、BAD ENGLISH、SURVIVOR、BOULEVARD、がお好きな方もこのアルバムはホントお薦めですぜ!

後の問題は、LIVEでどれだけこの美しく隙の無いサウンドを再現出来るのか、という点のみでしょう。



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# by malilion | 2017-03-15 00:29 | 音楽 | Trackback

HOUSE OF LORDSの新譜はキーボーディスト不在を痛感! 出来が良いだけに…orz


c0072376_22345019.jpgHOUSE OF LORDS 「Saint of The Lost Souls」'17

'00年に再結成して以来、解散前にも増して勢力的活動を続ける4人組USAメロディアス・HMバンドの前作「Precious Metal」に続く約3年ぶり通算10枚目となるNEWアルバムを即GET!

バンドの看板でもあり現在のリーダーでもある James Christianの健康状態などが心配だったが、こうして無事新譜を届けてくれた事を祝いたい。

前作は深刻な闘病生活が影響したのか、あえて逆に前向きでポジティブな内容と躍動感溢れるダイナミックでブライト感の強いメロディアスサウンドが強調された楽曲が目白押しにアルバムへ詰め込まれていて初期からのファンを歓喜させたが、本作ではそういった状況がある程度安定したのか、再結成以降定番なミステリアスでムーディな要素が強いミッドテンポ中心な、ややもすると少々退屈に感じてしまう落ち着いた作風に戻ってしまって、そこは残念かな…

とは言え、凡庸な楽曲でさえも James Christianの抜群の歌声と絶品の歌唱力が、フックあるメロディと重厚なハーモニーが交差する叙情感たっぷりな80年代風HMサウンドへ変えてしまうので、そこらの凡百のUSメタルバンドが敵うはずもない高レベルなアルバムなのだが、それだからこそ余計にもっと楽曲に凝った展開や気の利いたアレンジが加われば、さらにレベルの高い作品を届けてくれるのが分かって妙に歯がゆいんですよね…

特にそれを強く感じたのが、アルバム冒頭のキーボード主導で始まるちょっと不気味なイントロから初期RAINBOW風のミステリアスなキーボードが楽曲主導権を握って独特な雰囲気を引き立て活躍する楽曲が、モロに再結成前のシネマティックHMを目指していた初期サウンドに感触が近く、ああ、やっぱりこのバンドには凄腕キーボーディスト(いくらいつもたっぷりキーボードがフィーチャーされていようと刺身のツマ状態じゃねぇ…)が必要だ、と再確認させられました。

因みにその一曲目のみ客演で、現在は白蛇へキーボーディスト(!)として参加している抜群の歌唱力を誇るイタリア人シンガー Michele Luppi(ex:Vision Divine,SECRET SPHERE,LOS ANGELES,Michele Luppi's HEAVEN,etc...)がスリリングなプレイを聞かせてくれているんですよねぇ…是非、パーマネントなメンバーを加入させて欲しいなぁ…

同じくイタリア人でEDGE OF FOREVERを率いる、と言うよりプロデュース業やFrontiers Records絡みのプロジェクト等への楽曲提供の方が今や忙しい Alessandro Del Vecchioも5曲目で楽曲共作しキーボードをプレイしている他、10曲目で北欧メロディック・ロック界随一のお助けマン Tommy Denander(G:RADIOACTIVEを筆頭にAORセッションやプロジェクト多数)も楽曲共作しギターをプレイしてアルバムに華を添えている。

また繰り返しになるが、総じてアルバムの出来は良いものの、80年代から活動を続けている大ベテランにも関わらず未だに強力なキラー・チューンがないという持病は未だ健在で、やっぱり耳はド派手なオーケストレーションを高らかに奏でる Gregg Giuffriaの自己主張の強い(汗)キーボードサウンドを探してしまうのが悲しい…



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# by malilion | 2017-03-12 22:11 | 音楽 | Trackback

新世代北欧メロハーの旗手 ECLIPSEが新譜をリリース!('(゚∀゚∩


c0072376_22350646.jpgECLIPSE 「Monumentum」'17

北欧スウェーデン産メロハー・バンドの二年振り6作目となる待望の新作がリリースされたので即GET!

