色んな意味で“孤高”だったイタリアン・メロスピHMバンドSKYLARKの最終作。

c0072376_17315264.jpgSKYLARK 「The Storm & The Horizon -Delux version-」'15

LABYRINTHやSECRET SPHEREを聞いていて、ふと思い出し、何気なく検索してみたらあらビックリ!?

1994年結成のイタリア産ベテラン・シンフォニック・メロスピ・バンドによる通算12作目となる最終作がリリースされてたのを今頃知って慌ててGET!

確か旧曲のリ・レコーディングベスト「全部」をリリースした後に解散(その前にも一度、活動休止って話だったんじゃ…)したって話を聞いてたのに、その後もちゃっかりアルバム数枚リリースしてたなんて…そして、バンドは既に解散(今度こそホントに?)してます。

最後の置き土産である本作は、怒涛の50pブックレット付き4CDデジブックという豪華装丁で、その一枚目「The Storm & The Horizon」は欧州盤と日本盤、そしてメキシコ盤が存在しているのは確認しており、国内盤は16曲、欧州盤は18曲、そして欧州盤と国内盤は別マスタリングで国内盤の方がボトムが強調された音、らしいです…(現物未確認)

メキシコ盤と欧州盤は曲数は同じなんですが、マスタリングについては同一なのかは未確認(スマン
ただ聞き比べた感じでは、メキシコ盤は欧州盤より若干ヴォリュームが大きいだけの差なので恐らく同一マスターを使用しているのではないでしょうか?

あと、CD盤面のイラストのカラーリングがメキシコ盤は色褪せたカラープリントみたいなチープな仕上がりになってます(汗

まぁ、相変わらずインディ丸出しなスカスカなボトム、ペラペラなMIXなこの劣悪な内容では、多少ボトムに差があろうと劇的に音の印象が変わるって事はないでしょうけどね(汗

Underground Symphonyレーベルと契約する前の自主制作デビュー盤「The Horizon & The Storm」'95 を聞いた時は『ヘッポコヴォーカルだけどかなり鍵盤とベーシストが頑張ってる!』『メタル不毛の地イタリアから化けそうなキーボード入りツインギター6人組イタリアンHMバンドが出てきたものだなぁ』なんて思ったもんですが、結局LABYRINTHやRHAPSODY、そしてSECRET SPHERE等々の後続の登場と連動してクサメロバンドを筆頭に爆発的にバンド数も拡大しレベルアップしたイタリアンHM界と関係ない所に存在したバンドでした…

初期からずーっと音質や演奏技術のレベルがそう向上しないC級に片足突っ込んだB級という、その意味ではマイナーHMファンの望む通り不変であり続けた(多少シンフォ度と楽曲完成度は上がった?)唯一無二なメロスピファンのカルト的な存在だったのは彼等だけなんで、まぁ見方を変えれば孤高の存在なのかもしれませんなぁ(汗

毎度毎度の内容のイマサン具合に反比例して毎回 Luis Royoによる美麗でセクシーなジャケのイメージ戦略は上々だったし、Underground Symphonyレーベルお得意の縦長限定変形デジパック(毎回500枚限定!ファンにはマストアイテム!)等々パッケージングも凝っていて、インディレーベルあるあるのプロモ不足やお粗末なジャケなんていうアーティストの能力以外でのアゲンストが少ない状況だったのに…何故、ここまで垢抜けなかったのか(つд`)

最終作だからなのか記念にか、初代フロントマンの Fabio Dozzoが10年ぶりに復帰して二曲でその歌声聞かせてくれているが、彼が脱退するまでは『オイオイ。相変わらず下手クソなヘロヘロヴォーカルだなぁ』と思っておりましたが、その後を継いだ素人丸出し美麗モデル・ヴォーカリスト Kiara嬢やゲストの有象無象なフィメール・ヴォーカルの歌声を聞いた後の今だと『やっぱクサクサの悶絶メロスピは熱い野郎ヴォーカルじゃないと!』と、彼のレベルアップして逞しくなった歌声を酷く懐かしく感じてしまいました…

てか、なんで日本人アイドルやバンド、果てはアニメの曲をカヴァーして収録? しかも、日本人ヴォーカリストをゲストに迎えてって誰得?
メタルアレンジにしちゃーいるけど、ぶっちゃけカラオケ・レベルの出来で、なんでコレを収録したのか理解に苦しむ…
彼等なりの日本ファンへのサービスなんだろうが、コレはいらなかったなぁ…誰だよ選曲に入れ知恵した奴は(#・ω・)

で、内容や方向性はここ数作と全く変わり(ようも)なく、初期からのメロスピ要素もそのままに、つたないテクながら壮大なシンフォニーを描き出そうと頑張るシンセと終始忙しないパタパタ・ツーバスの疾走感、そして臭いメロディを懸命に紡ぐギター、そしてソレに乗っかる美貌のフィメール・ヴォーカルの平々凡々な歌声、という黄金パターン。

その音を聞いたなら『アレ? 今って何年だっけ?』と、軽く20年ほどタイムスリップする事請け合いな、チープで薄っぺらいマイナー臭漂うシケシケ・サウンドですわ~…
まぁ、彼等のファンにとってはお馴染みの『コレコレ!この音じゃなきゃ!』って、お約束なサウンドなんです。
一般的なHMファンな方は、決して手を出してはいけない劣悪サウンドですけど、マニアな方程にコレを好むんですよねぇ…

それにしても初代フロントマンの Fabio Dozzoが脱退するまで、なんとかバンドの態を保っていたのに、一体いつから Eddy Antonini(Key)と Roberto Potenti(B&G)のユニット体制になってガックガクのC級クオリティへ低下してしまったのか…orz

確かにフロントマン(ウーマンか)である事を考えるならルックスは当然重要な要素だろうが、それにしたってもうちょい歌唱スキルの高いフィメール・ヴォーカリオストを呼べなかったんでしょうかねぇ…(汗

前任者の Kiara嬢と比べりゃそりゃ誰だって上手く聞こえる(暴言!)だろうが、今回メイン・ヴォーカリストに招かれている Ashley Watoson嬢もちょっと甘ったるい歌い方が個性と言えば個性かもしれないけど、総じてパワー不足だしレンジも広くないという…ぶっちゃけ平凡なフィメール・ヴォーカリストってレベルで…

つーか、Kiara嬢をはじめ今回大勢ゲストで招かれた女性ヴォーカリスト達(日本人ヴォーカルは除外)は皆さんとても美しく『コレって単に歌唱力じゃなく Eddy Antoniniと Roberto Potentiの好みのルックスで選んでるんじゃねぇの?』と、穿った見方を見てしまう、そんなレベルな方ばっかなんスよ…('A`)

だってゲストならルックス重視する意味無いじゃん? 無駄にキャリアだけ長いんだから人脈フル活用してもっと歌唱力あるゲスト呼べよ! と…
まぁ、そうなったらそうなったでメイン張ってる Ashley嬢の立場ってものが微妙になるか(汗

なんだかんだ苦言を呈しましたが、好評につきリマスター盤もすぐリリースされた事のある名作2nd「Dragon's Secrets」'97 を現メンバー(何故かVoだけゲストの Chiara嬢だけど…)で再レコーディングしてDisc4に収録と、昔からのファンのケアも決して怠らない彼等を嫌いにはなれないんですよねぇ(*´ω` *)

因みに、Disc3は過去曲のリマスター・ベストとしてリリースされた二枚組「Divine Gates PartV Chapter1:The Road to The Light」を一枚に編集したものです。

まぁ、この四枚組を購入されるのは確実に長年彼等を支え続けてきたダイハードなSKYLARKファンでしょうから、今さら何を言われたって、そんな事ぁ百も承知で『つまらん批評や苦言なんぞクソ喰らえ!』ってなもんでしょうけど(w

実際、私もこのドマイナーで薄っぺらな虚仮威しC級シンフォニック・サウンドが、何故か昔っから妙に心の琴線に触れるんスよねぇ~♪


CD 1 : The Storm & The Horizon

01. Eyes
02. The Kiss That Never Happened
03. Crystal Lake
04. Just One Word (To Fall in Love)
05. マジンガーZ (メタルアレンジ)
06. Don't Know What You Got (Till It's Gone) (Cinderella cover)
07. The Run Towards the Sun
08. Shot Through the Heart (Bon Jovi cover)
09. Tears (accoustic version)
10. Another Reason to Believe
11. The Hardest Part Is the Night (Bon Jovi cover)
12. 離したくはない (T-Bolan cover)
13. Road to Heaven
14. 会いたかった (AKB48 cover)
15. Santa Fe (Bon Jovi cover)
16. さんぽ (ジブリ・メタルアレンジ)
17. Carrying You
18. Bridges Are Burning

CD 2:Eyes (Extended Version)

01. 残酷な天使のテーゼ(メタルアレンジ)
02. She
03. 君をのせて(ジブリ・メタルアレンジ)
04. Love Song
05. Don't Know what you got
06. The Crypt of Montmarte
07. The Kiss that Never Happened
08. 残酷な天使のテーゼ(Alt version)
09. Believe in Love (Special ver Featuring Ashley)
10. Another Reason to Believe (Demo Ver Featuring Ashley)
11. Little Girl (intro Remastered Ver)
12. Little Girl (Remastered Ver)
13. とべ!グレンダイザー(メタルアレンジ)
14. Rainbow in the Dark (Remastered Ver)
15. Feverish

CD 3:Divine Gates Part V - Chapter1:The Road to The Light -Ultimate Selection-

01. Belzebu
02. Satan Arise
03. Dream
04. Welcome
05. Hurricane
06. WHen Water Become Ice
07. A Star in the Universe
08. Why Did you kll the Pirncess?
09. Twilight
10. Sleep
11. Night of Pain
12. The Guardian Angel
13. Fear of the Moon
14. The Princess Day
15. Sands of Time
16. Insanity is the Truth
17. The Tears of Jupiter
18. Follow your Dream

CD 4:Divine Gates Part V - Chapter2:The Dragon's Gate

01. The Temple
02. Creature of the Devil
03. The Answer
04. Skylark
05. Waiting for the Princess
06. Light (ACT1)
07. Light (ACT2)
08. Light (ACT3)
09. Light (ACT4)
10. Pirncess of the Snow
11. Dragon's Secrets
12. Tears (bonus track)



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# by malilion | 2017-07-21 17:24 | 音楽 | Trackback

バンド名通り涼やか北欧ハードポップサンド! だけだったら良かったのに…ICE TIGER唯一作。

c0072376_19332393.jpgICE TIGER 「Love 'N' Crime」'93

GLASS TIGERを聞いていたら「確か似たバンド名でおあつらえ向きに涼しげな名前のが…」と、探してたら出てきました(w

キーボード入り5人組オーストラリア産メロディアス・ハードポップバンドが93年にリリースした唯一作をご紹介。

私が入手したのは1995年にLong Island Recordsからリイッシューされた再発盤(既にコレもレア盤扱いか…)ですが、2004年にさらにジャケを変えてリイシューされた盤(現物未確認)がある模様です。

c0072376_19334447.jpg因みにオリジナル盤からのコピーCD(海賊盤)が出回っているようですのでご注意を。
まぁ、最近のリプロ盤と言われるこの手のアイテムの出来はかなりの質なので、商品としての不安は少ないでしょうけど…

で、内容の方なのですが、某B誌にも取り上げられた事もあるのでご存じの方もいるかと思いますが、アメリカで売れた時のゴージャスなサウンドイメージのWHITESNAKEの音をベースによりポップでメロディアスにしたような欧州&北欧系の叙情派ハードポップサウンド、と評されていたように記憶しています。

確かにパワー系の豪快な音楽性、カラッと乾いたサウンドなイメージのオーストラリアのバンドとは思えない、ユーロ系の香り漂うマイナー調のウエットでメロディアスなハードポップ・ナンバーは北欧叙情派ハードポップスサウンドに酷似しているし、恐らくギタリストの好みでしょうが白蛇風リフやブルージーなメロディはモロにWHITESNAKE風で、ちょっとバンドサウンド全体としてその二つの要素が巧く混ざり合っていないように感じ点だけ惜しい気がします。

個人的には、John Calabreseが操るキラキラした北欧風な叙情派キーボードサウンドと分厚いコーラスが曲の主導権を握るメロディアスなハードポップサウンド要素をもうちょい強めてくれた方が嬉しかったんですが、フロントマンの Dave Crosbyの掠れ気味“風”なしゃがれ声(全くディープヴォイスじゃない)や歌い方が David Coverdaleを意識してる模様だし、余りテクニカル思考でないギタリストの Graham Greeneも明らかに白蛇好きな模様なので、そっちへサウンドが引っ張られたんでしょうね。

そんな風にキラキラしたハードポップサウンドとブルージーなテイストが交差するサウンドの所々で聞こえるマイナー調バッキングコーラスが後期HEEP風コーラスに聞こえて、個人的にはニヤリとさせられました。

総評としては、そつなくバランス良く纏まっているものの、コレ!という売りというか強烈な個性が無いマイナーなインディーバンド、持ってると嬉しいB級メロディアス・ハードポップバンド、って事に落ち着くマニア向けコレクターズアイテムでしょうが、あのマニア御用達のLONG ISLAND RECORDSが再発したアルバムだけあって出来は悪くない一枚と言えるでしょう。

オリジナル盤、リイシュー盤共に既に廃盤ですから、メロハー・マニアなら中古屋等で見かけたらGETしておいても損はない一枚です。



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# by malilion | 2017-07-18 19:31 | 音楽 | Trackback

カナダ産ポップバンドGLASS TIGERの懐メロに心癒やされる猛暑の日々…

c0072376_01442596.jpgGLASS TIGER 「The Thin Red Line」'86

余りの猛暑にグデっているとラックの奥の涼やかなバンド名が目にとまり、引っ張り出して耳を傾けておりました。

キーボード入り5人組カナダ産ポップバンドのデビュー・アルバムをご紹介。

ヒットチャートにシングルを数曲送り込むものの約5年程と活動期間が短く、ドラムスが抜けたままリリースした90年の3rdアルバム発売後すぐに活動休止した為もあってか、今となってはここ日本で殆ど知名度はありませんが、ちゃっかり活動休止の10年後の03年に再結成(ドラムスだけ新メンバー)を果たし現在も活動継続中なのです。

残念ながら再結成してからのオリジナルアルバムのリリースはなく、LIVEアルバムとBEST盤を数枚リリースするのみ(それって懐メロバンドやないか~)に留まっている。

まぁ、実際のところ Bryan Adamsがバックコーラスで参加している1st以降は余りパッとしたチャートアクションも残せていないので、それもむべなるかなでもありますが…

