HEEP&QUEEN成分マシマシでELO成分減のCATS IN SPACE新作!

c0072376_16035065.jpgCATS IN SPACE 「Scarecrow」'17

前作でそのキャッチーでポップなノスタルジック・サウンドが話題になった、SWEET、AIRRACE、MORTIZ等のバンドで活動してきた古強者達によって結成された英国産6人組メロディアス・ロック・バンドの待望の2ndがリリースされた!

メンツは前作と変わりなく、
Paul Manzi(現ARENA 現RAW GLORY 元OLIVER WAKEMAN BAND 元Andy Scott's SWEET:Lead Vocal、G、Key)
Greg Hart(元MORTIZ 元IF ONLY:G、Key、Vo)
Dean Howard(元BAD COMPANY 元IAN GILLAN BAND 元再結成AIRRACE:G)
Jeff Brown(元Andy Scott's SWEET 元STATETROOPER:B、Vo)
Andy Stewart(元MORTIZ 元IF ONLY:Key、Vo)
Steevi Bacon(元ROBIN TROWER BAND:Ds)
という、名うてのベテラン・ミュージシャン等で構成されているので、そのクオリティに些かの不安もありません。

因みに30年以上行動を共にしているという Greg Hartと Andy Stewartは再結成MORTIZにも復帰しているので現メンバーとも言えます。

しかし、改めて見ると Paul Manziって懐メロHRからダーティなHM系、そしてシンフォ系にまで幅広く在籍するとは、かなり器用な歌唱スキルを持っている如何にも仕事人って感じのプロフェッショナルなヴォーカリストなのでしょうね。

Andy Scott's SWEETでベースとリードヴォーカルを担当していた Jeff Brownの歌声も個人的には好きだったので、CATS IN SPACEではバッキングとコーラス&ハーモニーのみでしかその歌声を聞けなくなってしまったのは少々残念ですけど…

で、注目は前作の借り物臭さがどう変化したのか、またその手の問題を払拭出来たかどうかという点が気になる新作ですが、ある意味で予想を裏切る良作となったように個人的には感じました。

一番大きく変わったと感じるのは、前作で聞けたシャレオツでポップなELO風な雰囲気は薄れ、逆にHEEP風&QUEEN風なキーボードとコーラス、そして Brian May風なギターの割合(それ以外にも、かなり露骨なQUEEN臭が…)が増えて全体的にレイドバックした雰囲気とうっすらプログレ・テイスト(ポンプやシンフォじゃないトコがミソ)が漂っている、80年代風ハードポップ色が薄れて70年代後期風HR色が強まった点でしょう。

売りのメロディアスでポップな分厚いハーモニーヴォーカルが如何にもUK風(HEEP風)になって前作のアメリカン・テイストな朗らかなフィーリングが弱まり、さらにサウンド全体のヘヴィさとパワフルさが増してググッと骨太でドラマティックな70年代後期HR寄りになった感触だ。

90年代初期のHEEPに近いサウンド(コーラスはこっちのが断然綺麗)にSUPERTARNPやSTYX、そしてQUEEN風のキャッチーな70年代ロック・テイストをまぶし、叙情的で哀愁溢れるウェットなユーロピアン・メロディを保ちつつ、現代的なサウンドへ磨きをかけてモダンな今風サウンドに仕上げたイメージと言えば伝わるだろうか?

もっとぶっちゃけると1枚だけLIVE作を残して一年足らずで解散した再結成SWEETのスタジオ新曲のサウンド(ドライなサウンドだったけど)にかなり近い感触に思えるのだが、例えがマイナー過ぎて誰も分からないか…(汗

未体験故に憧憬を隠さずまんま70年代サウンドへ傾倒する新人バンドは結構耳にするが、微妙に80年代テイストも加味して古臭いのに新しいサウンドをクリエイトする居そうで余り居ないキャッチーな懐メロモダンHRサウンド路線を彼等は狙っているようで、90年代からのグランジーの波に呑まれなかったらシーンのメインストリームサウンドはどうなっていたのか? という失われた過去を描いている風にも聞こえて大変興味深いですね。

まぁ、狙っているその路線は当時売れなかったサウンドな訳で危険な賭けにも思えますが、今の耳で聞くと不思議と新鮮な感触を覚えるので、意外にこのモダン・ノスタルジック路線は多くのミュージシャンが無視している忘れられた路線で実は大穴かもしれません。

ただどうしてもどこかで聞いたようなフレーズだったりアレンジ、サウンドだったりが耳に付く(実は意図的?)のは前作と変わりなく、完全に借り物臭さを払拭出来たとは言い難い点が、出来のいい作品だし個人的にも好みであるだけに余計に残念な点であります。

後は前作でのELO風味が好きだった方にはちょっとガッカリな方向へ進んだとも言えますけど、まぁ、ELOの後追いは本家の元メンツでさえ苦労しているので絶対失敗(Jeff Lynneは偉大だ!)するのが目に見えているのだから、今回の選択は正しかったのじゃないかと…(汗

次作こそはオリジナリティという点をもうちょい考慮してさらにサウンドに磨きをかけて欲しい、そんな80年代、70年代好きにお薦めな懐かし系ポップ・ロックバンドですので、まだ彼等のサウンドを耳にした事がない方は是非一度チェックして見て下さい。



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# by malilion | 2017-09-20 15:56 | 音楽 | Trackback

さらにユーロピアン・シンフォサウンドに磨きをかけたDRIFTING SUNが新譜をリリース!

c0072376_16395112.jpgDRIFTING SUN 「Twilight」'17

以前のプロジェクト体制では寡作だったが、復活して以来コンスタンスに作品をリリースしてその創作意欲の高まりを知らしめているフランス人キーボーディスト Pat Sanders率いるユーロ・シンフォ・バンドの5thが1年ぶりに届けられた。

前作で一気に数段上のレベルへ駆け上がりやっとメンツが安定したかと思ったのも束の間、毎度お馴染みのメンバーチェンジが起こった模様で、ギタリストを Dan StoreyからPINK FLOYDやGENESISをルーツに持つシンフォ系マルチインストゥルメンツ・プレイヤー Franck Carducci(B、Key、G、Ds、etc)のバンドでリード・ギタリストを務めている Mathieu Spaeterへチェンジし本作は製作されている。

『ワンマンバンドだしギターが変わっても影響無いでしょ?』という予想を覆し、それまで主にキーボードの音色のみで構成(ワンマンバンドの弊害ですね…)されていた楽曲構成に、少しYES風な繊細でエモーショナルなリードギターが時に切なく咽び泣き、時にウットリするような優美なメロディを紡ぐ、そんな哀愁を帯びたウェットでデリケートな音色が加わって変化と深みが生まれ、さらにメロゥでキャッチーな歌メロや憂いを漂わすファルセット・コーラスも相まって、如何にもユーロ・シンフォバンドというリリシズムあふれる美しいサウンドとドラマチックな楽曲展開が頭から最後まで貫かれていて、前作で彼等の事を気に入った方ならば満足間違いなしな同一路線の痺れる一枚に仕上がっている!('(゚∀゚∩

そんな Mathieu Spaeterのプレイに触発されたのか Pat Sandersのキーボードプレイにも変化が見られ、これまでややもすると自己主張の強い音の壁を築いてばかりいた彼だが、本作では一歩引いた優美で気品ある鍵盤サウンドを奏でることに注力しているようで、結果的にそれが“押しと引き”を引き立て、ユーロテイストたっぷりな楽曲の陰影を一層に際立たせる相乗効果を生み出しているように思えます。

ただ、前作と同一路線なものの若干ロック的なダイナミスク(このヴォーカルにシャウトは似合わない)やメタリックなテイストは減退し、その分楽曲のメロディアスさや優美さが強く押し出された、良く言えば繊細さが増した、悪く言えば軟弱になった、とも言えるので、その辺りで好みに差が出るかもしれません。

復活前は如何にもGENESISの傍流というフォロワー丸出しの凡庸なポンプサウンドだったが、前作からの急激な進化が更に進み、オリジナリティの確立とA級にあと僅かという極上のB級インディ・シンフォレベルへ到達しているのが大変喜ばしいですね(*´ω` *)

ヨーロピアンな優美さが光るシンフォ・サウンドがお好みの方ならチェックして置いて損はない一枚ですよ! 毎度お馴染み自主盤なので、お求めはお早めに!



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# by malilion | 2017-09-18 16:33 | 音楽 | Trackback

二人目の出戻りフロントマンを得て、UKプログHMバンドTHRESHOLDが新譜をリリース!

c0072376_22454611.jpgTHRESHOLD 「Legends Of The Shires」'17

UK古参プログレッシヴ・HMバンドの3年ぶり11枚目となる2枚組最新スタジオアルバムが発売されたのでGET!

久しぶりの新作なんですが、元々コンスタントにアルバムをリリースする彼等ですし、間にLIVE作を挟んでいるし、AUDIOPLASTIKやHEADSPACEやセッション等々で各メンバーは活発に各自活動していてるし、ボスの Karl Groomはサイドプロジェクトやプロデュース業で年中多忙でその名をしょっちゅう見かけるし、3年ぶりだなんて全く思えませんよね。

初期からメンツの入れ替わりが激しい彼等ですが、またまたメンバーに変動があった模様で、サイドギタリストの Pete Mortenが抜けて再びシングルギター編成の5人組になり、さらになんと二代目フロントマンの Glynn Morganが二十数年(!)ぶりに復帰しての2枚組コンセプト・アルバムとなっています。

2011年に夭逝した3代目フロントマン Andrew "Mac" McDermottに代わって初代Vo Damian Wilsonが出戻りした時は、一体いくつのバンドを掛け持ちしてるんだってくらいそこら中のプロジェクトやポンプバンドに参加して作品をリリースしている彼の事なので驚きはなかったのですが、加入して早々に音楽性の違いで袂を分かった Glynn Morganがまさか再びバンドへ出戻りするとは予想外でした。

で。内容の方ですが、のっけからガッツリ骨太なファストリフが飛び出すドライブ感バリバリのソリッドでメタリックなGと美意識溢れる繊細なアレンジを随所で聞かせる優美でテクニカルなKeyを軸に、英国叙情漂うウェットで重厚なメロディと心地よい爽快なコーラスが印象的な定番のTHRESHOLD節をキープしつつ、お馴染みの変則ビート&テクニカルなセクションで複雑に構築された躍動感溢れるドラマティックなサウンドでスリリングに攻め立て、随所で哀愁香る濃密なロマンティックさ、そして予想を上回るキャッチーなフックと一糸乱れぬアンサンブルを聞かせる、流石はベテランという安定感抜群な一作だ。

何より嬉しいのは、ここ数作のマンネリズムや閉塞感を打ち破る Glynn Morganの若々しく情感たっぷりな力強い歌声が新鮮な息吹を楽曲に呼び込み、初期のような瑞々しい艶やかさや煌めきがサウンドのそこかしこで感じられ、ベテランらしい構築美に満ちたアルバムの完成度もさることながらいつになくフレッシュでエモーショナル、そしてポップな感触が楽曲に満ちていて、間違いなくこの魅力的なバンドの屈指の傑作アルバムとなるだろう。

あと本業以上に忙しく裏方作業をこなしている成果か、Karl Groomのエンジニアリングとプロデュースが隅々まで行き届いた音の良いアルバムな点もファンならずとも嬉しい所ですね(*´ω` *)

メンバー自身がバンドの新章がスタートしたと語るに相応しい新鮮な輝きと魅力に満ちあふれているこの新作、いつものマンネリサウンドに飽き飽きしていた、っていう元ファンな方やテクニカル・グレHMバンド好きな方に是非一度チェックしていただきたいですね。



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# by malilion | 2017-09-15 22:39 | 音楽 | Trackback

ドイツのプログハードSARIS、久しぶりの新譜はスケール感マシマシでもポップでキャッチー♪

c0072376_12322834.jpgSARIS 「Ghosts Of Yesterday」'17

Derk Akkermann(G&Key)率いるドイツ産メロディック・ハード・プログレ・バンドの再結成後の3作目となる3年ぶりの自主制作4thアルバムをGET!

突如06年に復活してから断続的に音源をリリースする彼等だが、前作が5年のインターバル後のリリースだった事を考えると比較的早めに新譜をリリースしてくれた事になるのかな?

で、このインターバルでまたメンツ変動があった模様で、前作で影の薄かった復活後ツインヴォーカルの片割れ Thomas Hackmannが案の定姿を消して6人組から5人組バンドへ体制が変わっている。

と、言っても前作の時点でトリプルヴォーカリストを抱えるものの実質 Thomas Hackmannはバッキングヴォーカルでだけ参加の Henrik WagerとAnja Gunther嬢のツインヴォーカル状態だった訳だから、メンバーチェンジによるヴォーカルパートの大きな変化は聞き取れないのでファンはご安心を。

前作の時点でプログハードバンドとは言えコーラスパートをたっぷりフィーチャーしたキャッチーな歌メロが耳に嬉しいポップ寄りサウンドになっていた訳だが、本作でもホンプチックなシンフォニック・キーボードの比重は決して多くないものの、『ココ!』と言う所で美しいオーケストレーションが使われたりするので初期からの叙情的でクラシカルな美しいメロディを保ちつつ効果的に重厚さと荘厳さを巧く醸し出し、まだまだプログレ・ハード・バンドのスタンスを保っているのは見事の一言。

前作からより大衆向けサウンドへ接近し先行きに少々の不安を感じさせたが、続く本作では複雑で分厚いコーラスとネオプログレ的なドラマチックなインストパートでダイナミックなサウンドを紡ぎ出し、前作で垣間見えた軽薄さを払拭してスケール感を増したサウンドを聞かせる事に成功しているのは、ひとえに Derk Akkermannによる目立たないが効果的な絶妙のアレンジ力と七色に変化する印象的なキーボードの音色、そして楽曲にフックを生み出し惰弱になりがちなコーラスメインのサウンドを引き締めるハードなギターリフによるものだろう。

ドイツ産プログレハード・バンドに有りがちな生真面目で重苦しい鈍色なヘヴィ・サウンドのイメージは全く無く、むしろキャッチーで爽快感あるサウンドはドイツモノ好きな方からすると好ましくないのかもしれませんが、SAGAなどのカナダモノに近い柔和さと雄大なスケール感を漂わすドラマチックでありながら適度にポップなサウンドはよりメジャー指向が強く、耳にした方の多くが好ましく感じるに違いありません。

惜しむらくは、こんなにメジャー指向なサウンドなのにバンドの知名度が皆無に近いと言う事でしょうか…

個人的にはこの手の初期のサウンドイメージと違う変化してポップでテクニカルになったバンド(SWEETとかNAZARETHとか…)のサウンドって奴が大好物なのですが、この手の展開するバンドって必ずといっていい程売れないし顰蹙を買うんですよね…特にコアな支持層が地盤になるインディバンドだとソレが顕著で…(つд`)

もはやプログレのカテゴライズで語るべきではないバンドなのかもしれませんが、ポップ寄りなグロプレサウンドもいける、って方は是非試してみて下さい!


