バンドは鈍色、ソロは華やか、ってハッキリ鮮明。JEFF SCOTT SOTOが久しぶりにソロ作リリース。


c0072376_23212303.jpgJEFF SCOTT SOTO 「Retribution」'17

相変わらず多忙なセッションワークの他、自身のリーダーバンドでのアルバム発表がここの所続いていたが、ソロとしてのアルバムは5年ぶりとなる7作目がリリースされたのをちょい遅れてご紹介。

自身のリーダーバンドSOTOが、ヘヴィでダーク、そしてマッチョで男臭い今風モダンHMな方向性であり、バンドで存分に時流とUSマーケットを意識したサウンドを披露している事もあってか、ソロ作は全く別の方向性、もっと言えば彼のこれまでのキャリアの主戦場であったオールドタイプのメロディアスHM路線を前作に引き続き本作でも追求したアルバムを製作してくれて、これは彼の旧来からのファンにとっては正に望んでいた通りの新譜と言えるだろう。

多彩な音楽的バックボーンを持つ Jeff Scott Sotoのソロ作はいつもバラエティに富んだ楽曲が収録されているが、本作もその例に漏れず、ちょい今風なハードサウンドな楽曲や、お約束のポップなAOR風だったり、これまた定番のしっとりバラードだったりと、彼の幅広い歌唱力を存分に活かしたキャッチーでコンパクトなメロハー風楽曲を楽しむ事が出来る、安心印がバッチリのアルバムだ。

まぁ、その分意外性だったり強烈な刺激だったりは希薄だけれども、彼のソロ作にソレを求める向きは居ないだろうから何の問題もないでしょうけど。

本ソロ作は、Jeff Scott Sotoを中心に、初期からJeffのソロ作に参加し、TAMPLINやALCATRAZZに在籍し、TVコマーシャルや映画のサントラ等でその手腕をふるってきた凄腕ギタリストで、本作でもその華麗なギターワークを披露するのみならず Jeffと共同プロデュースも行っている Howie Simon(G、B)、そしてSOTOのドラムスでもあり、以前からソロ作にも参加しているJeffのお気に入りドラマー Edu Cominato(Ds)の三人を基本構成として、多数のゲストを迎えて製作されている。

有名所では、Dennis DeYoungのSTYX曲演奏LIVEに参加していたギタリスト Stephen Sturmや、ダブルベース・プレイヤーの名手でジャズ、ポップ、ファンクとジャンルを超えて多数のセッションに参加している Carlos Costa、そして元々北欧バンドのドラマーだったファンク系ギタリストで、本作ではキーボードやベースもプレイし、その多彩な才能で愉しませてくれる Paul Mendoncaだろうか?

収録曲の『Retribution』のPVでは、バックに美貌のベーシスト Julia Lage嬢を筆頭に美人ドラマー Emily Dickinson嬢やJeffの奥様 Elena Sotoがキーボードを担当した華やかでセクシーなバンドを従え軽やかな歌声を披露する Jeff Scott Sotoの姿に驚かされたけれど、まぁメジャーで明るいイメージのソロ作ならでは、って感じの画面構成で、憤怒の顔で轟音が叩きつけられる中、燃え上がらんばりにシャウトを張り上げる暗いイメージのSOTOでの姿とのギャップにちょっと苦笑してしまいました(w

とまれ、ファンは当然ですが80年後期から90年代スタイルのサウンドで、抜群に上手いヴォーカリストの歌が聴けるキャッチーでメロディアスなサウンドを好む諸兄に安心してお薦め出来る一枚なのは間違いないでしょう。



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# by malilion | 2017-11-17 23:16 | 音楽 | Trackback

ポーランドから再び! BELIEVEの哀愁漂う優雅な美メロに酔え!

c0072376_15125753.jpgBELIEVE 「Seven Widows」'17

前身バンドCOLLAGEから数えると、既にキャリア25年以上になるベテラン・ミュージシャンからなるポーランドのヴァイオリン入り5人組ネオ・プログレバンドが待望の新譜6thを4年ぶりにリリースしたのでGET!

元COLLAGEメンバー Tomek Rozycki(Vo)とMirek Gil Sieradzki(G)と、最初期のCOLLAGEメンバーであった Przemek Zawadzki(B)等によって結成されたCOLLAGEの持つメランコリックなメロディ要素を集めたようなネオ・プログレバンドとして06年にデビューして注目を集めた彼等だが、長い活動の中で度々メンバーチェンジが起こり、今作ではドラムスとヴォーカリストが再びチェンジし、新たに Lukasz Ociepa(Vo)と Robert "Qba" Kubajek(Ds)の二名が迎えられている。

結局、オリジナルメンツで残っているのはリーダーの Mirek Gilと Przemek Zawadzkiのみとなってしまった。

まぁ、COLLAGEはこの Mirek Gil率いるBELIEVEと Robert Amirian率いるSATELLITEに分裂したようなモノなので、デビュー以降もお互いバンドメンバーだったりゲスト参加だったりとポーランドのグロプレ・シーンが狭いせいか人脈がかなり重なっているんですよね。

これでフロントマンは三度目のチェンジなのでメンツ変動にそう驚かないが、何よりこれまでバンドサウンドに艶と優美さを与えていた、前作「The Warmest Sun In Winter」'13 で脱退していたオリジナルメンバーの日本人女性ヴァイオリニスト Satomi嬢が無事バンド復帰し、さらに本作からキーボードもプレイ(専任キーボーディスト Konrad Wantrychは脱退)して一層にバンドサウンドのキーマンと呼ぶに相応しい立ち位置になっているのが大変に喜ばしい('(゚∀゚∩

で、注目の新フロントマンですが、マイルドな声質の中域メインな歌唱でシンフォ系にマッチした優しげな歌声(個人的には前任者の歌声の方が好みだけど…)なので、メンバーチェンジの一報に心配していたファンの方はご安心を。

前作まではフルートとヴァイオリンのクラシカルで優美な調べに絡む穏やかで甘美なピアノの音色と心くすぐるメロウさが売りの、淡い物悲しさが漂う仄暗い叙情的なシンフォニック・ロックだった訳ですが、メンバーチェンジも影響したのか全体的なサウンドの方向性や感触に変わりないものの、幾分かサウンドがパワフルになった印象を受けました。

そして、復帰した Satomi嬢のヴァイオリンがしょっぱなからタップリとフィーチャーされていて、その信じられない程にロマンチックでセクシーな音色は壊れ物のようにデリケートで美しく、バンドがゆったりと奏でるほろ苦く切ない哀愁と優雅さ漂うメロディアスなサウンドと相まって、薫り立つようなクラシカルな美メロが胸に迫る、その柔和でモダンなシンフォサウンドは正に絶品だ!('(゚∀゚∩

注目すべきは、スリリングさやテクニカルさよりもシンプルさと美しさを何よりも追求する、LatimerやHackettに肉薄する Mirek Gilの渾身のリードソロがここぞという所で冴え渡り、その全ての感情と情熱を解き放つかの如き儚くも美しい音色が淡く幽幻なシンフォサウンドに眩い輝きを与え、改めてスピードやテク、そしてパワーといったロック要素が無くとも甘美でメロゥなサウンドだけでここまで人を惹きつけ感動せしめるのだと驚かせてくれる。

サウンドの艶やかさや優美さの殆どを紡ぎ出しているのは Satomi嬢のヴァイオリンなものの、彼女の操るキーボードが奏でる控え目なストリングスや柔らかなシンセのアレンジが実に的確で(同一人物がプレイしているのだから当然だが)互いの楽器の音色を邪魔せぬ絶妙のバランス(前作よりもキーボードは控え目)も実によろしく、もし専任キーボーディストが在籍したままだったならば、果たしてここまで高い完成度のアルバムになっただろうかと考えてしまいますね。

個人的にはポップさやモダンさでは前作の方が上ですが、本作の方が優美でセンチメンタルなメロディの質という点で大きく勝っているように思います。

東欧故かどこか冷ややかで、けれど甘く切ない美旋律が詰め込まれたシンフォニック・ロック作ですので、メロディアス・ロック愛好家なら絶対押さえておいて損はない一品ですよ! 是非!

そうそう、近年COLLAGEの方も再結成されLIVE活動を行っているので Mirek Gilは“元”ではなく、現メンバーって事になりますね。

BELIEVEやソロ、そしてCOLLAGEと大忙しの Mirek Gilですが、次はどんな形態でか分かりませんがまた素晴らしい作品をそんなに待たせず届けて欲しいものです。





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# by malilion | 2017-11-13 15:04 | 音楽 | Trackback

米国シンフォ・ロック・バンドGLASS HAMMERがデビュー25周年記念スペシャル・アルバをリリース!

c0072376_00313481.jpgGLASS HAMMER 「Untold Tales」'17

現YESのフロントマン Jon Davisonが在籍していたインディ・バンドとして一躍メジャーシーンにその名を知らしめた米国産シンフォニック・ロック・バンドのデビュー25周年を記念したスペシャル・アルバをGET!

前作が個人的に彼等のディスコグラフィ中で最悪な出来だっただけに新譜リリース情報にも及び腰でしたが、蓋を開けてみれば結成25周年を記念し未発音源を集めたメモリアル・コンピレーション・アルバムとの事で、安心して手を出してみました。

93年~17年の間に録音されていた8曲の未発スタジオ&レア・トラックを中心に、キーボードを大きくフィーチャーしていた70年代UKロックバンドARGENTのカヴァー曲(メリーランド州ボルチモアのProgscape'96で、初めてこの曲のカヴァーをLIVE披露した)とTHE BEATLES(09年に「Three Cheers For The Broken Hearted」のセッション中に録音された。いくつかのLIVEのアンコール曲として披露された事がある)を2曲、既発曲に一部手を加えた新録曲を1曲、そして脱退前の Jon Davisonの歌声をフィーチャーした16年リリースのアルバム未収録の最新シングル1曲、さらに最新LIVEからの未発音源を1曲を加えた計13曲から成る、まさにバンド史を彩る音源を連ねた記念碑的な内容となっている。

Fred Schendel(Key)と Steve Babb(B)を中心に'92年に結成され90年代以降の米国産シンフォニック・ロック・シーンを代表するバンドになるまでの25年の間に残してきた未発音源というその内容の希少度もさる事ながら、長いキャリアの中で大きく変遷してきた音楽性(出発点はゲームBGMだったんですよね…)の多様さや意外な音楽的影響まで、アルバム製作に参加した多岐に渡るメンバーの数々や、ゲストプレイヤーのプレイ記録を改めて再確認できる献身的なGLASS HAMMERファン必携のマストアイテムだ。

こうして古い未発音源を今聞き直してしみじみ思うのは、やはり個人的には初期のエマーソンへの憧憬を隠さぬドプログレな渦巻くキーボードサウンドの洪水と怒濤のオーケストレーションがリスナーの耳を容赦なく攻め立てていた時代のエネルギー、ダイナミズム、そしてフックが炸裂するテクニカル・サウンドが一番好ましく、今は随分と音楽性が拡散し変容してしまった彼らの音楽の本質を如実に現しているなぁ、と…

プログレスするのがプログレ・バンドなんだし、初期からどんどん音楽性が発展変容(最近の露骨なYESフォロワーっぷりは辟易だった)するのは当然な事なので、このイチャモンはナンセンスでファンの身勝手なエゴであるとは重々承知していますけどね(汗

それと、やはり個人的にフィメール・ヴォーカルは好みじゃないので初期のような男性フロントマンのみで構成されているバンド形態のEL&P+YESだったサウンド時代の方が好ましい、としみじみ思えました。

興味深いレアトラックばかりの中でもとりわけ注目を集めるのは、あのカナダの至宝RUSHのドラマーにして詩人 Neil Peartが音楽制作用ソフトウェア・メーカー SONIC REALITYの音源サンプル・ライブラリーの製作中に残したドラム・トラックを用いたRUSH風な未発曲や、12年企画コンピレーション・アルバム「THE STORIES OF H.P. LOVECRAFT: A SYNPHONIC COLLECTION」に提供したアルバム未収録のシングル曲「Cool Air」に、17年北米Tennessee公演にて現メンバーの繰り広げる15分近くに及ぶドラマティックでスケールの大きな最新LIVE音源は聴きものだろう。

Tracks Listing:
01.Shadows of the Past 2008(2008 Re-recording of "Shadows of the Past" from Journey of the Dunadan)
02.Infusion(Originally released on the album "Love Changes - Featuring Glass Hammer" by artist Tracy Cloud)
03.Identity Principle
04.Hold Your Head Up(ARGENT cover)
05.Babb's Bach
06.And Then She Sighed
07.Eiger Dreams
08.It's All Too Much(THE BEATLES cover)
09.Troll
10.A Grain of Sand
11.Cool Air(from The Stories of H.P. Lovecraft)
12.The Impulsive Type(Featuring Neil Peart)
13.No Man’s Land(2017 Live performance of "No Man's Land" from Valkyrie)


Line-up:
Steve Babb (Bass、Keyboards、Vocals)
Fred Schendel (Keyboards、Guitars、Vocals)
Kamran Alan Shikoh (Guitars)
Aaron Raulston (Drums)
Susie Bogdanowicz (Vocals)

Former Member:
Walter Moore (Vo)
Jon Davison (現YES) (Vo)
Carl Groves (現SALEM HILL) (Vo)
Laura Lindstrom (Vo)
David Wallimann (G)
Matt Mendians (Ds)

しかし、近年Jon DavisonのYES絡みな話題でプログレ界を賑わせた彼等が、まさか Neil Peartのドラム音源を流用した異色曲という隠し球を放ってくるとは…これはRUSHファンならずとも興味惹かれるレア音源ですよね? 是非チェックしてみて下さい。

GLASS HAMMERはこのアーカイブ作でこれまでの活動の総括をした訳で、今度こそ次なる新作スタジオ・アルバムで期待に見事に応えて欲しいものです。



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# by malilion | 2017-11-01 00:23 | 音楽 | Trackback

EL&PとGENTLE GIANTへの壮大なオマージュ? いいえ、商業主義へ走らなかった70年代プログレの幻影。それがRT FACTです。

c0072376_16195574.jpgRT FACT 「Life Is Good」'17

米国在住のロシア人コンポーザー Yuri Volodarsky指揮による米国人ミュージシャン等とのシンフォニック・ロック・プロジェクトのデビュー作がリリースされたので即GET!

まずネット上でシングル「Artifact - Life Is Good」がデジタル音源でリリースされ、次に8月にフルアルバムがデジタル音源でリリース、9月にCDで現物がリリース、そして10月にはアナログLPで音源がリリースされる予定だという。
この辺の多数のメディアで順次音源がリリース(マニアックだなぁ)される一連の流れが、如何にも“今”のバンドである事を象徴してますね。

まもなく新たなソロアルバムをリリースする予定の、Yngwie Malmsteen BandやJOURNEY(涙)、幻のSOUL SIRKUS(涙)、そしてTALISMANや各種メロハー・プロジェクト等でその抜群の歌唱力を披露してきた Jeff Scott Sotoが参加(自身のリーダーバンドは??)していると言う事でこの新プロジェクト・バンドの新譜が目についたのですが、全く予想外の傑作アルバムに出会えて大変ラッキーでした。

現在は米国へ身を置く Yuri Volodarskyだが、若かりし頃の彼が育ったソビエト連邦(懐かしい…)では西側諸国のロック音楽への接触が制限されていた為、僅かに入ってくる情報や有名バンドのLPを元に想像力を羽ばたかせるしかなく、その逆境と渇望が音楽への情熱を高め続けさせた故か流行と無関係なシーンで創作活動を続けた為か、今の時代のサウンドとは隔絶した“もしかしたら西側諸国のバンド達が進んでいたかもしれぬ並行世界のサウンド”を育んで来た異色のアーティストだ。

情報統制が厳しくなる前の70年代初期のロック要素を元に、ロシアお得意のオーケストラ音楽要素を加えてオリジナルなサウンドを構築したのでしょうが、ソレが今の耳で聞くと70年代直系サウンドに今風なモダン・アレンジを加えられ、若干現代風になって聞こえるのが妙に新鮮な感触を与えてくれ、ロシア人とアメリカ人のコラボレーションなのに聞こえてくるサウンドはブリティッシュサウンドって所も非常に面白い。

しょっぱなのSPOCK'S BEARD風の複雑なコーラスが炸裂するサウンドにまず驚かされるが、Yuri Volodarskyの音楽的バックボーンは明らかに初期ブリティシュ・プログレシッヴロック、もっとハッキリ言えばEL&PとGENTLE GIANTなのは明白で、その二つのバンドの持つ雄大なクラッシク要素と複雑な多重ヴォーカル要素をミックスさせ、オーケストラや管弦楽のソリストも加えて本格的なクラシカルさを配し、さらに様々な音楽的要素を加味して新人らしからぬ圧倒的スケールでもって荘厳で幻想的な一大叙事詩を描ききっている点は見事の一言。

その他にもオーケストレーションと相性抜群なイタリアン・プログレ要素もチラホラ散見されるし、時には牧歌的だったり、ジャジーなテイストだったりと、複雑でテクニカルなだけでなく初期プログレッシヴ・ロックが持っていた遊び心あるユーモラスな雰囲気も多分に感じさせ、その点で言うと“叙事詩”にはマイナス要素かもしれないが、そんな楽曲の数々は非常に創造的な上に緻密で豊かなメロディーで最初から最後まで彩られていて、アルバムを貫く流動的でエネルギーに満ちた大きな流れの妨げにはなっていない。