W.E.T.をはじめFrontiers Records絡みのプロジェクトだったり他レーベルのメロハー・プロジェクトやメロハー・アーティストのソロ作への客演だったり楽曲提供だったりで四六時中彼の名前を目にしていたので全く二年振りと思えぬ(笑)ワーカホリックな Erik Martensson(Vo&G)率いる彼のメインバンドによる新作な訳だが、従来のユーロHM的ウェットなメロディと叙情感、そしてアメリカンHM的キャッチーな爽快感と疾走感をMIXさせた躍動感あふれる折衷メロハー路線をさらに推し進めた充実作で、従来のファンのみならずメロハーファンならば大抵の方には御満足頂ける出来と言えるだろう。

ドラムスのみ本作から Philip Crusnerへチェンジしているものの、初来日も果たしたメンツと同一編成で製作されたこの新譜に、全くその影響はサウンドに現れていない。

前作と比べてもキャッチーさでは全く見劣りしないこの新作、若干ヘヴィさというか重厚さがサウンド全体に感じられる程度で、適度にテクニカルだけどノリ抜群な、コンパクトでクリアーなモダン・メロディアスHMサウンドに些かの翳りもないのが嬉しいですね(*´ω` *)

この手のバンドってLIVE経験を積むと妙に力んで無理矢理感あるヘヴィさだったりダークさを加味しようとし出したりするのがいただけないんですよねぇ~

その点、Frontiers Records関係の“お仕事”を大量にこなしている影響からなのか、キッチリ売れ線と自身のポジションを理解して、ファンの望む通り、いやそれ以上の良質なアルバムを届けてくれる仕事人 Erik Martenssonはもっともっと評価されてもいいと個人的には思います。

まぁ、そーいうAOR系アーティストみたいな巧さや整合性でなく、HMミュージシャンらしい迸る情熱や後先考えない“勢い重視なアホさ&アマチュア臭さ”みたいなものを求める向きには“作り物”臭いアルバムと捉えられてしまう点が、強いて上げるとマイナス要因なのかもしれませんけど…

とは言え、未だにUSAで成功を収めた白蛇風なサウンドだったりが相変わらず楽曲やギタープレイに露骨に顔を出してる(笑)ので、本人達はそんなに意識してクレバーな作品にしようと思っているんじゃないと思うんですけどね(w

ともあれ、メロハー・ファンなら間違いなしにお薦めな一枚です♪

しかし…また日本先行発売なんだよな…また、Frontiers盤でボートラ大量追加でリリースで買い直し確定なのかなぁ…orz


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# by malilion | 2017-03-10 17:09 | 音楽 | Trackback

伝説のバンド再び!MAXOPHONEが新譜をリリース♪


c0072376_22354247.jpgMAXOPHONE 「La Fabbrica Delle Nuvole」'17

時代背景やお国柄という事情があるにしても、イタリアン・プログレバンドにはたった一枚不屈の傑作アルバムを残して解散してしまうという不運な名バンドがやたら多く、彼等もそんなバンドの一つとしてその名を長らく語り継がれてきた訳だが、この度目出度く42年振り(!!)の(14年に日本で再結成LIVEを披露し、同年にLIVE作もリリース済み)オリジナル・スタジオアルバムである2ndアルバムをリリースしてくれた。

Sergio Lattuada(Piano,Key,Vo)と Alberto Ravasini(G,Key,Lead Vo)のキーボーディストとヴォーカリストのみオリジナルメンツで、他メンツが一新されている(LIVE作の時と同じメンツ構成)のが少々残念ではあるが、何はともあれこうして再結成作を届けてくれた事を喜びたい。