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# by malilion | 2017-09-10 12:25 | 音楽 | Trackback

北欧スウェーデンの新世代ハイブリッドHRバンドDEGREEDが4thをリリース!

c0072376_19143191.jpgDEGREED 「Same」'17

一ヶ月前から予約してたのに見事にKONOZAMAを喰らいご紹介するのが少々遅れた(涙)が、北欧スウェーデン新世代ハイブリッドHRバンドが約二年ぶりに放つ新作フルアルバムを無事GET!

前作は何故かその高い完成度にも関わらず国内リリースが見送られたが、今回は無事に国内盤がリリースされ大変目出度い!
やっぱり一人でも多くの方に彼等の事を知って欲しいものね(*´ω` *)

前作でギターが一人抜けてフロントにVo兼Bを据えた4人組バンドになった彼等だが本作でのメンツの変動はなく、ファンは一安心といった所だろう。

レーベル移籍に伴い心機一転セルフタイトルのアルバムをリリースしたのだろうが、キャッチーでポップでありながらUSA系のような脳天気な朗らかさは薄く、ユーロテイスト漂うウェット感と北欧系特有のキラキラしたキーボードと透明感あるメロディ、メインリフでヘヴィに攻めつつサビでは突き抜ける爽快感とフック満点な分厚いコーラスというデビュー時からの方向性は変わる事なく、楽曲の完成度やアレンジの妙、そしてモダンなサウンド造りとバンドが持つ魅力をより一層に磨き上げ、さらにドラマティックさとダイナミックさ迸るサウンドスケールも一回り大きくメジャー級へと逞しく成長させた、正しくバンド名を冠したセルフタイトル・アルバムに相応しい彼等の“全て”を詰め込んだ現時点での最高傑作なのは間違いない。

前作からキーボードの割合が増えたように感じていたが、本作ではソロタイムもバッチリ収録とさらに煌びやかなキーボードの比重が増え、幾分テクニカルさ推しな要素が薄れて、よりストレートでスマートな楽曲構成になったのも聞きやすさとキャッチーさ、そしてシンプルな楽曲構成故にメロディの美しさが引き立つ効果を生み出しているように思う。

まぁ、シンプルになったと言ってもそれは以前と比べての話で普通のHMバンドと比べりゃ十二分以上にテクニカル(サラリ、とテクい事してるから分かりづらい…)だし、アグレッシブでありつつ美しいメロディを紡ぐ Daniel Johanssonのエモーショナルなギタープレイは、多くの要素を高い次元で融合させた極上のメロディアス・ハードサウンドをコンパクトでモダンな手法で聴かせているので、彼等のテクニカルな所に惹かれたファンの方でも決してガッカリする事はないでしょう。

相変わらず Robin Erikssonはパワフルに、そして時に繊細な歌声を聞かせてくれ、元々巧い唄に今まで以上に熱さとスマートさを兼ね添えた説得力を持たせているし、今回は今まで以上に Micke Janssonのキーボードが大活躍(楽曲の殆どを手がけてるのも大きい?)しているしで、ホント大満足な一枚です(*´ω` *)

しかし、ここまでレベルの高いスケールの大きいサウンドを叩き出す優良バンドが未だにメジャーレーベルに所属していないというのに驚かされる。
欧米のシーンじゃ彼等以下レベルのバンドがメジャー所属なのが、どう考えても理解出来ませんわ……

後は知名度アップくらいしか彼等の弱点は見当たらないので、新譜発売に伴う活発な活動を通してその名をシーンに轟かせて欲しいものです。


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# by malilion | 2017-09-07 19:06 | 音楽 | Trackback

古かろうと新しかろうと安定のメロディアスサウンドを届けてくれる北欧ソロアーティスト PEOが新作をリリース!

c0072376_00340571.jpgLIMITED EDITION(Feat.Peo) 「No More Running」'17

古くは北欧HRバンド AXIAのヴォーカリストとしてマニアには知られた存在な、スウェーデン・ソロアーティスト Peo Pettersson関連の作品が同時に二枚リリースされたのを即GET!

LIMITED EDITIONは、NOCTURNE ALLIANCE等と同じくPeoが2000年代初頭に数多くコラボしていた創作活動の一つで、それ以前の80年代中期から Dan Bostroem(G)とのコラボ・ユニットであるKINGS & DREAMSの方が14年に一足先に音源発表を果たした訳だが、こうしてやっと噂の音源がリリースされる事になったのを喜びたい。

と言うか、Peoさん一体どれだけコラボしてるのか正直把握しきれないくらい昔からコツコツと多方面で創作活動していて(汗)、まだまだ陽の目を見てない音源が多数ある模様で、そっちも早く聞かせていただきたいものである…

ジャケにクレジット等が一切ないので参加メンツ等について不明(ジャケ裏にメンバー写真はあるけど…)なので録音時期など仔細は全く不明です(汗

さらにバンドサイトも無い模様で、きっとかなり長い期間をかけてコツコツ録音された古い音源の集合体なのでしょう。

サウンドの方は全体的に80年代中期風の北欧HR(多分にスリージーでロックンロール成分あり)と言う感触で、残念な事にリードヴォーカルをPeoがとっていない楽曲も多数含まれている('A`)
というか、もしかしてフューチャリングPeoとはなっているが、本作においてはPeoはギタリスト兼サイドヴォーカリストというスタンスで(!?)参加しているのかも?

なので、メロハー・アーティストのPeoのソロ作を気に入っていた方にとっては、いつもの求めている音とはかなりズレているサウンドと言える…

とは言え、Peoがリードヴォーカルをとる楽曲では、ちょっとヘヴィで70年代HR風味が香るオルガンが唸りを上げ、ハードなギターがブルージーに噎び泣くものの総じてキャッチーでスピーディな北欧メロハー・サウンドを聞く事も出来き、レイドバックしたそのレトロ風味なサウンド好きな方やPeoが最初期に参加していた北欧HRバンドAXIAのサウンドなんかが気に入っていた方なら多少趣は違うものの古典HRなのできっと御気に召すのじゃないかと。

まぁ、リードヴォーカリストのベシャっとツブれたようなダーティーな錆声は好き嫌いが分かれるのは間違いない。
カントリーとかブルーズとかにはマッチしそうな声なんですけどね…メロハーにはちょっとキツいなぁ…('A`)

なんだかんだ苦言を呈しましたがあくまでメロハー好きという観点からだけで、むしろPeoどうこう無しでパープル系な疾走する70年代UK風HR(北欧ミュージシャンはホント好きですなぁ)が好きな方(元ネタが透けて見えてるのが微笑ましい)はチェックしても損は無い一枚と言えるでしょう。

c0072376_00343620.jpgPEO & ROD WEST 「Two Worlds」'17

続いては、北欧メロハーの名盤の誉れ高いPeoのソロ・デビュー作「Look What I've Started」'95 を共作し、4thアルバム「Better Not Forget」'09でも一緒にプロデュースをしていたお馴染みオーストラリアのライター Rod West氏との再びのコラボレーション作をご紹介。

本作ではPeoはギター、キーボード、ヴォーカルとここの所の幾枚かのアルバムで他人に任せていたパートもしっかりプレイしている他は、リズム隊の二人だけ参加の3ピースバンド体制で製作されている初期風の造りで、それも影響しているのかデビュー・ソロ作に近い感触を覚え、シンプルでストレート、そして爽快でキャッチーな所謂Peoファンが彼に求めているだろうリラックスしたポップロック作だ。

幾分かポピュラーミュージックに寄ったAOR風サウンドなので少々ロックテイストは弱めでメロハー作とは言い難いかもしれないが、相変わらずの抜群に巧い歌声と北欧ミュージシャン特有の透明感あるメロディアスな楽曲が十分に堪能出来るのは間違いない。

スピーディーで爽快なロックテイストは弱まっているが、替わって落ち着いたアダルトな雰囲気と深い味わいが表現された大人なサウンドで個人的には大変良いアルバムだと思うのですが、初期の彼のソロ作のサウンドが好きな方には少々物足りなく感じられるかもと予想も出来るので、後はご自身の耳でチェックして、コレは“アリ!”なのか“ナシ!”なのかジャッジされるのが宜しいかと。

二枚とも相変わらずのR製CDなのが悲しいですが、このR盤が売れて資金が貯まったなら是非ちゃんとしたデュプリ盤をリリースしてくれる事を祈って…



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# by malilion | 2017-08-25 00:21 | 音楽 | Trackback

USAシンフォ FOREVER TWELVEに元MARS HOLLOWのフロントマンが加入して久しぶりの新譜リリース!

c0072376_00375375.jpgFOREVER TWELVE 「Home」'17

7年ぶりの新作となったアメリカ産シンフォ・バンドの4thがリリースされたので即GET!

この短くないインターバルの影響でかメンバーチェンジが勃発した模様で、ヴォーカリストが女性から男性へチェンジし、ベーシスト不在の4人組としてこの新作は製作されている。

新たにフロントマンに招かれたのは、YESへの憧憬を隠さぬサウンドを聞かせたUSAプログレバンドMARS HOLLOWに在籍していた John Baker(Vo、G)で、12年リリースのシングルの時点でゲストヴォーカルとしてその歌声を既に披露していたが、当時はまだMARS HOLLOWが解散するかしないかの瀬戸際だった為かヘルプ扱いだったのだろうが、今回こうして晴れて正式メンバーとしてその歌声を届けてくれたのをまずは祝福したい。

元MARS HOLLOWのリズム隊は一足先に新バンドHELIOPOLISを結成してアルバムデビューを果たし、そのバンドメイトも BOX OF SHAMANSのデビュー作までリリースしている訳だが、少々遅れてではあるが元MARS HOLLOWのフロントマンであった John Bakerもこうして再び表舞台で活動を再開したのを見ると、何気にMARS HOLLOWって後々2010年代USAシンフォ・バンドの歴史的に重要なバンドっていう位置づけになったりして(w

さて、フィメール・ヴォーカルのシンフォ・バンドとして以前から彼等のファンだった方にとっては一番の注目点だろう新フロントマン John Bakerの歌声だが、MARS HOLLOWはYES系シンフォ・バンドだったものの定番のアンダーソン症候群(地声が似てない。若干、高音域で似せてなかくもなかったかもだけど…)ではなく、シャウトする事もガナる事も無く高めの中性的な地声で柔和な歌声を聞かせるユーロポンプ系スタイルだった訳だが、本作では若干高音を多様するような歌い方に変化し、前作までは可憐なフィメールヴォーカルに野暮ったい野郎声の多重ヴォーカル・パートやバックコーラスが絡む楽曲も多々聴かれたが、この新作ではMARS HOLLOWでは聞けなかったヴォーカル多重録音のYES的一人コーラス(他メンバーの下手糞コーラスを捨て去ったのは英断!)を John Bakerが披露し、専任ヴォーカリスト故かヴォーカル・パフォーマンスは以前以上に張り切っているのが分かる。

USAプログレ・バンドは昔からYES影響下にあるバンドが多くこのバンドもその例に漏れない(GとかBが露骨…)訳だが、それだけでなくMARILLION、CLEPSYDRA、FLAMBOROUGH HEAD等の近年のシンフォ系バンドの影響もチラつくモダンなサウンドが特徴で、この新作もUSAシンフォ・バンドらしいスピード感と、テクニカルでエモーショナルなギターと繊細で華麗な音色を響かせるキーボードが絡み合いながら屈折した展開を見せる楽曲でありつつ妙なヘヴィさの無い、アメリカ産らしい抜けの良い透明感あるクリアサウンドを披露しているので旧来からのファンもご安心いただけるかと。

と言うか、男性ヴォーカルになった事でかバックのサウンドもその歌声に負けんばかりにパワフルでシャープなモダン・サウンドへ一気に数段上のレベルへステップアップし、これまでのインディ臭いアンダーグラウンド臭が一気に払拭される相乗効果も生み出す事になったのは予想外でした(*´ω` *)

今回のメンバーチェンジはバンド存続の危機が好機に転じた良い例なのでしょうが、ただ良い事ばかりでもなく、以前の女性がフロントマンだった頃はバンドサウンドはYESの影響が色濃く窺えようとも聞こえてくる可憐な歌声で幾分その印象が薄れていた訳だが、男性ヴォーカルになってロック的なダイナミスクがサウンドに生まれると類型的なYES系サウンドへ接近して聞こえるというネガティヴな問題も露骨に前面へ浮かび上がってきてしまっているので、そこは以降の大きな課題と言えるでしょう。

まぁ、YES系シンフォ・サウンドはプログレ好きにはウケの良いジャンルというか一つの売れ筋カテゴリーなので、それはそれで有りっちゃ有りとも言えるんですけどね…(汗

本作では John Bakerはヴォーカルに専念しギターは一切プレイしていないが、もしかしたらLIVE等では音の厚みを出す為やよりテクニカルな楽曲をパフォームする為にプレイするかもしれない(プログレ・バンドのインストパート中ヴォーカリストは暇だものね…)ので、次作でその辺りがどうなるかも注目したい点だ。



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# by malilion | 2017-08-24 00:32 | 音楽 | Trackback

ベテランHRバンドの意地を見た! LUCIFER'S FRIENDの新作!('(゚∀゚∩

c0072376_00041431.jpgLUCIFER'S FRIEND 「Too Late For Hate」'16

URIAH HEEP二代目ヴォーカリスト John Lawtonが元在籍したバンドとしても有名なドイツの古参HRバンドの再々結成後初の純然たる新作を、かなーり遅れてGETしたのでご紹介。

以前ここで紹介した再々結成第一弾「Awakening」'15 が肩慣らし的な過去曲リマスターBEST+新曲4曲という変則的なアルバムで、収録されていた新曲の出来が今一つパッとしなかったので購入を躊躇っていた訳だが、この新作を聞いた方ならそれは杞憂だと即理解されるはず。

本作からキーボーディスト Jogi Wichmannを新たに迎え、昔ながらの五人編成バンド(オリジナルメンツ3人+新人2人)へ体制を整えたのも何かの科学反応を誘発させたのか、BEST盤収録の新曲のつまらなさが嘘のような充実の内容で、適度にハードでありつつ、キャッチー且つコンパクトでフック満載な古典HRのメロディアス・チューン(しかも、ちゃっかりモダンなアレンジもされてる!)がズラリと並ぶなかなかの力作となっている。

ただ売りの一つだった John Lawtonのハイトーン・ヴォイスはさすがに年齢的にもう聞く事は叶わないが、その代わりといってはなんだが実に深みある中音域のメインの歌唱法にチェンジしていて、その艶やかで魅力的な歌声はハイトーンが無くとも凡百のヴォーカリストなんぞ敵わない巧さと味を醸し出し、さすがはベテランといった貫禄を見せつけている('(゚∀゚∩

最先端のHMサウンドではないし、特に凝った展開の曲がある訳ではないが、じっくり聞き込むとオーソドックスな展開の楽曲のそこかしこに顔をだす細かなアレンジだったり、バックのコーラスだったり、キーボードの使い方や後ろでリズムを刻むギターだったりの音色やアレンジ等々に地味に拘りまくりな跡が窺える、これまで音楽性を拡散させてきたベテランならではの小技がしっかり効いている力作と言えましょう。