またギターが若干ハードになってR&B風味が増した3rdアルバムのバッキングコーラスに元YNGWIE BANDの Jeff Scott Soto(当時はEYESに参加してた)が参加していたり、あの Rod Stewartもバッキングで参加しいたりと、今になって見ると興味深いミュージシャンの名も見つかったりします。

それにつけても今回改めて1stを聞き直してみて、しみじみ自分好みな良いサウンドだったなぁ、と懐かしく思っておりました。

最初は Bryan Adamsのバックバンドだった、って情報からこのバンドをチェックしましたが、当時のUSAポップサウンドよりも明らかにUKポップサウンドに近い、ユーロテイスト溢れるウェットなメロディと控え目なキャッチーさが個人的には大変好ましかったんスよねぇ(*´ω` *)

甘い声質で高いキーも余裕で出せるクリアヴォイスなヴォーカルがキャッチーに歌い上げ、あくまで心地良いメロディを紡ぐギター、バックで効果的に流れるキラキラした涼やかなキーボード……うーん、ホントにお手本のような優等生ポップサウンドですなぁ(w

80年代の古き良きAORサウンドをベースに所々でちょっとハードなパートも取り入れたキャッチーでセンチメンタルな甘口ポップサウンド、AIR SUPPLYやSURVIVOR、FOREIGNER等でお馴染みな“アレ”です。

個人的には2ndアルバムの方がポップさキャッチーさ、そしてアルバム全体の完成度も1stより勝っていると思っておりますが、売り上げ的にはイマイチな結果しか残せなかったのですよね…残念…orz

因みに3枚ほどリリースされているBEST盤には、それぞれ新曲や未発表音源だったりヴァージョン違いやREMIXやSINGLE Ver、DEMO音源等々のオリジナルアルバム未収録音源が収録されていますので、もし彼等をチェックしてみようと思われた方がいましたら、最初はBEST盤から攻めてみて、気に入ったなら徐々にオリジナルアルバムを購入してもBEST盤は損になりませんよ(*´ω` *)

さらにこのデビュー作ですが、25周年記念盤として12年に2枚組REMASTER盤がリリースされており、オリジナルアルバム以外に、ロング・ヴァージョン、LIVE、未発表DEMO音源などを収録したスペシャルボーナス盤も手に入りますので購入されるならそちらをお求めになるのが宜しいかと。



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# by malilion | 2017-07-12 01:37 | 音楽 | Trackback

イタリアンHM界の二大巨頭 LABYRINTHが7年ぶりの新譜をリリース!

c0072376_15240762.jpgLABYRINTH 「Architecture Of A God」'17

キーボード入りツインギターの6人組イタリアン・シンフォニック・メロスピ系バンドの通算8枚目となるオリジナル・スタジオアルバムが7年ぶりにリリースされたのをちょい遅れてGET!

衝撃のデビューEP「PIECE OF TIME」'95 からその活動をフォローしておりますが、当時の“デジタル風味なイタリアの夢劇場”というイメージが今となっては懐かしく思える程に彼等の音楽性は紆余曲折を経て大きく変化して来ました。

最早オリジナルメンツは中心人物ではないサイドギタリストの Andrea Cantarelli(Anders Rain)のみしか残っていませんが、それでも常に高品質な作品を届けてくれる彼等の新作は、結論から言って初期の作風と近年の作風を併せ持ったようなドラマチックでテクニカルなサウンドが心躍らせるスケールの大きい作風で、待った甲斐のある充実した内容の傑作アルバムとなっている('(゚∀゚∩

しかし、不思議な事にこのバンド、何故か同郷のSECRET SPHEREと同じ時期に大抵新譜をリリースするんですよね(w
なのでLABYRINTHとSECRET SPHEREはお対のバンドなイメージを個人的には持っとります。全然メンツも音楽性も関係ないのに(汗

けれどコツコツ順調にバンド活動を続けて支持層を拡大してきたSECRET SPHEREと対照的に、LABYRINTHの方はRHAPSODYより先にデビューし新世代イタリアンHM界の期待の新星と俄然注目を集めたものの、即初代フロントマン Joe Terry(Fabio Lione)の脱退からの新バンドRHAPSODYへ電撃加入、さらに中心メンバー Olaf Thorsen(G)の脱退、そして新バンドVISION DIVINEの結成、レーベルとのゴタつきによる活動休止、さらに Olaf ThorsenのLABYRINTH電撃復帰と、初期からメンツの入れ替わりが激しく、さらにVISION DIVINEメンバーとメンバーが幾度も入れ替わったり等々と目まぐるしくバンドの状況が変化して活動が少しも安定せず、コンスタントに作品を発表して来たにも関わらずバンド知名度の割にアルバムの評価は伸び悩み、一番最初期に活動し始めたのにここの所その名を聞く事が殆どなくなっていた訳です。

で、残念な事に本作でも再びメンバーチェンジが有り、長らくキーボーディストを務めていた Andrea "Mc" De Paoliが元VISION DIVINE(またか…)の Oleg Smirnoffへチェンジし、さらにリズム隊もゴッソリ入れ替え、と相変わらずのメンツ流動体制で、Olaf Thorsen(G)、Andrea Cantarelli(G)、そして二代目フロントマンの Roberto Tiranti(Vo)の三人のみ前作から残留しての製作となっている。

しかし、ドラムスに Jhon Macaluso(元TNT、元YNGWIE BAND、元RIOT、元ARK)って…きっと次のアルバムに彼の名前はクレジットされて無いんだろうなぁ…(つд`)

新ベーシストの Nik Mazzucconi(SUNSTORM、L.R.S)も含め各メンバーは別バンドやセッションで活発に活動してると言う、初期からのファンからすると今やLABYRINTHはまるでサブ・プロジェクトな状態(実際そうなんだろうけど…)なのがイマイチ納得出来ない('A`)

いい加減、Olaf Thorsenワンマン体制を改めないと、これ以上のLABYRINTHの発展的活動は無理な気がするんですが… ぶっちゃけテクもセンスもOlafより優れたギタリストだと個人的に思う Andrea Cantarelliはこの状況に本当に満足してるのかなぁ…(汗

それにつけてもこのバンドは、2nd「Return to Heaven Denied」'98 がメロディック・スピードHMファンの間で絶大な支持を得てしまったのが今から考えると大きな不幸の始まりだった……

実際、デビュー作ではプログレメタル系の夢劇場風サウンドを披露していた訳だし、バンド史上最高の人気作2nd以降中心人物が抜けて一気に洗練されたモダンな叙情派メロディアスHMへサウンド指向が接近したりと、元来が拡散志向で複雑な音楽性のバンドであるにも関わらず、ファンもメンバーさえも2ndアルバムのパワー・メタリックな疾走感の呪縛に未だに捕らわれ続けているのが何とももどかしい…orz

さらにVISION DIVINEはプログレHMで、LABYRINTHはストレートなパワー・メタルで、というような区別を Olaf Thorsenが(わざわざ)復帰して思考している様子(元VISION DIVINEのメンツを大量に引っ張り込んでおきながら!)なのが、このバンドの自由な創作活動をスポイルしている大きな要因だと思う。

つーか、いい加減 Olaf ThorsenはLABYRINTHに関わらないで欲しい。マジで!(#・ω・)


◆◆◆ 閑話休題 ◆◆◆


で、久々の新作ですが、モダンで煌びやかなシンセワークが気持ちよく疾走するソリッドな楽曲に散りばめられたデジタル・プログレHM的な初期っぽい作風の曲を数曲収録しつつ、全体的には近作風の Roberto Tirantiの繊細で情感タップリな歌声をメインに据えた、如何にもユーロメタル的な叙情性薫るメロディアスでテクニカルな楽曲で占められた、実に洗練されたベテランらしいバランスの取れた一作だ。

アルバム全体の方向的には『これまでの音楽要素の集大成作』を意図したであろう、中心人物 Olaf Thorsenが抜けて初めてのアルバム「Labyrinth」'03 に近いとも言えるだろう。

初期からのファンからすれば全体的にスローとミッドテンポの楽曲が占める割合が高いので“疾走感不足な上品すぎる作風”に感じるかもしれないが、もう二十数年以上活動するバンドに何時までも初期のツーバス疾走ドコドコな作風を求めるのは酷だと気付いて欲しい…(汗

それにしても Roberto Tirantiの堂々たる歌唱力の威力は絶大で、アルバム前半のキャッチーな歌メロのフック満載なスピーディーな楽曲から後半のプログレ度の高まった大作指向な楽曲に至るまで、パワフルなハイトーンや力を抜いた朗らかなクリアヴォイス、そして色気あるディープな歌声だったりと正に七色の歌声を披露し、ややもすると散漫になりがちなアルバムをビシッと彼色に染め上げて纏めているのは見事と言う他無いだろう。

特にスローで物静かなセンチメンタルな楽曲での艶やかな歌声の深く幅広い情感表現は、暑苦しいパワーヴォイス主体な初代ヴォーカリストの Fabio Lioneではわないだろう。うーん、ホント歌が上手いなぁ…(*´ω` *)

恐らく次作ではまたメンバーチェンジしている事だろうし、2ndの呪縛も消えていないだろうけど、どうか次なる新作はこんなに間を開けずに届けて欲しいものです。



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# by malilion | 2017-07-03 15:15 | 音楽 | Trackback

さらなる高みへ到達! SECRET SPHERE新譜!

c0072376_17493847.jpgSECRET SPHERE 「The Nature of Time」'17

長きに渡り弱点だったフロントマンの歌唱力という問題を実力派シンガー Michele Luppi(現WHITESNAKEのKey)を迎える事によって克服し、デビュー十数年を経て遂に同郷イタリアのシンフォニック・メロスピ系バンドLABYRINTHやRHAPSODYと肩を並べる高みへ到達した彼等の、間に2ndのリメイクを挟んで5年ぶり通算8作目となるオリジナル・スタジオアルバムを即GET!

前作は Roberto "Ramon" Messina(Vo)が脱退する前にアルバムの楽曲や歌詞(後から一部書き直してるけど)が出来上がっていた為、Michele Luppiの幅広く高低のレンジをパワフルに歌い上げるイタリアンHM界でも屈指の技量やAOR系のポップでキャッチーな楽曲にもマッチするブライトでクリアーな歌声を100%生かし切れた作品だったかと言うと些か疑問も残った訳だが、果たして本当の意味で新フロントマンを得て創作レベルの上限が桁違いに上がった彼等が次はどういった方向へ進もうとするのか、旧来の彼等のファンならずとも興味津々な事と思う。

で、キーボード入りツインギター6人組だったメンツに変動があり、長らくドラムスを勤めていた Fedetico Pennazzatoから Marco Lazzariniへチェンジ、さらにリズムギタリストの Marco Pastorinoが抜けて新たに5人組バンドとなって初めての新作だが、まず一聴して驚くのが、音のスケールが一回り明らかに“デカ”くなっている事。

前作は Michele Luppiがバンド旧来のイメージに即したスピーディーでテクニカルなプログHM定番なスタイルで熱唱した為か、ややもすると彼が以前在籍していたVISION DIVINEに近しいイメージのサウンドに聞こえた訳だが、前作に引き続き本作もお得意のコンセプトアルバムなものの、そのコンセプト内容とフロントマンの表現力の上限があがった事による化学変化が引き起こされたのか、前作とはガラリとヴォーカルスタイルを変化させて表現の幅を一気に広げ、それに呼応するかのようにバンドサウンドも大幅に変化している。

テクニカルでスピーディ-、そしてキャッチーながらプログレ風な難解な楽曲展開、シンフォニックなサウンドの間で飛び交うインタープレイの応酬という旧来の要素も残しつつ、本作では新機軸として大幅にスピードとヘヴィネスを捨て、アレンジの妙とヴォーカルと繊細な楽器プレイによる表現力のみに特化した楽曲へフォーカスするという、音圧による虚仮威しを捨てたアーティスティックな技術力だけでの真っ向勝負を披露していて、そのサウンドは実に艶やかで美しい!

これまでの彼等のサウンドに欠けがちだった“引き”の要素が本作では前面に押し出され、優美なストリングサウンドに包まれた物静かで儚げな楽曲の上を、哀愁たっぷりの歌声で Michele Luppiが切なくしっとりと歌い上げる━━、もう本当に絶品ですわぁ♪('(゚∀゚∩

コンセプトアイディアを5年ほど温めてきたというだけあって楽曲も練りに練りまくられており、スピードやアグレッションを捨てたシンフォニックで柔和なストリングアレンジが効いている堂々たるスケールのサウンドが鳴り響く一大絵巻ですので、忙しないスピードメタル系は苦手という方でもプログレ系好きな方ならば本作はお薦め出来るかと。

逆に初期のスピ-ディーでアグレッシヴな彼等のサウンドだけを求めている向きには、少々肩透かしに感じるだろう楽曲が多いのも事実なので、本作をどう評価されるかは各自ご自身の耳でもって判断するしかないでしょう。

只、疾走感と濃密な美旋律は相変わらずですし、ここ数作は初期の頃のようなメロスピ度合いが増したテクニカル・シンフォニックHMだったけれど本作は弱まっていたプログレ度合いが増した一作だ、と考えればそれ程大きく彼等のサウンドが変化した、とは言えなくも無いかもしれません…

個人的には Michele Luppiの持つポップなフィーリングの歌声が聞けなかったのが残念ですけど、まぁ本作のコンセプトやバンドコンセプトに余りそぐわないだろうから、それについてはそれ程期待はしていませんでしたけどね。

とまれ前作よりさらに一段サウンドスケールと完成度が上がったのは間違いないので、Michele Luppiが白蛇の方で忙しいのは分かるけど、是非このまま順調に活動を続けてイタリアンHMバンドの頂点へ駆け上がり、世界規模のメジャーバンドの仲間入りを果たして欲しいものです。



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# by malilion | 2017-06-28 17:45 | 音楽 | Trackback

ちょっとだけ原点回帰? イタリアン・パワーメタルARTHEMISが新譜「Blood・Fury・Domination」をリリース!

c0072376_13002337.jpgARTHEMIS 「Blood・Fury・Domination」'17

4人組イタリアン・パワーメタルバンドの5年ぶり通算8作目がリリースされたので、ちょい遅れてGET!