決して先鋭的な最先端のサウンドではないけれど、レトロテイストな温かみある70年代クラシック・ロックのような安心感に満ちているのと、通常ならば直接的な音楽的影響が露呈する事はマイナス要素なのだが、巧みに楽曲を構成する単なる一要素として注意深く細工され、非常に抑止的な楽器セグメントで構成されている為に全くフォロワー的なサウンドに聞こえぬ上に、オペラチックなコーラスや壮大なクラシカルさだけでなくゲスト・アメリカ人ヴォーカリスト達のキャッチーな歌メロでコンテンポラリーさも感じさせるコンポジションの妙は、Yuri Volodarskyの類い希なる才能と手腕によるものだろう。

唯一の不満点と言えば、本作は約45分しかないので、このバラエティ豊かな音楽要素で彩られた魅力的なアルバムは飛ぶように終わってしまい、そこだけは次作で解消して欲しい不満点と言えましょう(*´ω` *)

Line-up:
Jeff Scott Soto (ex:JOURNEY、ex:Yngwie Malmsteen Band) Vocals
Nad Sylvan (ex:Steve Hackett Band、AGENTS OF MERCY、ex:UNIFAUN) Vocals
Will Champlin(CHICAGOのBill Champlinの息子!) Vocals

Oz Noy solo Guitar
Jeff Kollman (COSMOSQUAD) solo Guitar
Rafael Moreira Guitar
Josh Smith Guitar
Gary Meek (ex:Brian Bromberg、ex:Flora Purim) Flute、Sax
Edward Tsiselsky Keyboards
Dmitry Ilugdin Synthesizers
Eugene Sharikov Bass
Joel Taylor(ex:Brian Bromberg、ex:Jeff Richman) Drums


Yuri Volodarskyは今回はプレイヤーとしては本作に参加していないので、是非とも次作ではその腕前を是非披露して欲しいですね。

あと、4曲目中にデカいノイズがあるのが残念です…('A`)




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# by malilion | 2017-10-30 16:12 | 音楽 | Trackback

天上の癒やしサウンドを貴方に…米国産シンフォニック・クリスチャンロック・プロジェクトNO NATIONの唯一作。

c0072376_16430177.jpgNO NATION 「Illumine」'05

GALINVERNAと一緒に転がり出てきたので、マニアックなメロハー作やアメリカン・プログレハードバンドのリイシューなどで有名な英国インディレーベルRenaissance Recordsよりディストリビューションされた米西海岸のトップ・セッション・ミュージシャン等によるクリスチャン・プログレ・ユニットの自主製作デビュー盤にして唯一作をご紹介。

エノク、インクナートン、モーセ、ブッダ、ゾロアスター、ナザレのイエス、ムハマドなど、私達の霊的啓蒙に貢献した偉大な先人を讃え、人類の霊的進化を促す為に平和と団結と希望の音楽メッセージを届ける、という大真面目なコメント(汗)からも窺える地球&自然をテーマにしたコンセプチュアルな作品で、どこまでも美しく、AORをはじめワールド・ミュージックやニューエイジ要素も多分に反映させつつ、煌びやかでスケールの大きい荘厳なシンフォニック・プログレッシヴ・ロックの一作だ。

主要メンバーは、1960年代後半からJOURNEYとの多数のセッション・ワークやライブミュージシャンとして活動してきた Steve Roseman(Key)、そしてJOURNEY、YES、Peter Gabriel、ABRAXESとのセッション、Neal Schonsの2枚のソロアルバムにも参加しているJohn Hernandez(Ds)、クリアで優しげな歌声がその厳つい風貌にそぐわない(汗)Ed Ulibarri(Vo)の三名で、その三名と関係の深いJOURNEYの Ross Valory (B、Fretless-B)を筆頭に、Sheena EastonやSheila Eの作品に参加したりクリスチャンHMのTHE VUや、Huey Lewis & The NEWSのメンバーでもある Stef Burns(G)、TOWER OF POWERのリズムギターだったJeff Tamelier(G)や、元YESの Jon Anderson(Vocalisation)、元MOODY BLUESの Mike Pinder(Narration…Keyはプレイしないのね…)等々の豪華ゲストが参加してのロックオペラ作となっている。

“啓蒙する”というタイトル通りに、死海文書や聖書、そして聖書の登場人物をモデルにした作品なので、ロック的な荒っぽさや熱は殆ど無い小綺麗な楽曲ばかりとなっており、テク応酬のハイテンションなインタープレイだとかスリリングでワイルドなソロパートが交錯するなんて箇所は一瞬(ほんの少し、有るっちゃ有るけど…)たりともありません。悪しからず。

逆にどこまでも美しく素晴らしいメロディとアンサンブル、そしてエスニック風味な癒やしに満ちた淡い輪郭の柔和なサウンド(センチなメロを奏でるヴァイオリンがめちゃいいアクセンソになってるんだなぁ、コレが)が幾重にも組み合わさり、ひたすらに心地よさと爽快感を終始演出してくれるので、容赦ない現代社会のストレスに心荒んでいるような方にとって一服の清涼剤となる事は間違いありません(*´ω` *)

Ed UlibarriのAOR風ヴォーカルと透明感あるリリカルで優しげなメロディや民族音楽的なエスニックなリズムも相まって Jon Andersonの一連のソロ作を思い起こさせるが、全体的にYESの「Tales from Topographic Oceans」'73と「Relayer」'75 時期風なサウンドをベースにエキゾチッチな音階やサウンドで各楽曲がアレンジされたシンフォ・サウンドで、Jon Andersonのソロ作などでよく聞かれる分厚く壮大な多重コーラスがオーケストレーションのように楽曲を優しく包み込み、深い癒やしと壮麗さを描き出す手助けをしている。

また本作は、太鼓、ヴァイオリン、三味線、ディジーフルート、ダンベク、ジャンベなど本物のアコースティック楽器を使ってレコーディングされており、古典的なプログレッシヴ・ロックと民族音楽的なテイストが巧みに組み合わされた意欲作と言えるだろう。


Line-up:
Ed Ulibarri(Vocals)
Steve Roseman(Keyboards)
John Hernandez(Synthesizer、Ds、Djembe、Dumbek、Taiko、Percussion)

Additional personnel:
Ross Valory(Bass、Fretless B)
Mike Pinder(Narration)
Jon Anderson(Vocals)
Stef Burns(G)
Jeff Tamelier(Rhythm G)
Erik Frykman(Acoustic G)
Kallan Nishimoto(Shamisen、Taiko、Dizi)
Stu Sweatman (Acoustic G)
Deby Benton-Grosjian(Violin)
Hikroyuki'Jimi'Nakagawa(Taiko)

まぁ、色々解説しておいてなんですが、ご大層なコンセプトやクリスチャン・ロックだと妙に意識せず、その美しいサウンドをただ愉しめばいいのはないでしょうか?

YESや Jon Andersonのソロ作、そしてSAGRADO CORACAO DA TERRA等がお好きな方ならきっと気に入るハズ、そんな優しく美しいサウンドです。

Peace be upon you.


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# by malilion | 2017-10-28 16:31 | 音楽 | Trackback

秋の夜長に、たまにはマッタリ癒やされる清らかなサウンドも悪くない。イタリアン古楽演奏グループGALINVERNA。

c0072376_00372367.jpgGALINVERNA 「Ladri arditi」'98

イタリア共和国北西部に位置するピエモンテ州で“樹氷”を意味するGalaverna(ガラヴェルナ)の方言、Galinvernaがバンド名だという中世音楽を中世楽器で再現する趣あるイタリアン・グループのアルバムをご紹介。

随分前に古楽器を用いた中世音楽を演奏するスタイルから出発し徐々にロック色を強めていった異色のUKクラシカル・プログレ・バンドGRYPHONが好きで、彼等が影響を受けたという中世音楽を聞き漁っている時に行き着けの輸入盤店で紹介されて入手したように覚えているのが本作です。

彼等はGRYPHONと違いアコースティック楽器のみの中世楽器で演奏し、楽曲はオリジナルではなくその多くが失われて完全に残っている訳ではない中世イタリア音楽の数々を研究の上でオリジナルに近い状態へ再現したり、古代の地中海音楽や古代中東や中世スペインの音楽、そして中世宗教音楽、イタリア各地方の訛りによる賛美歌であったり、巡礼者を題材にした中世音楽(中世の巡礼者が伝えたスペイン語の土地で使用される楽曲等)等やキリスト教お決まりの古代から中世のクリスマス関係の楽曲等を再現プレイしている。

バンド活動の範囲はイタリア、フランス中央と北部のみと狭く、オールアコースティック楽器での演奏と言う事もあってプレイしているのも古城だったりと通常のバンドが余りプレイしない趣ある場所等がメインなので、演奏している優美で感傷的、そして宗教色の強いその音楽と相まってお察しの通りここ日本での知名度は皆無と言ってもいい状況なのが少々残念であります…

これまでに1998年にデビュー作「Ladri arditi、2002年に「Ratones Gordos」、2004年に「Ogn'om canti novel canto」、2008年に「Congaudeant Catholici」、同年に「Gaudete! Christus est natus」リリースと十年で5枚しかアルバムをリリースしていないが、各メンバーは他アーティストとのコラボレーションやソロ作を多数リリースしているので多忙な模様だ。

またアルバム毎にメンツの変動が激しいが、メインの4人は固定でその都度アルバムコンセプトに合ったゲストプレイヤー(メインメンツも演奏してる楽器が変化してるのがややこしぃ…)を招いてアルバムを製作している為と思われる。

「Ladri arditi」'98------

Line-up:
Mauro Basilio : guitar, saz, bass
Paola Zambon : flutes
Marco Suppo : bass, hurdy-gurdy
Elisa Fighera : violin, viola

Marco Audano : percussions
Maurizio demichelis : vocals, bass, guitar


「Ratones Gordos」'02------

Line-up:
Mauro Basilio : guitar, saz, bass
Paola Zambon : flutes
Marco Suppo : hurdy-gurdy
Elisa Fighera : fiddle, viola

Barbara Scaringella : vocals


「Ogn'om canti novel canto」'04------

Line-up:
Mauro Basilio : oud, tenor fiddle, percussions
Paola Zambon : flutes, bombardes
Marco Suppo : hurdy-gurdy, nyckelharpa
Elisa Fighera : fiddle, percussions

Silvia Prot : vocals
Massimo Givonetti : flutes, bombardes
Sergio Pugnalin : luth, percussions, vocals
Elisa Chiaraviglio : vocals


「Congaudeant Catholici」'08-----

Line-up:
Mauro Basilio : luth, oud, tenor fiddle, percussions
Marco Suppo : hurdy-gurdy, nyckelharpa
Paola Zambon : flutes, bombardes
Elisa Fighera : fiddle, lyra, percussions

Silvia Prot : vocals
Maurizio Givonetti : flutes, bombardes, vocals
Claudio Poggi : vocals
Marcella Tessarin : vocals
Alessandra Vaglienti : vocals


「Gaudete! Christus est natus」'08-----

Line-up:
Mauro Basilio : luth, tenor fiddle, percussions
Marco Suppo : hurdy-gurdy, nyckelharpa
Paola Zambon : flutes, bombardes
Elisa Fighera : fiddle, lyra, percussions

中心人物の弦楽器奏者 Mauro Basilioは他にも多数ソロやコラボ作をリリースしているので興味が有る方はチェックしてみてもいいかもしれない。

“ろう者(聴覚障害者)の泥棒”と名付けられたこのデビュー作は、M.A.Pの制作のもとミラノで録音されている。
R製ながらちゃんとAssociated Musicians Productionsと刻印されており、Ethnoworldレーベルカタログにも掲載されているので、もし興味がある方はチェックしてみるといいだろう。

自身で“さまざまな伝統からスタイルや楽器を選別している泥棒たちが新しい混合主義を探している”と本作を紹介しているのを見るに、古楽器を用いて中世音楽を優美にしっとり演奏してはいるものの、資料の散逸やそもそもの記録が元より残っておらずに目指す中世楽曲の完全再現は叶わず、多くの中世音楽要素を継ぎ接ぎして“模造品”をデッチ上げた自分等を皮肉っているのだろう。

デビュー作である本作はヴォーカル曲が三曲しか収録されておらず、そのヴォーカルも余り上手くない男性が抑揚少なく語っているような歌(古語だから歌いにくいのかも?)であり、殆どがインスト曲のみで構成されているので、この手にお決まりの美声フィメール・ヴォーカルを期待した方には残念な一作となってしまっている。

まぁ、続く次作からは専任のフィメールヴォーカルが招かれて弱点だった歌も改善されているので、歌モノ要素が重要な方は次作から手を出すのがよろしいかと。

枯れた味わいのあるAnce(Ciaramella Ciaramello 古式オーボエの一種)の音色や、GRYPHONを思い起こさせるCornamuse(中世のバグパイプの一種:コーンマスズでは無い)のサウンドに、軽やかに舞うFlauti(中東由来の中世のフルート)とGhironde(ハーディ・ガーディ:機械仕掛けのバイオリン)の絡みが堪りません(*´ω` *)

楽器自体の人気があまりなくなってしまい今では殆ど聞く事が出来無くなってしまっているNyckelharpa(ニッケルハルパ:弓で演奏する中世の擦弦楽器)やOud(マンドリンに似た形の中世の弦楽器)、そしてVielle(ヴァイオリンに似た形の中世の弦楽器)も活躍しておりますので、古楽器好きな方は是非とも一度彼らのアルバムをチェックしてみて下さい。



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# by malilion | 2017-10-25 00:31 | 音楽 | Trackback

北欧HMの始祖EUROPEが新譜リリース! 再び魅力が蘇った彼等のニューアルバムは見逃せない!!

c0072376_23095116.jpgEUROPE 「Walk The Earth」'17

北欧スウェーデンHMの始祖EUROPEの、前作「War Of Kings」から2年ぶりとなる通算11作目の新譜がリリースされた。

正直、彼らの新譜には何も期待していなかった。
前作があんまりにも退屈でシミったれた出来だったもので…('A`)

で、本作はと言うと、再結成以来推し進めてきたダーク&ブルーズ路線に遂に変化が訪れたようだ!!('(゚∀゚∩

全体のダークでヘヴィなムードはそのままに、以前では聞く事が出来無かったLED ZEPPELINやBLACK SABBATH、再結成DEEP PURPLE等で耳にするミステリアスなウネるようなリズムとメロディにマジカルな雰囲気、そしてユーロ系モダンHMっぽい鈍色メロディが妖しく踊り、ブルーズ風味な John Norumのギターもそんな異彩を放つ楽曲の中でキレと渋さ、そして一瞬の美しいフレーズでキラリと光を放ち、少なくとも以前のような気の抜けた印象に残らぬ凡庸なメロディを奏でている訳じゃないのが嬉しい。

以前も Joey Tempestが盛んにルーツ回帰を唱えていたけれど余りサウンドに結実していなかったように思うのだが、今回はアルバムを聞き進めていくと、どうにもキーボードの使い方やエフェクト等のムードが70年代プログレっぽい重厚さと荘厳な香りを放っているように聞こえ、今ままで彼らが披露してこなかったこのグロプレ・テイストに再結成以来のダーク&ブルーズ路線が上手くブレンドされ、古臭いけど新しい、というオリジナリティある面白いサウンドへ化学変化を起こしているように感じる。

いやー、コイツはマジでキーボーディストの Mic Michaeli大活躍! って、感じの新譜ですねぇ(*´ω` *)

元々、Joey Tempestは70年代HR好き(北欧ミュージシャンは皆DEEP PURPLE好きだしね)を公言していたし、John Norumのギタープレイばかりにフォーカスしていた楽曲構成を変え、彼のプレイを少し抑え気味にして Mic Michaeliのグロプレっぽいサウンドとプレイの比重を増やしたらアラ不思議、類型的でつまらないダークな鈍色モダンHMが一気に70年代風なダークテイストのUK風HMに生まれ変わった、と言った所だろうか?

そんな変化が呼び水になったのか、平坦だったリズムにもメリハリと疾走感が生まれ、『やれば出来るじゃないか!』と、喝采を送りたくなる今風の格好いいスピーディーでスリリングなユーロ系モダンHMを聞かせてくれてるんですわ!

やっぱり北欧HMバンドには枯れた味わいより、湿り気を帯びた美メロと疾走感が必要なんスよぉ~! と、声を大にして私は訴えたい!