1970年アルバム・デビューなのでメンバーフォトを見るまでも無くオリジナルメンツは皆好々爺然としていて以前のようなスピードチューンはさすがに厳しいのか収録されておらずミッドテンポな楽曲ばかりなのでその手を求める方には向かないのは明らかだが、ベテランならではの絶妙なアレンジの効いた古典メロディアスHRサウンドをじっくり味わえる方になら、絶対に気に入って貰える一枚だ。

最近のハードでファストなサウンドを聞き慣れている方には少々刺激が足りない音かもしれないが、ちょいちょいモダンなアレンジ(地味にキーボーディストの小技が効いている)も顔をだして、簡単に懐メロバンドにはならんぞ!と、リーダー Peter Hesslein(G、Key)の現役への拘りとプライドが感じられて実に微笑ましいのです(*´ω` *)

これが最終作と言われても驚かぬベテランの彼等ですが、出来る事ならもう少し活動を続けて新たな一枚を一日でも早く届けて欲しいものであります。



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# by malilion | 2017-08-21 23:57 | 音楽 | Trackback

TNT+STRYPER=ANGELICAってイメージのバンドご存じ?

c0072376_20070444.jpgANGELICA 「Walkin'in Faith」'90

初代KANSASフロントマン Steve Walshのソロ新曲「Born In Fire」が英ラジオ番組『Steve Price Rock Show』で解禁された。

カナダの4人組CCM系メロハー・バンドANGELICAの2ndに参加していた二代目ヴォーカリスト Jerome Mazzをフィーチャー(存在感余り無いけど…)したハードにドライヴィンするキャッチーな新曲で、11月に発売されるという前ソロ作から5年ぶりのソロ・アルバムに収録される予定らしい。

との最新情報を目にして、本日は久しぶりにカナダ人ギタリスト Dennis Cameron率いるCCM系メロハー・プロジェクトバンドANGELICAを引っ張り出して聞いておりました。

このANGELICA、デビュー当時はイマイチ不明な点が多く、1stのバンドメンツが並ぶインナーの写真を見ると Andy Lyon(Vo)、Scott Ernest(Ds)、Robert Pallen(B)、Dennis Cameron(G)の4人が収まっているのですが、実際アルバムに納められている歌声はDRIVERプロジェクト(Rudy Sarzo、Tommy Aldridge、Tony MacAlpine、Rob Rock)でその歌声を披露していた、後にIMPELLITTERIで長らくフロントマンを務める事になる Rob Rockと何故か一曲だけ 当時SHOUTで活動中の Ken Tamplinが歌声を披露しているというクレジットとパフォーマーが一致していない怪作で当時『一体コレはどういう事なんだ?』と頭を悩ましたものでした(汗

まぁ、後にDennis Cameronが語った所によると、デビュー作をカリフォルニア州コスタ・メサで89年に録音していた当時、まだまだ経験不足だった各メンバー、特にヴォーカリスト Andy Lyonのヴォーカル録りとプロデュースに力を貸してくれるよう同好のクリスチャンメタル・ミュージシャン Ken Tamplinを招いたもののそのプッシュに Andy Lyonが燃え尽きてしまい、急遽 Ken Tamplin人脈の Rob Rockを招いてヴォーカル録音を行った、というのが真相のようです。
それで責任を感じたのか Ken Tamplinも一曲で歌声を披露してたんですね…

面白いのは Ken Tamplinの提案ではヘルプで呼べるクリスチャン・ミュージシャンのヴォーカリストは二人いて、一人は Rob Rock、もう一人はALLIESでの活動の後ソロ・アーティストへ転向するアノ Bob Carlisleだったという事で、もし Dennis Cameronが Bob CarlisleをチョイスしていたらANGELICAの活動にその後どういう展開が待ち受けていたのかと妄想してしまいますねぇ…

恐らくその時点では Andy Lyonの心の傷が癒えてフロントマンに復帰させようと思ってメンバーショットとクレジットは元のまま(Rob Rockは完全にヘルプで加入するつもり皆無だった)にしておいたんでしょうが、結果的に自身のヴォーカルレベルと Rob Rockの歌声の差を無残にもハッキリと自覚させられ歌声をレコードに残すことなく脱退してしまい、続く2ndで Jerome Mazzが加入(Dsは居ない状態で2ndは製作されている)する、という経緯なのでしょう。

パワフルで野太い地声でハイトーンもこなす濃い目な歌声の Rob Rockと打って変わって、甘い声質な Jerome Mazzのクリアなハイトーン・ヴォーカル(ちょい John Elefanteに似てる?)は如何にもCCM系という声なので、Steve Walshの上から下までカバーするパワフルな歌声とかなりの音域で被ってしまい、「Born In Fire」ではイマイチその真価を発揮出来ていないように聞こえますが、まぁメインは Steve Walshの歌声なんでそれも当然っちゃ当然ですけど…(汗

CCM系HMに共通なキャッチーなメロディと分厚くクリアなコーラス、そしてコンパクトな楽曲の中で光りを放つ Dennis Cameronのテクニカルなギターというコンセプトは、再びフロントマンを Drewなるアメリカ人シンガーにチェンジした続く3rd(国内盤も出た!)「Rock,Stock&Barre」'91、4th「Time Is All It Takes」'92でもデビュー以来一貫して変わりないので、彼等の4枚あるどのアルバムを聞いて気に入って他のアルバムを買おうかと悩まれている方がいても、問題なく他のアルバムもお薦めできるレベルです。

個人的には一番HMらしい音像でストレートでパワフルな歯切れ良い1stより、よりポップでキャッチーさが増したこのマイルドで爽快なサウンドのCCM系メロハーな2ndの方が好みのアルバムですね。

薦めておいてなんですが、あえて苦言を申しますと、3rdはちょっとベースが五月蠅いし自己主張し過ぎかな、と…後、横ノリなアメリカン・ロック要素が増えてストレートな爽快感が後退してるように感じます。
4thは、バンド崩壊の影響か一気にドライで作りモノ臭い安っぽい音になってポップさやキャッチーさがメインでない所謂時流を意識したパワフルなサウンドになってしまい、これまで彼等を好ましく思わせていた耳を惹く歌メロや楽曲のフック、そして爽快感というものが減退してしまったのが少々残念でした。

Dennis Cameron的にはやっとメンツ固まってバンド体制になった3rdからが本当の出発だと思っている模様ですが…でも、続く4thでデビュー以来の盟友だったはずの Robert Pallenさえ脱退し、Drewと二人だけのデュオ体制になってしい、結局は終始プロジェクトというイメージも実態も覆せなかったんですよね…(つд`)



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# by malilion | 2017-08-09 20:02 | 音楽 | Trackback

過去と今、そして未来…未来あるの? GLASS TIGERのBEST

c0072376_23500753.jpgGLASS TIGER 「Then Now Next」'12

ちょい前に紹介したカナダのハードポップバンドの今の所、最新作BESTを購入したのでご紹介。

タイトルが示す通り、数曲の新曲といつもの代表曲(のシングルバージョンとラジオエディット)を納めたBEST盤なのでアルバムを既に持っているファンでも安心して手が出せる品です。

で、注目は新曲の出来ですが、初期の雰囲気に近い感覚もありつつ今風なモダンなアレンジを成されたキャッチーでコンパクトな佳曲ばかりで、なかなかそつない手堅い仕上がりになっております。

旧曲の方もリマスタされて今の耳で聞いても遜色ないレベルに磨かれているし、その上シングルバージョンでアッサリ聞けるので、彼等を知る入門盤にはいいかもしれません。

個人的には殆ど別曲のように仕上がっている、バックの音をググッと抑えた男女ツインのコーラスがメインな『Thin Red Line』の仕上がりは元曲以上にしっとりとした雰囲気が漂う極上の完成度で、BEST盤と侮れない(20周年記念版1stに収録)一曲でした。

Track Listing
1. I’m Still Searching (Single Version)
2. Thin Red Line (Reverence Mix)
3. My Song (Single Version)
4. Diamond Sun (Single Version)
5. I Take It Back
6. I Will Be There (Single Version)
7. My Town (Single Version)
8. Love Is On The Way
9. Someday (Single Version)
10. Healing Hands (Radio Edit)
11. Animal Heart
12. Don’t Forget Me (When I'm Gone) (Single Version)
13. Stand Up (Give Yourself A Hand)
14. So Blind (Radio Edit)
15. You’ve Got To Hide Your Love Away


しかし、出すBEST毎に必ず未発表音源やバージョン違い、そして新曲等を収録してくる彼等…ホントはそろそろ純然たる新曲のみを納めた新譜をリリースしたいんじゃないの? と、思える活発な活動を続けておりますね。

さらに新曲はちゃっかりラジオエディット版も納められているので、ちゃんとシングル版を買わないとフル版は手に入らないというコレクター泣かせな仕様…orz

一番売れたデビュー作も20周年版やバージョン違いを集めた別版もあったりで、なんだかんだと商根逞しい彼等なのです…



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# by malilion | 2017-08-07 23:43 | 音楽 | Trackback

BLACK MAJESTYのメンバーが元いたバンドCYCLONE TRACY。

c0072376_16300396.jpgCYCLONE TRACY 「One Eyed」'96

ラックを発掘してたら謎のバンド…っていうか、何故購入してたのか覚えていないCD(汗)が転がり出来てたのでご紹介。

一応、デビュー作、2nd共に日本盤でリリースされておりました。

1974年にオーストラリアを襲ったサイクロンからバンド名を拝借した4人組オーストラリア産インディ・HRバンドで、地元メルボルンじゃかなりの人気者(本人談)だった模様。

92年結成02年解散と丁度グランジ-な波に世界が覆われていた時期に活動してい為か、音楽性に多分にグランジ-な成分を含んでいたりツインヴォーカルでラップの掛け合いを披露してみたりするものの、本質的には如何にもオーストラリア産というストレートでシンプル、そして豪快にパワー推しするHRサウンドを身上としているバンドだ。

デビュー前の92年にデモテープ1本、2ndリリース前のプロモシングル1枚、アルバム2枚のみ音源を残している。

影響を受けているバンドが SKID ROW、PANTERA、SOUNDGARDEN、AC/DC、WHITE ZOMBIE、LOVE/HATE、KORN、という事なのでどんなサウンドが聞こえてくるか分かると思う。

まぁ、このパワフルだけど濁り声な Bubsieのヴォーカルではキャッチーで煌びやかな方向性のHRサウンドは難しかっただろうから、SKID ROWの2nd風なヘヴィでソリッドなギターがグイグイ引っ張るサウンドは時代とマッチしていたと言えば言えるのかもしれません…

ダルっぽいバックコーラスとかラップ要素とか無けりゃ、2ndでさらにダークでグランジ-な要素が強まったり(露骨なMETALLICA臭が…)してなければ、もうちょい好きになれたかもしれないサウンドですねぇ…所々でキャッチーな展開だったりコーラスだったり聞けてなんとも惜しい印象です…

1stリリース後にベーシストを Scottie Ramoneから Chris Hughesへチェンジし、2ndリリース前にサイドギタリストを追加して5人組ツインギター編成になって活動を続行させたがオリジナルギタリストである Stevie Janevskiが音楽的相違によりバンドを辞め、CYCLONE TRACYは最終的に何人かのギタリストがチェンジした後、メジャーでブレイクする事なく敢えなく解散してしまう。

Stevie Janevskiはその後、KYMERAなるバンドを立ち上げ、そのバンドがBLACK MAJESTYへ発展し、その疾走ジャーマン系サウンドが疾走HMマニアに好評を博しているのでその活動をここ日本でも知っておられる方も多いかと思います。

なのでBLACK MAJESTYのメンバーが元いたバンド、としてのみの名を知られているのがCYCLONE TRACYかもしれません。



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# by malilion | 2017-07-26 16:18 | 音楽 | Trackback

色んな意味で“孤高”だったイタリアン・メロスピHMバンドSKYLARKの最終作。

c0072376_17315264.jpgSKYLARK 「The Storm & The Horizon -Delux version-」'15

LABYRINTHやSECRET SPHEREを聞いていて、ふと思い出し、何気なく検索してみたらあらビックリ!?

1994年結成のイタリア産ベテラン・シンフォニック・メロスピ・バンドによる通算12作目となる最終作がリリースされてたのを今頃知って慌ててGET!

確か旧曲のリ・レコーディングベスト「全部」をリリースした後に解散(その前にも一度、活動休止って話だったんじゃ…)したって話を聞いてたのに、その後もちゃっかりアルバム数枚リリースしてたなんて…そして、バンドは既に解散(今度こそホントに?)してます。

最後の置き土産である本作は、怒涛の50pブックレット付き4CDデジブックという豪華装丁で、その一枚目「The Storm & The Horizon」は欧州盤と日本盤、そしてメキシコ盤が存在しているのは確認しており、国内盤は16曲、欧州盤は18曲、そして欧州盤と国内盤は別マスタリングで国内盤の方がボトムが強調された音、らしいです…(現物未確認)

メキシコ盤と欧州盤は曲数は同じなんですが、マスタリングについては同一なのかは未確認(スマン
ただ聞き比べた感じでは、メキシコ盤は欧州盤より若干ヴォリュームが大きいだけの差なので恐らく同一マスターを使用しているのではないでしょうか?