如何にもイタリアン・インディバンドというクサメロのB級メロスピからタフでマッチョなメロディック・パワーメタルへ路線変更してマイナー臭を払拭すると共に、リーダーの Andrea Martognelli(G)のみ残してバンドメンツを一新して殆ど別バンドへ生まれ変わった新生ARTHEMISの第三弾作が堂々の完成だ。

新生ARTHEMIS第一弾作「Heroes」'10 は、そのパワフルでソリッドな作風にも関わらず国内リリースが見送られ(何故!?)残念だったが、前作に続き本作も無事国内盤がリリースされ何はともあれ一安心だろう。

で、本作の内容だが、再びメンバーの変動がありリズムセクションが丸々チェンジしたが前作と同一路線なままに、よりダイナミックでスピード感二割増しなスラッシュテイストもたっぷりのストロングサウンドにネオクイラ系のテクニカルな早弾ギターが絡むという、如何にも日本人好みなサウンドに一層磨きが掛かっている。

新生三作目と言う事で無駄な気負いのようなものが消えたのか、必要以上にヘヴィネスで強烈なパワーでグイグイ圧しまくるアグレッシヴサウンドに僅かな変化が見え、メロスピ風の荘厳なコーラスが飛び出してきたりと初期のようなメロディアスでキャッチーな哀愁のクサメロ要素(お陰で平坦だった歌メロに大きくメリハリが生まれた!)が本作では再び感じられるのが個人的に嬉しい。

元々イタリアンバンドにしてはドライで叙情感の薄めなサウンドだった彼等だが、現在は世界進出を目指してか意図的にイタリアン要素を捨てているのだろうし、タイトでソリッドな鈍色サウンドのストロングスタイルHMの方が世界的には受けがいいのは当然とは言え、やはり初期の彼等を知っている身からすると本作のような仄かな甘味が感じられるメロディだったりキャッチーでフックある歌メロだったりが有る方が断然国内受けは良いだろうから、この路線を是非続けて欲しいものだ。

初期からメンツ流動が激しくサウンドコンセプトさえ変更してきた彼等だが、やっとここに来てヘヴィ・リフがゴリゴリと刻まれ、メタルコア風なソリッドな怒濤のボトムの上でネオクラに弾き倒すギター・ソロが乱舞し、エモっぽかったりUSメタルっぽかったり初期のメロスピ風なキャッチーな歌メロだったりと幅広い歌唱スタイルで熱唱するという、バンドの王道パターンが確固たるレベルに仕上がってきたようである。

しかし、新生レーベルの第一弾アーティストだからか“売り”だと思って気負っているからなのか、やたらと宣伝文句で Andrea Martognelliをスーパーギタリストとアピールするのはどうなんだ、と…

彼等のサウンドを聞いたことがある方なら理解していると思うが、非常にコンパクトに纏まった楽曲の中でバランス重視なソロだったり印象的なメロディを流暢に奏でるプレイに終始している Andrea Martognelliのギタープレイは勿論下手であるわけはないんですが、所謂ギターヒーロー系なバランス度外視な自己主張の強いテクニカルプレイじゃ全くないんだがなぁ…

ギターヒーロー系なモノを期待して彼等のアルバムに手を伸ばす新規ユーザーにとっては、下手すると“騙した”って事になりかねないので過剰なスーパーギタリスト推しは如何なモノかと思うんですが…(汗

とまれ試行錯誤を繰り返しユーロピアン・メロディアスHM要素を隠し味にスラッシュ臭さえ漂わすアメリカン・パワメタ風なドライなヘヴィ・モダンサウンドを構築した彼等の新作は、ユーロ系王道HM好きにも十分アピールする傑作に仕上がっているのは間違いないので、ご興味ある方は是非チェックしてみて下さい!



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# by malilion | 2017-06-25 12:55 | 音楽 | Trackback

蘇った中東変態ゴッタ煮プログバンドSOUL ENEMAが7年ぶりに2ndリリース!

c0072376_16445978.jpgSOUL ENEMA 「Of Clans And Clones And Clowns」'17

以前ここで紹介したイスラエルのキーボード入り5人組バカテク変態バンドの240枚限定プレス(!?)な2ndが7年ぶりにリリースされたので即GET!

長いインターバルの影響か、残念ながら本作はリーダーのキーボーディスト Constantin Glantz(Key、Programming、Vo、Shamisen、Percussion)以外メンバーが一新された新体制で製作されている。

メンツ一新で殆ど別バンド状態だが、スキャットやシャウトも幅広くこなすパワフルな美声を聞かせる美貌のフィメールヴォーカル(英詞)をフロントに据えてジャンル問わずボーダレスに音楽要素を交差させ万華鏡のように変幻自在に移り変わるサウンドをバカテクでもって圧巻のスケールで叩きつけてくる“真にプログレッシヴ”な姿勢に些かの曇りも無く、前作を気に入った方ならば安心して購入して欲しい。

前作同様にヘブライ文化の様々な民族の断片を散りばめたような中近東の影響を漂わす重厚感あるサウンドをベースに、所謂メインストリームのHMに始まってデスメタル、さらに近年のモダングレ系から古典的プログレまで、そこへサイケ、JAZZ、フュージョン、ノイズ、ポップス、フラメンコ、シンフォ等々を加え、オマケに本作では Constantin Glantzが三味線(!?)までプレイし胡散臭いアジアン・エスニックサウンド(w)まで演奏するという、どこまで無節操に際限なく様々な要素をごった煮させたボーダーレスサウンドを複雑に絡み合わせ奇妙にスピーディーに展開させるのかと心配してしまうけれど、しっかりとインテリジェントで精巧な音楽へ纏め上げられた他に類を見ない変態屈折ミクスチャープログレサウンドに興味が湧いたなら是非、彼等のアルバムを聞くべきだ。ホント、驚きがいっぱい(w

エキゾチックな音色が飛び交い、変拍子が乱舞し、中世色やクラシカルなセンスも見せる。
ヘヴィなサウンドに、カンタベリー~ハケット~エマーソン~ポップ~民俗音楽が行き交う。
ヴァイオリン、フルートに加え、中東&地中海楽器も配され、混然一体となった音色の輝きも眩しい。

とは、前作同様お店のバンド紹介の叩き文句だが、本当にこの通りだからタチが悪い(w
言葉を幾百連ねても絶対にこのバンドの美麗で繊細、けれどパワフルでキャッチー、だけどミクスチャーで複雑怪奇なサウンドという奴を上手く説明出来無いのだから。

基本的に前作と同一コンセプトなサウンドではあるが、ヴォーカリストの力量が前任者より上な為か前作以上にヴォーカルスタイルの幅は拡がっていて、キャッチーなポップスのような歌メロから奇妙なアイリッシュ風スキャット、さらに一連の幅広いHMスタイルのパワフルヴォイスを披露するのに加え、半数以上の楽曲でリーダー Constantin Glantzがグロウルなどで歌声でも参加するという前作では見られなかった要素や、前作より若干メタル要素が薄まり、スラッシュHMテイストも消え、代わって重厚なドラマチックさが光る哀愁漂うメロディアスな楽曲が増え、ワールドミュージック要素が強まったなどのバンドサウンドの変化も見られる。

そして、前作もパーカッションをはじめ、アルトサックスやバッキングヴォーカリストが多数ゲストで参加していたが本作はそれ以上のゲスト数で、アコギ、チェロ、フルート、ブズーキ等のプレイヤーが多数参加し、さらに新ベーシストの Michael Rosenfeldがプレイするシタールやヴァイオリンが加わり、地中海から中近東、アジアから中華圏まで、そして雅楽(!?)っぽい和風テイストサウンドまで飛び出してくるという、本当に耳に楽しいアルバムだ。

様々な楽器の音色が飛び交う本作の楽曲ではあるが、全作曲、全歌詞、そしてプロデュースまで出かける文字通り中心人物である Constantin Glantzの繊細で流暢なキーボードワークや、涼やかでさりげなく楽曲に華を添える前作以上にセンス光るプレイも見逃せないポイントと言えましょう。

ただ、ジャケのセンスだけは前作の方が美麗で良かったなぁ…(汗

ともかく他に似てるバンドやサウンドが見当たらない異端極まりない変わり種バンドなのは確かなので、辺境プログレマニアな方やド変態ハイテクプログレが聞きたい方はに是非お薦めです!



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# by malilion | 2017-06-24 16:36 | 音楽 | Trackback

国産HMの牙城 ANTHEMが新譜「ENGRAVED」をリリース!

c0072376_15511866.jpgANTHEM 「Engraved」'17

デビュー30周年を迎える今や日本を代表するベテランHMバンドの通算16作目、再結成以降9作目、森川復帰第2弾作となる新作がリリースされたので即GET!

近年はアニバーサリ-づいたベスト盤や編集盤、そしてLIVE盤などがリリースされていたが、遂に純然たるスタジオ新作の登場だ。

事前情報で本作の半分はギタリスト 清水昭男の手による楽曲が収録されるいう(長く楽曲の殆どをボスであるシバサタンが手がけるワンマン体制からすると一大事!)事が伝えられていたので、ファンならずともその出来映えに俄然注目が集まるだろう問題作だ。

で、一聴して思い出したのは、初めて4th「GYPSY WAYS」を聞いた時の衝撃でした。

パワフルなシャウトをはじめ、パンキッシュな吐き捨て風だったりダーティな濁り声で唸ったりと実に多様なヴォーカルアプローチを見せる森川の歌声が、本作では「GYPSY WAYS」を思わせるような非常にメロディアスで哀愁漂う味わい深い歌唱に終始しているのがその大きな原因と思われる。

総じてエッジの効いたリフと森川のパワフルで熱いVoのコンビネーションによる変わらぬ黄金のANTHEM節が展開されているが、JーPOPグループやジャニーズグループにも楽曲を提供している清水のカラーが大きく作用したのは明らかで、前作でも感じられたがより一層に旧来からの定番カラーであるパワー・メタル然としたアグレッシヴさとソリッドで重く硬質なヘヴィさが薄れ、けれどベテランらしく旧来のファンにもアピールするソリッドナンバーもしっかり収録しつつも男臭くドライヴしながらもキャッチーさも備えたポップ志向の佳曲で隙無く固められた非常にメロディアスな一作と言えるだろう。

更に外部ライター(近年のSABER TIGERの歌詞を手がけている)が初めて歌詞製作(清水も一曲歌詞を書いている)に参加している点も本作が今までのバンドカラーとは違う感触を与える要因となっているのは間違いない。

これは度々シバサタン自ら語っているようにマンネリに陥っている自身のボキャブラリィの枯渇問題にしっかり対応した結果だと思う。

その辺りも影響したのか、歌メロのマンネリには対応出来無かったのか、イマイチ楽曲のメロディに歌詞が乗り切れていないような箇所も見受けられるのは少々気がかりな点だろうか?

「BOUND TO BREAK」や「HUNTING TIME」を超える最高傑作とは言い難いが、ANTHEMファンは当然として、甘味のないゴリゴリなヘヴィサウンドに食傷気味なメタルファンにもお薦め出来る高品質なMH作だ。

そんなこんなな問題をひっくるめて、これだけキャリアを重ねて尚、新たな挑戦を試みているANTHEMは本当に最高に格好いいのです!('(゚∀゚∩



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# by malilion | 2017-06-22 15:43 | 音楽 | Trackback

USAHM? USプログHM? ALDENFIELDデビュー!

c0072376_19260525.jpgALDENFIELD 「Light Of Day」'17

キーボード入り4人組USA産プログレHMバンドのデビュー作をご紹介。

ベテラン・スタジオ&ツアーミュージシャン Jim Morris(G、Vo)と Howard Helm(Key、Vo)を中心に結成されたバンドで、そのサウンドはプログ系と言ってもかなりHR/HM寄りなサウンドで、乱暴に言うと80年代初期アメリカンHMバンドにプログレ好きキーボーディストが参加して主にハモンド系サウンドでプログレ風テイストと流暢でセンス良いテクとカラフルなシンセサウンドでバンドサウンドに華を添えている、と言った軽めなヘヴィサウンドタイプなので、ド直球のシンフォ系やテク押しのモダンUSAプログハード系をお求めの方には余りお薦め出来無い。

北欧HM界隈のみならずポップス界ででも引っ張りダコになってる美声ヴォーカリスト Goran Edmanのローヴォイス時にちょい似た声質の Jim Morrisのヴォーカルスキルはお世辞にも高いとは言えないもののキャッチーな歌メロメインの典型的アメリカン・ハードサウンドには良くマッチしている。
これで歌メロにもう少しフックが有るかヴォーカルスキルが高ければ自主制作盤にしてはA級に迫る完成度のアルバムをリリース出来たのじゃないかとさえ思える惜しい出来だ。
自身ではヴォーカルスキルに自信があってなのかもしれないが、ツイン・ヴォーカルのハモリを所々でフィーチャーするのみで、結果的に人工的で耳触り良い分厚く美麗なヴォーカルハーモニーで欠点を覆い隠すような事をしていない点には好感が持てる。

そしてこのバンドを“只のHMバンド”にしていないシャレオツでセンス良すぎるサウンドの大部分を担っている中心人物の片割れ Howard Helmはカナダ出身ミュージシャンで、70年代後半にはプログレ・バンドZONのメンバー、80年代はREFUGEEというメジャーAORハードバンドと平行してHMバンドMICHAEL FURYにも参加し、90年代はUSAパワーメタルICED EARTHのメンバーとなり近年まで在籍、2006年からはUSAシンフォ・バンド CRYPTIC VISIONへ加入と、かなりのキャリアを誇る猛者だ。

デビュー以来引く手数多な Howard Helmのゲスト参加作はジャンルも数も膨大で、メタルシンガーのソロ作やブラックメタルのEQUINOX、USエピックメタルKAMELOT等々、有名無名問わず実に幅広い作品に多数参加しているベテラン中のベテランのセンス良い仕事ぶりが本作でも遺憾なく発揮されているので、プログレバンドを皮切りにHM畑を渡り歩いてきた猛者のキーボードプレイを楽しむにはもってこいの一枚と言えましょう。



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# by malilion | 2017-06-20 19:18 | 音楽 | Trackback

モダン・ヘヴィ・プログサウンドから一転、優美なアコースティックアレンジ楽曲のみなBESTをGALAHADがリリース!

c0072376_02091120.jpgGALAHAD 「Quiet Storms」'17

初期のイメージを喚想させるケルティックなジャケとタイトルが暗示するように、近年の Karl Groomプロデュースによるヘヴィさが強調されたサウンドから一転、より穏やかで牧歌的なメロウでシンフォニックな側面を意識した楽曲のみで構成され、さらに新曲が収録された編集盤がリリースされたのでGET!