John Norumのプレイを抑え目にしたら以前みたいに不満で脱退しちゃうんじゃなの? と危惧されるファンもいらっしゃるかもしれませんが、流石に二度も同じ過ちを繰り返さぬよう注意したようで、これぞバランスのマジックといいましょうか、今回はここぞ、と言うポイントで今まで以上に泣き泣きのフレーズや早弾きなんぞを楽曲に刻み込むようにタップリ弾いているので、全体的な印象では以前と同じように十二分にギターを弾き倒しているように聞こえるんですねぇ~、ご安心を♪

再結成以来不足していたメランコリックなメロディや儚げな美旋律が Mic Michaeliのキーボードの大活躍のお陰で復活したのも新譜が魅力的になった大きなポイントですし、それ以上に見逃せないポイントが無理にダークでヘヴィなサウンドに合わせる必要がなくなった分、Joey Tempestの甘い歌声と歌メロも今回は違和感無くハマっていて素晴らしいと言うのが何よりも大きいんじゃないかと。

これ以上ダークでソリッドな方へ傾いても似合わないし、70年代HR風な荒々しくパワフルな作風へ接近しても力不足だし、そもそも猿マネの焼き直しになってしまう、というギリギリで Joey Tempestが踏ん張って熱唱を繰り広げている点は先々を考えると少々気がかりではありますが、再結成して以来長らく裏切られ続けてきたけれど本作でやっと彼等だけのレトロ・モダンな新路線を発見した模様ですので、是非ともこの魅力的な路線を突き進んで素晴らしい新譜をまた届けて欲しいものであります。

まぁ、旧来からのイメージなキャッチーでブライトな80年代風北欧HMとは完全に決別してますので、その路線を期待していた方は完全に諦めましょう。その方が精神衛生上よろしいかと……

と言う訳で、今まで彼らの新譜にガッカリしてきた旧来からのファンの皆さん! 溜飲を下げさせてくれる、この新譜はマジで買いですよ!!




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# by malilion | 2017-10-20 23:01 | 音楽 | Trackback

CRIMSONへ米国からの返答? USAヘヴィ・プログバンドST.ELMO'S FIREのダークサンドは秋の長雨にぴったりな雰囲気…

c0072376_01544416.jpgST.ELMO'S FIRE 「Splitting Ions In The Ether」'98

いきなり冷え込んで季節感が狂ってしまう今日この頃、秋の長雨が鬱陶しい夜はダークでヘヴィなサウンドが馴染みます…('A`)

70年代末期に登場し、短期間活動して休止状態になり、再び近年断続的に活動し、現在は再び休止してしまっているツインギター&ツインキーボードの五人組USA産ヘヴィ・プログレッシヴ・ロックバンドの2ndLIVE作をご紹介。

本作は80年リリースの米国クリーブランドのアゴラでのLIVEを納めたデビュー作「Live At The Cleveland Agora」(オリジナルは800枚しかプレスされていない激レア盤!)に未発表分の30分の素材等の5曲を追加して再発したLIVEアルバムだ。

彼等は正式なスタジオ・アルバムは2001年リリースの「Artifacts Of Passion」のみしかリリースしておらず、79年バンド結成なのにも関わらずLIVE作やアーカイヴ作を併せてアルバムはたった4枚しかリリースしていない。

そもそもデビュー作が80年リリースの4曲入り自主製作LIVE盤「Live At The Cleveland Agora」な(いきなりLIVEとは、自身の演奏技術と即興プレイに余程自信があったんでしょうね)為、彼等のディスコグラフィの説明はややこしいんですわ…

バンドはリーダーの Paul M.Kollar(B、6&12 string G、B pedals、Key、Tape Loops、Prepared tapes)と Erich Feldman(G synthesizer、Effects)の二人によって1979年に結成された。
しばらくメンバーが入れ替わり立ち替わりしたが18ヶ月後にメンツは固まり、Mark Helm(Ds、Guns、Sandwiches)、Elliot Weintraub(G、Effects、Vo)、Stephen John Stavnicky(Key、Percussion、Flute、Vo)の五人組バンドとなる。
満を持して1980年にデビューLIVE盤「Live at The Cleveland Agora」をリリースし、ツアーを続けるものの音楽業界の時流はコンパクトでキャッチーなサウンドを求めていた為に彼等に活動の場は多くはなく、敢えなくバンドは活動休止してしまう。

十七年の後、突如活動を再開した彼等は、2ndLIVE作である「Splitting Ions In The Ether」を1998年にリリースする。
活動期に入ったからなのか、Paul M.Kollarは99年に「SUBTLE MATTER」なるソロアルバムもリリースした。
このソロアルバムはST.ELMO'S FIREのLIVE中、79年~81年の間に即興でテープループで演奏されたサウンドが元になっているTANGERINE DREAM風サウンドなLIVE作だ。

その後の2001年、バンド初となるスタジオ・アルバム「Artifacts Of Passion」をリリースする。
2ndLIVE作は純然たる新録作ではなかったので「Artifacts Of Passion」は、なんと二十年ぶりのニュー・アルバムであった。

残念ながら初スタジオ作ではメンツに変動があり、Erich Feldman、Paul M.Kollar、Mark Helm、Elliot Weintraubの四名は残留しつつ新たに Miner Gleason(Violin)と Philip Wylie(Tabla、Djembe)の二名の新メンバーを迎えた六人編成で製作されている。

2004年には、「Antiquities」と題された未発表曲の珍しいデモと既発曲の未完成版を集めたコレクターズアイテムの限定盤レコードがリリースされ、以降音源のリリースは無い。

Paul M.Kollarは、02年に「Brain Forest Wood Of Thought」、03年に「P3 Just Made It Up」、04年に「P3 Live at the FlipSide」「Brain Forest The Thought Horizon Sessions」とコンスタンスにソロ音源を発表している。

2020年(!?)リリース予定のソロ作が既に告知されているので、もしかしたらソロ活動に併せてST.ELMO'S FIREも20年に活動再開するのかもしれない…

本作「Splitting Ions In The Ether」を聞けばすぐ分かるが、モロにKING CRIMSONの影響、特にギターは Robert Frippのプレイを、ドラムスは Bill Brufordのプレイの影響が顕著だ。
まぁ、元々 Robert Frippが行っていたテープループと同じ事をし出してハマり Paul M.KollarはST.ELMO'S FIREを結成した訳ですから、似てるのは当然か(汗
とまれ鼻息荒くLIVE盤でデビューした当初の彼等が目指していた方向性は、間違いなく70年代UKヘヴィ・プログレ・サウンドだったのでしょう。
特に「Larks Tongues In Aspic」と「Red」の影響が色濃く感じられ、甘味の無い鈍色で硬派なプログレ・サウンドを、ポップさも脳天気さも捨ててUSAバンドとは思えぬ真摯な姿勢で再構築を試み、ダークな雰囲気はそのままに浮遊感あるサイケ色を加えてより暴力的にヘヴィにした重厚かつ叙情性を漂わすサウンドは見事だと思います。

後はまんまCRIMSONにならなかったのは、GENESIS的なメロディアスな要素も幾分かあったのとヴォーカルパートが殆どなく、歌入り(野太いオッサン声が下手クソな歌で唸ってる…)曲はわずか二曲だけで、しかもヴォーカルは弱々しい歌声の為にバックのド迫力でパワフルな演奏に埋没してしまい殆ど印象に残らなかったのも、しっかりと歌メロも優れていたCRIMSONとは違った印象を与えるのに役だったのかもしれません。

ただ、続く2001年のスタジオ・アルバム「Artifacts Of Passion」ではサウンドが大きく変化し、新メンバーの奏でるヴァイオリンやタブラの音色のせいか妙に民族音楽的なテイストが色濃く感じられ、以前のような張り詰めた緊張感のようなものも失せ、メロディにも今まで感じられなかった軽やかさと甘味のようなものがあって、サウンドのアンビエントな浮遊感も相まって既に70年代KING CRIMSONの影響から大方は抜け出した、似たサウンドが見当たらないCRIMSON+民族音楽+サイケ×ポップという癖の強い独自色あるサウンドをバンドが築き上げているのが分かる。

まぁ、コレは意図してと言うより、アルバム毎のインターバルが長過ぎたのと彼等自身が特に変化しようと画策せずとも時代の方が勝手に激しく変化したせいで、70年代ヘヴィ・プログレの残り香を纏った古臭い、でも今の耳には新鮮に聞こえる70年代直系プログ・サウンドを確立出来たのじゃないかと思うのだけれど…(汗

シャープさやテクニカルさでは劣るけれど、同じくCRIMSONフォロワーの一派なサウンドなのでANGLAGARDやANEKDOTENがお好きな方やメロトロン大活躍なバンドがお好みの方なら、彼等のダークで暴力的な鈍色サウンドが御気に召すのじゃないでしょうか? お試しあれ。



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# by malilion | 2017-10-20 01:48 | 音楽 | Trackback

英国産バンドCATHEDRALE 幻の音源リリース!

c0072376_00410347.jpgCATHEDRALE 「J2=B2」'17

70年代UKプログレシーンに燦然とその名を残すRENAISSNCEの黄金期を支えたベーシスト Jon Campが、80年代末期に現LIFESINGSのキーボーディスト John Young、元MONEYのドラマー Tony Bodene等と共に結成した幻のバンドの、89年~91年に録音されていた未発表音源が初めて発掘CD化されたのを遅れて今頃GET!

CATHEDRALEというと70年代末期に活躍した米国産インディ・プログバンドが有名ですが、本作のCATHEDRALEは80年代のメジャーレーベル、この場合はWarnersと当時出版契約を交わした多くのバンドの1つで、米国のATLANTIC社とレコード契約を結び、ATLANTICレーベルからアルバムをリリースするべくデモ音源を作成していたが、レーベルの政治的思惑(John Young曰く、88年の「New Jergey」の大成功を見てか、WarnersはイギリスのBON JOVIになるよう圧力をかけてきたらしい…)に翻弄され、結局交渉は決裂してデビューが叶わなかった歴史の闇に消えたバンドだ。

そんな幻のデモ音源が26年の時を経て今回発掘再発レーベルからリリースされた訳ですから、Jon Campや John Youngのファンのみならず、80年代末期のプログレ・ファンやLIFESINGSのファンは興味津々な事でしょう。

結論から言ってしまうと、本作はプログレ・ファンにとって余り面白い音源とは言えません…('A`)

まぁ、時代が時代でしたし、メジャーからのリリースを狙っていたという事もあって、時流を多分に意識した当時世間を席巻していたニュー・ウェーヴ&ブリット・ポップスを色濃く反映したシャレオツでデジタリーなハードポップスを本デモでは披露しています。

ASIAのデビュー作が82年、YESの「90125」が83年、Steve HoweとSteve HackettのGTRデビューが86年、Keith EmersonとCarl Palmer、そしてRobert Berryの「3」が88年にデビューしていた当時、プログレ系ミュージシャンはこぞって米国受けする華やかでコンパクト、そしてキャッチーな売れ線サウンドへ傾倒していた時代ですから、彼等も同じ方向を目指していたとしてもなんら不思議ではありませんよね…

第2期RENAISSNCEのベーシストとしてバンド消滅の80年代後半まで在籍し、再結成RENAISSNCE作にも参加したJon Camp(B&Vo)はRENAISSANCE脱退後、Robin Georgeと彼のバンドDANGEROUS MUSICと一緒に仕事をしていた。
ツアーに出る際、新たにそのバンドに加入したキーボーディストが、再結成GREENSLADEに加入していた元ASIA&元Bonnie Tylerの John Young(Key)で、ツアーが終了した後に二人は新バンドCATHEDRALEを立ち上げる。

Line-up:
Jon Camp(B、Acoustic G、Moog Taurus、Vo)
John Young(Key、Vo)
Brett Wilde(E&Acoustic G、Backing Vo)
Tony Bodene(Ds、Percussion,、Backing Vo)
Mark Goddard-Parker(Lead Vocals)

本作に12曲収録されているデモ前半の7曲目まで、Jon Campと John Youngがそれぞれリードヴォーカルをとったりツインヴォーカルを披露したりしているが、お世辞にも上手い歌とは言えず、カラフルで派手なキーボードが活躍するアーバンでモダンな雰囲気漂うポップでキャッチーな楽曲の出来は良いもののヴォーカルの不味さが全体をスポイルしてしまい、デモ用ならば許されるその仮歌レベルには閉口させられる。

で、そのヴォーカルのレベルの低さが契約を難航させたと考えたマネージメントの提言に従い、新たに専任ヴォーカリスト Mark Goddard-Parkerを迎えて製作された後半5曲の出来はなかなかのモノで、GTRや90125YESと同系統のシンセサウンドに重点を置いた煌びやかなサウンド・メイキングに、一貫してコンパクトでシャープかつスタイリッシュな80年代UKポップサウンドで固めつつ、70年代末期から80年代初期のRENAISSANCEで披露した Jon Campのメロディアスなソングライティングが活かされた Mark Goddard-Parkerのウェットン系(John Payneの歌声に似てる?)な中音域メインのマイルド・ヴォイスが実によく映える楽曲で、このデモ音源が完成させられて当時アルバムデビュー出来ていたならば一体どういった評価を受けたのか、世間の音楽の流れはどう変化したのだろうか、と妄想は尽きません。

結局、メジャーからレコードデビューする事が叶わずバンドは Jon Campと John Youngを残すのみとなってしまい、二人は再起を賭けてGTRのヴォーカリスト Max Baconとのセッションを行い幾つかの楽曲を録音(残念な事に、全て失われてしまったらしい…)したが、最終的にバンド活動は上手く行かず音源をリリースすることなくCATHEDRALEは消滅してしまう…orz

プログレ好きな方にはお薦め出来無いのは既にお伝えしたが、その他にも色々と問題があって、発掘デモ音源なんだから当然っちゃ当然なんですが、本作はかなり音質が悪く、各パートのバランスも妙だし、音ヨレや雑音、テープヒス等々の劣悪な状況が刻まれた音源だと言う事が残念でなりません。

RENAISSNCEやLIFESINGSファンにとてもお薦め出来かねる音源ではありますが、ここで表現されている様々なセッションや試行錯誤を繰り返したアプローチは非常に興味深く、もし懐具合に余裕がある方や今は有名なミュージシャンの売れる前の仕事ぶりに興味がある方ならちょっと手を出してみるのも良いかもしれません。

それでは叶うことのなかった夢の欠片の煌めきを、ポップに傾倒したプログ・ミュージシャンの果敢な挑戦の跡を、一人でも多くの方が耳にする事を祈って…


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# by malilion | 2017-10-18 00:32 | 音楽 | Trackback

ルクセンブルグ大公国のシンフォ・バンドTNNEが待望の2ndをリリース!

c0072376_11252195.jpgTNNE(THE NO NAME EXPERIENCE) 「Wonderland」'17

西ヨーロッパの真ん中に位置するルクセンブルグ大公国唯一のシンフォ・バンドだったNO NAMEが二十三年に渡る活動に2011年2月にピリオドを打ち、元メンバーの Alex Rukavina(Key)と Patrick Kiefer(Vo)が新たに立ち上げた5人組シンフォ・バンドの待望の2ndが3年ぶりにリリースされたので即GET!

1stリリース時点ではNO NAMEがどうなったのか情報不足で事の次第が不明でしたが、どうやらTNNE立ち上げ前の時点で既に解散していた模様です。
3rdアルバムリリースの後にメンバーのプライベートな理由で活動を一時休止していたのが、結果的に解散への秒読みを早めたようですね…
再起動して06年にリリースした4thアルバム「4」がなかなかの出来だった(それ以前のアルバムは皆廃盤…)のでその後の停滞が気になっていましたが、一度消えかけた情熱の炎は二度と燃え上がらなかったのか…orz
まぁ、インディ活動長かったしブレイクしたってそうそう大金持ちになれるジャンルでもないニッチな市場の音楽だし…無理ないよね…(涙

さて、ファンタジックでありながらミステリアスでほんのりダークな雰囲気を漂わす、近年のARENAっぽいジャケに俄然期待が高まる新作ですが、前作では欧州各国のバンドのテイストを取り入れつつ、如何にもユーロ圏バンドな透明感があり軽やかで叙情味あふれるサウンドをベースに、新バンドらしく若々しくメタリックなGをフィーチャーしたHMテイストも加味したバランス重視な優等生的ユーロ・シンフォサウンドに仕上げていた訳だが、続く本作でも同一路線のモダンでシャープな音像のシンフォニック・ロックを展開していて、前作が気に入った方なら迷わず購入しても後悔する事ない良作だろう。

ただ、残念な事にメンバーチェンジが起こったようで、アルバム収録前にオリジナル・ギタリスト Michel Volkmannとベーシスト Claude Zeimesが抜け、
ベースに Michel Casadei Della Chiesaを新たに迎えたギターレスの4人編成にゲストギタリストでメキシカン・シンフォ界の首領 CASTのギタリスト Claudio Cordero(!)を迎えて本作は製作されていて、随所でそのテクニカルで切れ味鋭いリード・プレイを聴かせている。

さらに収録の補佐ギタリストで Cedric Gilisがエモーショナルなプレイを聞かせているが、現在は彼がそのまま後任ギタリストとしてメンバーに迎えられ、いつも通りの5人組編成に落ち着いたのでファンは安心して欲しい。

とまれインディ・バンドながら三十年のキャリアに裏打ちされた確かな実力の程はそのサウンドに如実に現れていて、Patrick Kieferのポンプ系に多いジェントリで穏やかな歌声がややもすると優しげな雰囲気を増してしまうメロディアスなサウンドを、ちょっと『UNION』時のYESっぽい多彩な音色を奏でるカラフルなキーボードとエモーショナルでテクニカルなギターが濃密に絡み合ってピリリと引き締め、プログHM的なハードさとシンフォロック的な壮大さを巧くミックスした、前作以上に爽快感あふれる叙情派ユーロ・モダン・シンフォサウンドへ昇華させている。

高密度の音の壁で塗り固めた作りモノ臭さは薄く、適度に隙間を活かした楽器の自然な鳴りを感じさせつつもしっかりと作り込まれたプロフェッショナルなサウンドで、北欧モノほどシャープでも硬質でもなく、USAモノほどドライでもヘヴィでもなく、UKモノほど湿り気を帯びたメロディでも鬱屈もしていない、けれど微かに80年代ポンプ風な残り香が漂うメロディアスで透明感ある独特なバランス重視の中庸サウンドが実にいい塩梅なのですよねぇ~(*´ω` *)

もっともギタリスト不在がもたらしただろう前作で感じたメタリックな感触の減退、もっと言うと才気走った様な焦燥感にも似た情熱と言うか新鮮な感触が本作では薄れて聞こえ、キーボーディストの Alex Rukavinaが楽曲創作の中心な為に旧来のポンプな香りを強く残すNO NAMEっぽさが強まってしまったのと相まって、新たに獲得したファンには所々古臭く聞こえる時があってちょっとガッカリする所があるサウンドかもしれません…

まぁ、微妙な差と言えば微妙な差異なので、気にならない方にとっては些細な問題でしょうけどね。

強烈な個性のあるバンドサウンドも無論素晴らしいんですが、彼等のように奇をてらわずスタンダードな今風モダン・サウンドながらも、ちょっと古めかしいポンプチックな雰囲気も漂わすクリアーなシンフォ・サウンドって個人的に嫌いじゃないんですけどね。ええ。

ヘヴィさもスピードも強烈ではなく、超絶なテクニックを見せつけるでなし、唸る程に上手いヴォーカリストが居る訳でもなく、破天荒な勢いや抑えきれぬパッションが迸ってる事もなく、ドポップでフックありまくりな売れ線サウンドという訳じゃありませんが、彼等の灰汁の無いストレートな叙情派ユーロ・シンフォサウンドを嫌いだと言うシンフォ好きは少ないんではないでしょうか?