あと、CD盤面のイラストのカラーリングがメキシコ盤は色褪せたカラープリントみたいなチープな仕上がりになってます(汗

まぁ、相変わらずインディ丸出しなスカスカなボトム、ペラペラなMIXなこの劣悪な内容では、多少ボトムに差があろうと劇的に音の印象が変わるって事はないでしょうけどね(汗

Underground Symphonyレーベルと契約する前の自主制作デビュー盤「The Horizon & The Storm」'95 を聞いた時は『ヘッポコヴォーカルだけどかなり鍵盤とベーシストが頑張ってる!』『メタル不毛の地イタリアから化けそうなキーボード入りツインギター6人組イタリアンHMバンドが出てきたものだなぁ』なんて思ったもんですが、結局LABYRINTHやRHAPSODY、そしてSECRET SPHERE等々の後続の登場と連動してクサメロバンドを筆頭に爆発的にバンド数も拡大しレベルアップしたイタリアンHM界と関係ない所に存在したバンドでした…

初期からずーっと音質や演奏技術のレベルがそう向上しないC級に片足突っ込んだB級という、その意味ではマイナーHMファンの望む通り不変であり続けた(多少シンフォ度と楽曲完成度は上がった?)唯一無二なメロスピファンのカルト的な存在だったのは彼等だけなんで、まぁ見方を変えれば孤高の存在なのかもしれませんなぁ(汗

毎度毎度の内容のイマサン具合に反比例して毎回 Luis Royoによる美麗でセクシーなジャケのイメージ戦略は上々だったし、Underground Symphonyレーベルお得意の縦長限定変形デジパック(毎回500枚限定!ファンにはマストアイテム!)等々パッケージングも凝っていて、インディレーベルあるあるのプロモ不足やお粗末なジャケなんていうアーティストの能力以外でのアゲンストが少ない状況だったのに…何故、ここまで垢抜けなかったのか(つд`)

最終作だからなのか記念にか、初代フロントマンの Fabio Dozzoが10年ぶりに復帰して二曲でその歌声聞かせてくれているが、彼が脱退するまでは『オイオイ。相変わらず下手クソなヘロヘロヴォーカルだなぁ』と思っておりましたが、その後を継いだ素人丸出し美麗モデル・ヴォーカリスト Kiara嬢やゲストの有象無象なフィメール・ヴォーカルの歌声を聞いた後の今だと『やっぱクサクサの悶絶メロスピは熱い野郎ヴォーカルじゃないと!』と、彼のレベルアップして逞しくなった歌声を酷く懐かしく感じてしまいました…

てか、なんで日本人アイドルやバンド、果てはアニメの曲をカヴァーして収録? しかも、日本人ヴォーカリストをゲストに迎えてって誰得?
メタルアレンジにしちゃーいるけど、ぶっちゃけカラオケ・レベルの出来で、なんでコレを収録したのか理解に苦しむ…
彼等なりの日本ファンへのサービスなんだろうが、コレはいらなかったなぁ…誰だよ選曲に入れ知恵した奴は(#・ω・)

で、内容や方向性はここ数作と全く変わり(ようも)なく、初期からのメロスピ要素もそのままに、つたないテクながら壮大なシンフォニーを描き出そうと頑張るシンセと終始忙しないパタパタ・ツーバスの疾走感、そして臭いメロディを懸命に紡ぐギター、そしてソレに乗っかる美貌のフィメール・ヴォーカルの平々凡々な歌声、という黄金パターン。

その音を聞いたなら『アレ? 今って何年だっけ?』と、軽く20年ほどタイムスリップする事請け合いな、チープで薄っぺらいマイナー臭漂うシケシケ・サウンドですわ~…
まぁ、彼等のファンにとってはお馴染みの『コレコレ!この音じゃなきゃ!』って、お約束なサウンドなんです。
一般的なHMファンな方は、決して手を出してはいけない劣悪サウンドですけど、マニアな方程にコレを好むんですよねぇ…

それにしても初代フロントマンの Fabio Dozzoが脱退するまで、なんとかバンドの態を保っていたのに、一体いつから Eddy Antonini(Key)と Roberto Potenti(B&G)のユニット体制になってガックガクのC級クオリティへ低下してしまったのか…orz

確かにフロントマン(ウーマンか)である事を考えるならルックスは当然重要な要素だろうが、それにしたってもうちょい歌唱スキルの高いフィメール・ヴォーカリオストを呼べなかったんでしょうかねぇ…(汗

前任者の Kiara嬢と比べりゃそりゃ誰だって上手く聞こえる(暴言!)だろうが、今回メイン・ヴォーカリストに招かれている Ashley Watoson嬢もちょっと甘ったるい歌い方が個性と言えば個性かもしれないけど、総じてパワー不足だしレンジも広くないという…ぶっちゃけ平凡なフィメール・ヴォーカリストってレベルで…

つーか、Kiara嬢をはじめ今回大勢ゲストで招かれた女性ヴォーカリスト達(日本人ヴォーカルは除外)は皆さんとても美しく『コレって単に歌唱力じゃなく Eddy Antoniniと Roberto Potentiの好みのルックスで選んでるんじゃねぇの?』と、穿った見方を見てしまう、そんなレベルな方ばっかなんスよ…('A`)

だってゲストならルックス重視する意味無いじゃん? 無駄にキャリアだけ長いんだから人脈フル活用してもっと歌唱力あるゲスト呼べよ! と…
まぁ、そうなったらそうなったでメイン張ってる Ashley嬢の立場ってものが微妙になるか(汗

なんだかんだ苦言を呈しましたが、好評につきリマスター盤もすぐリリースされた事のある名作2nd「Dragon's Secrets」'97 を現メンバー(何故かVoだけゲストの Chiara嬢だけど…)で再レコーディングしてDisc4に収録と、昔からのファンのケアも決して怠らない彼等を嫌いにはなれないんですよねぇ(*´ω` *)

因みに、Disc3は過去曲のリマスター・ベストとしてリリースされた二枚組「Divine Gates PartV Chapter1:The Road to The Light」を一枚に編集したものです。

まぁ、この四枚組を購入されるのは確実に長年彼等を支え続けてきたダイハードなSKYLARKファンでしょうから、今さら何を言われたって、そんな事ぁ百も承知で『つまらん批評や苦言なんぞクソ喰らえ!』ってなもんでしょうけど(w

実際、私もこのドマイナーで薄っぺらな虚仮威しC級シンフォニック・サウンドが、何故か昔っから妙に心の琴線に触れるんスよねぇ~♪


CD 1 : The Storm & The Horizon

01. Eyes
02. The Kiss That Never Happened
03. Crystal Lake
04. Just One Word (To Fall in Love)
05. マジンガーZ (メタルアレンジ)
06. Don't Know What You Got (Till It's Gone) (Cinderella cover)
07. The Run Towards the Sun
08. Shot Through the Heart (Bon Jovi cover)
09. Tears (accoustic version)
10. Another Reason to Believe
11. The Hardest Part Is the Night (Bon Jovi cover)
12. 離したくはない (T-Bolan cover)
13. Road to Heaven
14. 会いたかった (AKB48 cover)
15. Santa Fe (Bon Jovi cover)
16. さんぽ (ジブリ・メタルアレンジ)
17. Carrying You
18. Bridges Are Burning

CD 2:Eyes (Extended Version)

01. 残酷な天使のテーゼ(メタルアレンジ)
02. She
03. 君をのせて(ジブリ・メタルアレンジ)
04. Love Song
05. Don't Know what you got
06. The Crypt of Montmarte
07. The Kiss that Never Happened
08. 残酷な天使のテーゼ(Alt version)
09. Believe in Love (Special ver Featuring Ashley)
10. Another Reason to Believe (Demo Ver Featuring Ashley)
11. Little Girl (intro Remastered Ver)
12. Little Girl (Remastered Ver)
13. とべ!グレンダイザー(メタルアレンジ)
14. Rainbow in the Dark (Remastered Ver)
15. Feverish

CD 3:Divine Gates Part V - Chapter1:The Road to The Light -Ultimate Selection-

01. Belzebu
02. Satan Arise
03. Dream
04. Welcome
05. Hurricane
06. WHen Water Become Ice
07. A Star in the Universe
08. Why Did you kll the Pirncess?
09. Twilight
10. Sleep
11. Night of Pain
12. The Guardian Angel
13. Fear of the Moon
14. The Princess Day
15. Sands of Time
16. Insanity is the Truth
17. The Tears of Jupiter
18. Follow your Dream

CD 4:Divine Gates Part V - Chapter2:The Dragon's Gate

01. The Temple
02. Creature of the Devil
03. The Answer
04. Skylark
05. Waiting for the Princess
06. Light (ACT1)
07. Light (ACT2)
08. Light (ACT3)
09. Light (ACT4)
10. Pirncess of the Snow
11. Dragon's Secrets
12. Tears (bonus track)



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# by malilion | 2017-07-21 17:24 | 音楽 | Trackback

バンド名通り涼やか北欧ハードポップサンド! だけだったら良かったのに…ICE TIGER唯一作。

c0072376_19332393.jpgICE TIGER 「Love 'N' Crime」'93

GLASS TIGERを聞いていたら「確か似たバンド名でおあつらえ向きに涼しげな名前のが…」と、探してたら出てきました(w

キーボード入り5人組オーストラリア産メロディアス・ハードポップバンドが93年にリリースした唯一作をご紹介。

私が入手したのは1995年にLong Island Recordsからリイッシューされた再発盤(既にコレもレア盤扱いか…)ですが、2004年にさらにジャケを変えてリイシューされた盤(現物未確認)がある模様です。

c0072376_19334447.jpg因みにオリジナル盤からのコピーCD(海賊盤)が出回っているようですのでご注意を。
まぁ、最近のリプロ盤と言われるこの手のアイテムの出来はかなりの質なので、商品としての不安は少ないでしょうけど…

で、内容の方なのですが、某B誌にも取り上げられた事もあるのでご存じの方もいるかと思いますが、アメリカで売れた時のゴージャスなサウンドイメージのWHITESNAKEの音をベースによりポップでメロディアスにしたような欧州&北欧系の叙情派ハードポップサウンド、と評されていたように記憶しています。

確かにパワー系の豪快な音楽性、カラッと乾いたサウンドなイメージのオーストラリアのバンドとは思えない、ユーロ系の香り漂うマイナー調のウエットでメロディアスなハードポップ・ナンバーは北欧叙情派ハードポップスサウンドに酷似しているし、恐らくギタリストの好みでしょうが白蛇風リフやブルージーなメロディはモロにWHITESNAKE風で、ちょっとバンドサウンド全体としてその二つの要素が巧く混ざり合っていないように感じ点だけ惜しい気がします。

個人的には、John Calabreseが操るキラキラした北欧風な叙情派キーボードサウンドと分厚いコーラスが曲の主導権を握るメロディアスなハードポップサウンド要素をもうちょい強めてくれた方が嬉しかったんですが、フロントマンの Dave Crosbyの掠れ気味“風”なしゃがれ声(全くディープヴォイスじゃない)や歌い方が David Coverdaleを意識してる模様だし、余りテクニカル思考でないギタリストの Graham Greeneも明らかに白蛇好きな模様なので、そっちへサウンドが引っ張られたんでしょうね。

そんな風にキラキラしたハードポップサウンドとブルージーなテイストが交差するサウンドの所々で聞こえるマイナー調バッキングコーラスが後期HEEP風コーラスに聞こえて、個人的にはニヤリとさせられました。

総評としては、そつなくバランス良く纏まっているものの、コレ!という売りというか強烈な個性が無いマイナーなインディーバンド、持ってると嬉しいB級メロディアス・ハードポップバンド、って事に落ち着くマニア向けコレクターズアイテムでしょうが、あのマニア御用達のLONG ISLAND RECORDSが再発したアルバムだけあって出来は悪くない一枚と言えるでしょう。

オリジナル盤、リイシュー盤共に既に廃盤ですから、メロハー・マニアなら中古屋等で見かけたらGETしておいても損はない一枚です。



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# by malilion | 2017-07-18 19:31 | 音楽 | Trackback

カナダ産ポップバンドGLASS TIGERの懐メロに心癒やされる猛暑の日々…

c0072376_01442596.jpgGLASS TIGER 「The Thin Red Line」'86

余りの猛暑にグデっているとラックの奥の涼やかなバンド名が目にとまり、引っ張り出して耳を傾けておりました。

キーボード入り5人組カナダ産ポップバンドのデビュー・アルバムをご紹介。

ヒットチャートにシングルを数曲送り込むものの約5年程と活動期間が短く、ドラムスが抜けたままリリースした90年の3rdアルバム発売後すぐに活動休止した為もあってか、今となってはここ日本で殆ど知名度はありませんが、ちゃっかり活動休止の10年後の03年に再結成(ドラムスだけ新メンバー)を果たし現在も活動継続中なのです。

残念ながら再結成してからのオリジナルアルバムのリリースはなく、LIVEアルバムとBEST盤を数枚リリースするのみ(それって懐メロバンドやないか~)に留まっている。

まぁ、実際のところ Bryan Adamsがバックコーラスで参加している1st以降は余りパッとしたチャートアクションも残せていないので、それもむべなるかなでもありますが…

またギターが若干ハードになってR&B風味が増した3rdアルバムのバッキングコーラスに元YNGWIE BANDの Jeff Scott Soto(当時はEYESに参加してた)が参加していたり、あの Rod Stewartもバッキングで参加しいたりと、今になって見ると興味深いミュージシャンの名も見つかったりします。

それにつけても今回改めて1stを聞き直してみて、しみじみ自分好みな良いサウンドだったなぁ、と懐かしく思っておりました。

最初は Bryan Adamsのバックバンドだった、って情報からこのバンドをチェックしましたが、当時のUSAポップサウンドよりも明らかにUKポップサウンドに近い、ユーロテイスト溢れるウェットなメロディと控え目なキャッチーさが個人的には大変好ましかったんスよねぇ(*´ω` *)

甘い声質で高いキーも余裕で出せるクリアヴォイスなヴォーカルがキャッチーに歌い上げ、あくまで心地良いメロディを紡ぐギター、バックで効果的に流れるキラキラした涼やかなキーボード……うーん、ホントにお手本のような優等生ポップサウンドですなぁ(w

80年代の古き良きAORサウンドをベースに所々でちょっとハードなパートも取り入れたキャッチーでセンチメンタルな甘口ポップサウンド、AIR SUPPLYやSURVIVOR、FOREIGNER等でお馴染みな“アレ”です。

個人的には2ndアルバムの方がポップさキャッチーさ、そしてアルバム全体の完成度も1stより勝っていると思っておりますが、売り上げ的にはイマイチな結果しか残せなかったのですよね…残念…orz

因みに3枚ほどリリースされているBEST盤には、それぞれ新曲や未発表音源だったりヴァージョン違いやREMIXやSINGLE Ver、DEMO音源等々のオリジナルアルバム未収録音源が収録されていますので、もし彼等をチェックしてみようと思われた方がいましたら、最初はBEST盤から攻めてみて、気に入ったなら徐々にオリジナルアルバムを購入してもBEST盤は損になりませんよ(*´ω` *)

さらにこのデビュー作ですが、20周年記念盤として12年に2枚組REMASTER盤がリリースされており、オリジナルアルバム以外に、ロング・ヴァージョン、LIVE、未発表DEMO音源などを収録したスペシャルボーナス盤も手に入りますので購入されるならそちらをお求めになるのが宜しいかと。



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# by malilion | 2017-07-12 01:37 | 音楽 | Trackback

イタリアンHM界の二大巨頭 LABYRINTHが7年ぶりの新譜をリリース!

c0072376_15240762.jpgLABYRINTH 「Architecture Of A God」'17

キーボード入りツインギターの6人組イタリアン・シンフォニック・メロスピ系バンドの通算8枚目となるオリジナル・スタジオアルバムが7年ぶりにリリースされたのをちょい遅れてGET!