2年前に30周年記念の新録2枚組BEST盤をリリースしたばかりにも関わらず、91年のデビュー作『Noting Is Written』からGALAHAD ACOUSTIC QUINTETの楽曲も含めて12年の最新作『Beyond The Realms Of Euphoria』までの楽曲からチョイスした編集盤がこの時期に再びリリースされたのには驚かされた。

ただ、さすがに只のBESTをリリースする訳もなく、旧作の新録以外に本作の為に書き下ろされたオーケストレーションが響くクラシカルな趣の「Weightless」、Karl Groomがアコギとキーボードで参加した牧歌的な「Willow Way」の2曲の新曲に加え、95年リリースの『Sleepers』再発時のボーナストラックや、以前ここでも紹介した2014年リリースの『Guardian Angel』『Mein Herz Brennt』の2枚のEPに収録された別ヴァージョン&アレンジ曲、さらに John Grantの「Marz (and Beyond)」のカヴァーを収録している。

ゲストにMAGENTAの美声フィメール・ヴォーカリスト Christina Booth、THRESHOLDの Karl Groom、さらに Louise Curtisなるヴァイオリニスト、Sarah Bolterなるリュート、クラリネット、サックス、バッキングヴォーカルを担当するプレイヤーが参加して紡がれる、ピアノやヴァイオリンによるアコースティックなアレンジをなされた楽曲は総じて叙情的で艶やかな輝きを放っており、初期の楽曲で耳を惹かれた儚くも美しい繊細なサウンドを彼等が忘れ去ってしまっていない事が分かって嬉しくなってしまった。

収録されている楽曲の殆どがドラムレスでピアノオンリーの弾き語りやアコギの弾き語り、もしくはストリング・アレンジを施された優美な調べが流れゆく曲ばかりの実に美しいアルバムなのだが、そうなるとどうしてもガブリエル臭のする癖の強い Stuart Nicholsonの歌い方が鼻についてせっかくの美しい楽曲を損なっているように思えて、個人的にはそこだけが気になりましたね。

また、編集盤なのでその変化はまだ判然としないが、本作リリース時点で再びメンバーチェンジがあり、Neil Pepperから Tim Ashtonへベーシストのみがチェンジしている。
どうにもこのバンドは前々からベーシストの座が安定しませんねぇ…(汗

完全な初出新曲はカヴァーを含め3曲しかないものの旧曲も新録で全く新しいアレンジを施されているので、BEST盤と侮って買い逃すと後々で後悔しそうな、そんな美しく穏やかな楽曲が詰まった心癒やされる良編集アルバムであります。



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# by malilion | 2017-06-04 02:03 | 音楽 | Trackback

祝再リイシュー!ABEL GANZのデビュー作が再販!

c0072376_16475881.jpgABEL GANZ 「Gratuitous Flash ~The 2016 Remaster~」'17

80年代ポンプ黎明期から活動を続けるUK産キーボード入り5人組ポンプ・バンドの記念すべきデビュー作が、Remaster&一部Remix(バンドの元メンバー全員がこのリミックス&リマスター作業に参加)、ニュー・アートワークで再リリースされたのでGET!

84年にカセットオンリーでリリースされ、88年にフランスUGUMレーベルから初CD化され、その後レーベル消失も相まって長らく廃盤だったデビュー・アルバムが今回初めて再発された。

キーボーディストの Hew Montgomeryとマルチ・インストルメンタルプレイヤーの Hugh Carterを中心に1980年にバンドは結成され、すぐ Malky McNiven(G)とKen Weir(Ds)が加わり初期ラインナップは固まる。

バンドはグラスゴーのライブシーンでステージを披露するにつれ人気を博し、1982年に3曲入り「The Cottage Session」なるDEMOテープをリリース、その後フロントマンを募集し Cue Alan Reed(ex:TRANCE MACABRE)を迎え入れ、84年に記念すべきファーストアルバム「Gratuitous Flash」をリリースした。

その後、定期的なライブショー、ラジオ・オンエア、そしてラジオ・クライド・ケルヴィングローブ・フェスティバルへの出演と着実にファン・ベースを拡大させていった彼等ですが、Alan Reedの Peter Gabriel直系のスコティッシュ・ヴォイスとライヴパフォーマンスに目をつけた同郷のポンプ・バンドTHE CIRCUS(PALLAS)にフロントマンを引き抜かれてしまう…

このデビュー作は、当時のポンプ・シーンの典型的パターンである“GENESISクローン”と呼ばれるサウンドであり、軽めなシンセの派手なプレイや、アコギとフルートが紡ぐ叙情的なアンサンブル等が明らかにソレだが、甘い歌声で英国的ウェットなメロディをキャッチーに歌い上げようとするヴォーカルや、透明感あるハーモニー、ギターは殆ど聞こえず過剰にキーボードだけが活躍する楽曲構成や、6曲のアルバム中に2曲(殆ど3曲)もインスト曲を収録する Hugh Carterのインストパートへのこだわりなど、シアトリカルな Peter Gabriel(Vo、Flute)のヴォーカルを中心に据え楽曲を展開させるGENESISフォロワー的なスタイルからの脱却を試みている点も伺う事が出来る。

この時点ではバンドはB級ポンプバンドでGENESISフォロワーと呼ばれる事は免れないが、80年代のバンドであるから売れ線を意識したキャッチーなハードポップ要素やニューウェーヴ要素を含むのもポンプ・シーンのお約束なもののサウンドのベースはあくまで70年代プログサウンドで、よりロマンチックで英国調のウェットな叙情感がサウンドからか薫っている所と、さらに仄かに PINK FLOYD的要素がサウンドにある点が他のGENESISフォロワー・ポンプバンド等と一線を画していて、それ故今現在まで彼等は生き残(メンバーの出たり入ったりはあるけど…)れて来たのでは?

元々の風刺画的なカセットジャケデザインは置いておくとして、オリジナルCDのジャケのちょっとミステリアスでもありセクシーさも感じさせる如何にも80年代なイラストもなかなか良いが、キメラが描かれた新しいジャケのファンタジックなイメージの方が上品(ちょっと類型的だけど…)だし、今のバンドのイメージにも合っていると言えるだろう。

c0072376_16482740.jpgボーナストラックは、Alan Reedのソロ「Dancing with Ghosts」'11に収録されていた「Gratuitous Flash」収録曲「Kean On The Job」のソロ・アレンジ版です。

ファンならずともポンプ&シンフォファンには絶対見逃せないアイテムですので、再び廃盤になってしまう前に必ずGETしておきましょう。


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# by malilion | 2017-06-03 16:41 | 音楽 | Trackback

絶対ElefanteのKANSASが好きだったハズ! USA産フュージョンバンドINSIGHT

c0072376_10275049.jpgINSIGHT 「Icon」'94

現在は音楽による医療効果を広める慈善活動等で全世界を巡っているヴァイオリニスト Robert Anthony Aviles(最近は7弦の特注カスタム・エレクトリック・ヴァイオリンを使用)が若かりし頃に活動していたUSAカリフォルニアのバンド INSIGHTの恐らく自主製作デビュー盤をご紹介。

現在は彼のバックバンド(メンツも全然違う)という扱いになってしまっているINSIGHTですが、当初は Robert Anthony Aviles(6弦ヴァイオリン、Key)、Patrick Maybrier(4弦&5弦ベース、Key)、Roger Beall(Ds)からなる3ピースのプログレテイストも薫るメロディアスなフュージョンバンドでした。

本作は基本的に6弦のEヴァイオリンがリードで楽曲を引っ張るメロディアスでテクニカルなインスト曲(なので終始KANSASっぽさが漂っている)が中心なものの、ヴォーカル入りの曲もちゃんとアクセントとして収録されており、元KANSASの John Elefanteを彷彿させる Mike Bordersの甘い歌声が秀逸な叙情感あるポップでキャッチーな80年代中期USAプログレハード風な楽曲が2曲アルバムには納められていて、個人的にはこのヴォーカル入りの楽曲の為だけにでも入手して損は無かったと思える秀作です。

フュージョン系なもののロック的なハードさやワイルドな感触もあるサウンドだし、その上に終始仄かにプログレっぽいテクニカル・サウンドを演奏しているので、シンフォ系や所謂古典的なキーボードの活躍するプログレ系サウンドをお求めの向きにはお薦め出来無いモダンでハードすぎるサウンドだろう。

この後に Violinist Robert Anthony Aviles and Insight、もしくは個人名義でのアルバムを現在までに数枚リリースしている、現在はニューエイジ&ヒーリング系の落ち着いたサウンドを中心にクリエイトするラテン系イケメン・ミュージシャンな扱いになっている模様の Robert Anthony Avilesですが、約25年程前はロック寄りなテクニカル・フュージョン(いや、現在も熱いパッション迸るプレイはしてるけど)をプレイしていたんだ、という貴重な記録と言えましょう。

クラシック、ジャズ、ポップスを巧み融合させたり、ブルースやロック、民族音楽、ニューエイジに至るまでの幅広いジャンルから選曲された楽曲を違和感なく組み合わせてプレイしたり、無関係な曲やテーマを巧みに繋ぎ合わせ、例えばLED ZEPPELINの「聖なる館」から Jean Luc Pontyの曲へメドレーしてみせたりしている彼のLIVEに興味がある方は、最近の彼の活動をチェックしてみるのもいいかもしれませんね。

因みに本作は若気の至り全開の肖像権ガン無視違法デザインなジャケの自主製作盤で、それを気にしてか Robert Anthony Avilesのライブラリ等に現在はジャケの画がないレア盤扱いです(w
今は優等生なイメージの彼も、若い頃ははっちゃけてたんやね(*´ω` *)

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# by malilion | 2017-06-02 10:26 | 音楽 | Trackback

疾走する北欧プログHM CLARITYのデビュー・ミニアルバム!

c0072376_15493176.jpgCLARITY 「The X」'99

北欧フィンランド産キーボード入り4人組プログHMの自主製作デビュー・ミニアルバムをご紹介。

実は、余りこのバンドの仔細は良く分かってません(ゴメン

1stミニの他にデモCDが2枚ある、という事くらいしか音源に関しては不明です。

最初、Deimas(G&Vo)とMikko(Ds)の二人でDECOYなるデュオバンドを1996年に結成し、1998年1月「Ready at Last」なるデモCDをリリースした。

二人はさらにメンツを集めて99年にCLARITYへ改名し、次いで7曲入り1stミニ・デモアルバム「The X」をインターネット販売のみでリリースする。

派手なキーボードプレイがバッチリとフィチャーされた疾走する楽曲に、ハードエッジなギターがリフにリードにと活躍し、各楽器奏者がテクニカルなインタープレイを交差させ、メロディアスな叙情感ある楽曲をドラマティックに盛り上げるパワーメタル寄りのプログHMで、USAのSYMPHONY Xの楽曲をコンパクトに纏めて70年代UK産HRっぽい(北欧バンドだし、やっぱりね)レイドバックさせたちょっと古めな感触もあるサウンド、と言えば想像がつくだろうか?

ただ、バンドの狙い所はなかなか良いし総じて楽曲の出来も良いものの、Deimasが兼任しているヴォーカル・パートがC級クラスの駄目駄目さ加減で、折角の楽曲の格好良さをブチ壊してしまっているのが残念でならない。

格好良く疾走する楽曲の随所でハッとする美メロ(Sammy Poimalaの華麗なキーボードプレイは見事!)で切り返したり、意表をつくリズムチェンジや楽曲展開、そして北欧MH臭プンプンなギターのスリリングなソロパートなどは、巷に溢れる夢劇場症候群フォロワー達と違う明らかなオリジナリティを感じさせ、これでヴォーカルがまともだったなら間違いなく輸入盤店で話題作になっていた事だろう…(つд`)

で、さすがにバンドも自身の弱点を理解していたのか、01年リリースの次なる7曲入りデモCD「Empty X Space」ではゲスト・ヴォーカリストを招いている。

このデモでも音楽の方向性に変化はなく、よりスケールと完成度の増したテクニカルHMサウンドは実にスピーディーで格好良く、二大曲「PartI:Empty Space(3曲)」「PartⅡ:X Revisited(3曲)」+ボートラ1曲という如何にもプログレチックな構成のデモで、よりコンパクトでキャッチー、そしてメロディアスでスリリングなプレイを繰り広げていた。

ただ、残念な事にゲストで招かれたヴォーカリスト Cazy Caprの歌唱力、音域、声質など全てがバンドの楽曲とテクニカルなプレイに釣り合っておらず、C級からB級へレベルが上がった程度の改善しかなされていない…orz

Sammy Poimalaのキーボードがさらに格好良く、優美にして繊細なプレイを繰り広げている点だけ見ても確実に前作を上回っており、もっと上手いヴォーカリストをゲストに招けていれば…と、返す返すも惜しい出来になっている。

その後、Timo Heinonen(Vo ex:Smash)なる専任ヴォーカリストを加入させ、遂にバンドのメンツを固めた彼等は02年に2曲入りデモCD「Lost in Reveries」(現物未確認)を発表したものの以降は何の音源もリリースしていないので、バンドはその後のいづれかの時点で解散したのだろう。

光るモノを持っていた良質なインディ・プログHMバンドだったのに、良いフロントマンに出会えなかった不幸で未来が潰えてしまった、という悲しい一例ですね…その後のバンドメンツの動向は不明です。




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# by malilion | 2017-06-01 15:37 | 音楽 | Trackback

今はその名を忘れられた独産プログHMバンド…LIVITの最終作。

c0072376_00351945.jpgLIVIT 「Unspoken」'96

独のマイナーなキーボード入り5人組プログHMバンドがドイツのインディ・プログレッシヴ・ロックレーベルWMMSに残した最終作2ndをご紹介。

因みにバンド名は、"Live it"と "Livid"という言葉を組み合わせた造語から来ている。

ドイツの中央北にある都市ブラウンシュヴァイクで1989年に Andreas Scheil(G)と Jurgen Schuler(Ds)を中心に結成され、間もなく Thomas Grove(Vo)、Jurgen Wintermeyer(B)、Thomas Lachemund(Key)が合流し、約2年間LIVE活動を続け腕を磨き、地元のバンドコンテストに優勝し、その流れに乗って92年にデビューアルバム「Just In Time」を自主製作リリース。

デビュー作のサウンドは、80年代ポンプ的なサウンドとFATES WARNINGやQUEENSRYCHE等のテクニカルな新進プログHMサウンド(夢劇場のブレイク前夜…)をMIXさせ(ようとし)たサウンドという字面だけ見ると魅力的なサウンドなのだが、MARILLION風の派手なシンセが主導のキャッチーな美旋律が魅力的な楽曲と「Empire」'90 時のQUEENSRYCHE風な叙情的で、より技術的な側面が強く押し出されたシリアスでタイトな楽曲の二つにアルバム収録曲の毛色が遊離してしまい、イマイチ焦点のボヤけた些か古臭い感触(keyのサンプリングが古臭いから?)が音に感じられるアルバムに仕上がってしまう…orz

もし彼等のアルバムデビューが後1年遅れて夢劇場が全世界でブレイクした後だったなら、音域の広いヴォーカリストは表現力豊かで少しシアトリカルな歌唱も披露しつつ、テクニカルで手数の多いシンフォニックなキーボードサウンドはリードにバッキングにと活躍し、印象的でヘヴィなギター・リフや華麗に斬り込むソロパートの数々は実にスリリングで、それらが激しいリズムチェンジを繰り返すボトムと一丸となってコンパクトな楽曲を一層に魅力的で壮大なサウンドへ導いていく、という1stで感じられるプログHM要素だけに焦点を絞りきった完成度の高いアルバムをリリースして、もっと注目されもっと評価されていたんじゃないかなぁ、と今さらながらに思わずにいられません(つд`)