ハートフルなヴォーカルがしっとり穏やかに歌い上げる、モダンでシャープなユーロ・シンフォロック好きな方なら一度チェックしてみても損はない一枚と言えるでしょう。



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# by malilion | 2017-10-16 11:20 | 音楽 | Trackback

エキゾチックなフォーキー・サウンドが心地よいイタリアン・プロジェクト REVERIE。

c0072376_22051443.jpgREVERIE 「Demo 1998」'98

ROSE AMONG THORNSと一緒に転がり出てきたので、古典的イタリアン・プログバンドLETHEとイタリアン・ネオプログ・バンドTHE WATCHに参加した作曲家&ギタリストの Valerio Vadoが率いるイタリア産プログ・フォーク・プロジェクトをご紹介。

LETHEで93年にデビューした後、01年にTHE WATCHのデビュー作へ参加するまでの間の98年にREVERIEは立ち上げられ、その後は Valerio Vadoにとってのメインバンドになった。

Valerio自身はREVERIEのサウンドをエスノ・プログレッシブと定義している模様で、古代の地中海音楽とユーロ圏の現代音楽をミックスさせ、ドラムレス(デモの一時期参加してたけど…)のフォーク形態で現在まで一貫して表現している。

デモ音源デビュー当初はフィメール・ヴォーカリスト Fanny Fortunatiと全楽器担当の Valerio Vadoのデユオ形態であったが、アルバムデビュー前にデモCDを三枚リリースする間に、まずはパーマネントメンバーにフルート&マンドリンの Fulvia Boriniを迎え、続いてキーボードとクラリネット等の管楽器担当の Alberto Sozziを迎えて徐々にメンツを固め、デビューアルバム「Shakespeare, la donna, il sogno」'08 はチェロプレイヤーを含むツインギター&ツインキーボードの6人編成でリリースされた。

続く2nd「Revado」'11 でチェロプレイヤーが抜け、他メンツはそのままの5人組になり、現在の所の最新作3rd「Gnos Furlanis Il Timp Dal Sium」'15 ではフルート&マンドリンの Fulvia Boriniとセカンドギタリストの Daniele Defranchisが抜け、3人組バンドを基本にゲストを多数迎える編成になっている。

当初よりギター、マンドリン、チェロ、ピアノ、パーカッション等の古典的楽器とキーボードやエフェクト等のエレクトロニクス楽器を組み合わせ、歌詞は現代の詩人の詩を引用したり、イタリア語、英語、そしてエスペラント語などの多様な言語で表現するというコンセプト・プロジェクトなので、恐らくフロントウーマンの Fanny Fortunati嬢さえいれば音楽表現は成り立つと中心人物でありバンドそのものでもある Valerio Vadoは考えているのではないだろうか?

実際 Valerio Vadoに協力しているのはミュージシャンのみでなく、俳優や教師、劇場音楽の作曲家等も力を貸しているとの事だし、REVERIEの楽曲は、音楽療法士やミラノ商工会議所などの民間及び公的施設でのサウンドトラックとして使用されているので、一般的なバンドの作品とは若干色合いが違うと捉えた方がいいのかもしれない。

とは言え、如何にもカラーコピーというジャケのお手製R盤(タイトルが盤面に手書きっスよw)なこのデビュー・デモ音源の時点では、打ち込みドラムとプログラミングのフルート、そしてメインのエレキギターが流暢なリードプレイを繰り広げる、余り上手くないフィメール・ヴォーカリスト(今はかなりスキル向上している)をメインに据えた、ちょっとプログレっぽいテクニカルなインストパートが垣間見える野暮ったいインディ・フォーキー・バンドでしかないのだが…

海外の批評では影響が窺えるアーティストの名は、Mike Oldfield、JETHRO TULL、GENESIS、NUOVA COMPAGNIA DI CANTO POPULAIRE、GIANLUIGI YTOVESI、CORDE OBLIQUE、という事らしく、個人的にはJETHRO TULLが民族音楽をダンサンブルにプレイしているような印象を最初に持ちました。

ドラムレスなのでロック的なパワフルさは無いし、かなり民族音楽的なテイストを感じるサウンドなので、ドプログレ好きな方やシンフォ好きな方にはお薦めは出来無いが、涼やかなフルートやリズミックなタブラが大活躍するエキゾチックな香り漂うアコースティックサウンドの軽妙な絡みがお好みな方なら変にプログレと意識せず一度チェックしてみるのをお薦めする。



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# by malilion | 2017-10-11 21:58 | 音楽 | Trackback

兵どもが夢の跡…? 苦労が報われなかったマイナー・メロハーバンドTHE PROMISE。

c0072376_15422066.jpgTHE PROMISE 「Human Fire」'99

間もなく新譜がリリースされる北欧HMの雄 EUROPEですが、彼等の名を聞くといつも思い出すバンドがありまして、それが今回ご紹介する本バンドです。

同名バンドが多数存在してややこしいですが、本作はイギリスはスコットランド出身のキーボード入りツインギター5人組メロハー・バンドの2ndにして最終作であります。

彼等は80年代からUKで活躍したインディ・メロハー・バンドTOUR DE FORCEの改名バンドで、当時は4人組ツインギター編成で十年以上地道に活動を続け、そのサウンドは高い評価を得たもののグランジー旋風吹き荒れる時流も関係してか一向に陽の目を見ず、遂には一端解散してしまう…(つд`)

で、しばしの後に今は亡き新興インディ・メロハー・レーベル「Now&Then」からの求めに応えて再結成し95年にアルバムデビューを果たすが、それに合わせてUSAの同名バンドとの混同を避ける(それで同名の多いこの新名ってのもどうなの…)為にTHE PROMISEと名乗るようになります。

THE PROMISEとなる前に女性キーボーディスト Deanne Munro嬢を迎え5人組となった彼等は、FOREIGNEやSURVIVORを思わせる産業ロック寄りなものの適度に英国産らしいウェットな美旋律が光るメロディアスHRをプレイし、売りの分厚いコーラスをメインにしつつ、エッジの効いたハード・ナンバーや、お約束の泣きのバラード、そしてリリカルなキーボードの音色が美しくキャッチーなメロディ満載な楽曲のそこかしこにAORテイストも含んだ完成度が高くコンパクトなサウンドは、国内外のメロディアス愛好家に好評を博し、ここ日本でも国内盤がリリースされました。

しかし、苦労人な彼等の活動は順調に行かず、程なくしてドラマーが脱退し、続いて紅一点だった Deanne Munro嬢も寿脱退とメンバーチェンジが相次いだが、それにもめげずそれぞれ地元でメンバーを補充し、よりクオリティの高いサウンドに磨きをかけて前作より四年ぶりとなる本作を届けてくれる。

一聴して本作は前作よりサウンド全体のウェット感が増してよりユーロピアンサウンドに近づいた感触を与え、さらに前作以上にテクニカルかつエモ-ショナルでハードエッジなギターが縦横無尽に大活躍している点を見逃せないだろう。

さらにプレイヤーがチェンジしたのだから当然だが、前作では若干ポピュラーミュージック寄りな軽めで華やかなシンセ中心だったキーボードプレイが控え目になって、よりAOR的でさりげなく楽曲に彩りを添える風なプレイへシフトする事でサウンドが全体的にモダンで涼やかになり、さらにハードで切れ味鋭くなった印象を強める助けをしていると思う。

この傑作2ndをひっさげて果敢にサーキットを繰り広げ、00年にはアメリカ・ラスベガスでのLIVEまで実現させたものの、当時まだまだダーク&ヘヴィ路線のサウンドが巷で持て囃されていた為か活動は好転せず、二十年以上の活動がメジャーシーンで実ること無く2002年5月に残念ながらバンドは解散してしまった…orz

で、どうして北欧HM EUROPEの名が出てくるかと言うと、最初にこの2ndを聞いた時に連想したのが彼等が活動休止近くにリリースした産業ロック寄りなもののウェットでキャッチーなメロディが光る作風のアルバム「Out of This World」'88 や「Prisoner In Paradise」'91 の頃のサウンドに近く聞こえたんですね。

丁度EUROPEが活動休止し、そこへ現れた似たテイストのサウンドな彼等にEUROPEが休まず産業ロック寄りのセンス良いキャッチーなサウンドをクリエイトし続けてくれたならこうなってたかも、と一方的な幻想を見た訳です(汗

まぁ、今になって冷静に聞き返すとEUROPEにサウンドは殆ど似てませんし、方向性も全く違うし、インディレーベルの作品なんで完成度もクオリティもダンチなんですが、当時はそう思えたんですよねぇ~…('A`)

ともあれ彼等のUK産90年代後期メロハーは、LIONHEARTやTENなどの古き良きブリティッシュHRをベースに、AOR寄りにしたウェットなメロディが光るキャッチーなサウンドですので、キーボードが活躍する爽やかなメロディとでポップなメロハーがお好みの方ならチェックしても損は無い一品と言えましょう。



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# by malilion | 2017-10-09 15:34 | 音楽 | Trackback

秋雨の夜は、星の数ほどいるケルトシーンのマイナー・フィメール・ヴォーカルものがよく似合う…

c0072376_18332177.jpgROSE AMONG THORNS 「Highlights」'96

Elaine Morganと Derek Morgan夫妻を中心とするイギリスのウェールズ周辺で活動していたインディ・トラッド・フォーク・グループをご紹介。

フレンチ・ケルト・ミュージックを代表するアーティスト Dan Ar Brazのアルバムにも参加経験のある80年代にセッションシンガーだった Elaine MorganはTALONなるインディバンドで活動し、TALONがリリースしたシングルはBBCラジオウェールズとBBCラジオシムルの両方で最も演奏された曲の一つとなったそうだ。

その後、夫の Derek Morgan(B&Key)とROSE AMONG THORNSを結成し、「Rose Among Thorns」'90 「This Time It's Real」'92 の二枚のアルバムをリリースする。

ROSE AMONG THORNSはツインギター編成の5人組バンドで、当初そのサウンドはCLANNADとILLUSIONをミックスしたようなフォークポップ・バンド、と言われていた(らしい)。

デビュー作からして Featuring Elaine Morganとジャケに明記しちゃう Maire Brennanや Jane Relfに似た(と、評される)その可憐で美しい歌声を売りに、トラッドやフォーク、そしてプログレとポップスなどの多様なブリティッシュテイストをミックスし、クラシカルなキーボードを主軸に楽曲を展開させ、サックス、ヴァイオリン、フルート、クラリネット、ピッコロ等の管弦楽器で彩りを添えたドラマチックで華やかなサウンドは仄かにケルティックな味わいのする非常にメロディアスで口当たりの良いフォーク・ポップスで、各種フェスティバルを皮切りに、劇場や、イギリス、ヨーロッパツアー、そしてテレビ番組や各国のラジオ番組への出演を果敢に続けるもののポピュラーミュージック寄りの軽めで中庸なサウンドだったのが災いしたのか、同系統の CAPERCAILLI、CLANNAD、Loreena McKennitt等のような強烈な個性とディープな音楽性のアーティスト達のようなセールスを達成出来ず終始マイナーな存在に甘んじる事となってしまった…

95年には ElaineとDerekのデュオ名義の別バンドであるフォークロック・バンドROSEを結成し殆どROSE AMONG THORNSと同一路線の音楽性(ヘロヘロな打ち込みサウンドだけど…)なアルバム「Butterfly Dreams」をリリースしたが、その後に音楽活動は途絶え、96年には"The Cottage Demo Tapes"として知られている未発表音源と既発曲を集めたバンド名義のコンピレーションアルバム「Highlights」をリリースしたのを最後に残念ながらROSE AMONG THORNSは活動を終了してしまう。

フィメールものが苦手な自分の耳にも、強烈な唯一無二の個性は感じられなかったので巷の彼等に対する批評も概ね納得なのだが、軽めでリラックスした味のあるポップスを何気なくBGMとして流すのにはピッタリなので個人的には彼等の癖のないアルバムは気に入っております。

秋の夜長にCLANNAD系のダークでディープなケルトモノを聞いてたら、なんかどんどん気が滅入ってしまうんでね…(汗

Elaineと DerekのMorgan夫婦はその後、他アーティストのプロデュース等の裏方作業や楽曲提供を続ける傍ら、故郷のカーディフでRumney Folk Clubの運営に携わっているそうな。

02年に Elaine Morganが12曲が納められたフォーク・ソロアルバム「Shine On」を久しぶりにリリースしたのを最後に彼等はアルバムをリリースをしていない。

現在はクラブ運営と共に Fairport Conventionのメンバーらと協力して、毎年のフェスティバル運営や裏方として後進の指導等に尽力している模様だ。

オリジナル盤は概ね廃盤なのはいつもの流れだが、ジャケを変えたリイシュー盤や、未確認ながら二枚組BESTも存在する模様なので比較的簡単に彼等の音源は入手出来ると思われます。

だだ、同名同ジャンルの別バンドが複数存在するので、もし彼等のアルバムをお求めの場合はご注意の程を。


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# by malilion | 2017-10-06 18:22 | Trackback

マイナーな有名どころ(?) JAVANの唯一作をご紹介。

c0072376_15345247.jpgJAVAN 「Somewhere In The Night...」'91

リリース当時にインディ盤ながら某B誌で高評価されて話題となり、輸入盤もかなりの数出回ったのでメロハー好きなら一度はその名を耳にした事もあるかもしれない、ドイツのフランクフルトをベースに活動していたキーボード入りツインギター6人組メロディアスHRバンドの唯一作をご紹介。

デビュー作をリリースしたものの程なくして解散してしまい、残念ながら実際の活動状況が殆ど伝わって来なかった謎のバンドでもあります。

因みにCD以外にも同時期にアナログLPも同じ内容でリリースされていました。
未確認だがデモカセットもデビューアルバム前にリリースしていたらしいが現物、内容共に目にした事はありません。
近年、リプロ盤(海賊版)が出回っているので本作を実際に手にした方も多いかもしれませんね。

ドイツ産バンドだが所謂疾走系のジャーマンメタル的な要素は皆無で、キーボードを主軸にした楽曲創りが成されているのとキーボード・プレイや要所要所でのキーボードアレンジが印象的で、北欧HM風なウェットなメロディがキャッチーに展開される多分にAORテイストを含みつつ哀愁を漂わせるドラマチックな楽曲が納められたアルバムは、曲毎に若干の出来不出来はあるものの総評としては良質なデビュー作と言えるだろう。

ただ、ヴォーカルの Bernd Martinは男臭い太い声質でガナり立てる歌唱スタイルがメインなので、爽快感ある北欧HMやキャッチーなハードポップ・サウンドにジャストフィットしているとは言い難い(実際そんなに音域も広くはない)ので、バラエティ豊かで幅広い音楽性を示すカラフルなアルバムを聞き進めていくと違和感を少なからず覚えるのが難点と言えば難点か…

そんな難点をカバーするように初期HOUSE OF LORDSが北欧HMをプレイしているかのようなキーボードが大活躍する楽曲が気に入った方ならば、ハードエッジなリフ、キャッチーなメロディー、細かく練られたソロパートが散りばめられたその80年代後期北欧HM風な雰囲気のクリアーなトーンが響くサウンドに大満足な一枚であるだろう事は想像に難くない。