衝撃のデビューEP「PIECE OF TIME」'95 からその活動をフォローしておりますが、当時の“デジタル風味なイタリアの夢劇場”というイメージが今となっては懐かしく思える程に彼等の音楽性は紆余曲折を経て大きく変化して来ました。

最早オリジナルメンツは中心人物ではないサイドギタリストの Andrea Cantarelli(Anders Rain)のみしか残っていませんが、それでも常に高品質な作品を届けてくれる彼等の新作は、結論から言って初期の作風と近年の作風を併せ持ったようなドラマチックでテクニカルなサウンドが心躍らせるスケールの大きい作風で、待った甲斐のある充実した内容の傑作アルバムとなっている('(゚∀゚∩

しかし、不思議な事にこのバンド、何故か同郷のSECRET SPHEREと同じ時期に大抵新譜をリリースするんですよね(w
なのでLABYRINTHとSECRET SPHEREはお対のバンドなイメージを個人的には持っとります。全然メンツも音楽性も関係ないのに(汗

けれどコツコツ順調にバンド活動を続けて支持層を拡大してきたSECRET SPHEREと対照的に、LABYRINTHの方はRHAPSODYより先にデビューし新世代イタリアンHM界の期待の新星と俄然注目を集めたものの、即初代フロントマン Joe Terry(Fabio Lione)の脱退からの新バンドRHAPSODYへ電撃加入、さらに中心メンバー Olaf Thorsen(G)の脱退、そして新バンドVISION DIVINEの結成、レーベルとのゴタつきによる活動休止、さらに Olaf ThorsenのLABYRINTH電撃復帰と、初期からメンツの入れ替わりが激しく、さらにVISION DIVINEメンバーとメンバーが幾度も入れ替わったり等々と目まぐるしくバンドの状況が変化して活動が少しも安定せず、コンスタントに作品を発表して来たにも関わらずバンド知名度の割にアルバムの評価は伸び悩み、一番最初期に活動し始めたのにここの所その名を聞く事が殆どなくなっていた訳です。

で、残念な事に本作でも再びメンバーチェンジが有り、長らくキーボーディストを務めていた Andrea "Mc" De Paoliが元VISION DIVINE(またか…)の Oleg Smirnoffへチェンジし、さらにリズム隊もゴッソリ入れ替え、と相変わらずのメンツ流動体制で、Olaf Thorsen(G)、Andrea Cantarelli(G)、そして二代目フロントマンの Roberto Tiranti(Vo)の三人のみ前作から残留しての製作となっている。

しかし、ドラムスに Jhon Macaluso(元TNT、元YNGWIE BAND、元RIOT、元ARK)って…きっと次のアルバムに彼の名前はクレジットされて無いんだろうなぁ…(つд`)

新ベーシストの Nik Mazzucconi(SUNSTORM、L.R.S)も含め各メンバーは別バンドやセッションで活発に活動してると言う、初期からのファンからすると今やLABYRINTHはまるでサブ・プロジェクトな状態(実際そうなんだろうけど…)なのがイマイチ納得出来ない('A`)

いい加減、Olaf Thorsenワンマン体制を改めないと、これ以上のLABYRINTHの発展的活動は無理な気がするんですが… ぶっちゃけテクもセンスもOlafより優れたギタリストだと個人的に思う Andrea Cantarelliはこの状況に本当に満足してるのかなぁ…(汗

それにつけてもこのバンドは、2nd「Return to Heaven Denied」'98 がメロディック・スピードHMファンの間で絶大な支持を得てしまったのが今から考えると大きな不幸の始まりだった……

実際、デビュー作ではプログレメタル系の夢劇場風サウンドを披露していた訳だし、バンド史上最高の人気作2nd以降中心人物が抜けて一気に洗練されたモダンな叙情派メロディアスHMへサウンド指向が接近したりと、元来が拡散志向で複雑な音楽性のバンドであるにも関わらず、ファンもメンバーさえも2ndアルバムのパワー・メタリックな疾走感の呪縛に未だに捕らわれ続けているのが何とももどかしい…orz

さらにVISION DIVINEはプログレHMで、LABYRINTHはストレートなパワー・メタルで、というような区別を Olaf Thorsenが(わざわざ)復帰して思考している様子(元VISION DIVINEのメンツを大量に引っ張り込んでおきながら!)なのが、このバンドの自由な創作活動をスポイルしている大きな要因だと思う。

つーか、いい加減 Olaf ThorsenはLABYRINTHに関わらないで欲しい。マジで!(#・ω・)


◆◆◆ 閑話休題 ◆◆◆


で、久々の新作ですが、モダンで煌びやかなシンセワークが気持ちよく疾走するソリッドな楽曲に散りばめられたデジタル・プログレHM的な初期っぽい作風の曲を数曲収録しつつ、全体的には近作風の Roberto Tirantiの繊細で情感タップリな歌声をメインに据えた、如何にもユーロメタル的な叙情性薫るメロディアスでテクニカルな楽曲で占められた、実に洗練されたベテランらしいバランスの取れた一作だ。

アルバム全体の方向的には『これまでの音楽要素の集大成作』を意図したであろう、中心人物 Olaf Thorsenが抜けて初めてのアルバム「Labyrinth」'03 に近いとも言えるだろう。

初期からのファンからすれば全体的にスローとミッドテンポの楽曲が占める割合が高いので“疾走感不足な上品すぎる作風”に感じるかもしれないが、もう二十数年以上活動するバンドに何時までも初期のツーバス疾走ドコドコな作風を求めるのは酷だと気付いて欲しい…(汗

それにしても Roberto Tirantiの堂々たる歌唱力の威力は絶大で、アルバム前半のキャッチーな歌メロのフック満載なスピーディーな楽曲から後半のプログレ度の高まった大作指向な楽曲に至るまで、パワフルなハイトーンや力を抜いた朗らかなクリアヴォイス、そして色気あるディープな歌声だったりと正に七色の歌声を披露し、ややもすると散漫になりがちなアルバムをビシッと彼色に染め上げて纏めているのは見事と言う他無いだろう。

特にスローで物静かなセンチメンタルな楽曲での艶やかな歌声の深く幅広い情感表現は、暑苦しいパワーヴォイス主体な初代ヴォーカリストの Fabio Lioneではわないだろう。うーん、ホント歌が上手いなぁ…(*´ω` *)

恐らく次作ではまたメンバーチェンジしている事だろうし、2ndの呪縛も消えていないだろうけど、どうか次なる新作はこんなに間を開けずに届けて欲しいものです。



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# by malilion | 2017-07-03 15:15 | 音楽 | Trackback

さらなる高みへ到達! SECRET SPHERE新譜!

c0072376_17493847.jpgSECRET SPHERE 「The Nature of Time」'17

長きに渡り弱点だったフロントマンの歌唱力という問題を実力派シンガー Michele Luppi(現WHITESNAKEのKey)を迎える事によって克服し、デビュー十数年を経て遂に同郷イタリアのシンフォニック・メロスピ系バンドLABYRINTHやRHAPSODYと肩を並べる高みへ到達した彼等の、間に2ndのリメイクを挟んで5年ぶり通算8作目となるオリジナル・スタジオアルバムがリリースされたので即GET!

前作は Roberto "Ramon" Messina(Vo)が脱退する前にアルバムの楽曲や歌詞(後から一部書き直してるけど)が出来上がっていた為、Michele Luppiの幅広く高低のレンジをパワフルに歌い上げるイタリアンHM界でも屈指の技量やAOR系のポップでキャッチーな楽曲にもマッチするブライトでクリアーな歌声を100%生かし切れた作品だったかと言うと些か疑問も残った訳だが、果たして本当の意味で新フロントマンを得て創作レベルの上限が桁違いに上がった彼等が次はどういった方向へ進もうとするのか、旧来の彼等のファンならずとも興味津々な事と思う。

で、キーボード入りツインギター6人組だったメンツに変動があり、長らくドラムスを勤めていた Fedetico Pennazzatoから Marco Lazzariniへチェンジ、さらにリズムギタリストの Marco Pastorinoが抜けて新たに5人組バンドとなって初めての新作だが、まず一聴して驚くのが、音のスケールが一回り明らかに“デカ”くなっている事。

前作は Michele Luppiがバンド旧来のイメージに即したスピーディーでテクニカルなプログHM定番なスタイルで熱唱した為か、ややもすると彼が以前在籍していたVISION DIVINEに近しいイメージのサウンドに聞こえた訳だが、前作に引き続き本作もお得意のコンセプトアルバムなものの、そのコンセプト内容とフロントマンの表現力の上限があがった事による化学変化が引き起こされたのか、前作とはガラリとヴォーカルスタイルを変化させて表現の幅を一気に広げ、それに呼応するかのようにバンドサウンドも大幅に変化している。

テクニカルでスピーディ-、そしてキャッチーながらプログレ風な難解な楽曲展開、シンフォニックなサウンドの間で飛び交うインタープレイの応酬という旧来の要素も残しつつ、本作では新機軸として大幅にスピードとヘヴィネスを捨て、アレンジの妙とヴォーカルと繊細な楽器プレイによる表現力のみに特化した楽曲へフォーカスするという、音圧による虚仮威しを捨てたアーティスティックな技術力だけでの真っ向勝負を披露していて、そのサウンドは実に艶やかで美しい!

これまでの彼等のサウンドに欠けがちだった“引き”の要素が本作では前面に押し出され、優美なストリングサウンドに包まれた物静かで儚げな楽曲の上を、哀愁たっぷりの歌声で Michele Luppiが切なくしっとりと歌い上げる━━、もう本当に絶品ですわぁ♪('(゚∀゚∩

コンセプトアイディアを5年ほど温めてきたというだけあって楽曲も練りに練りまくられており、スピードやアグレッションを捨てたシンフォニックで柔和なストリングアレンジが効いている堂々たるスケールのサウンドが鳴り響く一大絵巻ですので、忙しないスピードメタル系は苦手という方でもプログレ系好きな方ならば本作はお薦め出来るかと。

逆に初期のスピ-ディーでアグレッシヴな彼等のサウンドだけを求めている向きには、少々肩透かしに感じるだろう楽曲が多いのも事実なので、本作をどう評価されるかは各自ご自身の耳でもって判断するしかないでしょう。

只、疾走感と濃密な美旋律は相変わらずですし、ここ数作は初期の頃のようなメロスピ度合いが増したテクニカル・シンフォニックHMだったけれど本作は弱まっていたプログレ度合いが増した一作だ、と考えればそれ程大きく彼等のサウンドが変化した、とは言えなくも無いかもしれません…

個人的には Michele Luppiの持つポップなフィーリングの歌声が聞けなかったのが残念ですけど、まぁ本作のコンセプトやバンドコンセプトに余りそぐわないだろうから、それについてはそれ程期待はしていませんでしたけどね。

とまれ前作よりさらに一段サウンドスケールと完成度が上がったのは間違いないので、Michele Luppiが白蛇の方で忙しいのは分かるけど、是非このまま順調に活動を続けてイタリアンHMバンドの頂点へ駆け上がり、世界規模のメジャーバンドの仲間入りを果たして欲しいものです。



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# by malilion | 2017-06-28 17:45 | 音楽 | Trackback

ちょっとだけ原点回帰? イタリアン・パワーメタルARTHEMISが新譜「Blood・Fury・Domination」をリリース!

c0072376_13002337.jpgARTHEMIS 「Blood・Fury・Domination」'17

4人組イタリアン・パワーメタルバンドの5年ぶり通算8作目がリリースされたので、ちょい遅れてGET!

如何にもイタリアン・インディバンドというクサメロのB級メロスピからタフでマッチョなメロディック・パワーメタルへ路線変更してマイナー臭を払拭すると共に、リーダーの Andrea Martognelli(G)のみ残してバンドメンツを一新して殆ど別バンドへ生まれ変わった新生ARTHEMISの第三弾作が堂々の完成だ。

新生ARTHEMIS第一弾作「Heroes」'10 は、そのパワフルでソリッドな作風にも関わらず国内リリースが見送られ(何故!?)残念だったが、前作に続き本作も無事国内盤がリリースされ何はともあれ一安心だろう。

で、本作の内容だが、再びメンバーの変動がありリズムセクションが丸々チェンジしたが前作と同一路線なままに、よりダイナミックでスピード感二割増しなスラッシュテイストもたっぷりのストロングサウンドにネオクイラ系のテクニカルな早弾ギターが絡むという、如何にも日本人好みなサウンドに一層磨きが掛かっている。

新生三作目と言う事で無駄な気負いのようなものが消えたのか、必要以上にヘヴィネスで強烈なパワーでグイグイ圧しまくるアグレッシヴサウンドに僅かな変化が見え、メロスピ風の荘厳なコーラスが飛び出してきたりと初期のようなメロディアスでキャッチーな哀愁のクサメロ要素(お陰で平坦だった歌メロに大きくメリハリが生まれた!)が本作では再び感じられるのが個人的に嬉しい。

元々イタリアンバンドにしてはドライで叙情感の薄めなサウンドだった彼等だが、現在は世界進出を目指してか意図的にイタリアン要素を捨てているのだろうし、タイトでソリッドな鈍色サウンドのストロングスタイルHMの方が世界的には受けがいいのは当然とは言え、やはり初期の彼等を知っている身からすると本作のような仄かな甘味が感じられるメロディだったりキャッチーでフックある歌メロだったりが有る方が断然国内受けは良いだろうから、この路線を是非続けて欲しいものだ。

初期からメンツ流動が激しくサウンドコンセプトさえ変更してきた彼等だが、やっとここに来てヘヴィ・リフがゴリゴリと刻まれ、メタルコア風なソリッドな怒濤のボトムの上でネオクラに弾き倒すギター・ソロが乱舞し、エモっぽかったりUSメタルっぽかったり初期のメロスピ風なキャッチーな歌メロだったりと幅広い歌唱スタイルで熱唱するという、バンドの王道パターンが確固たるレベルに仕上がってきたようである。

しかし、新生レーベルの第一弾アーティストだからか“売り”だと思って気負っているからなのか、やたらと宣伝文句で Andrea Martognelliをスーパーギタリストとアピールするのはどうなんだ、と…

彼等のサウンドを聞いたことがある方なら理解していると思うが、非常にコンパクトに纏まった楽曲の中でバランス重視なソロだったり印象的なメロディを流暢に奏でるプレイに終始している Andrea Martognelliのギタープレイは勿論下手であるわけはないんですが、所謂ギターヒーロー系なバランス度外視な自己主張の強いテクニカルプレイじゃ全くないんだがなぁ…

ギターヒーロー系なモノを期待して彼等のアルバムに手を伸ばす新規ユーザーにとっては、下手すると“騙した”って事になりかねないので過剰なスーパーギタリスト推しは如何なモノかと思うんですが…(汗

とまれ試行錯誤を繰り返しユーロピアン・メロディアスHM要素を隠し味にスラッシュ臭さえ漂わすアメリカン・パワメタ風なドライなヘヴィ・モダンサウンドを構築した彼等の新作は、ユーロ系王道HM好きにも十分アピールする傑作に仕上がっているのは間違いないので、ご興味ある方は是非チェックしてみて下さい!



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# by malilion | 2017-06-25 12:55 | 音楽 | Trackback

蘇った中東変態ゴッタ煮プログバンドSOUL ENEMAが7年ぶりに2ndリリース!

c0072376_16445978.jpgSOUL ENEMA 「Of Clans And Clones And Clowns」'17

以前ここで紹介したイスラエルのキーボード入り5人組バカテク変態バンドの240枚限定プレス(!?)な2ndが7年ぶりにリリースされたので即GET!