まぁ、彼等のサウンドを特徴づけていたフルート奏者やホルン奏者が今回の再結成メンツに含まれていないのは、今のテクノロジーならばシンセ等で十分に再現可能と思ったからなのかどうかは定かではないが…(汗

再結成前の唯一作(英語Vo版もあったけど)では、当時のイタ公の定番ともいえる重厚なオーケストレーションやオペラチックな要素は薄めで、どちらかと言うと軽やかな管弦楽器の響きをメインに、リリカルなピアノが絡むという繊細にして優美な叙情的サウンドがどう変化しているのか興味津々だった訳ですが、あの当時彼等が届けてくれた繊細で優美なサウンドのまんま!('(゚∀゚∩

勿論、テクノロジーの進化も関係しているのか幾分モダンなサウンドになっておりますが、彼等の音のファンだった方ならば決して期待を裏切られる事のない、巧みな職人芸が活きる緻密なアンサンブルとじっくりと練り上げられた楽曲構成に、仄かに地中海風なイタリアンな歌メロが乗っかる“あの”柔和で軽やかなプログレッシブ・サウンドです♪

しかし、下手に当時を体験していない今の懐古思想の強い新バンドより、実体験している彼等の方が妙なヴィンテージサウンドへの拘りがなくてモダンでスマートなサウンドを届けてくれていると言うのがなんとも面白いですね(苦笑

フルート奏者やホルン奏者の奏でるリリカルなサウンドは聞こえてこないのは残念だけれど、代わりにヴァイオリンやアコギを効果的にフィーチャーして旧来のMAXOPHONE節を残しつつモダンでスマートさに磨きをかけた事によって、近年のPFMにも通じるモダン・シンフォサウンドへ進化したように聞こえるのは予想していなかった面白い効果といえましょう。

ところで、アルバムタイトルの『雲の工場』と、工場の煙突から排出される煙が描かれたジャケがなんともシニカルさを感じさせるが、もしかしたら1stの美しい水辺のジャケと現在の世界を表した対比なのだろうか?

また、その排出される煙には「声、川、単語、水、道路、風、毛、月、火、恐怖、海、女、季節、夢、手、夏、巨人、中庭、思考、雷、凧、刀…」等々の抽象的な単語が連ねられてたなびいており、この古ぼけた工場自体がバンドの象徴という意味なのかもしれない。

何はともあれ、70年代イタリアン・ロック・ファンは勿論、モダン・イタリアンシンフォ・ファンにもお薦めな一枚です(*´ω` *)


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# by malilion | 2017-03-06 22:04 | 音楽 | Trackback

元IQフロントマン Paul Menelが新バンドを率いて帰還!

c0072376_22381035.jpgPAUL MENEL & THE ESSENTIALS 「Spare Parts For Broken Hearts」'17

80年代UKポンプ勃興期から未だ第一線で気を吐き続けるUKポンプ&シンフォ・バンドIQの2代目フロントマンだった Paul Menelが5年ほど前に発掘リリースされた94年作PAUL MENEL&THE GREAT OUTDOORSに続いて組んだ3ピースバンドの自主製作デビューアルバムがリリースされたので素早くGET!

アルバムは、リーダーの Paul Menel(Vo&G)を筆頭に、Steve Swift(B)、Tim Churchman(Ds)のトリオ構成を基本にし、キーボード、ヴァイオリン、トランペット、アコーディオン、サキスフォン、フルート、アコギ等々の多数のサポートメンを迎えて製作されているだけでなく打ち込みも多用されていて、各楽曲は実にバラエティ豊かな彩りと複雑な表情を見せ、デビューソロ作や前リーダーバンド作と同じように最後まで飽きる事なく聞き通せる力作だ。

サウンドの大きな方向性としては、ナチュラルな楽器の響きをメインに据えた飾り気の少ないシンプルでモダンな音像で楽曲は構成されていて、彼のほんのりPhil CollinsっぽいUKニューウェーブ系な穏やかな歌声を中心にしつつ実に英国的なウェットなメロディ・センスが堪能出来る軽快なポップ・ロック作となっている。