当時は国内盤がリリースされていたのは疾走ジャーマン系HMばかりだったのが悔やまれるが、もし彼等のような哀愁漂う美メロと泣きのメロディが売りのオーセンティックなユーロ系HRバンドにもチャンスが与えられてあの当時に国内盤がリリースされていたならば…とは、思わずにいられません。

やはり彼等の不幸は、ドイツ産バンドという情報と、ドイツ産バンドらしからぬ北欧風なキャッチーでメロディアスな透明感ある楽曲でリスナーの琴線をくすぐるタイプのソフト寄りHRをプレイしていたチグハグ感が終始つきまとった事でしょうかね…

海外でも彼等の残したアルバムは好評な模様で、GIUFFRIA、HOUSE OF LORDS、ZINATRAや1st AVENUEのようなキーボード指向のAOR&HRバンドのファン向けなバンドだと紹介されています。

因みにヴォーカリストの Bernd Martinはバンド消滅後の1996年以降、ドイツの6人組カヴァーバンドPUBCOPでフロントマンを務め、TOP40ものを基本に、AC/DC、KISS、TOTO、QUEEN、SURVIVORや Billy Idol、Alanis Morissette、さらにはRAMMMSTEIN等の楽曲をプレイする活動を十年ほど前まで続け、本家クリソツなサウンドが売りと言う音源もリリースしているので興味がある方はチェックしてみるといいかもしれない。



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# by malilion | 2017-10-05 15:24 | 音楽 | Trackback

中心人物を欠いても力作をリリース!EMPTY TREMORの今の所の最新作をご紹介。

c0072376_22113910.jpgEMPTY TREMOR 「Iridium」'10

イタリア産キーボード入りツインギターの6人組プログレッシヴ・メタルバンドによる現在の所は最新の4thスタジオアルバムを今頃ご紹介。

申し訳ない! 実はとっくに解散しているものだと思ってました('A`)

なにせ3rdアルバム「The Alien Inside」'04でフロントマンに元AT VANCEで現在は自身のソロバンドで活躍中のドイツ人ヴォーカリスト Oliver Hartmannを迎えたものの、その後の活動が洋として聞こえてこず、オマケに Oliver Hartmannは自身のバンドで活発にアルバムをリリースしていたもので…

そもそも97年にデビューアルバムをリリースし、二十年以上に渡ってイタリアのプログレッシヴ・ミュージックシーンに身を置いてきたものの4枚のアルバムと1枚のアコースティックLIVE作しかリリースしていない、アルバム間のインターバルが長い非常に寡作なバンドだっていうのも影響してるんですよね(汗

先日、何気にWEB検索したら彼等が結成二十周年記念LIVE作「Slice of live」を15年にリリースしているのを知り、さらにその前にスタジオアルバムをリリースしていたと知って慌てて購入した次第でして…

で、バンドメンツを見てアラ、ビックリ! バンドの看板でもありソロ活動やKHYMERAの活動も好評だったリーダー&バンドの頭脳と思っていたキーボーディスト Daniele Liveraniの名が無く、ドラマーも Stefano Ruzziから Dario Ciccioniにチェンジしていたのだ。

さらに前作でフロントを務めた Oliver Hartmannの名は無く(まぁ、コレは予想通り)、脱退したはずのオリジナル・ヴォーカリストの Gio De Luigiが出戻りしていたのだからややこしい。

その後の二十周年記念LIVE作で Daniele Liveraniに引き連れられて脱退したオリジナル・ドラマー Stefano Ruzziはバンドに復帰している所を見るに、これってキーボーディスト Daniele Liveraniとフロントマン Gio De Luigiの衝突が原因で一度は脱退したけど『Daniele抜けたし、じゃあ戻るよ』って流れじゃ…と、穿った物の見方をしちゃいましよね(汗

ともあれ、今はキーボーディストのみ新人 Marco Scott Gilardiを迎えて他はオリジナルメンツで活動している彼等でした。

さて、このアルバムの内容ですが、デビュー当時は間違いなく夢劇場フォロワー・バンドの一つと言えるサウンドだったが、メロハー系バンドのフロントマンでもあった Oliver Hartmannを後にフロントへ迎え入れた事からも分かるように、よりメロディアスでキャッチー、そしてソウルフルで、時にはヘヴィ、そして複雑な楽曲でありつつコンパクトに纏められたヴォーカルの表現力にフォーカスした、インストパートより Gio De Luigiの情感豊かでマイルドな歌メロ中心の楽曲構成へ現在はバンドの方向性が変化したと言えるだろう。

無論、夢劇場の残り香は未だにそこかしこに散見するものの、イタリア産バンドらしいリリカルなメロディー、重厚でソリッドなリフ、ユーロ・プログレ界の中心地イタリアに相応しいドラマティックでスリリングな曲展開、さらにセンス良いテクニカルなインストパートが絡み、そして癖の無い幅広い歌唱力を持つヴォーカリストを組み合わせることでモダン・プログレッシヴHMバンドに欠かせないものが全て揃っているバランスの良い優等生的なアルバムなのは間違いなく、正直 Daniele Liveraniを欠いた後にこれだけの作品をリリース出来るとは完全に予想外でした。

確かにそのインストゥルメンタルセクションは世界で最もオリジナリティがあるとは(Marcoは新入りなので遠慮してるのか終始控え目なプレイ)言えないし、ヴォーカリストの歌唱力も絶品と言う訳ではないが、それにも関わらず彼等のスタイリッシュなサウンド(KANSASやJOURNEYっぽいメロディが聞こえる)は聞いていて実に心地よいのです(*´ω` *)

やはりヴォーカルハーモニー多目なのと、他のプログHMバンドに比べてインストパートやソロパートが非常に少なく、ヘヴィさよりテクニカルさより何よりメロディアスさに重きを置いているサウンド構成なのが、本家夢劇場を始めその他のグロプレHMバンドではグロプレというカテゴライズ故に余り聞く事が出来無いからだろう。

ただ、プログHMとして聞くとポップで楽曲がコンパクトすぎる、という不満をプログレッシヴ・メタルファンが持つのは当然だろうし、メタリック度やヘヴィさ、そして何よりイタリア産バンドなのに強烈な個性が感じられない!と嘆く諸兄もいらっしゃるかもしれないが、このモダンでスタイリッシュでシャレオツさも漂うバランス重視でコンパクトな叙情派プログレッシヴ・メタルサウンドの完成度は認めて欲しいですね。

次なるスタジオアルバムは7年以上のインターバルが開くのは確定(涙)してしまっているが、是非とも早く新譜を届けて欲しいものであります。


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# by malilion | 2017-09-28 22:05 | 音楽 | Trackback

音楽性の拡散!? 危険な賭けに出た北欧メロハー・バンドH.E.A.T.の新作!

c0072376_20335844.jpgH.E.A.T. 「Into the Great Unknown」'17

今や北欧新世代バンドの代表格と言っても過言ではない、スウェーデンが誇る5人組メロハー・バンドが三年半ぶりに新譜5thをリリースしたので即GET!

イマイチメンツが安定しない彼等だが再びバンド編成に変化があり、13年に脱退した Dave Daloneの代わりに加入した Eric Riversが脱退し、オリジナル・ギタリストの Dave Daloneが再びバンドに復帰しての初スタジオ・アルバムとなる。

で、毎度二年ほどのインターバルで傑作メロハー・アルバムをコンスタンスにリリースしてきた彼等だが、本作リリースまでに初めて若干長めのインターバルを設けたのはさらなるバンドの進化を試みる為だったらしく、その創作の試行錯誤の結果は本作のバラエティに富んだ幅広い音楽性に如実に表れていると言えるだろう。

冒頭のリードトラックはお得意のキャッチーでスピーディーな溌剌メロハー・ブライトサウンドな曲なものの、続いていきなりバラードが飛び出してきて『!?』となり、そしてお次は一気にポピュラーミュージックに寄った所謂普遍的オーソドックスなロック曲が飛び出してきた時点で『いつもとコレは何かが違う!?』とハッキリ分かる、いい意味での驚きを与えてくれた。

実際通してアルバムに耳を傾けてみると、ハードでエッジの立った派手でトリッキーなギターソロが姿を消し、リズムの緩急は多彩になったものの以前のような疾走感は失せ、殆どミッドテンポ中心の心地よいサウンドで固められた、よりヴォーカルとハーモニヴォーカルにクローズアップした只の大衆向けロック&AORまであと一歩、というギリギリで踏ん張っているメロハー・サウンドで、楽曲によっては片足ハードポップへはみ出しているものさえあるように聞こえる。

まぁ、いつまでも新人では無いし同一路線だけを突き進むのはマンネリズムに陥る自殺行為と分かっての音楽性拡大路線なんでしょうが、彼等の若々しくキャッチーで溌剌としたキレの良いメロハー・サウンドを好んでいたファンには、ちょっとタルく感じるかもしれない……

とは言え、楽曲にはフック満載だし、キャッチーでブライト、そして如何にも北欧バンドらしい透明感と爽快感あるメロディアスサウンドなのは変わりないので、彼等にスピードやハードさ、テクニカルさ“ダケ”を求めていたニッチなファン以外はきっと本作も変わらず気に入る事だろう。

後一番気になったのは、以前はバッチリとアルバム全編にフィーチャーされていた分厚く耳に突き刺さる人工的なヴォーカル・ハーモニーの量が減り、よりナチュラルなサウンドとヴォーカルで構成されている楽曲なのは、自身のサウンドと表現力の幅が一段と広がったヴォーカルスキルに対する自信の現れのように思える。

なんだかんだ言いましたが、短くないブランクの間に楽曲を磨き上げていた彼等の試行錯誤と、音楽性の幅を広げて新たな未知の領域へ果敢に足を踏み出した勇気、そして大きくスケールアップした楽曲の魅力を讃えたい(*´ω` *)

そうそう、アルバムラストに納められている日本盤ボートラ曲は意図的にかモロに旧来のメロハーな作風の楽曲で、アルバム全体の楽曲と聞き比べるとめちゃ浮いて聞こえるけど、まぁコレは日本向けなファンサービスって事で(w

今までで一番の冒険作である本作、彼等が提示した普遍的魅力あるオーソドックスなロックサウンドを気に入るかどうか、で旧来のファンか新しいサウンドも受け入れられるファンかを試される注目作なのは間違いない。

彼等の変化の程を確かめたい方は、後はご自身の耳でチェックして見て下さい!


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# by malilion | 2017-09-26 20:28 | 音楽 | Trackback

正統派の為の正統派による正統派のバンド、再始動!(≧▽≦)

c0072376_01465993.jpgNOCTURNAL RITES 「Phoenix」'17

北欧スウェーデンが誇るメロディックHMバンドの雄、NOCTURNAL RITESが十年ぶりとなる待望の再始動作9thを遂にリリースしたので即GET!

長かった…
前作が真っ向から王道メロディアスHMへ挑んだ、正に正統派HM作の名盤だったのに、急に彼等は活動を休止してしまったのだから…(つд`)

疾走チューンが姿を消し、フロントマンもチェンジし、デビュー当時の所謂マイナー調なメロスピ好きなファンはもう居ないかもしれないが、ここまで堂々たるモダンHMサウンドを披露されてはグゥの音も出まいし、つまらない戯れ言も必要ない。

太く力強い情熱的な歌声に、小賢しいテクに逃げずひたすらにエモーショナルで美しく、そしてソリッドでヘヴィなリフを刻むギターと、絶妙なアレンジの効いた楽曲に彩りを添える控え目なキーボードの音色や、ポップになり過ぎぬコーラス、鈍色のハードさと煌びやかなメロディアスさを巧みに交差させる哀愁を帯びたリリカルな美旋律に耳を傾ければいいのだ。

無駄の無いコンパクトな楽曲に凝縮され研ぎ澄まされた美メロと、屈強で強烈なフック、これでもかと攻めてくるドラマティックで隙の無いサウンド、その威風堂々たる作風も前作同様で、まるで十年の休止期間が幻だったかのよう('(゚∀゚∩

ただ、悲しいかな決して短くないインターバルでメンバーチェンジが起きてしまい、リードギタリストが Nils Norbergから Chris Rorland(現SABATON)へチェンジし、さらに再び Chrisから Per Nilssonへチェンジして本作は製作されているが、そのサウンドに大きな影響は窺えない。

たっぷり時間をかけて製作されたアルバムだけあって楽曲の充実ぶりは素晴らしく、ミッドテンポ系チューンで固められたアルバムなのに、時にミステリアスなムードを漂わせ、時にリズミックに、時にソリッドでダークネスなサウンドを響かせ、くどすぎず、さりとてアッサリでもない絶妙なアレンジの効いた00年代型モダンHM路線の楽曲の上を、Jonny Lindkvistの熱く男臭いザラついた歌声が伸びやかに轟き、あっという間にアルバムは終わってしまう。

HMの持つ勇壮さ、北欧HMの持つメロディの美しさ、ツボを押さえた泣きのGソロ、そして前作をも上回るサウンドスケールの大きさ…うーん、ホント素晴らしい快作だ…

荒削りでメタリックなリフをタフ&グルゥビィに奏でつつも、全体をモダンでコンパクトなサウンドで纏め上げつつ真っ向から正統派HMサウンドに挑み、厳しく困難極まりない王道を突き進むその姿といったら、もう格好良すぎでしょう♪

北欧HMとは思えぬドライなサウンドだが、その実ほのかにメロディに甘味が漂ってるとこがミソなんですよね(*´ω` *)

あー、興奮して解説だか紹介だか何が何だか訳分からなくなってきてるので、つまらん御託はここらでお終いにしておきます。

モダンなサウンドの正統派HMが好きな方なら、このNOCTURNAL RITESの再始動作は決して外せませんよ!

さぁ、後はご自身の耳でチェックしてみて下さい!





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# by malilion | 2017-09-24 01:38 | 音楽 | Trackback

HEEP&QUEEN成分マシマシでELO成分減のCATS IN SPACE新作!

c0072376_16035065.jpgCATS IN SPACE 「Scarecrow」'17

前作でそのキャッチーでポップなノスタルジック・サウンドが話題になった、SWEET、AIRRACE、MORTIZ等のバンドで活動してきた古強者達によって結成された英国産6人組メロディアス・ロック・バンドの待望の2ndがリリースされた!

メンツは前作と変わりなく、
Paul Manzi(現ARENA 現RAW GLORY 元OLIVER WAKEMAN BAND 元Andy Scott's SWEET:Lead Vocal、G、Key)
Greg Hart(元MORTIZ 元IF ONLY:G、Key、Vo)
Dean Howard(元BAD COMPANY 元IAN GILLAN BAND 元再結成AIRRACE:G)
Jeff Brown(元Andy Scott's SWEET 元STATETROOPER:B、Vo)
Andy Stewart(元MORTIZ 元IF ONLY:Key、Vo)
Steevi Bacon(元ROBIN TROWER BAND:Ds)
という、名うてのベテラン・ミュージシャン等で構成されているので、そのクオリティに些かの不安もありません。

因みに30年以上行動を共にしているという Greg Hartと Andy Stewartは再結成MORTIZにも復帰しているので現メンバーとも言えます。

しかし、改めて見ると Paul Manziって懐メロHRからダーティなHM系、そしてシンフォ系にまで幅広く在籍するとは、かなり器用な歌唱スキルを持っている如何にも仕事人って感じのプロフェッショナルなヴォーカリストなのでしょうね。

Andy Scott's SWEETでベースとリードヴォーカルを担当していた Jeff Brownの歌声も個人的には好きだったので、CATS IN SPACEではバッキングとコーラス&ハーモニーのみでしかその歌声を聞けなくなってしまったのは少々残念ですけど…

で、注目は前作の借り物臭さがどう変化したのか、またその手の問題を払拭出来たかどうかという点が気になる新作ですが、ある意味で予想を裏切る良作となったように個人的には感じました。

一番大きく変わったと感じるのは、前作で聞けたシャレオツでポップなELO風な雰囲気は薄れ、逆にHEEP風&QUEEN風なキーボードとコーラス、そして Brian May風なギターの割合(それ以外にも、かなり露骨なQUEEN臭が…)が増えて全体的にレイドバックした雰囲気とうっすらプログレ・テイスト(ポンプやシンフォじゃないトコがミソ)が漂っている、80年代風ハードポップ色が薄れて70年代後期風HR色が強まった点でしょう。

売りのメロディアスでポップな分厚いハーモニーヴォーカルが如何にもUK風(HEEP風)になって前作のアメリカン・テイストな朗らかなフィーリングが弱まり、さらにサウンド全体のヘヴィさとパワフルさが増してググッと骨太でドラマティックな70年代後期HR寄りになった感触だ。

90年代初期のHEEPに近いサウンド(コーラスはこっちのが断然綺麗)にSUPERTARNPやSTYX、そしてQUEEN風のキャッチーな70年代ロック・テイストをまぶし、叙情的で哀愁溢れるウェットなユーロピアン・メロディを保ちつつ、現代的なサウンドへ磨きをかけてモダンな今風サウンドに仕上げたイメージと言えば伝わるだろうか?