長いインターバルの影響か、残念ながら本作はリーダーのキーボーディスト Constantin Glantz(Key、Programming、Vo、Shamisen、Percussion)以外メンバーが一新された新体制で製作されている。

メンツ一新で殆ど別バンド状態だが、スキャットやシャウトも幅広くこなすパワフルな美声を聞かせる美貌のフィメールヴォーカル(英詞)をフロントに据えてジャンル問わずボーダレスに音楽要素を交差させ万華鏡のように変幻自在に移り変わるサウンドをバカテクでもって圧巻のスケールで叩きつけてくる“真にプログレッシヴ”な姿勢に些かの曇りも無く、前作を気に入った方ならば安心して購入して欲しい。

前作同様にヘブライ文化の様々な民族の断片を散りばめたような中近東の影響を漂わす重厚感あるサウンドをベースに、所謂メインストリームのHMに始まってデスメタル、さらに近年のモダングレ系から古典的プログレまで、そこへサイケ、JAZZ、フュージョン、ノイズ、ポップス、フラメンコ、シンフォ等々を加え、オマケに本作では Constantin Glantzが三味線(!?)までプレイし胡散臭いアジアン・エスニックサウンド(w)まで演奏するという、どこまで無節操に際限なく様々な要素をごった煮させたボーダーレスサウンドを複雑に絡み合わせ奇妙にスピーディーに展開させるのかと心配してしまうけれど、しっかりとインテリジェントで精巧な音楽へ纏め上げられた他に類を見ない変態屈折ミクスチャープログレサウンドに興味が湧いたなら是非、彼等のアルバムを聞くべきだ。ホント、驚きがいっぱい(w

エキゾチックな音色が飛び交い、変拍子が乱舞し、中世色やクラシカルなセンスも見せる。
ヘヴィなサウンドに、カンタベリー~ハケット~エマーソン~ポップ~民俗音楽が行き交う。
ヴァイオリン、フルートに加え、中東&地中海楽器も配され、混然一体となった音色の輝きも眩しい。

とは、前作同様お店のバンド紹介の叩き文句だが、本当にこの通りだからタチが悪い(w
言葉を幾百連ねても絶対にこのバンドの美麗で繊細、けれどパワフルでキャッチー、だけどミクスチャーで複雑怪奇なサウンドという奴を上手く説明出来無いのだから。

基本的に前作と同一コンセプトなサウンドではあるが、ヴォーカリストの力量が前任者より上な為か前作以上にヴォーカルスタイルの幅は拡がっていて、キャッチーなポップスのような歌メロから奇妙なアイリッシュ風スキャット、さらに一連の幅広いHMスタイルのパワフルヴォイスを披露するのに加え、半数以上の楽曲でリーダー Constantin Glantzがグロウルなどで歌声でも参加するという前作では見られなかった要素や、前作より若干メタル要素が薄まり、スラッシュHMテイストも消え、代わって重厚なドラマチックさが光る哀愁漂うメロディアスな楽曲が増え、ワールドミュージック要素が強まったなどのバンドサウンドの変化も見られる。

そして、前作もパーカッションをはじめ、アルトサックスやバッキングヴォーカリストが多数ゲストで参加していたが本作はそれ以上のゲスト数で、アコギ、チェロ、フルート、ブズーキ等のプレイヤーが多数参加し、さらに新ベーシストの Michael Rosenfeldがプレイするシタールやヴァイオリンが加わり、地中海から中近東、アジアから中華圏まで、そして雅楽(!?)っぽい和風テイストサウンドまで飛び出してくるという、本当に耳に楽しいアルバムだ。

様々な楽器の音色が飛び交う本作の楽曲ではあるが、全作曲、全歌詞、そしてプロデュースまで出かける文字通り中心人物である Constantin Glantzの繊細で流暢なキーボードワークや、涼やかでさりげなく楽曲に華を添える前作以上にセンス光るプレイも見逃せないポイントと言えましょう。

ただ、ジャケのセンスだけは前作の方が美麗で良かったなぁ…(汗

ともかく他に似てるバンドやサウンドが見当たらない異端極まりない変わり種バンドなのは確かなので、辺境プログレマニアな方やド変態ハイテクプログレが聞きたい方はに是非お薦めです!



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# by malilion | 2017-06-24 16:36 | 音楽 | Trackback

国産HMの牙城 ANTHEMが新譜「ENGRAVED」をリリース!

c0072376_15511866.jpgANTHEM 「Engraved」'17

デビュー30周年を迎える今や日本を代表するベテランHMバンドの通算16作目、再結成以降9作目、森川復帰第2弾作となる新作がリリースされたので即GET!

近年はアニバーサリ-づいたベスト盤や編集盤、そしてLIVE盤などがリリースされていたが、遂に純然たるスタジオ新作の登場だ。

事前情報で本作の半分はギタリスト 清水昭男の手による楽曲が収録されるいう(長く楽曲の殆どをボスであるシバサタンが手がけるワンマン体制からすると一大事!)事が伝えられていたので、ファンならずともその出来映えに俄然注目が集まるだろう問題作だ。

で、一聴して思い出したのは、初めて4th「GYPSY WAYS」を聞いた時の衝撃でした。

パワフルなシャウトをはじめ、パンキッシュな吐き捨て風だったりダーティな濁り声で唸ったりと実に多様なヴォーカルアプローチを見せる森川の歌声が、本作では「GYPSY WAYS」を思わせるような非常にメロディアスで哀愁漂う味わい深い歌唱に終始しているのがその大きな原因と思われる。

総じてエッジの効いたリフと森川のパワフルで熱いVoのコンビネーションによる変わらぬ黄金のANTHEM節が展開されているが、JーPOPグループやジャニーズグループにも楽曲を提供している清水のカラーが大きく作用したのは明らかで、前作でも感じられたがより一層に旧来からの定番カラーであるパワー・メタル然としたアグレッシヴさとソリッドで重く硬質なヘヴィさが薄れ、けれどベテランらしく旧来のファンにもアピールするソリッドナンバーもしっかり収録しつつも男臭くドライヴしながらもキャッチーさも備えたポップ志向の佳曲で隙無く固められた非常にメロディアスな一作と言えるだろう。

更に外部ライター(近年のSABER TIGERの歌詞を手がけている)が初めて歌詞製作(清水も一曲歌詞を書いている)に参加している点も本作が今までのバンドカラーとは違う感触を与える要因となっているのは間違いない。

これは度々シバサタン自ら語っているようにマンネリに陥っている自身のボキャブラリィの枯渇問題にしっかり対応した結果だと思う。

その辺りも影響したのか、歌メロのマンネリには対応出来無かったのか、イマイチ楽曲のメロディに歌詞が乗り切れていないような箇所も見受けられるのは少々気がかりな点だろうか?

「BOUND TO BREAK」や「HUNTING TIME」を超える最高傑作とは言い難いが、ANTHEMファンは当然として、甘味のないゴリゴリなヘヴィサウンドに食傷気味なメタルファンにもお薦め出来る高品質なMH作だ。

そんなこんなな問題をひっくるめて、これだけキャリアを重ねて尚、新たな挑戦を試みているANTHEMは本当に最高に格好いいのです!('(゚∀゚∩



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# by malilion | 2017-06-22 15:43 | 音楽 | Trackback

USAHM? USプログHM? ALDENFIELDデビュー!

c0072376_19260525.jpgALDENFIELD 「Light Of Day」'17

キーボード入り4人組USA産プログレHMバンドのデビュー作をご紹介。

ベテラン・スタジオ&ツアーミュージシャン Jim Morris(G、Vo)と Howard Helm(Key、Vo)を中心に結成されたバンドで、そのサウンドはプログ系と言ってもかなりHR/HM寄りなサウンドで、乱暴に言うと80年代初期アメリカンHMバンドにプログレ好きキーボーディストが参加して主にハモンド系サウンドでプログレ風テイストと流暢でセンス良いテクとカラフルなシンセサウンドでバンドサウンドに華を添えている、と言った軽めなヘヴィサウンドタイプなので、ド直球のシンフォ系やテク押しのモダンUSAプログハード系をお求めの方には余りお薦め出来無い。

北欧HM界隈のみならずポップス界ででも引っ張りダコになってる美声ヴォーカリスト Goran Edmanのローヴォイス時にちょい似た声質の Jim Morrisのヴォーカルスキルはお世辞にも高いとは言えないもののキャッチーな歌メロメインの典型的アメリカン・ハードサウンドには良くマッチしている。
これで歌メロにもう少しフックが有るかヴォーカルスキルが高ければ自主制作盤にしてはA級に迫る完成度のアルバムをリリース出来たのじゃないかとさえ思える惜しい出来だ。
自身ではヴォーカルスキルに自信があってなのかもしれないが、ツイン・ヴォーカルのハモリを所々でフィーチャーするのみで、結果的に人工的で耳触り良い分厚く美麗なヴォーカルハーモニーで欠点を覆い隠すような事をしていない点には好感が持てる。

そしてこのバンドを“只のHMバンド”にしていないシャレオツでセンス良すぎるサウンドの大部分を担っている中心人物の片割れ Howard Helmはカナダ出身ミュージシャンで、70年代後半にはプログレ・バンドZONのメンバー、80年代はREFUGEEというメジャーAORハードバンドと平行してHMバンドMICHAEL FURYにも参加し、90年代はUSAパワーメタルICED EARTHのメンバーとなり近年まで在籍、2006年からはUSAシンフォ・バンド CRYPTIC VISIONへ加入と、かなりのキャリアを誇る猛者だ。

デビュー以来引く手数多な Howard Helmのゲスト参加作はジャンルも数も膨大で、メタルシンガーのソロ作やブラックメタルのEQUINOX、USエピックメタルKAMELOT等々、有名無名問わず実に幅広い作品に多数参加しているベテラン中のベテランのセンス良い仕事ぶりが本作でも遺憾なく発揮されているので、プログレバンドを皮切りにHM畑を渡り歩いてきた猛者のキーボードプレイを楽しむにはもってこいの一枚と言えましょう。



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# by malilion | 2017-06-20 19:18 | 音楽 | Trackback

モダン・ヘヴィ・プログサウンドから一転、優美なアコースティックアレンジ楽曲のみなBESTをGALAHADがリリース!

c0072376_02091120.jpgGALAHAD 「Quiet Storms」'17

初期のイメージを喚想させるケルティックなジャケとタイトルが暗示するように、近年の Karl Groomプロデュースによるヘヴィさが強調されたサウンドから一転、より穏やかで牧歌的なメロウでシンフォニックな側面を意識した楽曲のみで構成され、さらに新曲が収録された編集盤がリリースされたのでGET!

2年前に30周年記念の新録2枚組BEST盤をリリースしたばかりにも関わらず、91年のデビュー作『Noting Is Written』からGALAHAD ACOUSTIC QUINTETの楽曲も含めて12年の最新作『Beyond The Realms Of Euphoria』までの楽曲からチョイスした編集盤がこの時期に再びリリースされたのには驚かされた。

ただ、さすがに只のBESTをリリースする訳もなく、旧作の新録以外に本作の為に書き下ろされたオーケストレーションが響くクラシカルな趣の「Weightless」、Karl Groomがアコギとキーボードで参加した牧歌的な「Willow Way」の2曲の新曲に加え、95年リリースの『Sleepers』再発時のボーナストラックや、以前ここでも紹介した2014年リリースの『Guardian Angel』『Mein Herz Brennt』の2枚のEPに収録された別ヴァージョン&アレンジ曲、さらに John Grantの「Marz (and Beyond)」のカヴァーを収録している。

ゲストにMAGENTAの美声フィメール・ヴォーカリスト Christina Booth、THRESHOLDの Karl Groom、さらに Louise Curtisなるヴァイオリニスト、Sarah Bolterなるリュート、クラリネット、サックス、バッキングヴォーカルを担当するプレイヤーが参加して紡がれる、ピアノやヴァイオリンによるアコースティックなアレンジをなされた楽曲は総じて叙情的で艶やかな輝きを放っており、初期の楽曲で耳を惹かれた儚くも美しい繊細なサウンドを彼等が忘れ去ってしまっていない事が分かって嬉しくなってしまった。

収録されている楽曲の殆どがドラムレスでピアノオンリーの弾き語りやアコギの弾き語り、もしくはストリング・アレンジを施された優美な調べが流れゆく曲ばかりの実に美しいアルバムなのだが、そうなるとどうしてもガブリエル臭のする癖の強い Stuart Nicholsonの歌い方が鼻についてせっかくの美しい楽曲を損なっているように思えて、個人的にはそこだけが気になりましたね。

また、編集盤なのでその変化はまだ判然としないが、本作リリース時点で再びメンバーチェンジがあり、Neil Pepperから Tim Ashtonへベーシストのみがチェンジしている。
どうにもこのバンドは前々からベーシストの座が安定しませんねぇ…(汗

完全な初出新曲はカヴァーを含め3曲しかないものの旧曲も新録で全く新しいアレンジを施されているので、BEST盤と侮って買い逃すと後々で後悔しそうな、そんな美しく穏やかな楽曲が詰まった心癒やされる良編集アルバムであります。



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# by malilion | 2017-06-04 02:03 | 音楽 | Trackback

祝再リイシュー!ABEL GANZのデビュー作が再販!

c0072376_16475881.jpgABEL GANZ 「Gratuitous Flash ~The 2016 Remaster~」'17

80年代ポンプ黎明期から活動を続けるUK産キーボード入り5人組ポンプ・バンドの記念すべきデビュー作が、Remaster&一部Remix(バンドの元メンバー全員がこのリミックス&リマスター作業に参加)、ニュー・アートワークで再リリースされたのでGET!

84年にカセットオンリーでリリースされ、88年にフランスUGUMレーベルから初CD化され、その後レーベル消失も相まって長らく廃盤だったデビュー・アルバムが今回初めて再発された。

キーボーディストの Hew Montgomeryとマルチ・インストルメンタルプレイヤーの Hugh Carterを中心に1980年にバンドは結成され、すぐ Malky McNiven(G)とKen Weir(Ds)が加わり初期ラインナップは固まる。

バンドはグラスゴーのライブシーンでステージを披露するにつれ人気を博し、1982年に3曲入り「The Cottage Session」なるDEMOテープをリリース、その後フロントマンを募集し Cue Alan Reed(ex:TRANCE MACABRE)を迎え入れ、84年に記念すべきファーストアルバム「Gratuitous Flash」をリリースした。

その後、定期的なライブショー、ラジオ・オンエア、そしてラジオ・クライド・ケルヴィングローブ・フェスティバルへの出演と着実にファン・ベースを拡大させていった彼等ですが、Alan Reedの Peter Gabriel直系のスコティッシュ・ヴォイスとライヴパフォーマンスに目をつけた同郷のポンプ・バンドTHE CIRCUS(PALLAS)にフロントマンを引き抜かれてしまう…

このデビュー作は、当時のポンプ・シーンの典型的パターンである“GENESISクローン”と呼ばれるサウンドであり、軽めなシンセの派手なプレイや、アコギとフルートが紡ぐ叙情的なアンサンブル等が明らかにソレだが、甘い歌声で英国的ウェットなメロディをキャッチーに歌い上げようとするヴォーカルや、透明感あるハーモニー、ギターは殆ど聞こえず過剰にキーボードだけが活躍する楽曲構成や、6曲のアルバム中に2曲(殆ど3曲)もインスト曲を収録する Hugh Carterのインストパートへのこだわりなど、シアトリカルな Peter Gabriel(Vo、Flute)のヴォーカルを中心に据え楽曲を展開させるGENESISフォロワー的なスタイルからの脱却を試みている点も伺う事が出来る。

この時点ではバンドはB級ポンプバンドでGENESISフォロワーと呼ばれる事は免れないが、80年代のバンドであるから売れ線を意識したキャッチーなハードポップ要素やニューウェーヴ要素を含むのもポンプ・シーンのお約束なもののサウンドのベースはあくまで70年代プログサウンドで、よりロマンチックで英国調のウェットな叙情感がサウンドからか薫っている所と、さらに仄かに PINK FLOYD的要素がサウンドにある点が他のGENESISフォロワー・ポンプバンド等と一線を画していて、それ故今現在まで彼等は生き残(メンバーの出たり入ったりはあるけど…)れて来たのでは?