ただ、これまでの Paul Menelの作品で個人的に好ましく感じられていた90125YES路線のカラフルでモダン且つメタリックでソリッドな音色とエレ・ポップ風サウンドや、ニューウェイブ感(相変わらず本人の歌声は深めエコー有りのニューウェイブ風だけど…)がググッと後退している点と、フィメールヴォーカルのゲスト等を迎えてよりポピュラー音楽に接近した音像であるという事と、以前は感じられなかったダークでヘヴィなテイストのロックサウンドがアルバム全体に感じられ、そしてもっとも不満に感じるのは以前より歌メロのキャッチーさが減っていて、少々ガッカリな感があるのは否めない……

まぁ、現在IQは初代フロントマン Peter Nichollsを呼び戻して順調に活動を続けておりますし、彼の在籍していた売れ線狙いのIQサウンドが当時からファン受けが宜しくなかった事もあってか、Paul Menelの人気や知名度が今一つなのが悲しいですが、個人的には彼のクリエイトするUK風味なモダン・ポップロックは好みなので、出来れば今度こそこのまま順調に活動を続けて、今度こそはよりキャッチーな作品を届けて欲しいものであります。



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# by malilion | 2017-03-05 18:04 | 音楽 | Trackback

John Wetton死去…またプログレ界の巨星が逝く…


John Wettonが31日、死亡した。
享年67歳。

去年からYESやEL&Pがらみで訃報が続いていたが、まさか
John Wettonまでもとは…orz

この科学の発達したご時世でも、癌だとダメなのか…哀しいなぁ…

これでオリジナルASIAは永遠に幻となった訳だ…

しかし、こうも身の回りの同僚が次々と先立つだなんて、
Carl Palmerの精神的ダメージは計り知れないだろうなぁ…


今夜は、ASIAやクリムゾンを聞きますかね…R.I.P. 
John Wetton



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# by malilion | 2017-02-01 00:09 | 音楽 | Trackback

同じジャケ? 実は別作品です。TILESの20周年記念盤をGET!

c0072376_15003390.jpgTILES 「OfF The Floor 02 ~Limited Edition~」'14

前作LIVEアルバム「OfF The Floor」リリースの二ヶ月後にリリースされた、RUSHフォロワー筆頭のUS産プログ・メタルバンド結成二十周年記念限定盤“その2”である2枚組アルバムが、限定なのに何故か今も買えた(涙)ので購入してみました……

まぁ、ファン向けコレクターズアイテムみたいな2枚組だし彼等のダイハードなファンしか購入しなかったので、未だに在庫があって買えたのかもしれませんね…うう…それってファンが少ないマイナーバンド…って事か…orz

ジャケデザインが若干違うのと色味が少し違うだけで、ほぼLIVEアルバム「OfF The Floor」のまんまなので混乱される方もいらっしゃるかもしれませんが、「OfF The Floor」と内容も構成も全く違うBEST+LIVE+SESSIONという構成の変則的なアルバムです。

まぁ、純粋なLIVE作が欲しい人なら「OfF The Floor」を購入するし、BESTと寄せ集め音源という特殊な形態の2枚組記念盤だし、元より購入する人をかなり選ぶアイテムなのは確かですね(汗

Disc1はこれまでの既発楽曲を寄せ集めたBEST的なアルバムで、RUSHのプロデューサー Terry Brownの手によってMIXされたご自慢の自信曲を集めた、ってトコが彼等的にも重要なんでしょう。

元の音源リリースが20年前という事もあってリマスターされている効果でか、音の輪郭がクッキリと鮮明になり、ヘヴィさも増しており、今の耳で聞いても十分通用する音圧のプログメタル曲にリファインされております。