◆◆◆ 閑話休題 ◆◆◆


1995年、LIVITはWMMSと契約を結び、続く2ndでは全世界を席巻する夢劇場症候群の熱にのぼせ雨後の竹の子の如く現れる新プログHMバンド達を横目に、バンドはコンセプトアルバムの製作に取りかかる。

『精神分裂病の重症化によって自殺し、悲劇的に終わった人生』という重々しいテーマ描き出すそのサウンドは、夢劇場ブレイク前から活動していたプライドがギターとキーボードのプレイと音色にポンプ臭さが幾分か残っている点に窺えるものの、総じて夢劇場症候群バンドと同路線のプログHMへサウンドへ焦点が絞り込まれた露骨にヘヴィでダークなサウンドへバンドカラーが様変わりしていた…

シュツットガルト近くのROXANNE Studioで録音されたコンセプトアルバム「Unspoken」は1996年にリリースされた。

夢劇場症候群バンドとの差別化を図るように、バンドはラップやシアトリカルな歌唱も取り入れつつ、ネオ・プログレ風の派手なキーボードサウンドとクラシカルでシンフォニックなシンセサウンドを複雑に組み合わせ、スピーディーでハードエッジなギタープレイと、タイトでヘヴィなリズム隊のプレイが渾然一体となってテクニカルに展開する非常にスリリングで魅力的なサウンドで彩られたアルバムは、明らかに1stを凌ぐ壮大で重厚な楽曲が揃った渾身の一作だったものの、その高い完成度にも関わらず世に溢れる夢劇場フォロワー達のサウンドとの決定的な差別化を計れず終わってしまう。

実際、リリース当時は評論家からは好意的に受け入れられたらしいが、結局バンドはメジャーレーベルと契約も出来ず次第に金銭的に活動が困難になり1999年に解散してしまった。

やはり2ndで選んだテーマが重々しいと言うのもあるし、1stにあったポンプ的な派手さやキャッチーでポップな要素が大幅に減退していたのも明らかで、そういった変節で初期からのファンをも逃してしまったのが致命的だったのかもしれません…

たった2枚のアルバムをインディシーンに残したのみで今となっては殆どその名を知る人の居ない彼等ですが、夢劇場のブレイク前に魅力的な作品をリリースし、もしかしたら新しいプログHMサウンドの流れを生み出していたかもしれぬ優れたバンドの一つだったのは確かですので、興味が湧いたなら是非彼等のアルバムを一度チェックしてみて下さい。



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# by malilion | 2017-05-30 00:29 | 音楽 | Trackback

典型的な90年代初期CYCLOPSカタログ製品の1つ。UK産ポンプWALKING ON ICE。

c0072376_00062232.jpgWALKING ON ICE 「No Margin For Error 」'94

EPILOGUEと一緒に転がり出て来たUKのオブスキュアなキーボード入り5人組ポンプバンドが米CYCLOPSレーベルに残した唯一作をご紹介。

本作前に90年に「Whitehall Warrior」「More Than Heaven」なる2本の4曲入りデモテープ(実物未確認)を残していて、それぞれの収録曲と1st収録曲は重複していない。

残念ながら現在までそのDEMOテープがLP又はCDリリースされたという話は聞かないし、DLリリースされたという話も聞いていない。

サウンドの方はCYCLOPSレーベルの典型的なバンド群と同じく、軽めのシンセを中心に淡い叙情感漂う楽曲が展開するポンプ&ネオプログレ・サウンドで、Steve Mansfield (Vo)の少し怪しさを漂わす歌メロとコーラスを前面に押しだすサウンドは総じて耳障り良いものの特に強烈な個性を放っているわけではなく、Jez Newton(Key)の操るキーボードのシンセサウンドやプレイに幾ばくかMARILLIONっぽさが感じられる程度だろうか。

このバンドがその他のCYCLOPSレーベル・バンドと違う点と言えば、Justin Saban(G)がギターだけでなくマンドリンやティンホイッスル、そしてオーストラリア大陸の先住民アボリジニの金管楽器であるディジュリドゥ(!)も奏でる為か土着的サウンド(ドラムスのChris Pulestonがタブラも奏でる)がちょくちょく顔を出す点と、レゲエ的なリズムアプローチやGENTLE GIANT風の複雑なコーラスワーク(声が良くない…)をチラっと聞かせたりする点だろう。

派手なリズムチェンジや緊張感は皆無で、総じてポンプ系というよりキーボード入り80年代インディHR的な野暮ったいサウンドに近いとも言え、これで Steve Mansfieldがもう少し歌が巧いか、中途半端なシアトリカル風熱唱を止めるか、さらにマンドリンやディジュリドゥ、タブラのプレイ割合を増やしてバナキュラー度を上げていたならば、バンドとして唯一無二の個性を確立出来たかもしれない。

1996年にバンドが解散した後、Andy Faulkner(B)は2000年からUK産ネオプログレ・バンドJUMP(6枚目のアルバムから)にベーシストとして加入し、2005年の10thまで在籍した以外、他のメンツの動向は不明だ。

間違いなく好事家向けアイテムではあるが、マイナーポンプ系も押さえて置きたいマニアックな方ならチェックしてもいいかもしれない。


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# by malilion | 2017-05-29 00:01 | 音楽 | Trackback

フランスのミニMARILLION? ELEPHANT & CASTLEのデビュー作。

c0072376_00150152.jpgELEPHANT & CASTLE 「The Green One」'91

EURHYBIAと一緒に転がりでてきてたフランスのオブスキュアなポンプバンドがマイナーレーベルUGUMに唯一残した自主製作盤をご紹介。

R.P.P. Hennequin(Key)、Don Marques(B)、Avedis(Ds)、Edouard Poujaud(G、GuitarSynthesizer)、そして Steinberger(Vo、Synthesizer)の5人組で、専任キーボーディストがいるにも関わらずシンセを奏でるメンツも2人もいる構成で、これだけ見るとさぞアルバムは分厚い音の壁が築かれている事だろうと思うが、実際は隙間の多いスカスカ気味なサウンドでアルバム録音にはシンセメンツのプレイは殆ど活かされていない。

サウンドの方向性は、柔和なシンセを中心に起伏の激しいリズムチェンジを交えて朗らかに歌い上げる歌メロを中心に据えた80年代中期~90年代初期によく居たGENESIS傍系ポンプバンドの典型的サウンドと言えるだろう。

まぁ、素っ頓狂な声を張り上げる芝居が掛かった Steinbergerのヴォーカルをちょっと聞くだけで、すぐにこのバンドがMACHIAVEL、IQ、ABEL GANZ、そしてMARILLION(と言うかGENESISか)の多大な影響を受けている事が分かるんですけどね(汗

FISHほど灰汁の強くないシアトリカル歌唱を冒頭から全力で朗らかに繰り広げ熱く歌い上げる Steinbergerのヴォーカルの存在感がやたら大きく、余りテクニカルでもなく、ロック的なテンションもパワーも感じられない所謂フォロワー的サウンドをグイグイひっぱっていく所を面白いと思えるかどうかで本作の評価は変わるように思う。

ポンプ系には珍しくアルバムのトータルタイムは約30分ほどとアッサリ目でインストゥルメンタル・パッセージも余り無いが、そんな中でも R.P.P. Hennequinが多種多様なシンセサウンドで果敢に楽曲を盛り上げる所や Edouard Poujaudが少ないながらもハードなリフやメロディアスでコンパクトなソロで楽曲に切り込む所はスリリングな聞き所だ。

90年代フランス・プログレインディーシーンは未だに深い謎に包まれているが、このバンドも御多分に漏れずアルバムデビュー前の活動が一切不明(DEMOテープ等の有無も)で、さらにこのアルバムをリリースした後あっさりとバンドは解散してしまい、R.P.P. Hennequinがその後DIES IRAEなるプログレッシヴ・ジャズバンドを結成した事以外に他のメンツのその後の動向等は一切伝わっていない。

UGUMレーベル自体がマイナーだし既に消失している事から同レーベルからリリースされたバンド群の作品の多くは、一部を除いてグレ系が好きなリスナーでさえ忘却の彼方にあるだろうが、そんな中でも面白いインディ・バンドが人知れず多数存在しているので、興味がある方はちょっと廃盤を探ってみると面白い作品と出会えるかもしれませんよ?




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# by malilion | 2017-05-28 00:10 | 音楽 | Trackback

完成度高いのに無名なのはシンフォ度低めだから?やっぱCYCLOPSレーベル物だから?

c0072376_00261511.jpgEPILOGUE 「Hide」'94

WINGS OF STEELと同じくドラムスがヴォーカリストも兼任するキーボード入り4人組UK産ポンプ・バンドをご紹介。

本作は彼等にとって2ndアルバムで、この前にデビュー作であるカセットオンリー作「Just Killing Time」(実物未確認)を92年に発表している。

残念ながら現在までそのアルバムがLP又はCDリリースされたという話は聞かないし、DLリリースされたという話も聞いていない…orz

イングランドのストーク・オン・トレントをベースに活動していた彼等のサウンドはと言うと、同時代のバンドPENDRAGON、IQ、ILUVATAR、GALAHAD、そして特に大きく初期MARILLIONの影響を感じさせるもののテクニカルなインタープレイは少なく、キラキラしたブライトなシンセサウンドが印象的でキャッチーでポップな歌メロがメインに据えられ英国バンドらしい叙情感あるメロディアスな楽曲がコンパクト(殆ど5分台の曲)に展開していく、90年代中期ネオプログレ&ポンプ系で多く見受けられたポップロック寄りな軽めのポンプサウンドと言える。

ドラムスを兼ねる Shaun Lowe(Ds&Vo)の少しハスキーながら甘い声質でよく伸びる歌声はポップなサウンドによくマッチするだけでなく、ハードなサウンドになると若干濁り声になってガナったりとHR的なアプローチやパワフルさも十分兼ね添えている点は見事だろう。

そしてWINGS OF STEELの紹介でも同じ事を述べたが、兼任故かやはりリズムが単調になりがちだったり、これは録音環境にもよるだろうがボトムのサウンドが総じて軽い為にロック的なパワフルさは希薄なのが残念だ。

ただそんな風にリズムパートの自己主張が薄いのと軽めでコンパクトなバンドサウンドだからこそ、メロディ楽器プレイヤーのリードパートが一際に目立ち、Gareth Evans(G)が弾くMARILLIONの Steve Rothery風ロングトーンの泣きのギターやPINK FLOYD風の煌びやかなリードプレイがじっくり味わえたり、Chris Frost(Key)が奏でるプログレッシヴ風のテクニカルなキーボードプレイやカラフルで魅力的なシンセワークをタップリ楽しめると言うのがなんとも皮肉めいている。

残念ながらバンドは以降音源をリリースしておらず、既に解散してしまっている模様です。

シンフォ度は低めだしテクニカル度も高くはない、ポップさとポンプさを絶妙にブレンドさせたサウンドも特に個性的と言う訳ではありませんが、初期SI MUSICの一連のバンドやJADISに近いブライトで洗練された柔和なメロディを個人的にかなり気に入っていただけに、出来る事なら専任ドラムスを迎え入れて着実に活動を続けて欲しかったバンドではあります。

アルバムラスト曲の後の隠しトラックも実にクラシカルで味わい深いのに、巷の彼等の評価はイマイチなのが悲しい…orz

海外では、LIKE WENDY、SINISTER STREET、GRACE、FINAL CONFFLICT、MARILLION等が好きならお薦め、と紹介されている彼等のサウンドを、軽めなポンプバンドもいけるという方なら是非一度チェックしてみて下さい。



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# by malilion | 2017-05-27 00:19 | 音楽 | Trackback

当時はポンプバンドのポップ化問題はインディ、メジャー問わず世界中に蔓延してたんですよ…

c0072376_01384025.jpgWINGS OF STEEL 「Face The Truth」'95

ポンプ系にしては珍しい専任キーボーディストが居ないオランダ産3ピース・ポンプバンドの最終作をご紹介。

地道にアンダーグランドで長年活動を続けてアルバムデビューを果たすバンドが多いポンプ系には珍しく、彼等の活動期間は非常に短くて、2枚のアルバムと1枚のEP、そしてポンプバンドのコンピアルバム2枚に1曲提供するのみの公式音源しかリリースしていない。

当初からドラムスがヴォーカルを兼任する3ピースバンドとして Peter van de Ven(G&Key)、Roland Kok(B&Key)はオランダの中心部をベースに活動し、最後に Jan van Heumen(Ds&Vo)が加わってバンドラインナップが固まり、92年に「Homesick」で当時ポンプ総本山であったオランダSIレーベルからデビューした。

奇しくも92年というとDREAM THEATERがプログレHM屈指の最高傑作アルバム「Images & Words」をリリースし、以降全世界が夢劇場症候群バンドであふれかえる訳だから彼等のサウンドは当時のリスナーに余計に古臭く聞こえた事でしょうね…(涙

デビュー前はRUSH系のサウンド(DEMOテープのみ存在)だったようだが徐々にポンプ系へ傾倒し、最終作である本作2ndではベースを Roland Kokから Olando Van Swaay(B&Key&Vo)へチェンジし、サウンドも洗練されたAOR&ポップロックへ近づくという、なかなか一筋縄でいかぬサウンドの変化を見せてくれたバンドでした。

そのせいでか海外でも似ているバンドに上げられているサウンドの方向性が遊離していて、NOVEMBER、PTS、RUSH、MARILLION、SPLINTERが好きならお薦め、とか80代前半のようなポップなロックバンドで、POLICEやBAD COMPANY好きにお薦め、なんてレビューまであったりする(汗

そんな訳でこの2ndは初期からのファンにはすこぶる不評なのだが、デビュー作より売れ線に、よりポップでメロディアスに、というのは売り上げ不振に苦しむ(元々、好事家向けニッチ音楽だけど…)当時のポンプ&ネオプログレ界だけでなくロック界全ジャンルも含めて世界共通でよく見る流れなので、このバンドのみを責める事は出来無いでしょう。

ただ、1stの時点で既にポンプ系としては歌メロはかなりポップだし、バンドサウンドのベースはプログレッシヴロック(初期RUSH臭さがそこかしこに!)だが多くの楽曲から既にAORの影響を感じる事が出来るし、本作についてもハードなギターサウンドやリフ、バックのサウンドのグロプレ的なテクニカル要素だったりアレンジやアンサンブルだったりは減っていない、寧ろ増えているくらいなのだが、アコギメインのシンプルで美しい楽曲が増え、さらにヴォーカル・ハーモニーが増えたのと歌メロのキャッチーさが上がった為か“ポップ化”に非常に否定的なグロプレ系ファンに『惰弱になった』と、誤って捉えられてしまっただけのようにも思える。