もっとぶっちゃけると1枚だけLIVE作を残して一年足らずで解散した再結成SWEETのスタジオ新曲のサウンド(ドライなサウンドだったけど)にかなり近い感触に思えるのだが、例えがマイナー過ぎて誰も分からないか…(汗

未体験故に憧憬を隠さずまんま70年代サウンドへ傾倒する新人バンドは結構耳にするが、微妙に80年代テイストも加味して古臭いのに新しいサウンドをクリエイトする居そうで余り居ないキャッチーな懐メロモダンHRサウンド路線を彼等は狙っているようで、90年代からのグランジーの波に呑まれなかったらシーンのメインストリームサウンドはどうなっていたのか? という失われた過去を描いている風にも聞こえて大変興味深いですね。

まぁ、狙っているその路線は当時売れなかったサウンドな訳で危険な賭けにも思えますが、今の耳で聞くと不思議と新鮮な感触を覚えるので、意外にこのモダン・ノスタルジック路線は多くのミュージシャンが無視している忘れられた路線で実は大穴かもしれません。

ただどうしてもどこかで聞いたようなフレーズだったりアレンジ、サウンドだったりが耳に付く(実は意図的?)のは前作と変わりなく、完全に借り物臭さを払拭出来たとは言い難い点が、出来のいい作品だし個人的にも好みであるだけに余計に残念な点であります。

後は前作でのELO風味が好きだった方にはちょっとガッカリな方向へ進んだとも言えますけど、まぁ、ELOの後追いは本家の元メンツでさえ苦労しているので絶対失敗(Jeff Lynneは偉大だ!)するのが目に見えているのだから、今回の選択は正しかったのじゃないかと…(汗

次作こそはオリジナリティという点をもうちょい考慮してさらにサウンドに磨きをかけて欲しい、そんな80年代、70年代好きにお薦めな懐かし系ポップ・ロックバンドですので、まだ彼等のサウンドを耳にした事がない方は是非一度チェックして見て下さい。



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# by malilion | 2017-09-20 15:56 | 音楽 | Trackback

さらにユーロピアン・シンフォサウンドに磨きをかけたDRIFTING SUNが新譜をリリース!

c0072376_16395112.jpgDRIFTING SUN 「Twilight」'17

以前のプロジェクト体制では寡作だったが、復活して以来コンスタンスに作品をリリースしてその創作意欲の高まりを知らしめているフランス人キーボーディスト Pat Sanders率いるユーロ・シンフォ・バンドの5thが1年ぶりに届けられた。

前作で一気に数段上のレベルへ駆け上がりやっとメンツが安定したかと思ったのも束の間、毎度お馴染みのメンバーチェンジが起こった模様で、ギタリストを Dan StoreyからPINK FLOYDやGENESISをルーツに持つシンフォ系マルチインストゥルメンツ・プレイヤー Franck Carducci(B、Key、G、Ds、etc)のバンドでリード・ギタリストを務めている Mathieu Spaeterへチェンジし本作は製作されている。

『ワンマンバンドだしギターが変わっても影響無いでしょ?』という予想を覆し、それまで主にキーボードの音色のみで構成(ワンマンバンドの弊害ですね…)されていた楽曲構成に、少しYES風な繊細でエモーショナルなリードギターが時に切なく咽び泣き、時にウットリするような優美なメロディを紡ぐ、そんな哀愁を帯びたウェットでデリケートな音色が加わって変化と深みが生まれ、さらにメロゥでキャッチーな歌メロや憂いを漂わすファルセット・コーラスも相まって、如何にもユーロ・シンフォバンドというリリシズムあふれる美しいサウンドとドラマチックな楽曲展開が頭から最後まで貫かれていて、前作で彼等の事を気に入った方ならば満足間違いなしな同一路線の痺れる一枚に仕上がっている!('(゚∀゚∩

そんな Mathieu Spaeterのプレイに触発されたのか Pat Sandersのキーボードプレイにも変化が見られ、これまでややもすると自己主張の強い音の壁を築いてばかりいた彼だが、本作では一歩引いた優美で気品ある鍵盤サウンドを奏でることに注力しているようで、結果的にそれが“押しと引き”を引き立て、ユーロテイストたっぷりな楽曲の陰影を一層に際立たせる相乗効果を生み出しているように思えます。

ただ、前作と同一路線なものの若干ロック的なダイナミスク(このヴォーカルにシャウトは似合わない)やメタリックなテイストは減退し、その分楽曲のメロディアスさや優美さが強く押し出された、良く言えば繊細さが増した、悪く言えば軟弱になった、とも言えるので、その辺りで好みに差が出るかもしれません。

復活前は如何にもGENESISの傍流というフォロワー丸出しの凡庸なポンプサウンドだったが、前作からの急激な進化が更に進み、オリジナリティの確立とA級にあと僅かという極上のB級インディ・シンフォレベルへ到達しているのが大変喜ばしいですね(*´ω` *)

ヨーロピアンな優美さが光るシンフォ・サウンドがお好みの方ならチェックして置いて損はない一枚ですよ! 毎度お馴染み自主盤なので、お求めはお早めに!



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# by malilion | 2017-09-18 16:33 | 音楽 | Trackback

二人目の出戻りフロントマンを得て、UKプログHMバンドTHRESHOLDが新譜をリリース!

c0072376_22454611.jpgTHRESHOLD 「Legends Of The Shires」'17

UK古参プログレッシヴ・HMバンドの3年ぶり11枚目となる2枚組最新スタジオアルバムが発売されたのでGET!

久しぶりの新作なんですが、元々コンスタントにアルバムをリリースする彼等ですし、間にLIVE作を挟んでいるし、AUDIOPLASTIKやHEADSPACEやセッション等々で各メンバーは活発に各自活動していてるし、ボスの Karl Groomはサイドプロジェクトやプロデュース業で年中多忙でその名をしょっちゅう見かけるし、3年ぶりだなんて全く思えませんよね。

初期からメンツの入れ替わりが激しい彼等ですが、またまたメンバーに変動があった模様で、サイドギタリストの Pete Mortenが抜けて再びシングルギター編成の5人組になり、さらになんと二代目フロントマンの Glynn Morganが二十数年(!)ぶりに復帰しての2枚組コンセプト・アルバムとなっています。

2011年に夭逝した3代目フロントマン Andrew "Mac" McDermottに代わって初代Vo Damian Wilsonが出戻りした時は、一体いくつのバンドを掛け持ちしてるんだってくらいそこら中のプロジェクトやポンプバンドに参加して作品をリリースしている彼の事なので驚きはなかったのですが、加入して早々に音楽性の違いで袂を分かった Glynn Morganがまさか再びバンドへ出戻りするとは予想外でした。

で。内容の方ですが、のっけからガッツリ骨太なファストリフが飛び出すドライブ感バリバリのソリッドでメタリックなGと美意識溢れる繊細なアレンジを随所で聞かせる優美でテクニカルなKeyを軸に、英国叙情漂うウェットで重厚なメロディと心地よい爽快なコーラスが印象的な定番のTHRESHOLD節をキープしつつ、お馴染みの変則ビート&テクニカルなセクションで複雑に構築された躍動感溢れるドラマティックなサウンドでスリリングに攻め立て、随所で哀愁香る濃密なロマンティックさ、そして予想を上回るキャッチーなフックと一糸乱れぬアンサンブルを聞かせる、流石はベテランという安定感抜群な一作だ。

何より嬉しいのは、ここ数作のマンネリズムや閉塞感を打ち破る Glynn Morganの若々しく情感たっぷりな力強い歌声が新鮮な息吹を楽曲に呼び込み、初期のような瑞々しい艶やかさや煌めきがサウンドのそこかしこで感じられ、ベテランらしい構築美に満ちたアルバムの完成度もさることながらいつになくフレッシュでエモーショナル、そしてポップな感触が楽曲に満ちていて、間違いなくこの魅力的なバンドの屈指の傑作アルバムとなるだろう。

あと本業以上に忙しく裏方作業をこなしている成果か、Karl Groomのエンジニアリングとプロデュースが隅々まで行き届いた音の良いアルバムな点もファンならずとも嬉しい所ですね(*´ω` *)

メンバー自身がバンドの新章がスタートしたと語るに相応しい新鮮な輝きと魅力に満ちあふれているこの新作、いつものマンネリサウンドに飽き飽きしていた、っていう元ファンな方やテクニカル・グレHMバンド好きな方に是非一度チェックしていただきたいですね。



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# by malilion | 2017-09-15 22:39 | 音楽 | Trackback

ドイツのプログハードSARIS、久しぶりの新譜はスケール感マシマシでもポップでキャッチー♪

c0072376_12322834.jpgSARIS 「Ghosts Of Yesterday」'17

Derk Akkermann(G&Key)率いるドイツ産メロディック・ハード・プログレ・バンドの再結成後の3作目となる3年ぶりの自主制作4thアルバムをGET!

突如06年に復活してから断続的に音源をリリースする彼等だが、前作が5年のインターバル後のリリースだった事を考えると比較的早めに新譜をリリースしてくれた事になるのかな?

で、このインターバルでまたメンツ変動があった模様で、前作で影の薄かった復活後ツインヴォーカルの片割れ Thomas Hackmannが案の定姿を消して6人組から5人組バンドへ体制が変わっている。

と、言っても前作の時点でトリプルヴォーカリストを抱えるものの実質 Thomas Hackmannはバッキングヴォーカルでだけ参加の Henrik WagerとAnja Gunther嬢のツインヴォーカル状態だった訳だから、メンバーチェンジによるヴォーカルパートの大きな変化は聞き取れないのでファンはご安心を。

前作の時点でプログハードバンドとは言えコーラスパートをたっぷりフィーチャーしたキャッチーな歌メロが耳に嬉しいポップ寄りサウンドになっていた訳だが、本作でもホンプチックなシンフォニック・キーボードの比重は決して多くないものの、『ココ!』と言う所で美しいオーケストレーションが使われたりするので初期からの叙情的でクラシカルな美しいメロディを保ちつつ効果的に重厚さと荘厳さを巧く醸し出し、まだまだプログレ・ハード・バンドのスタンスを保っているのは見事の一言。

前作からより大衆向けサウンドへ接近し先行きに少々の不安を感じさせたが、続く本作では複雑で分厚いコーラスとネオプログレ的なドラマチックなインストパートでダイナミックなサウンドを紡ぎ出し、前作で垣間見えた軽薄さを払拭してスケール感を増したサウンドを聞かせる事に成功しているのは、ひとえに Derk Akkermannによる目立たないが効果的な絶妙のアレンジ力と七色に変化する印象的なキーボードの音色、そして楽曲にフックを生み出し惰弱になりがちなコーラスメインのサウンドを引き締めるハードなギターリフによるものだろう。

ドイツ産プログレハード・バンドに有りがちな生真面目で重苦しい鈍色なヘヴィ・サウンドのイメージは全く無く、むしろキャッチーで爽快感あるサウンドはドイツモノ好きな方からすると好ましくないのかもしれませんが、SAGAなどのカナダモノに近い柔和さと雄大なスケール感を漂わすドラマチックでありながら適度にポップなサウンドはよりメジャー指向が強く、耳にした方の多くが好ましく感じるに違いありません。

惜しむらくは、こんなにメジャー指向なサウンドなのにバンドの知名度が皆無に近いと言う事でしょうか…

個人的にはこの手の初期のサウンドイメージと違う変化してポップでテクニカルになったバンド(SWEETとかNAZARETHとか…)のサウンドって奴が大好物なのですが、この手の展開するバンドって必ずといっていい程売れないし顰蹙を買うんですよね…特にコアな支持層が地盤になるインディバンドだとソレが顕著で…(つд`)

もはやプログレのカテゴライズで語るべきではないバンドなのかもしれませんが、ポップ寄りなグロプレサウンドもいける、って方は是非試してみて下さい!


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# by malilion | 2017-09-10 12:25 | 音楽 | Trackback

北欧スウェーデンの新世代ハイブリッドHRバンドDEGREEDが4thをリリース!

c0072376_19143191.jpgDEGREED 「Same」'17

一ヶ月前から予約してたのに見事にKONOZAMAを喰らいご紹介するのが少々遅れた(涙)が、北欧スウェーデン新世代ハイブリッドHRバンドが約二年ぶりに放つ新作フルアルバムを無事GET!

前作は何故かその高い完成度にも関わらず国内リリースが見送られたが、今回は無事に国内盤がリリースされ大変目出度い!
やっぱり一人でも多くの方に彼等の事を知って欲しいものね(*´ω` *)

前作でギターが一人抜けてフロントにVo兼Bを据えた4人組バンドになった彼等だが本作でのメンツの変動はなく、ファンは一安心といった所だろう。

レーベル移籍に伴い心機一転セルフタイトルのアルバムをリリースしたのだろうが、キャッチーでポップでありながらUSA系のような脳天気な朗らかさは薄く、ユーロテイスト漂うウェット感と北欧系特有のキラキラしたキーボードと透明感あるメロディ、メインリフでヘヴィに攻めつつサビでは突き抜ける爽快感とフック満点な分厚いコーラスというデビュー時からの方向性は変わる事なく、楽曲の完成度やアレンジの妙、そしてモダンなサウンド造りとバンドが持つ魅力をより一層に磨き上げ、さらにドラマティックさとダイナミックさ迸るサウンドスケールも一回り大きくメジャー級へと逞しく成長させた、正しくバンド名を冠したセルフタイトル・アルバムに相応しい彼等の“全て”を詰め込んだ現時点での最高傑作なのは間違いない。

前作からキーボードの割合が増えたように感じていたが、本作ではソロタイムもバッチリ収録とさらに煌びやかなキーボードの比重が増え、幾分テクニカルさ推しな要素が薄れて、よりストレートでスマートな楽曲構成になったのも聞きやすさとキャッチーさ、そしてシンプルな楽曲構成故にメロディの美しさが引き立つ効果を生み出しているように思う。

まぁ、シンプルになったと言ってもそれは以前と比べての話で普通のHMバンドと比べりゃ十二分以上にテクニカル(サラリ、とテクい事してるから分かりづらい…)だし、アグレッシブでありつつ美しいメロディを紡ぐ Daniel Johanssonのエモーショナルなギタープレイは、多くの要素を高い次元で融合させた極上のメロディアス・ハードサウンドをコンパクトでモダンな手法で聴かせているので、彼等のテクニカルな所に惹かれたファンの方でも決してガッカリする事はないでしょう。

相変わらず Robin Erikssonはパワフルに、そして時に繊細な歌声を聞かせてくれ、元々巧い唄に今まで以上に熱さとスマートさを兼ね添えた説得力を持たせているし、今回は今まで以上に Micke Janssonのキーボードが大活躍(楽曲の殆どを手がけてるのも大きい?)しているしで、ホント大満足な一枚です(*´ω` *)

しかし、ここまでレベルの高いスケールの大きいサウンドを叩き出す優良バンドが未だにメジャーレーベルに所属していないというのに驚かされる。
欧米のシーンじゃ彼等以下レベルのバンドがメジャー所属なのが、どう考えても理解出来ませんわ……

後は知名度アップくらいしか彼等の弱点は見当たらないので、新譜発売に伴う活発な活動を通してその名をシーンに轟かせて欲しいものです。


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# by malilion | 2017-09-07 19:06 | 音楽 | Trackback

古かろうと新しかろうと安定のメロディアスサウンドを届けてくれる北欧ソロアーティスト PEOが新作をリリース!

c0072376_00340571.jpgLIMITED EDITION(Feat.Peo) 「No More Running」'17

古くは北欧HRバンド AXIAのヴォーカリストとしてマニアには知られた存在な、スウェーデン・ソロアーティスト Peo Pettersson関連の作品が同時に二枚リリースされたのを即GET!

LIMITED EDITIONは、NOCTURNE ALLIANCE等と同じくPeoが2000年代初頭に数多くコラボしていた創作活動の一つで、それ以前の80年代中期から Dan Bostroem(G)とのコラボ・ユニットであるKINGS & DREAMSの方が14年に一足先に音源発表を果たした訳だが、こうしてやっと噂の音源がリリースされる事になったのを喜びたい。

と言うか、Peoさん一体どれだけコラボしてるのか正直把握しきれないくらい昔からコツコツと多方面で創作活動していて(汗)、まだまだ陽の目を見てない音源が多数ある模様で、そっちも早く聞かせていただきたいものである…

ジャケにクレジット等が一切ないので参加メンツ等について不明(ジャケ裏にメンバー写真はあるけど…)なので録音時期など仔細は全く不明です(汗

さらにバンドサイトも無い模様で、きっとかなり長い期間をかけてコツコツ録音された古い音源の集合体なのでしょう。

サウンドの方は全体的に80年代中期風の北欧HR(多分にスリージーでロックンロール成分あり)と言う感触で、残念な事にリードヴォーカルをPeoがとっていない楽曲も多数含まれている('A`)
というか、もしかしてフューチャリングPeoとはなっているが、本作においてはPeoはギタリスト兼サイドヴォーカリストというスタンスで(!?)参加しているのかも?