Disc2は、05年のRites of Spring FestivalにてのLIVE音源を4曲と、OfF The Floor製作中のセッション風景が動画データで2曲収録されている。

LIVE音源の方は、電源の接触不良によるサンプラーとキーボードの音が不思議にリセットされる問題や、ベースアンプの問題、そしてLIVE4日前に娘が生まれて疲労困憊気味のベーシスト Jeff Whittleの体調等のアクシデントがあって十分に満足出来かねる音源だったものの、収録されている音源はまだ満足出来るレベルと言う事で、無事本作でお披露目された。

実際、そんなアクシデントがあったのか分からぬ程の迫力あるLIVEサウンドを披露しており、「OfF The Floor」だけでは満足出来無かったファンの方には是非チェックしてもらいたい。

間違っても国内盤は出ないマニアックな内容だし、未だに購入は出来るとは言え限定盤なのは確かなので、彼等の熱烈なファンならば今のうちに入手しておいても損はない一品だろう。


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# by malilion | 2017-01-31 14:52 | 音楽 | Trackback

食わず嫌いは宜しくないですよ? SOTOの2ndを今頃GET!


SOTO 「Divak」'16c0072376_049498.jpg

去年の初めにリリースされていた Jeff Scott Sotoのリーダーバンドの2ndアルバムを今頃購入(汗

いやー、やっぱりと言うかなんと言うかダークでゴリゴリにヘヴィな前作がイマイチな評価で、そして前作と同じ方向性と言われていたこの2ndも余り巷の評判芳しくなかったのもあって、彼のファンであってもなかな手が出しづらかったんですよ…

まぁ、それも当然と言えば当然ですよね。

なにせ、Jeff Scott Sotoと言うと、どうしてもFrontiers RecordsやESCAPE MUSICフィールドが主戦場なキャッチーでファンキーなメロハー・サウンドのバンドやプロジェクトで熱唱してるヴォーカリストってイメージが大きいですからね。

インギー時代から始まってTALISMAN以降、長らく彼をフォローしてきたファンの望みと正反対の方向性へ進んでしまったドライでダークな鈍色モダンヘヴィネス・サウンドを披露されても、正直購買意欲は刺激されませんもの…

で、おっかなびっくりしつつ半ば諦めの心境でこのアルバムを聞いて見た訳ですが、コレがビックリ! 前作で皆無だったメロディアスな要素だったりウェットなメロディだったりが、ちゃんと聞こえてきたのですよ!

勿論、前作と比べてと言う意味で、彼がこれまで関わってきたTALISMANやEYES、TAKARAだったりWET等の一連のメロハー作のメロディアスさやキャッチーさに遠く及びませんが、それでも前作の一切甘味の無い無愛想で焦燥感と苛立ちの塊みたいだったサウンドのトゲトゲしい雰囲気は幾分薄れ、重いリフでゴリゴリ攻めまくるテクニカルでエッジあるギターをメインにしつつキャッチーなコーラス・ハーモニーも時折聞こえる、グルーヴィなウネリとうっすら哀愁漂うメロディが甘すぎない絶妙のバランスで配合されたUSモダンヘヴィネス作に仕上がっていると言えるでしょう。

と言うかコレって、今風のモダンヘヴィネスなバンドやデスメタルなんかも耳にしているリスナーからしたら、まだまだ軟弱なサウンドと言われかねないレベルなんですけどね…(汗

所で一番意外だったのが、前作では余りそのプレイが耳に引っかからなかった Jorge Salan(G)のリード・ギターがまるで別人のようにドライヴ感あふれるスリリングなプレイを披露し、終始において流麗でエモーショナルなのにビックリさせられました。

やっぱりゴリゴリのダークネス・ヘヴィサウンドばっかりじゃ、テクニカルでメロディアスなギタープレイの見せ場が無いもんねぇ~

前作ですっかり愛想を尽かしてしまった旧来の Jeff Scott Sotoファンな方々もこの2ndは十分楽しめると思いますので、聞かず嫌いしている方は是非一度チェックしてみて下さい。