そもそものバンドサウンドの基本が Peter van de Ven(G&Key)のリフとメロディアスなリードパートで、キーボードはバッキングかごく短時間だけ前面に出てくるだけだし、キーボードがリードパートを奏でる時はオーケストラ・テクスチャーとより派手な動きのあるバンドサウンドの表情と音の厚みを豊かにする活用(地味にセンスがいい!)をされている訳だから、一般的なポンプ系サウンドをこのバンドに求めるのが間違いなのかもしれない。

と、言うかこの2ndの不評は、SIからデビューし、引き続きSIからリリースだったからこその不幸だったようにも今なら思えます…(つд`)

個人的には Jan van Heumenのウェットン系ながらちょいハスキーな甘い声質と、パワフルではないが情熱的に歌い上げるフックあるメロディアスな歌メロはポップさが増したコンパクトな楽曲に実に良くマッチ(Olando Van Swaayとのヴォーカルハーモニーもタップリとフィーチャー!)していて、本作のヒットポテンシャルの高いサウンドを久しぶりに耳にしたが、このまま彼等が堅実に活動を続けてくれていたならばひょっとして今頃メジャーシーンで活躍していたかも…などと思わずにはいられません。

なんて褒めておいて最後に言うのもなんだが、ドラムスがヴォーカルを兼ねている為かリズムパートがどうしても単調だったりパワフルさに欠けて聞こえると言う、A級バンドへ昇格するには大きな障害にして最大の弱点をバンドの構造上デビュー時から抱えていたので活動期間が短かったのもやむなしなのかもしれませんね。

個人的にはこのまま活動を続行し、専任ドラムスを迎えて Jan van Heumenの歌声をメインに据えたポップロックバンド化してくれた方が嬉しかったが、もしかしたらリーダーの Peter van de Venがあくまでポンプ系路線にこだわって、専任キーボーディストを迎え入れて世界中で流行している夢劇場系のインストパート多目なプログHMサウンドへ接近していたかもしれないなぁ、なーんて尽きぬ妄想をしてしまいます…



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# by malilion | 2017-05-26 01:32 | 音楽 | Trackback

プログレ・インディシーンにおいてアメリカは暗黒大陸だけど、ユーロ圏フランス・インディシーンも負けず劣らず暗黒だよね…

c0072376_21100127.jpgEURHYBIA 「Same」'90

ATLANTISと一緒に転がり出てきた90年代初頭に活動していたフランス産Key入り5人組ポンプ・バンドをご紹介。

このバンド、デビュー当時から詳細不明で、分かっている事と言えばギリシア神話の女性像に因んでバンド名が名付けられた事と1990年にフランスのレーベル「UGUM」に唯一作(後にMuseaから再リリースされたが即廃盤)を残すのみで、その後のメンバーの動向など一切不明という謎のバンドだ。

ひょっとしたらデモテープや自主盤シングルが存在しているのかもしれないが、何分フランスのアンダーグラウンドシーンでの事なので今までその存在が確認されてはいない。

ANGE(!)の Francis Deschampsがプロデュースしたこのアルバム、サウンドの方はと言うと、IQ、SAGA、RUSH、PALLAS、初期MARILLION、そしてKANSAS、さら90125YES(これは偶然か…)の影響が色濃く伺え、全体的には同時期のポンプ・ロック群定番な軽めのシンセ中心のメロディアスでファンタジックな世界観が漂う作風(PALLASっぽさが一番強い)で、80年代後期から90年代初頭頃のポンプ、ネオプログレ、シンフォロック好きな方はチェックしても損はないだろう。

Pascal Dattle(G)がテクニカルに奏でるシャープでハードエッジなギターはかなり頑張っているし、如何にもポンプ系という派手なシンセワークを披露する Fabrice Dottel(Key)のキーボードとのアンサンブルは痛快の一言なものの、英詞を歌っているがフランス語訛りやアクセントがある Serge Legall(Vo)がFISHっぽいシアトリカル歌唱を繰り広げているのだがこのヴォーカルがどうにもヘタウマ(ポンプにありがちな問題だ…)で、高らかにシンフォニックに鳴り響くアルバムの完成度の足を引っ張っているのは否めない…('A`)

とは言え、そのボーカルとインストゥルメンタル・パッセージの間で常にバランスのとれたメロディアスな楽曲にはポンプ・バンドが陥り易い助長さは少しも見当たらず、如何にも時代らしいサウンドなものの無駄なくコンパクトに纏め上げられたアルバムは、90年代初頭のシンフォ・インディ作としては出色の出来栄え(褒めすぎ!?)と言ってよいのではないかだろうか?

後は Francis Deschampsの手腕なのだろうが、90年リリース・インディ作とは思えないくらい音が良いアルバムで、今聞いても十分耐えうるサウンドなのは特筆すべき点であるのは間違いない。



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# by malilion | 2017-05-23 21:02 | 音楽 | Trackback

再結成はいつ? US産シンフォ・バンドATLANTIS

c0072376_21553513.jpgATLANTIS 「Same」'97

まだ5月だというのに連日の30度超え猛暑でグデってたら、流氷の涼やかなジャケが目に飛び込んできたのでラックから引っ張り出して聞いておりました…('A`)

カリフォルニア州ロサンゼルス・ベースで活動をしていたUSA産モダン・シンフォ・ロックバンドの自主製作デビュー盤をご紹介。

デビュー時は、キーボーディストの Teknobudd X(別名Jorge Vasquez)とベーシスト Ken Jaquess(この時はVoとGも兼任)、そしてドラムの3人組で、続く2ndでドラムスをチェンジし、さらに専任ヴォーカリストとギタリストを迎えてkey入り5人組バンドになりました。

デビューの後、3年ほどLAで活動を続け自主製作で2ndアルバム「Pray For Rain」も2002年にリリースしたが、その後は各自メンバーが別プロジェクト等に参加するなどして現在までバンドは休止状態のままな模様だ。

海外ではSTYX風のメロディアスなプログ・ポップ要素とDREAM THEATER風のハードでテクニカルな要素がMIXされたバンドと評されているようだが、このデビュー作では軽めなシンセが楽曲の主体になっているのとハードなギターサウンドも聞こえず派手なインタープレイも無い為か、特に80年代後期のUSAプログレハード的な感触が強く聞こえるように思える。

また Ken Jaquessの音域の狭い平坦なヴォーカルはお世辞にも上手いとは言えず、メンバー自身もそれを自覚してかメロディアスなインストパートが主体で、それ故に余計に歌メロのキャッチーさやフックがアルバムに乏しくなり、メンバー曰くモダン・シンフォニックロック作らしいのだが、録音状態と平坦なMIXの悪さも手伝って古典的USプログ・サウンドに近く聞こえ(ぶっちゃけこの時点では退屈なC級ポンプ)るのがちょっと悲しい…

続く2ndでは少なくとも歌えるフロントマンを得てメンツが固まった事で軌道修正がなされ、DREAM THEATERを筆頭にMAGELLAN、CAIRO、SPOCK'S BEARD等の90年代プログHM要素と70年代プログレ要素、特にYES風の複雑なサウンド要素、EL&P風な壮大なサウンド要素、GENESIS風の豪華なオーケストレーション要素等をMIXさせたサウンドへと大幅にバンドサウンドが変貌している……と言ったら褒めすぎか(w

ただ、中心メンバーである Teknobudd Xがこの手のシンフォ系で定番なアナログキーボードにこだわらずシンセや打ち込みを多用した為か所謂プログレ的なキーボード・プレイ要素がかなり弱く、どちらかと言うとモダンなキーボードサウンド主体なHRバンド的でさえあるように聞こえ(だからなのかASIAやGTRっぽく聞こえる時がある)るのを、面白いと感じるかシンフォ系にしては物足りないと感じるかで2ndの評価は分かれるかもしれない。

デビュー作ではキーボードがシンフォ要素の殆どを担っていた訳だが、2ndでは新加入メンツの貢献でクラシックなテクスチャーとメロディアスなトーンを備えたインストゥルメンタルパートの補完が成され、キャッチーな歌メロも加わってヴォーカルパートの起伏が生まれ、さらにベースに専念出来るようになった Ken Jaquessがスクワイア張りな自己主張の強いベースプレイを聴かせたりと、プログHM的な派手で劇的な要素と、EL&Pや夢劇場的なパワフルでテクニカルな要素がチグハグ感なく上手くMIXされたサウンドになったのは、キーボードがプログレ的な派手な主張をせず一歩引いた事で纏まったとも取れるのが面白いと言えば面白いのかも。

まぁ、このバンドのアルバムを聞こうと思われる方がいらっしゃるならば、まずはA級未満な2ndを聞いて自分の好みに合うかチェックするのが間違いないと思います。

そうそう、2ndには“アノ”天才ギタリスト Allan Holdsworth(!)が一曲参加して華麗なソロをプレイしているので、彼のファンはチェックしてもいいかもしれませんね。c0072376_21560588.jpg
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# by malilion | 2017-05-22 21:48 | 音楽 | Trackback

製作者が意図せず生まれた面白い一品、US産プログポップSUSTAINED IN JADE唯一作。


SUSTAINED IN JADE 「Sketching The Perfect View」'02

c0072376_04293137.jpgラック整理してたら面白いアルバムが転がり出てきたので、USAメリーランド州ボルティモアのキーボード入り男女ツイン・ヴォーカル4人組プログ・ポップバンドの唯一作をご紹介。

現在はミュージカルなどで役者としても活躍する Jason Wilson(Vo、B、Key)が“DURAN DURANがプログレを演奏したみたいな”と評されたソロ・プロジェクトバンドEMERALD TIERSを率いていたが、1枚アルバムをリリースした後で製作に参加したメンツとのいざこざが勃発し、結果的にバンド名変更を余儀なくされてしまう。

自信作をリリースしたにも関わらずアクシデントに巻き込まれた彼を再び不幸が襲い、新たに結成したバンドのデビュー・アルバム製作中にフロントマンでもありリーダーでもある Jason Wilsonが病気になり、時間的な問題もあって急遽女性ヴォーカルを迎えてヴォーカルパートの半分を任せる事で完成させた為、本人的には仕上がりに納得がいってない模様なのが本作です。

そんな訳で Jason Wilson的には不満作なのでしょうが、正直な感想を言わせて貰うと Jason Wilsonの少し濁った声質の音域の狭いヴォーカルだけよりも、澄んだ声質の Jennifer Garrett嬢を迎えた事によって美しいフィメールヴォーカルだけの楽曲や男女ツインヴォーカルによる優美なヴォーカルハーモニーがアルバムにはタップリと収録され、結果的には完成度も華やかさも上がった一作になった事は否めない……と、言うか寧ろ男女ツインヴォーカルでなかったらこのアルバム即中古へ売り飛ばしていたと思う(汗

サウンド的には軽めのプログレ・メタルっぽく、シンフォ系と言うよりポンプ系な軽めなシンセが心地よくバッキングで盛り立て、要所要所でハードエッヂなギターが噎び泣きつつ、堅実なリズム隊が土台を築き上げた楽曲の上を、美しいヴォーカルハーモニーでキャッチーに歌い上げる、という歌モノ・サウンドが基本形なので、ハードさやヘヴィさ、そしてシンフォ系やプログレ的なハイテクを求める向き作でないのは確かだろう。

ただ、Jason Wilsonは恐らく意識していなかったのだろうが、そのポップさとハードさの中道路線なサウンドが所謂80年代後期ポンプっぽいサウンドに似て聞こえ、男女ツインヴォーカルの美しいハーモニーやフィメール・ヴォーカル好きなポンプ系ファンに訴求するサウンドとなっているのが面白い。

そこそこハードなフィーリングはあるもののHM程ヘヴィでなく、只のロックンロールと言うには少々テクニカルな事もやっていて、しかもニューウェーブっぽい影響もあるキーボードがかなり頑張っている、そんな各ジャンルからはみ出した異色メロディアスサウンドなのが大変興味深く個人的には気に入っているのですが、その折衷的サウンドが逆に災いしたのか、結果的にどのジャンルのファンにもそっぽ向かれてしまったようですね…

Jason Wilsonが本作を失敗作のように思っている模様なので、もし新たなアルバムが製作されるにしても男女ツインヴォーカルの同一路線は有り得ないというのが少々残念ではあります。



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# by malilion | 2017-05-14 04:19 | 音楽 | Trackback

宇宙飛行士スタシスの冒険第二弾!LONELY ROBOTが2ndをリリース!

c0072376_22010846.jpgLONELY ROBOT 「The Big Dream ~ Special Edition ~」'17

IT BITES、FROST*、ARENA、KINO等での活躍のみならず、グレ系大御所のツアーサポート、レコーディングエンジニアやプロデューサーとしてアルバム製作に関わるなど、'90年代以降のUKプログレッシヴシーンで大活躍する英国マルチ・ミュージシャン John Mitchell(Vo,G,B,Key)によるプロジェクト作の2ndアルバムが2年ぶりにリリースされたのでボートラ3曲追加のデジパック仕様スペシャル・エディションをGET!