元々の風刺画的なカセットジャケデザインは置いておくとして、オリジナルCDのジャケのちょっとミステリアスでもありセクシーさも感じさせる如何にも80年代なイラストもなかなか良いが、キメラが描かれた新しいジャケのファンタジックなイメージの方が上品(ちょっと類型的だけど…)だし、今のバンドのイメージにも合っていると言えるだろう。

c0072376_16482740.jpgボーナストラックは、Alan Reedのソロ「Dancing with Ghosts」'11に収録されていた「Gratuitous Flash」収録曲「Kean On The Job」のソロ・アレンジ版です。

ファンならずともポンプ&シンフォファンには絶対見逃せないアイテムですので、再び廃盤になってしまう前に必ずGETしておきましょう。


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# by malilion | 2017-06-03 16:41 | 音楽 | Trackback

絶対ElefanteのKANSASが好きだったハズ! USA産フュージョンバンドINSIGHT

c0072376_10275049.jpgINSIGHT 「Icon」'94

現在は音楽による医療効果を広める慈善活動等で全世界を巡っているヴァイオリニスト Robert Anthony Aviles(最近は7弦の特注カスタム・エレクトリック・ヴァイオリンを使用)が若かりし頃に活動していたUSAカリフォルニアのバンド INSIGHTの恐らく自主製作デビュー盤をご紹介。

現在は彼のバックバンド(メンツも全然違う)という扱いになってしまっているINSIGHTですが、当初は Robert Anthony Aviles(6弦ヴァイオリン、Key)、Patrick Maybrier(4弦&5弦ベース、Key)、Roger Beall(Ds)からなる3ピースのプログレテイストも薫るメロディアスなフュージョンバンドでした。

本作は基本的に6弦のEヴァイオリンがリードで楽曲を引っ張るメロディアスでテクニカルなインスト曲(なので終始KANSASっぽさが漂っている)が中心なものの、ヴォーカル入りの曲もちゃんとアクセントとして収録されており、元KANSASの John Elefanteを彷彿させる Mike Bordersの甘い歌声が秀逸な叙情感あるポップでキャッチーな80年代中期USAプログレハード風な楽曲が2曲アルバムには納められていて、個人的にはこのヴォーカル入りの楽曲の為だけにでも入手して損は無かったと思える秀作です。

フュージョン系なもののロック的なハードさやワイルドな感触もあるサウンドだし、その上に終始仄かにプログレっぽいテクニカル・サウンドを演奏しているので、シンフォ系や所謂古典的なキーボードの活躍するプログレ系サウンドをお求めの向きにはお薦め出来無いモダンでハードすぎるサウンドだろう。

この後に Violinist Robert Anthony Aviles and Insight、もしくは個人名義でのアルバムを現在までに数枚リリースしている、現在はニューエイジ&ヒーリング系の落ち着いたサウンドを中心にクリエイトするラテン系イケメン・ミュージシャンな扱いになっている模様の Robert Anthony Avilesですが、約25年程前はロック寄りなテクニカル・フュージョン(いや、現在も熱いパッション迸るプレイはしてるけど)をプレイしていたんだ、という貴重な記録と言えましょう。

クラシック、ジャズ、ポップスを巧み融合させたり、ブルースやロック、民族音楽、ニューエイジに至るまでの幅広いジャンルから選曲された楽曲を違和感なく組み合わせてプレイしたり、無関係な曲やテーマを巧みに繋ぎ合わせ、例えばLED ZEPPELINの「聖なる館」から Jean Luc Pontyの曲へメドレーしてみせたりしている彼のLIVEに興味がある方は、最近の彼の活動をチェックしてみるのもいいかもしれませんね。

因みに本作は若気の至り全開の肖像権ガン無視違法デザインなジャケの自主製作盤で、それを気にしてか Robert Anthony Avilesのライブラリ等に現在はジャケの画がないレア盤扱いです(w
今は優等生なイメージの彼も、若い頃ははっちゃけてたんやね(*´ω` *)

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# by malilion | 2017-06-02 10:26 | 音楽 | Trackback

疾走する北欧プログHM CLARITYのデビュー・ミニアルバム!

c0072376_15493176.jpgCLARITY 「The X」'99

北欧フィンランド産キーボード入り4人組プログHMの自主製作デビュー・ミニアルバムをご紹介。

実は、余りこのバンドの仔細は良く分かってません(ゴメン

1stミニの他にデモCDが2枚ある、という事くらいしか音源に関しては不明です。

最初、Deimas(G&Vo)とMikko(Ds)の二人でDECOYなるデュオバンドを1996年に結成し、1998年1月「Ready at Last」なるデモCDをリリースした。

二人はさらにメンツを集めて99年にCLARITYへ改名し、次いで7曲入り1stミニ・デモアルバム「The X」をインターネット販売のみでリリースする。

派手なキーボードプレイがバッチリとフィチャーされた疾走する楽曲に、ハードエッジなギターがリフにリードにと活躍し、各楽器奏者がテクニカルなインタープレイを交差させ、メロディアスな叙情感ある楽曲をドラマティックに盛り上げるパワーメタル寄りのプログHMで、USAのSYMPHONY Xの楽曲をコンパクトに纏めて70年代UK産HRっぽい(北欧バンドだし、やっぱりね)レイドバックさせたちょっと古めな感触もあるサウンド、と言えば想像がつくだろうか?

ただ、バンドの狙い所はなかなか良いし総じて楽曲の出来も良いものの、Deimasが兼任しているヴォーカル・パートがC級クラスの駄目駄目さ加減で、折角の楽曲の格好良さをブチ壊してしまっているのが残念でならない。

格好良く疾走する楽曲の随所でハッとする美メロ(Sammy Poimalaの華麗なキーボードプレイは見事!)で切り返したり、意表をつくリズムチェンジや楽曲展開、そして北欧MH臭プンプンなギターのスリリングなソロパートなどは、巷に溢れる夢劇場症候群フォロワー達と違う明らかなオリジナリティを感じさせ、これでヴォーカルがまともだったなら間違いなく輸入盤店で話題作になっていた事だろう…(つд`)

で、さすがにバンドも自身の弱点を理解していたのか、01年リリースの次なる7曲入りデモCD「Empty X Space」ではゲスト・ヴォーカリストを招いている。

このデモでも音楽の方向性に変化はなく、よりスケールと完成度の増したテクニカルHMサウンドは実にスピーディーで格好良く、二大曲「PartI:Empty Space(3曲)」「PartⅡ:X Revisited(3曲)」+ボートラ1曲という如何にもプログレチックな構成のデモで、よりコンパクトでキャッチー、そしてメロディアスでスリリングなプレイを繰り広げていた。

ただ、残念な事にゲストで招かれたヴォーカリスト Cazy Caprの歌唱力、音域、声質など全てがバンドの楽曲とテクニカルなプレイに釣り合っておらず、C級からB級へレベルが上がった程度の改善しかなされていない…orz

Sammy Poimalaのキーボードがさらに格好良く、優美にして繊細なプレイを繰り広げている点だけ見ても確実に前作を上回っており、もっと上手いヴォーカリストをゲストに招けていれば…と、返す返すも惜しい出来になっている。

その後、Timo Heinonen(Vo ex:Smash)なる専任ヴォーカリストを加入させ、遂にバンドのメンツを固めた彼等は02年に2曲入りデモCD「Lost in Reveries」(現物未確認)を発表したものの以降は何の音源もリリースしていないので、バンドはその後のいづれかの時点で解散したのだろう。

光るモノを持っていた良質なインディ・プログHMバンドだったのに、良いフロントマンに出会えなかった不幸で未来が潰えてしまった、という悲しい一例ですね…その後のバンドメンツの動向は不明です。




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# by malilion | 2017-06-01 15:37 | 音楽 | Trackback

今はその名を忘れられた独産プログHMバンド…LIVITの最終作。

c0072376_00351945.jpgLIVIT 「Unspoken」'96

独のマイナーなキーボード入り5人組プログHMバンドがドイツのインディ・プログレッシヴ・ロックレーベルWMMSに残した最終作2ndをご紹介。

因みにバンド名は、"Live it"と "Livid"という言葉を組み合わせた造語から来ている。

ドイツの中央北にある都市ブラウンシュヴァイクで1989年に Andreas Scheil(G)と Jurgen Schuler(Ds)を中心に結成され、間もなく Thomas Grove(Vo)、Jurgen Wintermeyer(B)、Thomas Lachemund(Key)が合流し、約2年間LIVE活動を続け腕を磨き、地元のバンドコンテストに優勝し、その流れに乗って92年にデビューアルバム「Just In Time」を自主製作リリース。

デビュー作のサウンドは、80年代ポンプ的なサウンドとFATES WARNINGやQUEENSRYCHE等のテクニカルな新進プログHMサウンド(夢劇場のブレイク前夜…)をMIXさせ(ようとし)たサウンドという字面だけ見ると魅力的なサウンドなのだが、MARILLION風の派手なシンセが主導のキャッチーな美旋律が魅力的な楽曲と「Empire」'90 時のQUEENSRYCHE風な叙情的で、より技術的な側面が強く押し出されたシリアスでタイトな楽曲の二つにアルバム収録曲の毛色が遊離してしまい、イマイチ焦点のボヤけた些か古臭い感触(keyのサンプリングが古臭いから?)が音に感じられるアルバムに仕上がってしまう…orz

もし彼等のアルバムデビューが後1年遅れて夢劇場が全世界でブレイクした後だったなら、音域の広いヴォーカリストは表現力豊かで少しシアトリカルな歌唱も披露しつつ、テクニカルで手数の多いシンフォニックなキーボードサウンドはリードにバッキングにと活躍し、印象的でヘヴィなギター・リフや華麗に斬り込むソロパートの数々は実にスリリングで、それらが激しいリズムチェンジを繰り返すボトムと一丸となってコンパクトな楽曲を一層に魅力的で壮大なサウンドへ導いていく、という1stで感じられるプログHM要素だけに焦点を絞りきった完成度の高いアルバムをリリースして、もっと注目されもっと評価されていたんじゃないかなぁ、と今さらながらに思わずにいられません(つд`)



◆◆◆ 閑話休題 ◆◆◆


1995年、LIVITはWMMSと契約を結び、続く2ndでは全世界を席巻する夢劇場症候群の熱にのぼせ雨後の竹の子の如く現れる新プログHMバンド達を横目に、バンドはコンセプトアルバムの製作に取りかかる。

『精神分裂病の重症化によって自殺し、悲劇的に終わった人生』という重々しいテーマ描き出すそのサウンドは、夢劇場ブレイク前から活動していたプライドがギターとキーボードのプレイと音色にポンプ臭さが幾分か残っている点に窺えるものの、総じて夢劇場症候群バンドと同路線のプログHMへサウンドへ焦点が絞り込まれた露骨にヘヴィでダークなサウンドへバンドカラーが様変わりしていた…

シュツットガルト近くのROXANNE Studioで録音されたコンセプトアルバム「Unspoken」は1996年にリリースされた。

夢劇場症候群バンドとの差別化を図るように、バンドはラップやシアトリカルな歌唱も取り入れつつ、ネオ・プログレ風の派手なキーボードサウンドとクラシカルでシンフォニックなシンセサウンドを複雑に組み合わせ、スピーディーでハードエッジなギタープレイと、タイトでヘヴィなリズム隊のプレイが渾然一体となってテクニカルに展開する非常にスリリングで魅力的なサウンドで彩られたアルバムは、明らかに1stを凌ぐ壮大で重厚な楽曲が揃った渾身の一作だったものの、その高い完成度にも関わらず世に溢れる夢劇場フォロワー達のサウンドとの決定的な差別化を計れず終わってしまう。

実際、リリース当時は評論家からは好意的に受け入れられたらしいが、結局バンドはメジャーレーベルと契約も出来ず次第に金銭的に活動が困難になり1999年に解散してしまった。

やはり2ndで選んだテーマが重々しいと言うのもあるし、1stにあったポンプ的な派手さやキャッチーでポップな要素が大幅に減退していたのも明らかで、そういった変節で初期からのファンをも逃してしまったのが致命的だったのかもしれません…

たった2枚のアルバムをインディシーンに残したのみで今となっては殆どその名を知る人の居ない彼等ですが、夢劇場のブレイク前に魅力的な作品をリリースし、もしかしたら新しいプログHMサウンドの流れを生み出していたかもしれぬ優れたバンドの一つだったのは確かですので、興味が湧いたなら是非彼等のアルバムを一度チェックしてみて下さい。



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# by malilion | 2017-05-30 00:29 | 音楽 | Trackback

典型的な90年代初期CYCLOPSカタログ製品の1つ。UK産ポンプWALKING ON ICE。

c0072376_00062232.jpgWALKING ON ICE 「No Margin For Error 」'94

EPILOGUEと一緒に転がり出て来たUKのオブスキュアなキーボード入り5人組ポンプバンドが米CYCLOPSレーベルに残した唯一作をご紹介。

本作前に90年に「Whitehall Warrior」「More Than Heaven」なる2本の4曲入りデモテープ(実物未確認)を残していて、それぞれの収録曲と1st収録曲は重複していない。

残念ながら現在までそのDEMOテープがLP又はCDリリースされたという話は聞かないし、DLリリースされたという話も聞いていない。

サウンドの方はCYCLOPSレーベルの典型的なバンド群と同じく、軽めのシンセを中心に淡い叙情感漂う楽曲が展開するポンプ&ネオプログレ・サウンドで、Steve Mansfield (Vo)の少し怪しさを漂わす歌メロとコーラスを前面に押しだすサウンドは総じて耳障り良いものの特に強烈な個性を放っているわけではなく、Jez Newton(Key)の操るキーボードのシンセサウンドやプレイに幾ばくかMARILLIONっぽさが感じられる程度だろうか。

このバンドがその他のCYCLOPSレーベル・バンドと違う点と言えば、Justin Saban(G)がギターだけでなくマンドリンやティンホイッスル、そしてオーストラリア大陸の先住民アボリジニの金管楽器であるディジュリドゥ(!)も奏でる為か土着的サウンド(ドラムスのChris Pulestonがタブラも奏でる)がちょくちょく顔を出す点と、レゲエ的なリズムアプローチやGENTLE GIANT風の複雑なコーラスワーク(声が良くない…)をチラっと聞かせたりする点だろう。