そうそう、日本盤は3曲ボートラが収録されておりますが、外盤でデラックスエディションもリリースされて大量にボートラが収録されておりますので、ダイハードな彼のファンはそちらの方も是非どうぞ。

トラックリストは以下の通りです。

14 - Final Say (Live) [bonus track]
15 - The Fall (Live) [bonus track]
16 - Break (Live) [bonus track]
17 - When I'm Older (Live) [bonus track]
18 - Stand Up (Live) [bonus track]
19 - Cracking the Stone [iTunes exclusive bonus track]
20 - My Life [iTunes exclusive bonus track]
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# by malilion | 2017-01-11 00:44 | 音楽 | Trackback

カナダの至宝 RICK EMMETTが遂にニューバンドと帰ってきた!('(゚∀゚∩


RICK EMMETT & RESolution9 「RES9」'16c0072376_0455350.jpg

御存知カナダのベテラン・ギターリストにして元TRIUMPH(いや、もう復帰しているから現、か)のフロントマン Rick Emmettが自身のソロLIVEツアー・バンドのメンバー達と新バンド(!!)を結成してデビューアルバムをリリースしたので即GET!

AIRTIME等の単発企画モノで何度かロック風のアルバムに参加してはいたものの、基本アコギをかき鳴らす渋めのルーツ・ミュージック作ばかりリリースし、この後はすっかり落ち着いた枯れた味わいのアコースティック作か良くてAOR寄りな作品しかリリースされないのかぁ、と勝手に納得していた所で新年早々にこの吉報ですわぁ♪('(゚∀゚∩

で、内容の前に本作には豪華なゲストが招かれているので、まずはそっちをチェックしましょう。

Rick Emmett(Vo、G)を筆頭に、Dave Dunlop(G)、Steve Skingley(B)、Paul DeLong(Ds)の4人からなるRESolution9の面々が製作に関わっているのは当然として、同郷のRUSHから Alex Lifeson(G)がギターで2曲に参加、USAプログメタルの雄DREAM THEATERの James LaBrie(Vo)も2曲でヴォーカルを披露し、さらにはバンドメイトであるTRIUMPHの Gil Moore(Ds、Vo)と Mike Levine(B、Key)がスペシャル・ゲストとして一曲のみではあるが参加している。

しかも、Alex Lifesonのギターに James LaBrieとRick Emmettの歌声が乗っかるなんて、ちょっと他では考えられない豪華な一曲も収録されているのですよ。

ね? もう、これだけでアルバム聞く前からテンションだだ上がりは必至でしょ?

そして、本作の内容についてですが、このメンツな上に Rick Emmettが駄作を創るはずもなく、Rick Emmettに期待される通りの弾きまくりながら実にシンプルでストレートな、キャッチーなアメリカン・ロックをリラックスして気持ちよさそうに演ってくれているんだなぁ~♪

彼のデビュー・ソロ作「Absolutely」'90 に近いサウンドと言えば伝わりますでしょうか?

勿論、HRだけじゃなく、クラシック、ブルーズ、カントリー、フラメンコ、JAZZと、多彩なジャンルのギターもこなすテクニシャンの Rick Emmettですから、ソロになってからの経験もしっかり活かされた、実に幅広い音楽要素を含みつつシンプルなサウンドに仕上がっております。

女性バックコーラスなんかも入った如何にもR&Bベースな曲が多く、やっぱり全体的にHR要素は少なめとは言え、もう64歳にならんとしている彼が、これだけ質の高い作品をクリエイトしてくれた事を、そして再びロックフィールドへ舞い戻ってきてくれた事に深く深く感謝したい(*´ω` *)

まぁ、08年から古巣のTRIUMPへ復帰し、オリジナルメンツでの再結成をし、今も精力的に活動中(ニューアルバムはまだなの??)なので、そのロックフィールドでの活動が呼び水になって、このロックサイドなソロバンド作に繋がったのでしょうね。

TRIUMPみたいなHMサウンドを期待している方には肩透かしでしょうが、Rick Emmettのソロ作も追いかけていたファンには、実に味わい深い楽しい一作である事に間違いはありません。

出来る事なら次は活きの良い、いつものTRIUMPの新作を届けて欲しいものである。
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# by malilion | 2017-01-10 00:37 | 音楽 | Trackback

カナダのMARILLIONことRED SANDが新作をリリース!