前作参加の Nick Beggs(B IONA,LIFESIGNS)の姿は本作には無く、引き続き Craig Blundell(FROST*, PENDRAGON)をドラムに迎えている以外は、ギターを筆頭にベース、チェロ、ケルティック・ハープ、アイリッシュ・ホイッスルまで自身でマルチにプレイし、作詞作曲プロデュースまでも全てを一人で手がける体制がさらに強化されている。

前作は多数のゲストを迎えて製作されていたが、本作はバッキングに Bonita Mckinneyなるフィメール・ヴォーカリストを迎える他はナレーションで Lee Ingleby、それ以外はボーナストラック1曲でTOUCHSTONEの美声女性ヴォーカリスト Kim Seviourが参加しているのみという小編成で製作されているが、前作にも登場した宇宙飛行士の非現実的体験を描いたSF的テーマを持つアルバムを綴るキャッチーかつモダンでメロディアスなサウンドに些かの翳りも無い。

極低温睡眠から目を覚ますと彼は宇宙におらず、代わりに動物の頭を持つ人々がいる森に自分が居る事を知る、と言うような『真夏の夜の夢』風のファンタジックな物語が綴られていく本作は前作同様にコンセプトアルバムではないもののそのテーマは共通しており、それが宇宙飛行士スタシスの冒険なのだそうだ。

本作のサウンドも前作の流れを汲むKINO、IT BITESに通じるハイセンスでシャレオツな歌モノ的メロディック・ロック路線で、相変わらずシンフォニック度は高くない。

壮大でスペィシーな雰囲気を漂わすダークでミステリアスなSEや意味深なナレーションを挟んで“悪夢感”をそこかしこで感じさせつつも、情感豊かな歌メロは相変わらず印象的で、爽やかで耳を惹きつけるキャッチーなメロディーのモダンな楽曲と相まって、実に英国的な湿り気ある叙情感を湛えた調べを優美に紡いでいく様は見事の一言。

プログレ・シーンに身を置くプレイヤーとしては当然なのだが、常にモダンで時代の最先端を意識したサウンドの模索を試みる John MitchellにとってLonely Robotプロジェクトは『ある意味で“休日”のような』と自身が語るように、高度にテクニカルなプレイや革新性など見当たらない非常にリラックスして創られたアルバムではあるが、芸術的野心と抱負の継続的な実現の証であり、進行中の恋愛のように愛着あるプロジェクトなのだそうだ。

John Mitchellと聞いてシンフォ&プログレ系サウンドを求める向きには明らかに向かないものの、キャッチーでファンタジックなゆったり美しいUK産ヴォーカル・アルバムを楽しめる方になら是非お薦めしたい、センチメンタルなメロディが光るコンパクトで完成度の高いアルバムです(*´ω` *)

この宇宙飛行士スタシス・シリーズは三部作を予定しているそうなので、本作に続く三枚目のアルバムが近い将来に届けられるのを待ちたいですね。



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# by malilion | 2017-05-11 21:56 | 音楽 | Trackback

久々のISILDURS BANE新譜はMARILLIONのSteve Hogarthとのコラボ作!('(゚∀゚∩

c0072376_14394203.jpgISILDURS BANE & STEVE HOGARTH 「Colours Not Found In Nature」'17

北欧スウェーデンが誇るプログレ・バンドが14年振りにアルバムをリリース、しかもMARILLIONのフロントマン Steve Hogarth(!)とのコラボ作という話題作を即GET!

ISILDURS BANEは76年結成、84年アルバム・デビューという古株で、当初はGENESIS,YES,GENTLE GIANTやEL&P等のUKプログレ影響下にありつつ非常にパーカッション指向なサウンドだったが、時代を経るにつれ作風は変遷を重ねて Mike Oldfieldっぽいフュージョン風味が増し、近年では他バンドユニットとのコラボ作等を発表するなど、気品ある室内楽とクラシック音楽などの要素も含むコンテンポラリー度の高いサウンドや、フリーフォームなジャズを経て、デジタリーなヴォーカル実験作を発表していた訳だが、待望のこの新作ではフュージョン、ジャズ、クラシック、演劇音楽等を内包した、北欧ならではの柔らかな幻想美を持ちつつダークなテイストも漂わす、幾分(彼らにとって)昔風なサウンドの作品となっている。

現在では二人だけとなったオリジナルメンバーの一人でありリーダーであるキーボーディスト&コンポーザーの Mats Johanssonと Steve Hogarthがコラボレートして作曲された本作は、いつものように複数のキーボーディスト、ギタリストを含むバンドメンツに、ヴァイオリン、ヴィオラ、フルート、クラリネット、トランペット等の管弦楽を交えて紡がれる気品ある楽曲が納められており、緻密で複雑でありながらコンテンポラリー度も高い聴き手のイマジネーションを刺激するサウンドにSteve Hogarthの歌声を全編に渡ってフィーチャーする事によって、叙情派プログレな英国風味と多様な音楽要素を含みつつ北欧シンフォへ昇華させたサウンドを融合させた、老舗バンドならではのセンスが存分に楽しめるファンタジックで美しい一品と言えるだろう('(゚∀゚∩

ここで聞ける Steve Hogarthのロートン主体な歌声はMARILLIONで聞ける歌声より若干の翳りと灰汁を感じさせ、煌びやかで優雅なバンドサウンドに一抹の不安の影を残すような無視出来ぬ違和感となって終始その存在を意識させている。

それがサウンドの方向性や声質は全く違うものの、初期MARILLIONの優美でファンタジックな楽曲の真ん中に決して消えぬ黒い墨のように存在していた(忌々しい)FISHの歪んだ歌声との対比のように思え個人的に面白く感じましたね。

彼等のこれまでの作品では余りヴォ-カルは重視されてこなかった事もあってか、本作の Steve Hogarthの存在感が余りにも大きく、以前の作品と比べて少しバンドサウンドが霞んでいるように思えるのは、ちょっと残念な所でもあります。

典型的なシンフォ作ではありませんし、キャッチーでもないアルバムではありますが、ISILDURS BANEファンは当然買いとして、Steve Hogarthファンは勿論のことMARILLIONファンの方でもSteve Hogarthの新たな一面が垣間見える一作なのは間違いありませんので、是非一度チェックしてみて下さい。


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# by malilion | 2017-05-07 14:33 | 音楽 | Trackback

7年の沈黙を破り、北欧ダーク・シンフォバンドCARPTREEが新譜をリリース!

c0072376_00343547.jpgCARPTREE 「Emerger」'17

北欧スウェーデンでミステリアスなダーク・ファンタジーを紡ぎ続けるシンフォ・デュオの、16年リリースのシングル以来となる(アルバムは7年ぶり)6thがリリースされたのをちょい遅れてGET!

Niclas Flinck(Vo)と Carl Westholm(Key、programming,arrangements&production)の2人を中心に、アルバム毎にゲストを多数招く体制はデビュー以来変わりなく、本作も前作からバックに従えるようになったツイン・フィメールヴォーカルを含むNO FUTURE ORCHESTRA(Dsだけチェンジ)なるバックバンドを再び迎え制作されている。

Carl Westholmが北欧DOOM HMバンドCANDLEMASSや別働プロジェクトJUPITER SOCIETYでも活躍している関係でCANDLEMASS、JUPITER SOCIETY人脈で構成されたNO FUTURE ORCHESTRAの力量が反映したのか、従来のメランコリックで淡いタッチだった北欧ダーク・シンフォサウンドにヘヴィさとダイナミズムのHR的要素が加味され、美しさとパワーを兼ね備えた一段上のレベルへ駆け上がった前作「Nymf」'10の流れを汲む劇的なダーク・シンフォロックを本作でも展開していて聞き応え十分だ。

GENESIS直系のシアトリカルなヴォーカルをはじめ、重くウネるアナログ・シンセによる重厚なキーボード・オーケストレイションを中核としたアナログ楽器やアナログ機材にこだわった創りの、ウェットでダークな叙情感渦巻く北欧シンフォニック・ロックな方向性に変化はなく、加えてこれまで以上に男女混声コーラスが効果的にフィーチャーされた重厚な作風はどこかサントラのようなスケールの大きさと深み、そして仄かにロマンチックさを感じさせる視覚的サウンドに仕上がっている。

初期GENESISをベースに、中~後期のPINK FLOYD風味も合わせつつモダンHR的な攻撃性も兼ね備えた、よりダークでよりヘヴィな、どこか病的な鬱屈したものを感じさせる妖しくウネる冷ややかな寂寞さ漂う演劇的サウンドは例えようもなくドラマチックで美しく、その耽美なミステリアスサウンドは静と動のコントラストが前作以上に鮮やかに描き出されていて、文句なしに彼等の最高傑作と言えるでしょう。

特にテクニカルではないものの、その唯一無二の個性的な北欧ダーク・シンフォサウンドは非常に存在感があり、モノマネばかりなオリジナリティ欠如の古典プログレ焼き直しバンドに飽き飽きしているグロプレ通な方にこそ、是非お薦めしたい一品です。



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# by malilion | 2017-05-06 00:27 | 音楽 | Trackback

実は解散したと思ってました…PRIDE OF LIONSの新譜('(゚∀゚∩

c0072376_10412248.jpgPRIDE OF LIONS 「Fearless」'17

USAメロハーの重鎮 Jim Peterik(Key、G,Vo)と Toby Hitchcock(Vo)の双頭メロハー・プロジェクトが今年初頭にリリースしていた、4年ぶりとなる6th(LIVE含む)を遅ればせながらご紹介。

実は、まんま同一路線のメロハー・プロジェクトである JIM PETERIK & MARC SCHERERのデビューとそのアルバムの出来が余りに素晴らしかったので、PRIDE OF LIONSは解散したと思っておりました(汗

まぁ、今となっては80年代風オールドスタイル路線はJIM PETERIK & MARC SCHERERで、よりモダンで実験的な試みはPRIDE OF LIONSで発表、という風に Jim Peterikの中では二つの似通ったメロハー・プロジェクトを区別するようにしているのでしょう。きっと。

少し遅れて本作を購入した訳ですが、どうも従来のストレートな80年代産業ロックモダン化メロハー路線から徐々に音楽性の幅を広げた作風へ移行している事が巷では受けが宜しくないようですが、個人的にはKANSAS+ELOってな感じのヴァイオリンをフィーチャーした爽快ポップチューンなオープニング曲や、 Jim Peterik作の曲で初めて耳にしたようなゴリゴリヘヴィでスピーディーな楽曲やリードギターをバランス無視で弾き倒す楽曲、そしてプロジェクトのコンセプトを重視したのかツインヴォーカルを偏重した楽曲等が飛び出してきて、個人的には新鮮な驚きを感じさせてくれるこの新譜、とてもいい出来だと思うのですけどね…

上記のような今までのイメージから大きく逸脱する楽曲も納めつつ、総合的には Toby Hitchcockの上から下まで力強く伸びる研ぎ澄まされたハイトーン・ヴォイスをタップリとフィーチャーした、いつものキャッチーでフック満載な美旋律を軸にしたコンパクトでブライト感あるメロハー作にまとめあげられている高品質作なので、AOR寄りのメロハー作は完成度は高いけどどれも似たり寄ったりな人工甘味料っぽい楽曲ばかりで退屈だと思っているような方にこそ、是非このひと味違うヒネリがピリリと効いた新譜を聴いて欲しいものです。

JIM PETERIK & MARC SCHERERとの区別化の為か、初期作で散々収録したから意図してソレ系の楽曲を外したのか、デビュー時より哀愁漂うセンチメンタルなメロディの楽曲が減って、USA産ロックに顕著なドライ・サウンドの楽曲が多いように思えるのが個人的には少々残念ではありますが…

賛否両論ある実験作も含めつつ、停滞中のSURVIVORでは聞く事の叶わないメロハー職人 Jim Peterikの見事な手腕が発揮された極上のメロディアス・ロック作品に仕上がっているのは間違いないので、メロハー・ファンならば迷わずGETしておきましょう!


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# by malilion | 2017-05-05 10:34 | 音楽 | Trackback

初夏にピッタリな爽快サウンド JIM PETERIK & MARC SCHERERのデビュー作を今頃ご紹介。

c0072376_20285128.jpgJIM PETERIK & MARC SCHERER 「Risk Everything」'15

USAメロハーの重鎮 Jim Peterik率いるPRIDE OF LIONSが今年初めに新譜をリリースした訳ですが、そのアルバムに耳を傾けていて本作を購入してたのを思い出し、まだココで未紹介だったので今頃ご紹介をば(汗

2年前の傑作アルバムを何を今さらですが、風清らかな初夏の候にぴったりな爽やでキャッチーなメロディアス・HRサウンドを聞かせてくれる、SURVIVORの中心メンバーであった Jim Peterik(Key、G、Vo)が無名のシンガー Marc Schererと組んだ新プロジェクト、ホントお薦めです('(゚∀゚∩

06年以降、Frankie Sullivan率いるSURVIVORが開店休業状態(R.I.P...Jimi Jamison)な今、モロに後期SURVIVORサウンドを受け継いだと言っても過言ではない、STYXの Dennis De Youngを彷彿させるクリアーな Marc Schererの歌声(5オクターブの音域!)と Jim Peterikの職人芸な絶妙の楽曲アレンジが実に素晴らしい本作は、デビュー作ながらSURVIVORやPRIDE OF LIONSのお株を奪うくらいの完成度を誇っております。

本作にもPRIDE OF LIONSのリードヴォーカリスト Toby Hitchcockがバッキングヴォーカルで参加してその力強い美声を聞かせてくれておりますが、 Marc Schererの艶やかで張りのあるクリアーヴォイスの方が、若干線の細さを感じさせるもののこの手の産業ロック系サウンドにはピッタリの甘い声質で、抜群にアジャストしていると言わざる終えません。

PRIDE OF LIONSは17年発売の新譜で6作目と言う事もあってか、意図的に初期作で聞かせた典型的なメロハー・バンドの作風からはみ出る冒険を試みている分、今さらながら本作の奇をてらわぬドストレートなUSA産業ロック・サウンドの、ブライトでフック満載のキャッチーな80年代サウンドをモダンに進化させたメロハー・サウンドがホント心地よいんですよねぇ~(*´ω` *)

しかし、レコーディングメンバーの殆どがPRIDE OF LIONSのメンバーが起用されているにも関わらず、こちらのプロジェクトのサウンドの方が爽快感が抜群に良いのはどういう事なんでしょうねぇ…(汗

ちょっとPRIDE OF LIONSの先行きが心配になってしまいます…

とまれ Jim Peterikファンのみならずメロハー&産業ロック好きならば確実に押さえておかねばならぬマストアイテムと言えましょう。




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# by malilion | 2017-05-04 20:22 | 音楽 | Trackback

USAメロハー・バンドUNRULY CHILDがアーカイヴBOXセットをリリース!

c0072376_18121105.jpgUNRULY CHILD 「Reigning Frogs - The Box Set Collection」'17

世界の音楽シーンがグランジーの波に呑まれつつあった92年、その造り込まれた煌びやかなUSAメロハー・サウンドでデビューし、80年代王道HR/HMファンに熱い支持を得た彼らが、限定1,000セット(Frontiersリリースなのに…)の6枚組アーカイヴBOXセットをリリースしたので即GET!