なので、メロハー・アーティストのPeoのソロ作を気に入っていた方にとっては、いつもの求めている音とはかなりズレているサウンドと言える…

とは言え、Peoがリードヴォーカルをとる楽曲では、ちょっとヘヴィで70年代HR風味が香るオルガンが唸りを上げ、ハードなギターがブルージーに噎び泣くものの総じてキャッチーでスピーディな北欧メロハー・サウンドを聞く事も出来き、レイドバックしたそのレトロ風味なサウンド好きな方やPeoが最初期に参加していた北欧HRバンドAXIAのサウンドなんかが気に入っていた方なら多少趣は違うものの古典HRなのできっと御気に召すのじゃないかと。

まぁ、リードヴォーカリストのベシャっとツブれたようなダーティーな錆声は好き嫌いが分かれるのは間違いない。
カントリーとかブルーズとかにはマッチしそうな声なんですけどね…メロハーにはちょっとキツいなぁ…('A`)

なんだかんだ苦言を呈しましたがあくまでメロハー好きという観点からだけで、むしろPeoどうこう無しでパープル系な疾走する70年代UK風HR(北欧ミュージシャンはホント好きですなぁ)が好きな方(元ネタが透けて見えてるのが微笑ましい)はチェックしても損は無い一枚と言えるでしょう。

c0072376_00343620.jpgPEO & ROD WEST 「Two Worlds」'17

続いては、北欧メロハーの名盤の誉れ高いPeoのソロ・デビュー作「Look What I've Started」'95 を共作し、4thアルバム「Better Not Forget」'09でも一緒にプロデュースをしていたお馴染みオーストラリアのライター Rod West氏との再びのコラボレーション作をご紹介。

本作ではPeoはギター、キーボード、ヴォーカルとここの所の幾枚かのアルバムで他人に任せていたパートもしっかりプレイしている他は、リズム隊の二人だけ参加の3ピースバンド体制で製作されている初期風の造りで、それも影響しているのかデビュー・ソロ作に近い感触を覚え、シンプルでストレート、そして爽快でキャッチーな所謂Peoファンが彼に求めているだろうリラックスしたポップロック作だ。

幾分かポピュラーミュージックに寄ったAOR風サウンドなので少々ロックテイストは弱めでメロハー作とは言い難いかもしれないが、相変わらずの抜群に巧い歌声と北欧ミュージシャン特有の透明感あるメロディアスな楽曲が十分に堪能出来るのは間違いない。

スピーディーで爽快なロックテイストは弱まっているが、替わって落ち着いたアダルトな雰囲気と深い味わいが表現された大人なサウンドで個人的には大変良いアルバムだと思うのですが、初期の彼のソロ作のサウンドが好きな方には少々物足りなく感じられるかもと予想も出来るので、後はご自身の耳でチェックして、コレは“アリ!”なのか“ナシ!”なのかジャッジされるのが宜しいかと。

二枚とも相変わらずのR製CDなのが悲しいですが、このR盤が売れて資金が貯まったなら是非ちゃんとしたデュプリ盤をリリースしてくれる事を祈って…



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# by malilion | 2017-08-25 00:21 | 音楽 | Trackback

USAシンフォ FOREVER TWELVEに元MARS HOLLOWのフロントマンが加入して久しぶりの新譜リリース!

c0072376_00375375.jpgFOREVER TWELVE 「Home」'17

7年ぶりの新作となったアメリカ産シンフォ・バンドの4thがリリースされたので即GET!

この短くないインターバルの影響でかメンバーチェンジが勃発した模様で、ヴォーカリストが女性から男性へチェンジし、ベーシスト不在の4人組としてこの新作は製作されている。

新たにフロントマンに招かれたのは、YESへの憧憬を隠さぬサウンドを聞かせたUSAプログレバンドMARS HOLLOWに在籍していた John Baker(Vo、G)で、12年リリースのシングルの時点でゲストヴォーカルとしてその歌声を既に披露していたが、当時はまだMARS HOLLOWが解散するかしないかの瀬戸際だった為かヘルプ扱いだったのだろうが、今回こうして晴れて正式メンバーとしてその歌声を届けてくれたのをまずは祝福したい。

元MARS HOLLOWのリズム隊は一足先に新バンドHELIOPOLISを結成してアルバムデビューを果たし、そのバンドメイトも BOX OF SHAMANSのデビュー作までリリースしている訳だが、少々遅れてではあるが元MARS HOLLOWのフロントマンであった John Bakerもこうして再び表舞台で活動を再開したのを見ると、何気にMARS HOLLOWって後々2010年代USAシンフォ・バンドの歴史的に重要なバンドっていう位置づけになったりして(w

さて、フィメール・ヴォーカルのシンフォ・バンドとして以前から彼等のファンだった方にとっては一番の注目点だろう新フロントマン John Bakerの歌声だが、MARS HOLLOWはYES系シンフォ・バンドだったものの定番のアンダーソン症候群(地声が似てない。若干、高音域で似せてなかくもなかったかもだけど…)ではなく、シャウトする事もガナる事も無く高めの中性的な地声で柔和な歌声を聞かせるユーロポンプ系スタイルだった訳だが、本作では若干高音を多様するような歌い方に変化し、前作までは可憐なフィメールヴォーカルに野暮ったい野郎声の多重ヴォーカル・パートやバックコーラスが絡む楽曲も多々聴かれたが、この新作ではMARS HOLLOWでは聞けなかったヴォーカル多重録音のYES的一人コーラス(他メンバーの下手糞コーラスを捨て去ったのは英断!)を John Bakerが披露し、専任ヴォーカリスト故かヴォーカル・パフォーマンスは以前以上に張り切っているのが分かる。

USAプログレ・バンドは昔からYES影響下にあるバンドが多くこのバンドもその例に漏れない(GとかBが露骨…)訳だが、それだけでなくMARILLION、CLEPSYDRA、FLAMBOROUGH HEAD等の近年のシンフォ系バンドの影響もチラつくモダンなサウンドが特徴で、この新作もUSAシンフォ・バンドらしいスピード感と、テクニカルでエモーショナルなギターと繊細で華麗な音色を響かせるキーボードが絡み合いながら屈折した展開を見せる楽曲でありつつ妙なヘヴィさの無い、アメリカ産らしい抜けの良い透明感あるクリアサウンドを披露しているので旧来からのファンもご安心いただけるかと。

と言うか、男性ヴォーカルになった事でかバックのサウンドもその歌声に負けんばかりにパワフルでシャープなモダン・サウンドへ一気に数段上のレベルへステップアップし、これまでのインディ臭いアンダーグラウンド臭が一気に払拭される相乗効果も生み出す事になったのは予想外でした(*´ω` *)

今回のメンバーチェンジはバンド存続の危機が好機に転じた良い例なのでしょうが、ただ良い事ばかりでもなく、以前の女性がフロントマンだった頃はバンドサウンドはYESの影響が色濃く窺えようとも聞こえてくる可憐な歌声で幾分その印象が薄れていた訳だが、男性ヴォーカルになってロック的なダイナミスクがサウンドに生まれると類型的なYES系サウンドへ接近して聞こえるというネガティヴな問題も露骨に前面へ浮かび上がってきてしまっているので、そこは以降の大きな課題と言えるでしょう。

まぁ、YES系シンフォ・サウンドはプログレ好きにはウケの良いジャンルというか一つの売れ筋カテゴリーなので、それはそれで有りっちゃ有りとも言えるんですけどね…(汗

本作では John Bakerはヴォーカルに専念しギターは一切プレイしていないが、もしかしたらLIVE等では音の厚みを出す為やよりテクニカルな楽曲をパフォームする為にプレイするかもしれない(プログレ・バンドのインストパート中ヴォーカリストは暇だものね…)ので、次作でその辺りがどうなるかも注目したい点だ。



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# by malilion | 2017-08-24 00:32 | 音楽 | Trackback

ベテランHRバンドの意地を見た! LUCIFER'S FRIENDの新作!('(゚∀゚∩

c0072376_00041431.jpgLUCIFER'S FRIEND 「Too Late For Hate」'16

URIAH HEEP二代目ヴォーカリスト John Lawtonが元在籍したバンドとしても有名なドイツの古参HRバンドの再々結成後初の純然たる新作を、かなーり遅れてGETしたのでご紹介。

以前ここで紹介した再々結成第一弾「Awakening」'15 が肩慣らし的な過去曲リマスターBEST+新曲4曲という変則的なアルバムで、収録されていた新曲の出来が今一つパッとしなかったので購入を躊躇っていた訳だが、この新作を聞いた方ならそれは杞憂だと即理解されるはず。

本作からキーボーディスト Jogi Wichmannを新たに迎え、昔ながらの五人編成バンド(オリジナルメンツ3人+新人2人)へ体制を整えたのも何かの科学反応を誘発させたのか、BEST盤収録の新曲のつまらなさが嘘のような充実の内容で、適度にハードでありつつ、キャッチー且つコンパクトでフック満載な古典HRのメロディアス・チューン(しかも、ちゃっかりモダンなアレンジもされてる!)がズラリと並ぶなかなかの力作となっている。

ただ売りの一つだった John Lawtonのハイトーン・ヴォイスはさすがに年齢的にもう聞く事は叶わないが、その代わりといってはなんだが実に深みある中音域のメインの歌唱法にチェンジしていて、その艶やかで魅力的な歌声はハイトーンが無くとも凡百のヴォーカリストなんぞ敵わない巧さと味を醸し出し、さすがはベテランといった貫禄を見せつけている('(゚∀゚∩

最先端のHMサウンドではないし、特に凝った展開の曲がある訳ではないが、じっくり聞き込むとオーソドックスな展開の楽曲のそこかしこに顔をだす細かなアレンジだったり、バックのコーラスだったり、キーボードの使い方や後ろでリズムを刻むギターだったりの音色やアレンジ等々に地味に拘りまくりな跡が窺える、これまで音楽性を拡散させてきたベテランならではの小技がしっかり効いている力作と言えましょう。

1970年アルバム・デビューなのでメンバーフォトを見るまでも無くオリジナルメンツは皆好々爺然としていて以前のようなスピードチューンはさすがに厳しいのか収録されておらずミッドテンポな楽曲ばかりなのでその手を求める方には向かないのは明らかだが、ベテランならではの絶妙なアレンジの効いた古典メロディアスHRサウンドをじっくり味わえる方になら、絶対に気に入って貰える一枚だ。

最近のハードでファストなサウンドを聞き慣れている方には少々刺激が足りない音かもしれないが、ちょいちょいモダンなアレンジ(地味にキーボーディストの小技が効いている)も顔をだして、簡単に懐メロバンドにはならんぞ!と、リーダー Peter Hesslein(G、Key)の現役への拘りとプライドが感じられて実に微笑ましいのです(*´ω` *)

これが最終作と言われても驚かぬベテランの彼等ですが、出来る事ならもう少し活動を続けて新たな一枚を一日でも早く届けて欲しいものであります。



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# by malilion | 2017-08-21 23:57 | 音楽 | Trackback

TNT+STRYPER=ANGELICAってイメージのバンドご存じ?

c0072376_20070444.jpgANGELICA 「Walkin'in Faith」'90

初代KANSASフロントマン Steve Walshのソロ新曲「Born In Fire」が英ラジオ番組『Steve Price Rock Show』で解禁された。

カナダの4人組CCM系メロハー・バンドANGELICAの2ndに参加していた二代目ヴォーカリスト Jerome Mazzをフィーチャー(存在感余り無いけど…)したハードにドライヴィンするキャッチーな新曲で、11月に発売されるという前ソロ作から5年ぶりのソロ・アルバムに収録される予定らしい。

との最新情報を目にして、本日は久しぶりにカナダ人ギタリスト Dennis Cameron率いるCCM系メロハー・プロジェクトバンドANGELICAを引っ張り出して聞いておりました。

このANGELICA、デビュー当時はイマイチ不明な点が多く、1stのバンドメンツが並ぶインナーの写真を見ると Andy Lyon(Vo)、Scott Ernest(Ds)、Robert Pallen(B)、Dennis Cameron(G)の4人が収まっているのですが、実際アルバムに納められている歌声はDRIVERプロジェクト(Rudy Sarzo、Tommy Aldridge、Tony MacAlpine、Rob Rock)でその歌声を披露していた、後にIMPELLITTERIで長らくフロントマンを務める事になる Rob Rockと何故か一曲だけ 当時SHOUTで活動中の Ken Tamplinが歌声を披露しているというクレジットとパフォーマーが一致していない怪作で当時『一体コレはどういう事なんだ?』と頭を悩ましたものでした(汗

まぁ、後にDennis Cameronが語った所によると、デビュー作をカリフォルニア州コスタ・メサで89年に録音していた当時、まだまだ経験不足だった各メンバー、特にヴォーカリスト Andy Lyonのヴォーカル録りとプロデュースに力を貸してくれるよう同好のクリスチャンメタル・ミュージシャン Ken Tamplinを招いたもののそのプッシュに Andy Lyonが燃え尽きてしまい、急遽 Ken Tamplin人脈の Rob Rockを招いてヴォーカル録音を行った、というのが真相のようです。
それで責任を感じたのか Ken Tamplinも一曲で歌声を披露してたんですね…

面白いのは Ken Tamplinの提案ではヘルプで呼べるクリスチャン・ミュージシャンのヴォーカリストは二人いて、一人は Rob Rock、もう一人はALLIESでの活動の後ソロ・アーティストへ転向するアノ Bob Carlisleだったという事で、もし Dennis Cameronが Bob CarlisleをチョイスしていたらANGELICAの活動にその後どういう展開が待ち受けていたのかと妄想してしまいますねぇ…

恐らくその時点では Andy Lyonの心の傷が癒えてフロントマンに復帰させようと思ってメンバーショットとクレジットは元のまま(Rob Rockは完全にヘルプで加入するつもり皆無だった)にしておいたんでしょうが、結果的に自身のヴォーカルレベルと Rob Rockの歌声の差を無残にもハッキリと自覚させられ歌声をレコードに残すことなく脱退してしまい、続く2ndで Jerome Mazzが加入(Dsは居ない状態で2ndは製作されている)する、という経緯なのでしょう。

パワフルで野太い地声でハイトーンもこなす濃い目な歌声の Rob Rockと打って変わって、甘い声質な Jerome Mazzのクリアなハイトーン・ヴォーカル(ちょい John Elefanteに似てる?)は如何にもCCM系という声なので、Steve Walshの上から下までカバーするパワフルな歌声とかなりの音域で被ってしまい、「Born In Fire」ではイマイチその真価を発揮出来ていないように聞こえますが、まぁメインは Steve Walshの歌声なんでそれも当然っちゃ当然ですけど…(汗

CCM系HMに共通なキャッチーなメロディと分厚くクリアなコーラス、そしてコンパクトな楽曲の中で光りを放つ Dennis Cameronのテクニカルなギターというコンセプトは、再びフロントマンを Drewなるアメリカ人シンガーにチェンジした続く3rd(国内盤も出た!)「Rock,Stock&Barre」'91、4th「Time Is All It Takes」'92でもデビュー以来一貫して変わりないので、彼等の4枚あるどのアルバムを聞いて気に入って他のアルバムを買おうかと悩まれている方がいても、問題なく他のアルバムもお薦めできるレベルです。

個人的には一番HMらしい音像でストレートでパワフルな歯切れ良い1stより、よりポップでキャッチーさが増したこのマイルドで爽快なサウンドのCCM系メロハーな2ndの方が好みのアルバムですね。

薦めておいてなんですが、あえて苦言を申しますと、3rdはちょっとベースが五月蠅いし自己主張し過ぎかな、と…後、横ノリなアメリカン・ロック要素が増えてストレートな爽快感が後退してるように感じます。
4thは、バンド崩壊の影響か一気にドライで作りモノ臭い安っぽい音になってポップさやキャッチーさがメインでない所謂時流を意識したパワフルなサウンドになってしまい、これまで彼等を好ましく思わせていた耳を惹く歌メロや楽曲のフック、そして爽快感というものが減退してしまったのが少々残念でした。

Dennis Cameron的にはやっとメンツ固まってバンド体制になった3rdからが本当の出発だと思っている模様ですが…でも、続く4thでデビュー以来の盟友だったはずの Robert Pallenさえ脱退し、Drewと二人だけのデュオ体制になってしい、結局は終始プロジェクトというイメージも実態も覆せなかったんですよね…(つд`)



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# by malilion | 2017-08-09 20:02 | 音楽 | Trackback

過去と今、そして未来…未来あるの? GLASS TIGERのBEST

c0072376_23500753.jpgGLASS TIGER 「Then Now Next」'12

ちょい前に紹介したカナダのハードポップバンドの今の所、最新作BESTを購入したのでご紹介。

タイトルが示す通り、数曲の新曲といつもの代表曲(のシングルバージョンとラジオエディット)を納めたBEST盤なのでアルバムを既に持っているファンでも安心して手が出せる品です。

で、注目は新曲の出来ですが、初期の雰囲気に近い感覚もありつつ今風なモダンなアレンジを成されたキャッチーでコンパクトな佳曲ばかりで、なかなかそつない手堅い仕上がりになっております。

旧曲の方もリマスタされて今の耳で聞いても遜色ないレベルに磨かれているし、その上シングルバージョンでアッサリ聞けるので、彼等を知る入門盤にはいいかもしれません。

個人的には殆ど別曲のように仕上がっている、バックの音をググッと抑えた男女ツインのコーラスがメインな『Thin Red Line』の仕上がりは元曲以上にしっとりとした雰囲気が漂う極上の完成度で、BEST盤と侮れない(20周年記念版1stに収録)一曲でした。