RED SAND 「1759」'16 c0072376_25014.jpg

カナダのMARILLIONことRED SANDの3年ぶり通算7枚目となる新作をGET!

この期間でメンバーチェンジが勃発した模様で、ドラムスとキーボーディストが入れ替わっている。

と、言ってもオリジナルメンバーである Simon Caron(G、Key)と Mathieu Gosselin(B)の2人を除いて初期からメンツの入れ替わりの激しい彼等の事なので、ファンにはもうお馴染みのゴタゴタかもしれない(汗

で、内容の方はと言うと、まず目を惹くのはアルバムには三章からなる大曲を含む3曲しか(今時!)納められていないと言う事だろう。

それだけで大作志向のプログレ作好きな方の、ましてや初期MARILLIONに強い影響を受けていると言う彼等の作品に対して興味が一層に募るのじゃないだろうか?

前作に引き続きコンセプトアルバムで、フレンチ・インディアン戦争においての現在のニューヨーク州北部で勃発したイギリス軍とフランス軍の熾烈な戦闘であるタイコンデロガの戦い(1759)を題材にしたその内容は、前作で聞けたMARILLIONのメロウでセンチな部分だけ抽出してググッと濃縮したかのような哀愁と叙情性たっぷりの美旋律に加え、戦闘の激しさを描いているのか何時になくハードなリズムとダークで幻想的なメロディが飛び交う一大絵巻といった趣に仕上がっていて、前作の映画風サウンドが気に入った方なら気に入る事間違いなしの一品だ。

今までそんなにFISHっぽくなかったヴォーカルが本作ではちょっと意識してソレっぽい歌い方をしているし、モロにロザリーという泣きのギターが聞こえたりしているが、まんまMARILLIONフォロワーと言う訳でもないし、所々でちゃんと今のモダンなシンフォ系バンド作としての印はサウンドにしっかり押されているのだが、シンセ、オルガン、ピアノ、メロトロン系などふんだんに使用しているそのキーボード類の音色が(意図的に)モロに80年代初期のポンプ臭を発散している為か、妙に初期UKポンプ作を聞いているような錯覚に陥ってしまう。

この手のコンセプトだと主題に引っ張られてハード一辺倒なサウンドになりがちだが、そこはキャリア10年を超える実績がものを言い、しっかりと繊細で物悲しいアコギも織り交ぜつつ、翳りのあるメロディアスなシンフォニック・サウンドをしっとりと紡ぎ、タイコンデロガの戦いの情景を描き出す事に成功している。

マイナーな存在故に彼等の事を知らない方に説明するなら、ちょっと乱暴な例えになるが初期MARILLIONのポンプサウンドを今風のモダンアレンジを加えつつFISH脱退以降路線変更してしまった本家サウンドが、もしそのまま初期の路線で発展したら? と、いった方向性のサウンドと言えるのじゃないだろうか?

IQ、BB KING、Albert Colinsファンによって結成されたバンドで、初期MARILLION、PENDRAGON、ARENA、CLEPSYDRA、そしてSHADOWLANDが好きな方ならお薦め、と海外で評されている彼等の新作の仕上がり具合を、後はご自身の耳でどうぞお確かめ下さい。

例によって例の如く自主盤なので、お求めはお早めに。
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# by malilion | 2017-01-02 01:47 | 音楽 | Trackback