2014年にDLオンリーでリリースされたEP「Down The Rabbit Hole」以来、3年ぶりとなる5th「Can't Go Home」を先日リリースしたばかりの彼等が、まさか同じタイミングでアーカイヴ作をリリースするとは完全に予想外でした。

で、そのBOXの内容はと言うと2nd、未発音源集(国内盤未発)、3rd、4th、そしてDL限定EPを収録していて、各アルバムには日本限定ボートラもしっかり収録されている(!)優れものだが、全て既発音源なので旧譜をコンプリートしているような熱心なファンにとっては値段的にも少々手が出しづらいアイテムなのは否めない('A`)

ただ、DLオンリーだったEPのデュプリ盤は本BOXでしか入手出来無いという点と、全アルバム紙ジャケでLP風に紙スリーブにCD(CD表面もLP風)が納められている豪華な装丁という点が気になった方なら手を出しても損はないプレミアムなアイテムだろう。

予想通りとは言え契約の問題等で一番出来のいいデビュー作が未収録な画竜点睛を欠く状態が悔やまれるが、ソレでも『現物』としてEP「Down The Rabbit Hole」を入手出来るチャンスを与えてくれた事は個人的に大変感謝しております。


CD1 - Waiting For The Sun(2nd '99)
01. Heart Run Free
02. Rise Up
03. Why Should I Care
04. Forever
05. Man Inside
06. Do You Ever Think Of Me
07. Still Believe
08. To The Cross
09. Fool Again
10. Live In The Night
11. Waiting For The Sun
12. World Of Difference (Bonus Track)

CD 2 - The Basement Demos(未発音源集 '02)
01. On The Rise
02. Rock Me Down Nasty
03. To Be Your Everything
04. Lay Down Your Arms
05. Is It Over
06. Let's Talk About Love
07. Long Hair Woman
08. Forever
09. Live In The Night
10. Unruly Child
11. Undefeated
12. Down The Road
13. Still Believe
14. The Man Inside
15. Live Without Love
16. True Love

CD 3 - UCIII(3rd '03)
01. Tear Me Down
02. Falling
03. All Around Me
04. Bring Me Home
05. Sleeping Town
06. You See Three
07. Kings Of Tragedy
08. Vertigo
09. Shades Of Love
10. Unruly Child
11. Something
12. Ruby Tuesday (Bonus Track)

CD 4 - Worlds Collide(4th '10)
01. Show Me The Money
02. Insane
03. When We Were Young
04. Tell Another Lie
05. Love Is Blind
06. When Worlds Collide
07. Talk To Me
08. Life Death
09. Read My Mind
10. Neverland
11. Very First Time
12. You Don't Understand
13. Talk To Me (Acoustic Remix Bonus Track)

CD 5 - Down The Rabbit Hole -Side One-(EP '14)
01. This Is Who I Am
02. She Can't See Me
03. Down The Rabbit Hole
04. For All We Know
05. Breaking Hearts
06. Kindred
07. Say I Love You

DVD - The Basement Demos(Studio Session '02)
01. On The Rise (Live Video)
02. When Love Is Gone (Live Video)
03. Wind Me Up (Live Video)
04. Unruly Child Revisited (Interview)
05. Long Hair Woman
06. History Lesson (Interview Incl.Medley:Long Hair Woman,To Be Your Everything,
Is It Over,When Love Is Gone,On The Rise)
07. Forever (Ricky Phillips Studio Session)
08. Buffalo Mics (Ricky Phillips Studio Session)
09. One Note Away (Ricky Phillips Studio Session)
10. Stairway To Drums (Jay Schellen Studio Session)
11. Unruly Child (Tracking - Studio Session)
12. On The Rise 1 (Tracking - Studio Session)
13. Tunnel Of Love (Tracking - Studio Session)
14. Sinking Vocals (The Asylum - Studio Session)

で、デュプリ盤で入手出来たEP「Down The Rabbit Hole」'14を改めて聞いて感じるのは、デビュー作風でも聞けた分厚くキャッチーな80年代中期HM風朗らかコーラスをたっぷりフィーチャーしつつ、再結成してからの時代を鑑みたダークでヘヴィな要素も巧くMIXしたAORにも通じる落ち着いたミッドテンポ中心の楽曲が納められており、1stの頃のような眩い華やかさは無いものの、それでもまずまずの出来映えだったんだな、と。

プロなので成果を求められるのは当然だし、デビュー作が時代のせいで惨敗な売り上げだったせいでか、もうあの1stの煌びやかでキャッチーでメロディアスでフック満載な80年代ブライト・サウンドHMを二度と再現してくれないのが哀しいですね…




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# by malilion | 2017-04-29 17:59 | 音楽 | Trackback

豪州からANUBISが爽やかシンフォ作をリリース!

c0072376_15580569.jpgANUBIS 「The Second Hand」'17

オーストラリアというプログレ&シンフォ系不毛の国からデビューしたkey入りツインG編成でツインVo6人組の、前LIVE作より2年ぶり、スタジオ作としては3年ぶりとなる通算5作目(LIVE含む)をGET!

前作、LIVEとコンセプト作ではないアルバムが続いたが、本作は再び彼等の大好きなコンセプト・アルバム(汗)となっていて、重度の脳傷害で麻痺し、動かぬ自らの体に捕らわれ、企業での成功の無駄を悟り、老いていく、メディアの巨人 James Osbourne Foxの苦悩が描かれた物語となっている。

バランスの概念、消費者へのメディアの影響、偏見とヒステリーが、誰にも利益をもたらさず、人々を分裂させ、政治的な混乱と不安につながると訴える内容で、現在の世界中で巻き起こっている排他的な国民投票、選挙、さらには紛争の結果に影響を及ぼすメディアへの問題提示が、2016年の初めに書かれた歌詞にも関わらず奇しくも今の世界を予見していた、とメンバーは自信ありげだ。

デビュー作こそダークなサントラのような創りだったが、その後のHR寄りなサウンドといい、前LIVE作で再び選任ベーシスト兼ヴォーガリストを迎え入れたり、本作でもバッキングヴォーカリストを多数参加させている点からも、彼等はシンフォ系にしては珍しいくらいLIVEのみならず分厚く爽やかなヴォーカルハーモニーの再現に並々ならぬこだわりを持っているのが分かる。

前スタジオ作ではHR的な圧しの強さが弱まり、如何にもシンフォ系というゆったりセンチメンタルな叙情感と哀愁たっぷりの物悲しくも淡いメロディが同郷のSEBASTIAN HARDIEを思い出させたが、本作はさらにHR風味は薄れてシンフォ系へ傾倒し、1stっぽいSEやナレーションを多用する芝居がかった所謂定番のコンセプト・アルバム・サウンドへ近づいていて、デビュー作以降控え目でフュージョン寄りな音を聞かせていたキーボーディストが再びプログレ・サウンドをこれでもかと聞かせる音の壁を構築して大活躍をしている。

自主作盤と思えぬハイクオリティなサウンドと完成度ながら、HR風な泣きのGと清涼感漂うシンフォニックなKeyの響きに、甘くメロゥでキャッチーな歌メロが乗っかる構成は変わりないものの、前作のユーロ系でもUS系でも北欧系でもない、隠し味的にHR風味もする独特な絶妙のバランス具合がかなり好みだっただけに、一番好みじゃない1stへサウンドが接近したのは予想外だったし、正直いただけない…('A`)

ただキャリアを重ねてきた成果か、爽やかなヴォーカルハーモニーとアコギをバックに切々と甘い歌声を聞かせる楽曲等々、リリカルで透明感あるパートはUS系HRと北欧系シンフォをMIXしてポップでメロディアスにして磨きをかけたような、多種多様な要素が渾然一体となって他で聞く事が出来ぬ彼等だけのサウンドを構築しつつある、その創作意欲の高まりが伝わってきてアルバムを聞いていて実に楽しいです('(゚∀゚∩

ユーロ圏のシンフォのような暑苦しさのないスマートなリリカルさ、北欧系シンフォのような透明感、そしてUSA系シンフォのようなコンパクトさとキャッチーさを保ちつつ、よりスケール感の増したハイブリッド・シンフォサウンドを一度、ご自分の耳でもチェックしてみてはいかがでしょうか?



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# by malilion | 2017-04-27 15:51 | 音楽 | Trackback

独産テクニカル・ミクスチャー・プログHMバンドCRYSTAL BREEDが待望の2ndをリリース!('(゚∀゚∩

c0072376_21334104.jpgCRYSTAL BREED 「Barriers」'17

Uli Jon Roth BAND等で活動する Niklas Turmann(Vo&G)と Corvin Bahn(Vo&Key)を中心にドイツのハノーバーで08年に結成された、ツインVo&キーボード入り独産4人組・プログレ・メタルバンドの待望の2ndが6年ぶりにリリースされたので即GET!

メタルコア系みたいな無愛想でささくれ立ったダーティなイメージのジャケだし、このインターバルでベーシストが Michael Schugardから Nico Deppischへチェンジしているが、音楽性に変化は見られない。

1stで見せたIT BITESやFLOWER KINGS、そしてSPOCK'S BEARD等ばりなテクニカル&タイトなアンサンブルと多彩で分厚いコーラスワークを駆使し、夢劇場風なプログメタル風味も各所でピリリと効かせ、よりポピュラリティの高いキャッチーで疾走感あるフック満載のミクスチャーHMサウンド路線を継承しつつ、新たな試みにも野心的に挑んでいる力作だ。

ミクスチャー系と言うと、下手をすると纏まりのないとっ散らかった散漫な音楽性になりがちだが、ジャージーなハモンドだったり、ハードドライヴィングなギターや、ファンキーなチョッパーベースが暴れまくったり、怒濤の高速ユニゾンを披露したりと、各プレイヤーがテクニカルなプレイを繰り広げても、最終的にキャッチーなメロディアス・サウンドに集約されるヴァラエティ豊かな音楽性がこのバンドの強みだろう。

デビュー作より若干ヘヴィさが増してより骨っぽくシンプルなサウンドに纏まり、シンフォ度とコーラス量が減って合成感があった人工臭も薄れた、ソリッドなヘヴィさとキャッチーな派手さの一見相反する要素を巧みに組み合わせた楽曲の、その絶妙な押し引き加減と怒濤の畳みかけ具合にさらに一段磨きがかかったサウンドは、メジャー・プログ・メタルバンドにも一歩も引けを取っていない堂々の完成度だ。

前作のようなストリングス・カルテットをゲストに招いていないが、それでもヴァイオリンとチェロ奏者はゲストに迎えているので艶やかなストリングの響きも補完しつつ、1stで聞けた繊細さやメランコリックなメロもリリカルなピアノ・ソロやアコギの爪弾きもバッチリ本作でも聞けるものの、よりバランスをヘヴィさに偏らせた本作のサウンドの方が、所謂一般的なプログメタル的サウンドに近いので、シンフォ路線や古典プログレ系好きな方の守備範囲からは大きく外れてしまっているだろうからご注意を。

プログレ系やHM系の情報媒体等で余り注目されにくいサウンドではありますが、その確かなテクニックとポップでキャッチーなミクスチャー系・プログレッシブ・HMサウンドを、是非一度ご自身の耳でチェックして見て下さい!



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# by malilion | 2017-04-18 21:26 | 音楽 | Trackback

復活の狼煙?別れの挨拶? SHOTGUN SYMPHONYがリマスター旧音源アーカイヴ作をリリース!

c0072376_15344127.jpgSHOTGUN SYMPHONY 「The Last Symphony A Retrospective ~Limited Edition~」'17

5人組USA産メロディアスHRバンドが、新曲も一曲含む「Highway To Tomorrow 2010 - Live At Firefest」'11 発表以降、音源リリースの無かったが、やっと音源をリリース(バンドロゴが1st時の!)してくれたので即GET!

世界的時流に逆らってキーボードサウンドを活かしたポップでキャッチーなメロハーサウンドをひっさげ93年にデビューし、ここ日本では歓迎された彼等。

紆余曲折しつつも当初の音楽性を保ち活動を続行したが、やはり世界的な時流には逆らえず惜しくも2002年に解散してしまう。

2010年から再結成して再始動していた彼等が、この度、93年の1st『Shotgun Sumphony』、97年の3rd『On the Line of Fire』、99年の4th『Sea of Desire』をオリジナル・マスターテープからリマスターし、さらに97年の2nd『Forget The Rain』のオープニングトラック「Carousell Of Broken Dreams」をオリジナル・ラインナップ(現在はリユニオンした)でリ・レコーディングした2017年新ヴァージョンも収録した、未発表曲や未発表デモ音源、そしてLIVE音源、アコースティックLIVE音源(頑張ってコーラス再現してる!)等を収録したボーナスディスクを含む4枚組アーカイヴ作を届けてくれた事を、まずは喜びたい。

まぁ、久しぶりの新作が旧作リマスターに蔵出し音源集、しかも全世界500セット限定というのが少々哀しいですけど…(つд`)

というか、こんな風に再発されちゃうと、今度こそ音源総ざらい在庫一掃処分の後、再解散! なーんて流れにならないか心配で…

で、目玉の蔵出し音源ですが、93年時の未発表曲は、まぁボツになったのも納得という可も無く不可も無い出来、と言う楽曲だし、再結成第一弾の新録楽曲選考から漏れたボツ2曲のデモも、同じくボツるのが順当というレベルな出来のメロハー楽曲でした('A`)

純粋な意味での新曲が存在せず、リマスター・アーカイヴ作(微妙に全アルバムじゃないけど…)と捉えると、既に全音源を所有しているファンには手が出し難い好事家向けの一品ではありますが、所謂ヌーメタルでグランジーな味付けをされた2nd曲「Carousell Of Broken Dreams」のマッタリ朗らかヴァージョン(基本的にアレンジや展開は同じ…なんでこの音源を新録?)や、未発表音源や旧作の音が良くなっているポイントに興味がある方ならば購入しても決して後悔する事はないでしょう。

是非ともこのまま活動を続行し、一日も早く音源をリリースしてくれる様にと祈りながら、来たるべき新譜を待ちましょかね……

SHOTGUN SYMPHONY:The Last Symphony

DISC 1: SHOTGUN SYMPHONY
01. Highway to Tomorrow
02. What Happens to Love
03. Way Back Home
04. Turn Around
05. Broken Promises
06. Lost Child
07. She's in Love
08. Running
09. Bitter Sweet Poison
10. Goodbye to the Night

DISC 2: ON THE LINE OF FIRE
01. Generation Clash
02. Tell Me Why
03. On the Line of Fire
04. Hard to Hold Onto
05. Thaw
06. Solitary Zone
07. Into the Vibe
08. What It's Like
09. Salvation
10. This I Know
11. Big Mistake
12. Still The Same.

DISC 3: SEA OF DESIRE
01. Sea of Desire
02. Believe in Me
03. Dancing on Fire
04. S.O.S.
05. Heart of Glass
06. What I Wouldn't Give
07. The Way That You Feel
08. Phases
09. Inside Out
10. Between the Eyes(Eyes of Anger Part II)

DISC 4: THE BONUS TRACKS
01. Carousel Of Broken Dreams(New 2017)
02. Highway To Tomorrow(Live 2010)+
03. Lost Child(Live 2010)#
04. Look Away(Unreleased 1993)#
05. What Happens To Love(Unedited Version 1993)†
06. Running(Song Demo 1992)
07. Turn Around(Live Acoustic 1994)*
08. Broken Promises(Live Acoustic 1994)*
09. Goodbye To The Night(Live Acoustic 1994)*
10. The One(Song Demo 2010)
11. A New Beginning(Song Demo 2010)

#Taken from the “Live from Firefest”
†Taken from the debut CD recording sessions
*Recorded live at the FNAC Paris


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# by malilion | 2017-04-07 15:24 | 音楽 | Trackback