Track Listing
1. I’m Still Searching (Single Version)
2. Thin Red Line (Reverence Mix)
3. My Song (Single Version)
4. Diamond Sun (Single Version)
5. I Take It Back
6. I Will Be There (Single Version)
7. My Town (Single Version)
8. Love Is On The Way
9. Someday (Single Version)
10. Healing Hands (Radio Edit)
11. Animal Heart
12. Don’t Forget Me (When I'm Gone) (Single Version)
13. Stand Up (Give Yourself A Hand)
14. So Blind (Radio Edit)
15. You’ve Got To Hide Your Love Away


しかし、出すBEST毎に必ず未発表音源やバージョン違い、そして新曲等を収録してくる彼等…ホントはそろそろ純然たる新曲のみを納めた新譜をリリースしたいんじゃないの? と、思える活発な活動を続けておりますね。

さらに新曲はちゃっかりラジオエディット版も納められているので、ちゃんとシングル版を買わないとフル版は手に入らないというコレクター泣かせな仕様…orz

一番売れたデビュー作も20周年版やバージョン違いを集めた別版もあったりで、なんだかんだと商根逞しい彼等なのです…



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# by malilion | 2017-08-07 23:43 | 音楽 | Trackback

BLACK MAJESTYのメンバーが元いたバンドCYCLONE TRACY。

c0072376_16300396.jpgCYCLONE TRACY 「One Eyed」'96

ラックを発掘してたら謎のバンド…っていうか、何故購入してたのか覚えていないCD(汗)が転がり出来てたのでご紹介。

一応、デビュー作、2nd共に日本盤でリリースされておりました。

1974年にオーストラリアを襲ったサイクロンからバンド名を拝借した4人組オーストラリア産インディ・HRバンドで、地元メルボルンじゃかなりの人気者(本人談)だった模様。

92年結成02年解散と丁度グランジ-な波に世界が覆われていた時期に活動してい為か、音楽性に多分にグランジ-な成分を含んでいたりツインヴォーカルでラップの掛け合いを披露してみたりするものの、本質的には如何にもオーストラリア産というストレートでシンプル、そして豪快にパワー推しするHRサウンドを身上としているバンドだ。

デビュー前の92年にデモテープ1本、2ndリリース前のプロモシングル1枚、アルバム2枚のみ音源を残している。

影響を受けているバンドが SKID ROW、PANTERA、SOUNDGARDEN、AC/DC、WHITE ZOMBIE、LOVE/HATE、KORN、という事なのでどんなサウンドが聞こえてくるか分かると思う。

まぁ、このパワフルだけど濁り声な Bubsieのヴォーカルではキャッチーで煌びやかな方向性のHRサウンドは難しかっただろうから、SKID ROWの2nd風なヘヴィでソリッドなギターがグイグイ引っ張るサウンドは時代とマッチしていたと言えば言えるのかもしれません…

ダルっぽいバックコーラスとかラップ要素とか無けりゃ、2ndでさらにダークでグランジ-な要素が強まったり(露骨なMETALLICA臭が…)してなければ、もうちょい好きになれたかもしれないサウンドですねぇ…所々でキャッチーな展開だったりコーラスだったり聞けてなんとも惜しい印象です…

1stリリース後にベーシストを Scottie Ramoneから Chris Hughesへチェンジし、2ndリリース前にサイドギタリストを追加して5人組ツインギター編成になって活動を続行させたがオリジナルギタリストである Stevie Janevskiが音楽的相違によりバンドを辞め、CYCLONE TRACYは最終的に何人かのギタリストがチェンジした後、メジャーでブレイクする事なく敢えなく解散してしまう。

Stevie Janevskiはその後、KYMERAなるバンドを立ち上げ、そのバンドがBLACK MAJESTYへ発展し、その疾走ジャーマン系サウンドが疾走HMマニアに好評を博しているのでその活動をここ日本でも知っておられる方も多いかと思います。

なのでBLACK MAJESTYのメンバーが元いたバンド、としてのみの名を知られているのがCYCLONE TRACYかもしれません。



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# by malilion | 2017-07-26 16:18 | 音楽 | Trackback

色んな意味で“孤高”だったイタリアン・メロスピHMバンドSKYLARKの最終作。

c0072376_17315264.jpgSKYLARK 「The Storm & The Horizon -Delux version-」'15

LABYRINTHやSECRET SPHEREを聞いていて、ふと思い出し、何気なく検索してみたらあらビックリ!?

1994年結成のイタリア産ベテラン・シンフォニック・メロスピ・バンドによる通算12作目となる最終作がリリースされてたのを今頃知って慌ててGET!

確か旧曲のリ・レコーディングベスト「全部」をリリースした後に解散(その前にも一度、活動休止って話だったんじゃ…)したって話を聞いてたのに、その後もちゃっかりアルバム数枚リリースしてたなんて…そして、バンドは既に解散(今度こそホントに?)してます。

最後の置き土産である本作は、怒涛の50pブックレット付き4CDデジブックという豪華装丁で、その一枚目「The Storm & The Horizon」は欧州盤と日本盤、そしてメキシコ盤が存在しているのは確認しており、国内盤は16曲、欧州盤は18曲、そして欧州盤と国内盤は別マスタリングで国内盤の方がボトムが強調された音、らしいです…(現物未確認)

メキシコ盤と欧州盤は曲数は同じなんですが、マスタリングについては同一なのかは未確認(スマン
ただ聞き比べた感じでは、メキシコ盤は欧州盤より若干ヴォリュームが大きいだけの差なので恐らく同一マスターを使用しているのではないでしょうか?

あと、CD盤面のイラストのカラーリングがメキシコ盤は色褪せたカラープリントみたいなチープな仕上がりになってます(汗

まぁ、相変わらずインディ丸出しなスカスカなボトム、ペラペラなMIXなこの劣悪な内容では、多少ボトムに差があろうと劇的に音の印象が変わるって事はないでしょうけどね(汗

Underground Symphonyレーベルと契約する前の自主制作デビュー盤「The Horizon & The Storm」'95 を聞いた時は『ヘッポコヴォーカルだけどかなり鍵盤とベーシストが頑張ってる!』『メタル不毛の地イタリアから化けそうなキーボード入りツインギター6人組イタリアンHMバンドが出てきたものだなぁ』なんて思ったもんですが、結局LABYRINTHやRHAPSODY、そしてSECRET SPHERE等々の後続の登場と連動してクサメロバンドを筆頭に爆発的にバンド数も拡大しレベルアップしたイタリアンHM界と関係ない所に存在したバンドでした…

初期からずーっと音質や演奏技術のレベルがそう向上しないC級に片足突っ込んだB級という、その意味ではマイナーHMファンの望む通り不変であり続けた(多少シンフォ度と楽曲完成度は上がった?)唯一無二なメロスピファンのカルト的な存在だったのは彼等だけなんで、まぁ見方を変えれば孤高の存在なのかもしれませんなぁ(汗

毎度毎度の内容のイマサン具合に反比例して毎回 Luis Royoによる美麗でセクシーなジャケのイメージ戦略は上々だったし、Underground Symphonyレーベルお得意の縦長限定変形デジパック(毎回500枚限定!ファンにはマストアイテム!)等々パッケージングも凝っていて、インディレーベルあるあるのプロモ不足やお粗末なジャケなんていうアーティストの能力以外でのアゲンストが少ない状況だったのに…何故、ここまで垢抜けなかったのか(つд`)

最終作だからなのか記念にか、初代フロントマンの Fabio Dozzoが10年ぶりに復帰して二曲でその歌声聞かせてくれているが、彼が脱退するまでは『オイオイ。相変わらず下手クソなヘロヘロヴォーカルだなぁ』と思っておりましたが、その後を継いだ素人丸出し美麗モデル・ヴォーカリスト Kiara嬢やゲストの有象無象なフィメール・ヴォーカルの歌声を聞いた後の今だと『やっぱクサクサの悶絶メロスピは熱い野郎ヴォーカルじゃないと!』と、彼のレベルアップして逞しくなった歌声を酷く懐かしく感じてしまいました…

てか、なんで日本人アイドルやバンド、果てはアニメの曲をカヴァーして収録? しかも、日本人ヴォーカリストをゲストに迎えてって誰得?
メタルアレンジにしちゃーいるけど、ぶっちゃけカラオケ・レベルの出来で、なんでコレを収録したのか理解に苦しむ…
彼等なりの日本ファンへのサービスなんだろうが、コレはいらなかったなぁ…誰だよ選曲に入れ知恵した奴は(#・ω・)

で、内容や方向性はここ数作と全く変わり(ようも)なく、初期からのメロスピ要素もそのままに、つたないテクながら壮大なシンフォニーを描き出そうと頑張るシンセと終始忙しないパタパタ・ツーバスの疾走感、そして臭いメロディを懸命に紡ぐギター、そしてソレに乗っかる美貌のフィメール・ヴォーカルの平々凡々な歌声、という黄金パターン。

その音を聞いたなら『アレ? 今って何年だっけ?』と、軽く20年ほどタイムスリップする事請け合いな、チープで薄っぺらいマイナー臭漂うシケシケ・サウンドですわ~…
まぁ、彼等のファンにとってはお馴染みの『コレコレ!この音じゃなきゃ!』って、お約束なサウンドなんです。
一般的なHMファンな方は、決して手を出してはいけない劣悪サウンドですけど、マニアな方程にコレを好むんですよねぇ…

それにしても初代フロントマンの Fabio Dozzoが脱退するまで、なんとかバンドの態を保っていたのに、一体いつから Eddy Antonini(Key)と Roberto Potenti(B&G)のユニット体制になってガックガクのC級クオリティへ低下してしまったのか…orz

確かにフロントマン(ウーマンか)である事を考えるならルックスは当然重要な要素だろうが、それにしたってもうちょい歌唱スキルの高いフィメール・ヴォーカリオストを呼べなかったんでしょうかねぇ…(汗

前任者の Kiara嬢と比べりゃそりゃ誰だって上手く聞こえる(暴言!)だろうが、今回メイン・ヴォーカリストに招かれている Ashley Watoson嬢もちょっと甘ったるい歌い方が個性と言えば個性かもしれないけど、総じてパワー不足だしレンジも広くないという…ぶっちゃけ平凡なフィメール・ヴォーカリストってレベルで…

つーか、Kiara嬢をはじめ今回大勢ゲストで招かれた女性ヴォーカリスト達(日本人ヴォーカルは除外)は皆さんとても美しく『コレって単に歌唱力じゃなく Eddy Antoniniと Roberto Potentiの好みのルックスで選んでるんじゃねぇの?』と、穿った見方を見てしまう、そんなレベルな方ばっかなんスよ…('A`)

だってゲストならルックス重視する意味無いじゃん? 無駄にキャリアだけ長いんだから人脈フル活用してもっと歌唱力あるゲスト呼べよ! と…
まぁ、そうなったらそうなったでメイン張ってる Ashley嬢の立場ってものが微妙になるか(汗

なんだかんだ苦言を呈しましたが、好評につきリマスター盤もすぐリリースされた事のある名作2nd「Dragon's Secrets」'97 を現メンバー(何故かVoだけゲストの Chiara嬢だけど…)で再レコーディングしてDisc4に収録と、昔からのファンのケアも決して怠らない彼等を嫌いにはなれないんですよねぇ(*´ω` *)

因みに、Disc3は過去曲のリマスター・ベストとしてリリースされた二枚組「Divine Gates PartV Chapter1:The Road to The Light」を一枚に編集したものです。

まぁ、この四枚組を購入されるのは確実に長年彼等を支え続けてきたダイハードなSKYLARKファンでしょうから、今さら何を言われたって、そんな事ぁ百も承知で『つまらん批評や苦言なんぞクソ喰らえ!』ってなもんでしょうけど(w

実際、私もこのドマイナーで薄っぺらな虚仮威しC級シンフォニック・サウンドが、何故か昔っから妙に心の琴線に触れるんスよねぇ~♪


CD 1 : The Storm & The Horizon

01. Eyes
02. The Kiss That Never Happened
03. Crystal Lake
04. Just One Word (To Fall in Love)
05. マジンガーZ (メタルアレンジ)
06. Don't Know What You Got (Till It's Gone) (Cinderella cover)
07. The Run Towards the Sun
08. Shot Through the Heart (Bon Jovi cover)
09. Tears (accoustic version)
10. Another Reason to Believe
11. The Hardest Part Is the Night (Bon Jovi cover)
12. 離したくはない (T-Bolan cover)
13. Road to Heaven
14. 会いたかった (AKB48 cover)
15. Santa Fe (Bon Jovi cover)
16. さんぽ (ジブリ・メタルアレンジ)
17. Carrying You
18. Bridges Are Burning

CD 2:Eyes (Extended Version)

01. 残酷な天使のテーゼ(メタルアレンジ)
02. She
03. 君をのせて(ジブリ・メタルアレンジ)
04. Love Song
05. Don't Know what you got
06. The Crypt of Montmarte
07. The Kiss that Never Happened
08. 残酷な天使のテーゼ(Alt version)
09. Believe in Love (Special ver Featuring Ashley)
10. Another Reason to Believe (Demo Ver Featuring Ashley)
11. Little Girl (intro Remastered Ver)
12. Little Girl (Remastered Ver)
13. とべ!グレンダイザー(メタルアレンジ)
14. Rainbow in the Dark (Remastered Ver)
15. Feverish

CD 3:Divine Gates Part V - Chapter1:The Road to The Light -Ultimate Selection-

01. Belzebu
02. Satan Arise
03. Dream
04. Welcome
05. Hurricane
06. WHen Water Become Ice
07. A Star in the Universe
08. Why Did you kll the Pirncess?
09. Twilight
10. Sleep
11. Night of Pain
12. The Guardian Angel
13. Fear of the Moon
14. The Princess Day
15. Sands of Time
16. Insanity is the Truth
17. The Tears of Jupiter
18. Follow your Dream

CD 4:Divine Gates Part V - Chapter2:The Dragon's Gate

01. The Temple
02. Creature of the Devil
03. The Answer
04. Skylark
05. Waiting for the Princess
06. Light (ACT1)
07. Light (ACT2)
08. Light (ACT3)
09. Light (ACT4)
10. Pirncess of the Snow
11. Dragon's Secrets
12. Tears (bonus track)



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# by malilion | 2017-07-21 17:24 | 音楽 | Trackback

バンド名通り涼やか北欧ハードポップサンド! だけだったら良かったのに…ICE TIGER唯一作。

c0072376_19332393.jpgICE TIGER 「Love 'N' Crime」'93

GLASS TIGERを聞いていたら「確か似たバンド名でおあつらえ向きに涼しげな名前のが…」と、探してたら出てきました(w

キーボード入り5人組オーストラリア産メロディアス・ハードポップバンドが93年にリリースした唯一作をご紹介。

私が入手したのは1995年にLong Island Recordsからリイッシューされた再発盤(既にコレもレア盤扱いか…)ですが、2004年にさらにジャケを変えてリイシューされた盤(現物未確認)がある模様です。

c0072376_19334447.jpg因みにオリジナル盤からのコピーCD(海賊盤)が出回っているようですのでご注意を。
まぁ、最近のリプロ盤と言われるこの手のアイテムの出来はかなりの質なので、商品としての不安は少ないでしょうけど…

で、内容の方なのですが、某B誌にも取り上げられた事もあるのでご存じの方もいるかと思いますが、アメリカで売れた時のゴージャスなサウンドイメージのWHITESNAKEの音をベースによりポップでメロディアスにしたような欧州&北欧系の叙情派ハードポップサウンド、と評されていたように記憶しています。

確かにパワー系の豪快な音楽性、カラッと乾いたサウンドなイメージのオーストラリアのバンドとは思えない、ユーロ系の香り漂うマイナー調のウエットでメロディアスなハードポップ・ナンバーは北欧叙情派ハードポップスサウンドに酷似しているし、恐らくギタリストの好みでしょうが白蛇風リフやブルージーなメロディはモロにWHITESNAKE風で、ちょっとバンドサウンド全体としてその二つの要素が巧く混ざり合っていないように感じ点だけ惜しい気がします。

個人的には、John Calabreseが操るキラキラした北欧風な叙情派キーボードサウンドと分厚いコーラスが曲の主導権を握るメロディアスなハードポップサウンド要素をもうちょい強めてくれた方が嬉しかったんですが、フロントマンの Dave Crosbyの掠れ気味“風”なしゃがれ声(全くディープヴォイスじゃない)や歌い方が David Coverdaleを意識してる模様だし、余りテクニカル思考でないギタリストの Graham Greeneも明らかに白蛇好きな模様なので、そっちへサウンドが引っ張られたんでしょうね。

そんな風にキラキラしたハードポップサウンドとブルージーなテイストが交差するサウンドの所々で聞こえるマイナー調バッキングコーラスが後期HEEP風コーラスに聞こえて、個人的にはニヤリとさせられました。

総評としては、そつなくバランス良く纏まっているものの、コレ!という売りというか強烈な個性が無いマイナーなインディーバンド、持ってると嬉しいB級メロディアス・ハードポップバンド、って事に落ち着くマニア向けコレクターズアイテムでしょうが、あのマニア御用達のLONG ISLAND RECORDSが再発したアルバムだけあって出来は悪くない一枚と言えるでしょう。

オリジナル盤、リイシュー盤共に既に廃盤ですから、メロハー・マニアなら中古屋等で見かけたらGETしておいても損はない一枚です。



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# by malilion | 2017-07-18 19:31 | 音楽 | Trackback