派手なリズムチェンジや緊張感は皆無で、総じてポンプ系というよりキーボード入り80年代インディHR的な野暮ったいサウンドに近いとも言え、これで Steve Mansfieldがもう少し歌が巧いか、中途半端なシアトリカル風熱唱を止めるか、さらにマンドリンやディジュリドゥ、タブラのプレイ割合を増やしてバナキュラー度を上げていたならば、バンドとして唯一無二の個性を確立出来たかもしれない。

1996年にバンドが解散した後、Andy Faulkner(B)は2000年からUK産ネオプログレ・バンドJUMP(6枚目のアルバムから)にベーシストとして加入し、2005年の10thまで在籍した以外、他のメンツの動向は不明だ。

間違いなく好事家向けアイテムではあるが、マイナーポンプ系も押さえて置きたいマニアックな方ならチェックしてもいいかもしれない。


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# by malilion | 2017-05-29 00:01 | 音楽 | Trackback

フランスのミニMARILLION? ELEPHANT & CASTLEのデビュー作。

c0072376_00150152.jpgELEPHANT & CASTLE 「The Green One」'91

EURHYBIAと一緒に転がりでてきてたフランスのオブスキュアなポンプバンドがマイナーレーベルUGUMに唯一残した自主製作盤をご紹介。

R.P.P. Hennequin(Key)、Don Marques(B)、Avedis(Ds)、Edouard Poujaud(G、GuitarSynthesizer)、そして Steinberger(Vo、Synthesizer)の5人組で、専任キーボーディストがいるにも関わらずシンセを奏でるメンツも2人もいる構成で、これだけ見るとさぞアルバムは分厚い音の壁が築かれている事だろうと思うが、実際は隙間の多いスカスカ気味なサウンドでアルバム録音にはシンセメンツのプレイは殆ど活かされていない。

サウンドの方向性は、柔和なシンセを中心に起伏の激しいリズムチェンジを交えて朗らかに歌い上げる歌メロを中心に据えた80年代中期~90年代初期によく居たGENESIS傍系ポンプバンドの典型的サウンドと言えるだろう。

まぁ、素っ頓狂な声を張り上げる芝居が掛かった Steinbergerのヴォーカルをちょっと聞くだけで、すぐにこのバンドがMACHIAVEL、IQ、ABEL GANZ、そしてMARILLION(と言うかGENESISか)の多大な影響を受けている事が分かるんですけどね(汗

FISHほど灰汁の強くないシアトリカル歌唱を冒頭から全力で朗らかに繰り広げ熱く歌い上げる Steinbergerのヴォーカルの存在感がやたら大きく、余りテクニカルでもなく、ロック的なテンションもパワーも感じられない所謂フォロワー的サウンドをグイグイひっぱっていく所を面白いと思えるかどうかで本作の評価は変わるように思う。

ポンプ系には珍しくアルバムのトータルタイムは約30分ほどとアッサリ目でインストゥルメンタル・パッセージも余り無いが、そんな中でも R.P.P. Hennequinが多種多様なシンセサウンドで果敢に楽曲を盛り上げる所や Edouard Poujaudが少ないながらもハードなリフやメロディアスでコンパクトなソロで楽曲に切り込む所はスリリングな聞き所だ。

90年代フランス・プログレインディーシーンは未だに深い謎に包まれているが、このバンドも御多分に漏れずアルバムデビュー前の活動が一切不明(DEMOテープ等の有無も)で、さらにこのアルバムをリリースした後あっさりとバンドは解散してしまい、R.P.P. Hennequinがその後DIES IRAEなるプログレッシヴ・ジャズバンドを結成した事以外に他のメンツのその後の動向等は一切伝わっていない。

UGUMレーベル自体がマイナーだし既に消失している事から同レーベルからリリースされたバンド群の作品の多くは、一部を除いてグレ系が好きなリスナーでさえ忘却の彼方にあるだろうが、そんな中でも面白いインディ・バンドが人知れず多数存在しているので、興味がある方はちょっと廃盤を探ってみると面白い作品と出会えるかもしれませんよ?




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# by malilion | 2017-05-28 00:10 | 音楽 | Trackback

完成度高いのに無名なのはシンフォ度低めだから?やっぱCYCLOPSレーベル物だから?

c0072376_00261511.jpgEPILOGUE 「Hide」'94

WINGS OF STEELと同じくドラムスがヴォーカリストも兼任するキーボード入り4人組UK産ポンプ・バンドをご紹介。

本作は彼等にとって2ndアルバムで、この前にデビュー作であるカセットオンリー作「Just Killing Time」(実物未確認)を92年に発表している。

残念ながら現在までそのアルバムがLP又はCDリリースされたという話は聞かないし、DLリリースされたという話も聞いていない…orz

イングランドのストーク・オン・トレントをベースに活動していた彼等のサウンドはと言うと、同時代のバンドPENDRAGON、IQ、ILUVATAR、GALAHAD、そして特に大きく初期MARILLIONの影響を感じさせるもののテクニカルなインタープレイは少なく、キラキラしたブライトなシンセサウンドが印象的でキャッチーでポップな歌メロがメインに据えられ英国バンドらしい叙情感あるメロディアスな楽曲がコンパクト(殆ど5分台の曲)に展開していく、90年代中期ネオプログレ&ポンプ系で多く見受けられたポップロック寄りな軽めのポンプサウンドと言える。

ドラムスを兼ねる Shaun Lowe(Ds&Vo)の少しハスキーながら甘い声質でよく伸びる歌声はポップなサウンドによくマッチするだけでなく、ハードなサウンドになると若干濁り声になってガナったりとHR的なアプローチやパワフルさも十分兼ね添えている点は見事だろう。

そしてWINGS OF STEELの紹介でも同じ事を述べたが、兼任故かやはりリズムが単調になりがちだったり、これは録音環境にもよるだろうがボトムのサウンドが総じて軽い為にロック的なパワフルさは希薄なのが残念だ。

ただそんな風にリズムパートの自己主張が薄いのと軽めでコンパクトなバンドサウンドだからこそ、メロディ楽器プレイヤーのリードパートが一際に目立ち、Gareth Evans(G)が弾くMARILLIONの Steve Rothery風ロングトーンの泣きのギターやPINK FLOYD風の煌びやかなリードプレイがじっくり味わえたり、Chris Frost(Key)が奏でるプログレッシヴ風のテクニカルなキーボードプレイやカラフルで魅力的なシンセワークをタップリ楽しめると言うのがなんとも皮肉めいている。

残念ながらバンドは以降音源をリリースしておらず、既に解散してしまっている模様です。

シンフォ度は低めだしテクニカル度も高くはない、ポップさとポンプさを絶妙にブレンドさせたサウンドも特に個性的と言う訳ではありませんが、初期SI MUSICの一連のバンドやJADISに近いブライトで洗練された柔和なメロディを個人的にかなり気に入っていただけに、出来る事なら専任ドラムスを迎え入れて着実に活動を続けて欲しかったバンドではあります。

アルバムラスト曲の後の隠しトラックも実にクラシカルで味わい深いのに、巷の彼等の評価はイマイチなのが悲しい…orz

海外では、LIKE WENDY、SINISTER STREET、GRACE、FINAL CONFFLICT、MARILLION等が好きならお薦め、と紹介されている彼等のサウンドを、軽めなポンプバンドもいけるという方なら是非一度チェックしてみて下さい。



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# by malilion | 2017-05-27 00:19 | 音楽 | Trackback

当時はポンプバンドのポップ化問題はインディ、メジャー問わず世界中に蔓延してたんですよ…

c0072376_01384025.jpgWINGS OF STEEL 「Face The Truth」'95

ポンプ系にしては珍しい専任キーボーディストが居ないオランダ産3ピース・ポンプバンドの最終作をご紹介。

地道にアンダーグランドで長年活動を続けてアルバムデビューを果たすバンドが多いポンプ系には珍しく、彼等の活動期間は非常に短くて、2枚のアルバムと1枚のEP、そしてポンプバンドのコンピアルバム2枚に1曲提供するのみの公式音源しかリリースしていない。

当初からドラムスがヴォーカルを兼任する3ピースバンドとして Peter van de Ven(G&Key)、Roland Kok(B&Key)はオランダの中心部をベースに活動し、最後に Jan van Heumen(Ds&Vo)が加わってバンドラインナップが固まり、92年に「Homesick」で当時ポンプ総本山であったオランダSIレーベルからデビューした。

奇しくも92年というとDREAM THEATERがプログレHM屈指の最高傑作アルバム「Images & Words」をリリースし、以降全世界が夢劇場症候群バンドであふれかえる訳だから彼等のサウンドは当時のリスナーに余計に古臭く聞こえた事でしょうね…(涙

デビュー前はRUSH系のサウンド(DEMOテープのみ存在)だったようだが徐々にポンプ系へ傾倒し、最終作である本作2ndではベースを Roland Kokから Olando Van Swaay(B&Key&Vo)へチェンジし、サウンドも洗練されたAOR&ポップロックへ近づくという、なかなか一筋縄でいかぬサウンドの変化を見せてくれたバンドでした。

そのせいでか海外でも似ているバンドに上げられているサウンドの方向性が遊離していて、NOVEMBER、PTS、RUSH、MARILLION、SPLINTERが好きならお薦め、とか80代前半のようなポップなロックバンドで、POLICEやBAD COMPANY好きにお薦め、なんてレビューまであったりする(汗

そんな訳でこの2ndは初期からのファンにはすこぶる不評なのだが、デビュー作より売れ線に、よりポップでメロディアスに、というのは売り上げ不振に苦しむ(元々、好事家向けニッチ音楽だけど…)当時のポンプ&ネオプログレ界だけでなくロック界全ジャンルも含めて世界共通でよく見る流れなので、このバンドのみを責める事は出来無いでしょう。

ただ、1stの時点で既にポンプ系としては歌メロはかなりポップだし、バンドサウンドのベースはプログレッシヴロック(初期RUSH臭さがそこかしこに!)だが多くの楽曲から既にAORの影響を感じる事が出来るし、本作についてもハードなギターサウンドやリフ、バックのサウンドのグロプレ的なテクニカル要素だったりアレンジやアンサンブルだったりは減っていない、寧ろ増えているくらいなのだが、アコギメインのシンプルで美しい楽曲が増え、さらにヴォーカル・ハーモニーが増えたのと歌メロのキャッチーさが上がった為か“ポップ化”に非常に否定的なグロプレ系ファンに『惰弱になった』と、誤って捉えられてしまっただけのようにも思える。

そもそものバンドサウンドの基本が Peter van de Ven(G&Key)のリフとメロディアスなリードパートで、キーボードはバッキングかごく短時間だけ前面に出てくるだけだし、キーボードがリードパートを奏でる時はオーケストラ・テクスチャーとより派手な動きのあるバンドサウンドの表情と音の厚みを豊かにする活用(地味にセンスがいい!)をされている訳だから、一般的なポンプ系サウンドをこのバンドに求めるのが間違いなのかもしれない。

と、言うかこの2ndの不評は、SIからデビューし、引き続きSIからリリースだったからこその不幸だったようにも今なら思えます…(つд`)

個人的には Jan van Heumenのウェットン系ながらちょいハスキーな甘い声質と、パワフルではないが情熱的に歌い上げるフックあるメロディアスな歌メロはポップさが増したコンパクトな楽曲に実に良くマッチ(Olando Van Swaayとのヴォーカルハーモニーもタップリとフィーチャー!)していて、本作のヒットポテンシャルの高いサウンドを久しぶりに耳にしたが、このまま彼等が堅実に活動を続けてくれていたならばひょっとして今頃メジャーシーンで活躍していたかも…などと思わずにはいられません。

なんて褒めておいて最後に言うのもなんだが、ドラムスがヴォーカルを兼ねている為かリズムパートがどうしても単調だったりパワフルさに欠けて聞こえると言う、A級バンドへ昇格するには大きな障害にして最大の弱点をバンドの構造上デビュー時から抱えていたので活動期間が短かったのもやむなしなのかもしれませんね。

個人的にはこのまま活動を続行し、専任ドラムスを迎えて Jan van Heumenの歌声をメインに据えたポップロックバンド化してくれた方が嬉しかったが、もしかしたらリーダーの Peter van de Venがあくまでポンプ系路線にこだわって、専任キーボーディストを迎え入れて世界中で流行している夢劇場系のインストパート多目なプログHMサウンドへ接近していたかもしれないなぁ、なーんて尽きぬ妄想をしてしまいます…



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# by malilion | 2017-05-26 01:32 | 音楽 | Trackback

プログレ・インディシーンにおいてアメリカは暗黒大陸だけど、ユーロ圏フランス・インディシーンも負けず劣らず暗黒だよね…

c0072376_21100127.jpgEURHYBIA 「Same」'90

ATLANTISと一緒に転がり出てきた90年代初頭に活動していたフランス産Key入り5人組ポンプ・バンドをご紹介。

このバンド、デビュー当時から詳細不明で、分かっている事と言えばギリシア神話の女性像に因んでバンド名が名付けられた事と1990年にフランスのレーベル「UGUM」に唯一作(後にMuseaから再リリースされたが即廃盤)を残すのみで、その後のメンバーの動向など一切不明という謎のバンドだ。

ひょっとしたらデモテープや自主盤シングルが存在しているのかもしれないが、何分フランスのアンダーグラウンドシーンでの事なので今までその存在が確認されてはいない。

ANGE(!)の Francis Deschampsがプロデュースしたこのアルバム、サウンドの方はと言うと、IQ、SAGA、RUSH、PALLAS、初期MARILLION、そしてKANSAS、さら90125YES(これは偶然か…)の影響が色濃く伺え、全体的には同時期のポンプ・ロック群定番な軽めのシンセ中心のメロディアスでファンタジックな世界観が漂う作風(PALLASっぽさが一番強い)で、80年代後期から90年代初頭頃のポンプ、ネオプログレ、シンフォロック好きな方はチェックしても損はないだろう。

Pascal Dattle(G)がテクニカルに奏でるシャープでハードエッジなギターはかなり頑張っているし、如何にもポンプ系という派手なシンセワークを披露する Fabrice Dottel(Key)のキーボードとのアンサンブルは痛快の一言なものの、英詞を歌っているがフランス語訛りやアクセントがある Serge Legall(Vo)がFISHっぽいシアトリカル歌唱を繰り広げているのだがこのヴォーカルがどうにもヘタウマ(ポンプにありがちな問題だ…)で、高らかにシンフォニックに鳴り響くアルバムの完成度の足を引っ張っているのは否めない…('A`)

とは言え、そのボーカルとインストゥルメンタル・パッセージの間で常にバランスのとれたメロディアスな楽曲にはポンプ・バンドが陥り易い助長さは少しも見当たらず、如何にも時代らしいサウンドなものの無駄なくコンパクトに纏め上げられたアルバムは、90年代初頭のシンフォ・インディ作としては出色の出来栄え(褒めすぎ!?)と言ってよいのではないかだろうか?

後は Francis Deschampsの手腕なのだろうが、90年リリース・インディ作とは思えないくらい音が良いアルバムで、今聞いても十分耐えうるサウンドなのは特筆すべき点であるのは間違いない。



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# by malilion | 2017-05-23 21:02 | 音楽 | Trackback